木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年12月03日

歯周病の進行と治療

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

日本人が歯を失う原因のトップは歯周病。歯周病は風邪のように自然に治癒する病気ではありません。放置しておくと歯や歯ぐきを傷めるばかりでなく、さまざまな全身疾患の発症や進行を進めてしまう可能性もあります。
歯周病は、細菌の感染によって炎症が引き起こされる病気です。、進行すると、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまいます。歯と歯肉の境目にプラーク(歯垢)がたまると、多くの細菌が住み着き炎症を起こすのですが、痛みはほとんどの場合ありません。自分では気づきにくいのが特徴です。

思い当たることはありませんか? 歯周病のセルフチェック

  • 口臭が気になる
  • 口の中がネバネバする
  • 歯みがきの際に出血がある
  • 歯と歯の間に物が詰まりやすい
  • 歯が浮いたような気がする
  • 歯並びが変わった気がする
  • 歯がぐらぐらする気がする
  • 歯肉が腫れている
  • 歯肉が下がって歯の露出が多くなった気がする
  • 歯肉を押すと血や膿が出る

ひとつでも該当する項目があれば、歯周病の可能性があります。3つから4つほど該当すれば、中程度まで進行しているかもしれません。実は慢性的にこのような症状があると、それが当たり前になってしまい、健康な状態を思い出せなくなっていることもあるのです。歯科医院で見てもらうのが一番です。該当する項目がなくても、定期検診は続けてください。

歯周病の進行

静かにお口の中と全身を蝕んでいく歯周病。歯周病の進行は、段階によって大きく2つに分けて考えられています。炎症が歯肉だけにある状態を「歯肉炎」といいます。炎症が歯肉から歯槽骨、歯を支える骨や、歯根膜という歯の根と骨の間の薄い膜にまで広がった状態を「歯周炎」といいます。「歯周炎」は進行状態により軽度、中度、重度に分類されます。

健康な歯

歯肉の色は薄いピンク色で、引き締まっています。歯と歯ぐきの間には1〜2mm程度のすき間があります。

歯肉炎

歯垢(プラーク)がたまった状態を放置すると、歯ぐきに炎症が起き、 2~3mmのすき間ができます。歯と歯ぐきの間のすき間にプラークがたまった状態が続くと、歯肉に炎症が起きて腫れてしまいます。歯と歯ぐきの間に2~3mm程度のすき間ができると、歯肉ポケットが形成されます。

軽度歯周炎

歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめます。歯と歯ぐきの境目のすき間が3~5mmと深くなり、歯周ポケットという病的な状態に進行します。歯周ポケットの中に歯ブラシは届かず、プラークや歯石がたまってきます。

中度歯周炎

炎症がさらに拡大し、歯を支える骨も半分近くまで破壊が進み、歯が動揺しはじめます。歯周ポケットも4~7mmとさらに深くなります。

重度歯周炎

歯を支える骨が半分以上破壊され、歯はぐらぐらになります。歯が抜け落ちてしまう場合もあります。

歯周基本治療

歯周病の治療は、まずは原因となる細菌の巣喰う、プラークや歯石を除去することです。歯周病基本治療は、患者さん自身がおこなうセルフ・ケア(ブラッシング)と、歯科医院でおこなう専門的なプロフェッショナル・ケアの二本立てが基本です。まず徹底的に歯や歯の周辺をお掃除し、口腔内の衛生環境を清潔に整えることが、歯周病基本治療です。

プラークコントロール

プラークを除去するプラークコントロールは、患者さまご自身のセルフチェックやセルフケアがとても大切です。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯ぐきの間にプラークがたまらないようにしましょう。歯科医院では専門の機材を使って徹底的におそうじします。

スケーリング・ルートプレーニング

歯周病治療の基本は、歯と歯ぐきのお掃除です。スケーラー呼ばれる先端の尖った器具で、歯の見えている部分のプラークや歯石をとりのぞきます。スケーリング・ルートプレーニングは特殊器具で歯周ポケットの奥までお掃除をし、再びプラーク、歯石が付着しづらいように歯の表面を滑らかにする治療法です。

咬み合わせの調整

歯周病が進行して動揺している歯で噛むとさらに歯と歯ぐきの負担が増すため、その負担を軽くするために咬み合わせの調整を行います。歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えることもあります。

リスク因子をつぶしていく

歯肉炎や軽い歯周病なら歯周基本治療だけで、歯ぐきがひきしまり歯周ポケットが浅くなります。ただ歯周病の危険因子は、生活習慣の中にあるのです。免疫抵抗力を低下させるストレスや、口腔内の衛生を損なう食習慣、喫煙、お口の中に負担のかかる咬み合わせなど、歯周病の原因を一つひとつ取り除く治療全体が歯周基本治療なのです。

歯周外科治療

歯周基本治療だけではプラークをとりのぞくことができず、改善が思わしくない場合は、歯周外科治療を行います。歯周外科治療は大きく分けて2つに分類できます。

フラップ手術

歯ぐきを切り開いて歯の根のまわりをきれいにする外科的な治療です。歯根の先まで目で確認できる状態にして、細菌やプラークなど歯周病の原因となる汚れを徹底的に除去します。手術後、切り開いた個所を縫い合わせ、1週間程度で抜糸となります。

歯周組織再生療法

歯を支えている骨が溶けてしまうところまで歯周病が進行している場合、プラークんオ除去をしても骨を元にもどすことはできません。その場合、歯の周りの組織、歯周組織を再生する治療を選択できることがあります。

  • GTR法
    上顎の口蓋部分の粘膜を移植して歯茎の高さやボリュームを出します。個人差はありますが1ヶ月1mm程度の速さで再生すると言われています。
  • エムドゲイン
    エムドゲインの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)はタンパク質の一種で、歯が生えてくるときに重要な働きをします。治療部分の歯肉を切開し歯根表面のお掃除をして、エムドゲインゲルを塗布して縫合します。数か月から1年程度で歯周組織の再生が見込まれます。

現在の医療では、歯周基本治療により症状の改善が全く見られなかった場合でも、適切な歯周病の外科処置をすることにより歯を抜かずに済むケースもあります。ご自身の大切な歯と全身の健康にかかわることです。あきらめずにご相談ください。

治療後のメインテナンス

歯周病は、治療が完了したとしても油断することはできません。不治の病というわけではないのですが、歯周病を誘発しやすいお口の状態はそのまま残っているわけなのです。プラークをとりのぞき、歯周ポケットが浅くなったとしても、ほとんどは、ほとんどが歯と歯肉がそっと寄り添うような形で治っているのにすぎません。ブラッシングが足りなかったり、メインテナンスを怠るとまたもや細菌が活動しはじめます。歯周ポケット深くなり容易に再発してしまうのです。

PMTC

PMTCとは”Professional Mechanical Tooth Cleanin”の略で、歯科医師・衛生士のような歯科医療のプロフェッショナルが、歯肉のまわり、見えない部分も含めて付着しているプラークを器具とフッ化物入りペーストを用いて除去する方法です。歯周病に罹られた方、虫歯の多い方、たくさんの修復物を入れられた方にはメインテナンス(PMTC)をお勧めしています。

歯周病を再発させないためには、再発を予防するメインテナンスがかかせないのです。3ヶ月に1度ご来院ください。

歯周病は難しい病気ですが、今よりきっとよくなります。木更津きらら歯科では日本歯周病学会認定医、日本口腔外科学会専門医といった各分野に精通した医師や歯科衛生士が在籍しております。あきらめずにご相談ください。お力になれるようがんばります!

中谷 一空

■この記事の監修者

中谷 一空

経歴
  • 福岡歯科大学医科歯科総合病院 歯周病科
  • 福岡歯科大学医科歯科総合病院 口腔インプラント科
修了研修・学会等
  • 日本歯周病学会 認定医
  • 日本口腔インプラント学会 専門医
  • 国際口腔インプラント学会 認定医(ICOI:FELLOW)
  • iACD(国際コンテンポラリー歯科学会)理事 および Diplomate(歯科総合研究指導医)
  • アジアアンチエイジング美容協会 名誉顧問
  • 日本歯科審美学会
  • 日本スポーツ歯科学会
  • 木更津市警察歯科医
  • 海上保安歯科医
  • 東久邇宮国際文化褒賞受賞
  • 臨床研修指導歯科医 東久邇宮国際文化褒賞受賞

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