木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

予防歯科

24年02月18日

歯のトラブルを回避する方法



急に歯が痛くなって歯医者にかけこみ、治療に時間をとられてあわてたことはありませんか? 仕事や家事や子育ての予定がたたなくなり、痛いし忙しいしと情けなくなりますが、急な痛みには原因があります。ご自分のからだを大切にしてあげてください。

■急な痛みの原因

歯痛の原因のほとんどは、むし歯か歯周病です。痛みがでてくるころにはかなり進行してしまっています。痛いと感じる前に、予防しましょう。

*むし歯

痛みを感じるころには、歯はもう損なわれているのだということをご理解ください。

むし歯は、口の中にいる細菌が、私達が食べたり飲んだりする糖分を餌にして作りだした酸によって、歯が溶けた状態のことを言います。専門用語でむし歯のことをカリエス(Caries)と言い、むし歯の進行具合を、頭文字をとってC0~C4までの5段階で表現します。

C0(シーオー)は脱灰といって歯の表面がとけはじめています。痛みは全くありません。フッ素塗布や歯みがき剤の力を借りて、再石灰化を促すという治療で改善されることがあります。

C1はエナメル質(歯の表面)に小さな穴があいた状態です。痛みはありません。再石灰化を促すことで治療できればいいのですが・・・。

C2の段階では、虫歯が象牙質まで浸食し、痛みがでてくることもあるでしょう。むし歯の部分を削って、つめものをしなくてはなりません。

C3の段階では、むし歯は神経に到達し、痛みを感じたり冷たいものが沁みたりします。神経を抜かなければならいことも多いのです。歯科医師はなるべく神経は温存したいのですが、手遅れかもしれません。

C4の段階になると、歯はもう失われているも同然です。エナメル質も象牙質もほとんど残っていない状態です。入れ歯、ブリッジ、インプラントで失われた歯を補うことを考えます。

つまり、痛みを感じるC2の段階で、歯はもう損なわれてしまっているのです。



*歯周病

歯周病は痛みを伴わず、自覚症状が現れた頃にはかなり進行しています。

初期のうちには、歯ぐきが赤くなったり腫れたりしますが、この段階ではほとんど痛みを感じません。さらに進行すると膿が出たり、歯がグラグラするという自覚症状が現れます。最後には歯を抜かなければならなくなるほど骨が溶けてしまいます。

それでも痛みを感じないこともあるのです。

歯周病の原因となるのは、歯に付着したプラークと呼ばれる細菌の固まりです。プラークにはびこっている細菌は、歯みがきが行き届かず残ってしまった食べかすを餌に増殖します。プラークは時間とともに増え続け、酸素を嫌う嫌気性菌が多くなります。



嫌気性菌は身体の中に侵入しようとし、身体は菌をやっつけて侵入を抑えようとします。歯肉がはれたり、赤くなったり出血したりします。歯ぐきから出血が起こるのは、白血球が歯周病菌と戦っている状態だからなんです。これが歯周病のはじまりです。

出血をそのままにしておくと、歯垢は歯周ポケットの中に潜り込み、どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。

この間も、痛みがないんです!

お口の中で、静かに戦いが繰り広げられ、痛みなどの自覚症状が出てきたころには、もう勝負がついてしまっているのかもしれないんです。



■その他の痛みの原因

その他にも、痛みを感じる原因は考えられます。

*知覚過敏

歯の表面のエナメル質が傷ついて象牙質が露出すると、外部からの刺激が伝わりやsyくなります。フッ素などでエナメル質を強化しながら、虫歯が発生・進行しないように注意が必要です。むし歯菌に侵されているわけではないので、むし歯とは違います。知覚過敏で感じる痛みは数秒程度で、持続するむし歯の痛みと異なります。

歯が破損したときにも同じ仕組みで痛みは起こります。むし歯などの歯のトラブルがすでにあり、細菌に感染すると内部に炎症が起きてズキズキと痛むようになります。

*親知らず

親知らずとは、前歯から数えて8番目の奥歯のことです。生えてくるのがとても遅いため、口の中に歯の生えてくるスペースがなく、傾斜したり歯肉の中に埋まったままになったりします。親知らずが原因で感じる痛みは、歯肉をつきやぶって生えてくるときの痛みだったり、プラークがたまって炎症を起こしたりしているときです。むし歯や歯周病のリスクも高く、どちらかといえば抜歯の選択をおすすめすることが多いです。

*歯以外の原因

歯ではないからだのどこか他の場所に原因があって、痛みが生じることがあります。周辺の筋肉の疲労からくる痛み、神経障害を原因とする痛み、偏頭痛や心筋梗塞といった血管性のトラブルが原因となっている痛みなどがあります。鼻のまわりの空洞に炎症が起きても歯の痛みは起こりますし、精神疾患により痛みを感じるというケースもあるのです。

歯が痛いといっても、全身にかかわる病気が関係していることもありますので、注意が必要です。



■急な痛みは、急に起こるわけではない

急な痛みは、急に起こるわけではないとご理解いただけるでしょうか?

むし歯も歯周病も、長い年月をかけて、徐々に進行していきます。例えば、食事などでごく普通に歯にかかる圧力で、突然、歯が折れたり欠けたりすることをご経験された方もいらっしゃると思います。こういったことも、もともとその歯がむし歯などのトラブルを抱えてもろくなっていたというケースが多いんですよ。

■歯のトラブルを回避するために

歯の痛みは、急に起こるものではありません。原因があり、原因をとりのぞくことで予防できるものです。ご自身でできるセルフケアのコツや歯のためによい習慣をご紹介します。

*毎日の歯みがき

ご自身で行うセルフケアは、むし歯や歯周病予防の大きな割合を占めています。歯周病の8割はセルフケアと歯科医院でのケアだけで治ると言われています。

*ケアのためのツールをとりいれる

セルフケアは、正しく行うだけでなく続けることが大切です。セルフケアの質をあげてくれるツールをご紹介します。

  • 自分にあった歯ブラシ
  • 電動歯ブラシ
  • 歯みがきを見直す
  • デンタルフロスと歯間ブラシ

自分にあった歯ブラシや歯みがき剤がわからないときは、当院の歯科衛生士にご相談ください。



*虫歯になりやすい食べ物、飲み物は避ける

むし歯の原因菌は糖質を好みます。糖質を餌にして、むし歯の原因となる酸を吐き出します。 スポーツ飲料や炭水化物、糖分をよく摂取する方は、少し量を減らしてみてください。当院のおすすめ飲料は「水」です。糖質を控えることで、むし歯のリスクを抑えることができます。

*だらだら食いをやめる

食事をして酸性に傾いたお口の中は、唾液の働きによって中性にもどります。ずっとだらだらとなにか食べたり飲んだりしていると、お口の中が中性にもどるひまがなく、酸が歯の表面をとかしてむし歯の原因となってしまいます。食べるときはメリハリをつけましょう。

*寝る前に飲んだり食べたりしない

寝る前は口の中を糖質の含まれていない飲み物で軽く潤すことにとどめましょう。就寝の30分前には歯みがきやフロス、マウスウォッシュを使ってお口のケアを終えましょう。

*歯科定期検診のすすめ

初期のむし歯や歯周病は、自分ではわかりません。ぜひ定期的な医師の診療を受けてください。もしトラブルの芽となるようなところが見つかったら、早いうちに治してしまいましょう。



■予防歯科の重要性

昭和の時代の歯科医療は「修復」が中心でした。現在では、歯科医療はむし歯を治すだけではありませんし、痛くなったらいくところでもありません。歯科医療が、昭和の時代から大きく変わったのは、なによりも「予防」に関する考え方です。歯を失うむし歯や歯周病は、予防していく時代です。

歯科クリニックを、歯が痛くなったら行くところ、というだけではなく、ご自身の歯を守るためのパートナーとお考えください。「痛くなってから」ではなく、「痛くならないため」にそれらを引き起こす原因を無くしていきましょう。


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23年12月19日

歯科医師による口腔検診の必要性

痛くなければ歯医者に行く必要はないと思っていませんか? 歯科医師がお口の中を拝見することで、むし歯や歯周病だけでなく口腔がんの早期発見にもつながります。定期的にお口の中を検査して、悪いところがあれば早く治してしまいましょう。



■歯科医師による口腔検診のメリット

*むし歯・歯周病を早期発見できる

定期検診に行く最も大きなメリットは、歯や歯ぐきの異変をいち早く発見できることです。むし歯や歯周病は、痛みを感じるころには相当に進行してしまっていることが多いのです。

痛みがなくてもむし歯が進行している場合もあります。初期の、歯に穴が開く前の状態なら適切なケアで自然な回復を促すことができます。また、以前、治療した歯がむし歯になると、神経を抜いている場合には痛みは起こらないため、自分では気づきません。

歯科医師の検診で早期に発見できれば、歯を削ることもなく短期間の治療で治すことができるかもしれません。



*以前治療した箇所をメインテナンスできる

定むし歯の治療をして、詰め物や被せ物をしている歯は、トラブルが起きやすいのです。医師の検診では詰め物や被せ物をしている箇所や周辺のトラブルを発見できることがあります。場合によってはレントゲン撮影をして悪いところを明らかにします。



*治療の経過観察ができる

治療の経過を追うというのも重要です。お口の中の環境も患者さまのおからだの状態も日々変わっていきます。むし歯や歯周病の治療後、悪いところがでてきていないか、矯正治療後の歯並びが適切に機能しているか、インプラント、入れ歯といった技工物の機能が損なわれていないか、などの視点で検診を行い、治療後の歯の維持管理に役立てます。

*口腔がんの早期発見

口の中の粘膜にできるがんを「口腔がん」と言います。舌や歯ぐき、頬の内側の粘膜ががんになることがあるんです。口腔がんの発生頻度は、がん全体のなかでは1~3%程度で多くの人がかかるわけではありません。、しかし、あまり知られていないため、発見が遅れると舌やあごの骨を切除しなければならなくなったり、死にいたることもあるのです。しかし、初期のうちに治療すれば、5年生存率は90%以上という報告もされています。

健康なお口の中の粘膜はピンク色ですが、前がん病変という粘膜の病気にかかると白く斑な部分ができたり、赤かったり黒かったりする部分ができたりします。医師による検診では、口腔がんになる可能性のある要素をチェックします。詰め物のまわりや舌のまわりなどに異変が起きていないかを観察します。



*歯のクリーニング

そして最後に、専用の機材を使って歯の表面を歯肉に隠れているところまで徹底的におそうじし、プラークや歯石を除去します。セルフケアだけではどうしても残ってしまうプラークや歯石は、細菌の固まりで、歯周病やむし歯の原因となります。徹底的なクリーニングがお口の健康を守る基本中の基本なのです。

*生涯にかかる医療費を減らせる

お口の中の健康は、全身の健康に大きく関わってきます。例えば歯周病が進行すると、糖尿病や心臓疾患、脳梗塞を引き起こす可能性があります。歯並びがうまく機能せずよく噛むことができないと、脳への刺激が足りなくなり認知症の進行につながるとも言われています。健康な時から定期検診を受けることで、病気のリスクが軽減され、結果的に生涯にわたって必要となる医療費を減らすことにもつながります。

■定期検診におすすめのサイクル

3ヶ月に1回程度の定期検診をおすすめします。むし歯の治療歴のある方、歯がやせてきた大人の方、適切なセルフケアが困難になってくるご高齢者はお口のトラブルが起こりやすくなります。定期検診の重要性をぜひご理解いただきたいと思います。



■口腔内の健康と全身の健康

口腔内の健康は全身の健康と重要な関係があります。口腔内の問題が全体的な健康問題に発展することも少なくありません。

*糖尿病

糖尿病は、『インスリンの作用不足が慢性高血糖の状態をおこし、特有の合併症や動脈硬化を進行させる病気』です。歯周病は「第6の合併症」とも言われており、糖尿病の方は歯周病の進行が著しく早くなるのです。

一方で歯周病に感染し毒素が体内に侵入しやすい状態になっていると、からだが毒素を排除しようとしてインスリンの作用を妨げる悪玉物質を作ってしまうのです。

つまり、歯周病をきちんと治療すると糖尿病が改善することが考えられるんです。歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという報告もされています。当院のSNSの読者様から、「私もそれで血糖値が改善しました!」という喜びのコメントをいただいたこともあるんですよ。

*循環器の病気

歯に付着してプラークを形成する菌は、臓器にも付着します。血管内の細胞に付着したプラークが血管を狭めたり、心臓弁膜症の治療中の方の人工弁や、関節リウマチを治療中の方の人工関節にくっついて細菌の巣となってしまいます。口の中の細菌が、循環器、呼吸器、消化器などに慢性炎症の原因となってしまうことがあるのです。

*感染症

インフルエンザといったウイルスで感染する感染症は、ウイルスが細胞の中にはいりこむことで発症します。ウイルスが細胞の中に入り込むには、細胞をこじあける鍵が必要です。歯周病菌に由来する酵素が、この、ウイルスを細胞の中に侵入させる鍵となってしまうんです。口腔内を清潔にすることで、細胞間の感染が抑えられ、重症化のリスクを軽減できるのではないかという報告がされています。お口の中の健康は、感染症にも関係があるんですね。

*認知症

歯周病菌が、アルツハイマー型認知症の原因となる研究結果が報告されています。2019年に九州大学が発表した研究で、本当にごく最近のことですね。介護の現場では、歯の本数が少なく、よく噛むことができない人ほど認知症の進行が早いと認識されています。お口の中が健康に機能して、自分でよく噛むことができれば、認知症予防にもつながるんですね。



■予防歯科と高齢者の健康

人生が終わりに近づいたとき、要介護の評価が4ないし5と認定される人は130万人ほどいらっしゃいます。「寝たきり」となってすごす方は100万人以上いらっしゃるようです。一方、高福祉・高負担の国で知られるスウェーデンでは、寝たきりのご高齢者はほとんどいらっしゃらないのです。

スウェーデンは予防歯科先進国としても知られ、70代の方でも自分の歯が21本以上残っています。日本人は、70代で残っている歯は平均で16本程度。高齢になったとき、歯の残っている数が多く、お口の中が衛生状態が保たれていることが、その方らしく健康に過ごせる要因のひとつであることは間違いないのです。



■国民皆歯科検診

『経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)』において、日本政府は新しい資本主義の実現に向けた重点投資分野として、「人への投資」を挙げています。この中で、国民皆歯科検診の義務化が検討されています。

定期的な歯科検診を通じて、問題を早期に発見し、適切な治療を受けることは、私たちの健康寿命に直接的に繋がっているのです。

歯科医師による口腔検診は、将来の健康にもつながっています。かかりつけの歯科医院での定期検診を習慣とされることをおすすめいたします。木更津近辺の方は、イオンモール木更津2Fの木更津きらら歯科に、お気軽にご相談ください。


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23年09月30日

てごわい歯石を放置しないでください!

歯石の除去は歯周病治療の第一歩です。石のように固く、歯の周りにこびりついて歯みがきではとれない歯石は、虫歯・口臭などの原因ともなります。てごわい歯石をとりのぞいてお口の健康をとりもどしましょう。


■プラーク(歯垢)と歯石

私たちの口の中では、「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されています。食事によって口腔内が酸性に傾き、歯の表面のエナメル質からカルシウムやリン酸を溶かしてしまう状態が「脱灰」、唾液の成分によって溶け出したカルシウムやリン酸が再び歯にもどって修復を行う働きが「再石灰化」です。

「脱灰」と「再石灰化」が正常に繰り返されていれば、歯の健康は保たれているんですね。

ところが、歯ブラシを上手に使い、歯間ブラシやデンタルフロスを効果的に利用しても、ふだんのセルフケアだけではどうしても少しづつ汚れがたまっていきます。

歯みがきで落としきれなかった食べかすが歯に付着していると、プラーク(歯垢)というネバネバした細菌の温床となり、唾液のカルシウムやミネラルなどの成分によって石のように固まってとれなくなります。プラークは、2日ほどで、歯みがきではとれない石のようなかたまりへと石灰化してしまうんです。これを歯石といいます。

この歯石が大問題なんです。



■歯石の弊害

では歯のまわりに歯石がついてしまうと、どんなよくないことが起こるのか見ていきましょう。

歯周病の原因となる

プラークは細菌の温床です。プラークが歯石になり、歯石があることでさらにプラークが溜まりやすくなります。プラークや歯石を放置していると、口腔内の衛生がどんどん悪くなってしまうのです。

歯石は歯周病の原因菌の住処となり、放置していると、歯周病の進行を誘発します。

こわい歯周病

歯周病が進行すると、歯肉がやせ、歯に動揺が起こるようになり、歯槽骨まで吸収され、重症になると歯が抜け落ちるという事態にまでなってしまいます。

また歯周病は、インスリンの働きを悪くさせ糖尿病を悪化させたり、早産や低体重児出産の原因ともなり、心筋梗塞や脳梗塞という血管の病気にも悪影響を与えます。アルツハイマー病の悪化の引き金となる可能性も報告されています。

歯石を放置しているということは、そんな怖い細菌が、お口の中にたくさん溜ってしまうということなんです。

歯周病はサイレントキラーと呼ばれ、初期の段階では痛みなどの自覚症状がありません。ですから歯石と関係あるのかピンとこないかもしれませんが、歯周病の治療は歯石の除去からはじまるのです。

口臭の原因となる

健康な歯の表面のエナメル質はつるつるしています。ところが歯石の表面はザラザラしているため、お口の中の細菌やプラークが付着しやすいのです。プラークは、発酵して口臭の元となるガスを発生させます。お口の中が、卵や玉ねぎの腐ったような不快な臭いがする、口臭が気になると思ったら、クリーニングが必要です。

頑固な汚れとなる

歯石やステイン、タバコのヤニといった頑固な汚れは、歯科医院で専用の道具を使ってクリーニングをしないと、取ることができません。 また歯みがきも、ご自身でされる口腔清掃だけではお口の中の隅々までしっかり行うことは難しく、歯と歯の間など、プラークが残りやすくなります。 特に歯並びが良くない方は要注意です。



■歯石の付きやすい場所

歯石のつきやすい場所というのがあるんですよ。歯みがきの際に意識してみてください。

下の前歯の後ろ側

ここ、鏡で見てもわかるので目立ちますよね。下の前歯の裏側には、唾液がでるところがあり、この場所に食べかすが変化したプラーク(歯垢)がついていると、唾液の成分で石灰化し、歯石となりやすいのです。歯医者さんでクリーニングした直後には歯に挟まっているようなものがなくすっきりさっぱりだったのに、しばらくたつと、「あれ、隙間がなくなっている・・・?」という経験はありませんか? それ、歯石がくっついているんですよ。

上の奥歯の表側

上の奥歯は、外側、表側のほうが歯石がつきやすいのです。唾液のでるところがここにあるんです。歯ブラシが届きにくく、磨き残して食べかすが残りやすいため、歯石ができる条件がそろってしまうのです。歯ブラシが歯の表面や歯と歯のすきま、歯と歯ぐきの境目にさわっているか、意識してみてください。



■白い歯石と黒い歯石

実は歯石にも異なる種類があり、歯石となってしまう仕組みも異なります。お口の中はとても複雑で繊細なんです。

白い歯石

歯ぐきより上の、目で見える場所にできた歯石は、唾液の成分によって石灰化しています。歯の表面のつるつるしたエナメル質の上に付着しており、比較的除去しやすいことが多いです。

黒い歯石

歯ぐきより下にできた歯石は、歯と歯ぐきのあいだから浸み出てくる歯肉溝浸出液の成分によって石灰化しています。歯肉溝浸出液は、歯と歯ぐきのあいだ、歯肉溝を清掃する働きを持っている、唾液とは異なる体液です。褐色や黒っぽい色をしており、歯ぐきの中にこびりついているため、除去するのが困難です。



■歯石のできやすい人

歯石にはできやすい人とできにくい人があります。いったいどういうことなんでしょうか?

歯石は、唾液に含まれているミネラル成分と歯垢が結びついて石灰化してできます。

食事でお口の中が酸性に傾き、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出す脱灰がおきると、唾液に含まれるミネラル成分が修復してくれる再石灰化という作用が起きるのですが、この再石灰化を促す作用は、歯垢の石灰化も促進させてしまうのです。ということは、再石灰化がうまくいってむし歯の少ない人は、歯石もできやすいということになってしまうんです。

歯石のできやすい人には2つのことが考えられます。ひとつは体質的に、唾液がさらさらとしてアルカリ性に傾いている場合。むし歯になりにくい面もあります。もうひとつは、歯みがきがうまくいっておらず、歯垢がたまっている場合です。

逆に、唾液が酸性に傾いている方は石灰化がおきにくく、どちらかといえば歯石がつきにくい一方で、むし歯になりやすかったりもします。なかなかうまくいかないものですね。

歯石がたまりやすい方は、むし歯になりにくい反面、プラークがたまりやすく歯周病のリスクが高くなるということでもありますね。むし歯がなくても、歯科定期検診で定期的に歯のおそうじをして、歯石があればそれを除去するのはとても大切なことですよ。



■歯石の除去を何回かに分けて行う場合

歯医者で歯石をとるために何度も通わなくてはならなくなったことはありませんか? これは歯ぐきを守るために、保険診療上のルールで決められているのです。

歯石が多かったり、歯ぐきの中の深い所にまでついている場合、一度に除去しようとすると、歯ぐきに腫れや痛みが出てしまう可能性があります。そのため、数回に分けて行わなければならないというルールがあるのです。

歯ぐきより上の部分についている歯石とりは上の歯と下の歯で分けて行う、歯肉に覆われて外からは見えない場所の歯にこびりついた歯石をとりのぞくには、上下左右と6つのパーツにわけて、順番に行うといったように決められているのです。全ての歯石とりを一度で行うことはできません。

歯石がたくさんついてしまっているということは歯周病も進行しています。歯周病治療のために何度も通わなくてはならないのは、そういうわけなんです。



■歯石の予防

歯石を予防するためには、歯磨きをしっかり行うことが大切です。 歯ブラシで歯垢を除去することで、歯石が付きにくくなります。 また、歯磨きだけでなく、フロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間の汚れも取り除くようにしましょう。

こうして丁寧にセルフケアを行っていても、歯の汚れはどうしても蓄積していき歯石に変化していきます。歯石は毎日の歯みがきでは除去することはできず、新たにむし歯や歯周病を引き起こします。

3ヶ月に1回程度、定期検診でチェックをしましょう。歯石がついているとわかれば、歯石を除去する治療を行います。

お口の中ではとても複雑ないろいろなことが起こっています。お口や全身の健康を守るために、歯科定期検診をご利用いただき、定期的な歯のおそうじをしていただくことをおすすめいたします。


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23年09月20日

プロによる歯のクリーニング、PMTC (Professional Mechanical Tooth Cleaning)をおすすめします

PMTCとはプロの歯科衛生士による歯のおそうじのことを言います。毎日セルフケアをしていても、どうしても残ってしまう歯の汚れを専用の機器できれいにクリーニングするのです。歯の表面のバイオフィルムを除去・清掃してむし歯や歯周病を予防します。


■PMTCとは

Professional Mechanical Tooth Cleaningを略した言葉です。

P (Professional):プロフェッショナルの歯科医師・歯科衛生士による
M(Mechanical):専用の機器をつかった
T(Tooth):歯の
C(Cleaning):おそうじ

という意味です。毎日の歯みがきでも落としきれない部分や、歯ブラシの届かない歯周ポケット(歯と歯肉の間のみぞ)の中の汚れを取り除きます。歯の1本1本を丁寧に磨くため、歯の表面がつるつるになり、汚れが付着しにくくなります。歯石を取るような治療ではなく、エステのような感覚の心地よい刺激の範囲で行なわれます。気持ちよくて、うとうとされる患者さまもいらっしゃいますよ。



■こんな方におすすめします

PMTCはこんな方におすすめします。

  • 歯の表面をつるつるにしてお口の中をさわやかにしたい方
  • 歯の着色汚れを定期的にきれいにしたい方
  • むし歯ができやすい方
  • むし歯や歯周病を予防したい方
  • 歯周病の治療が終わった方
  • かぶせ物やブリッジをされている方
  • ホワイトニングをされた方
  • インプラントを長持ちさせたい方
  • 口臭が気になる方
  • お口の中のネバネバ感が気になる方

歯のおそうじには何段階かありますが、PMTCは、歯のまわりについたプラークが歯石になってしまう前に、汚れを落としてしまうものです。プロによるこのメインテナンスにより、着色汚れや歯の表面のざらざら感をとりのぞき、歯周病やむし歯を予防することができます。



■PMTCの効果

PMTCには、次のような効果があります。

むし歯・歯周病を予防できます

クリーニングにより、むし歯の原因となるプラーク(歯垢)やイオフィルムを除去します。また、歯の表面がつるつるになることでプラークがつきにくくなります。PMTCは虫歯の原因となる汚れもすっきり落とせるため、定期的に行うことで虫歯予防につながります。PMTCでは、歯ブラシの届かない歯肉の内側にあるプラーク・バイオフィルムまで除去することができるため、歯周病や歯肉炎を防ぐことができます。定期的にPMTCを行うこと歯肉が引き締まり、予防にもつながります。

*バイオフィルム

「バイオフィルム」とは、プラークが膜のようになった状態のことを指します。排水溝のぬめりのようなもので、増殖した細菌が身を守るために作る集合体です。お口の中の健康を考えると、バイオフィルムはなかなか手ごわい難敵です。細菌が固まりとなっているため、からだの免疫が働きにくく、薬剤も効果があがりにくいのです。歯みがきで除去することが困難で、歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットにこびりつき、歯周病の直接の原因となります。



着色汚れの除去

PMTCでは、歯の表面を磨きあげてつるつるに仕上げていきます。そのため、歯みがきだけではなかなか落ちない茶しぶやタバコのヤニ、食物による着色汚れをとりのぞいて、本来の白さを取り戻すことができます。また、歯の表面を磨くことで、汚れ自体がつきにくくなります。歯本来の色味は変わりません。

*PMTCとホワイトニング

歯の表面にタバコのヤニや茶しぶといったなどが付着して表面が黄ばんで見える場合はPMTCというクリーニンが効果をあげることができます。歯の内側の色が濃くなり黄ばんで見える場合は薬剤を使用したホワイトニングが向いています。歯をもっと白く美しくしたいなら、クリーニング後のホワイトニングをおすすめします。

歯質が丈夫になります

PMTCで歯を磨きあげる際には、歯と同じ成分を配合したペーストを使用し、歯の凸凹を埋め、汚れをつきにくくしたうえで再石灰化を促します。仕上げにはフッ素塗布を行い、歯のエナメル質を強化します。濃度のフッ素で歯をコーティングするため、歯質を強化することができます。

*フッ素塗布

フッ素塗布は、効果的なむし歯予防法です。予防歯科先進国である欧米では、年齢を問わず広く行われています。フッ素コートは歯を酸から守り、食事で歯から溶けだしたカルシウムやリンを歯に戻して修復します。これを再石灰化といいます。またプラークを住処とする細菌から酸が生み出されるのを抑制する作用もあります。

口臭を改善します

口臭が気になる方は、PMTCで改善されるかもしれませんよ。口臭の原因としては、内科的なことも考えられますし、唾液の分泌が少なかったり、自然なからだの匂いなのにマスク生活で気になって仕方がない・・・ という場合もあると思います。ただ多くの場合、治療を必要とする口臭は、むし歯や歯周病、お口の中の汚れが原因であるようなんです。歯周ポケットや歯ブラシの届きにくい場所にこびりついた食べかすやプラーク、バイオフィルムは、細菌の住処となっており、タンパク質成分を分解するため口臭の元となる物質が発生して生ゴミのようなにおいを発してしまうのです。お口の汚れが口臭の原因であるなら、PMTCで改善が期待できます。

■クリーニング後の注意

PMTCでは、フッ素を塗布しますので、施術後30分間は飲食を避けてください。またPMTC直後の歯の表面は、エナメル質を覆う膜「ペリクル」が剥がれた状態です。ペリクルは、「酸」から歯を守るといった作用があるのですが、色素をくっつけてしまうという働きもあります。 コーヒー、緑茶、赤ワイン、カレー、チョコレートなどの色が濃い食べ物、飲み物は着色の原因となります。クリーニングから24時間以内はできるだけ色素の濃い飲食物を控えましょう。

■PMTCの頻度

3~4ヶ月に1回、定期検診の際にPMTCを行うことをお勧めします。PMTCで徹底的にお掃除すると、お口の中のむし歯原因菌や歯周病原因菌は減少しますが、その日からまただんだん増えてくるのです。むし歯や歯周病のリスクが予想されるほど増えてくるのが、3ヶ月後くらいというわけなんです。歯周ポケットが深かったり、むし歯になりやすい、ぐらぐらする歯が何本もある、喫煙習慣があるというような、歯周病やむし歯のリスクの高い方は1~2か月に1度くらい診療させていただきたいところです。



■PMTCと歯石取り

歯石の除去は、PMTCから一歩踏み込んだ歯周病治療の一環として行われることが多くあります。歯石は、プラークに唾液に含まれるカルシウムなどが結び付いて石状になった物です。表面は凸凹しており、小さな穴が無数に開いているため、歯周病菌の温床となってしまいます。また、歯石が歯周ポケット内にできると歯周病の進行は加速します。歯石のせいで歯ブラシが届かなくなり、虫歯の原因になったりもするのです。歯石除去は歯周病や歯肉炎の治療の一環として行われるため、保険診療の範囲の施術となります。PMTCは予防を目的とした診療なので、現状では保険が適用されない自由診療となります。



歯石ができる前に、歯をお掃除してメインテナンスする、それがPMTCです。定期検診に来院いただき、PMTCを定期的に受けていただくことは、歯周病やむし歯の早期発見にもつながります。さわやかできれいなお口を維持していきましょう!


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23年08月31日

歯もからだも強くする! 気持ちのいい生活習慣

むし歯や歯周病は、生活習慣病です! と言い切りたくなってしまうくらい、生活習慣はお口の中の健康に大きく影響しています。その点では、糖尿病や高血圧と似ているかもしれません。逆にいえば、生活習慣の見直すことによって、予防できる病気なんですよ。今日は、歯によい生活習慣をお話します。歯によい習慣は、実は全身の健康にも関係が深いというここもぜひ知っていただきたいと思います。

■ストップ! だらだら食い

だらだら間食をとるのを、ちょっとストップしてみませんか。ここでお口の中でなにが起こっているかお話しましょう。



脱灰

お口の中は、通常、「中性」に保たれています。食事をすると、お口の中のむし歯原因菌(ミュータンス菌)が、糖質を餌として酸を作り出します。この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。この状態が長く続くと、むし歯の原因になります。これを脱灰と言います。

再石灰化

お口の中が健康なら、脱灰の状態は長くは続きません。ここで活躍するのは「唾液」です。唾液は、むし歯菌の作り出した酸を中和してくれる働きがあるんです。そればかりでなく、歯の表面についた酸を洗い流し、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す「再石灰化」を働きかけます。すると、約20分から1時間かけて、お口の中は徐々に中性へ戻っていきます。

つまり、間食や甘いジュースを控えると、お口の中が中性にもどる時間ができるため、お口の中の健康が保たれるというわけなんです。

間食を控えると、ダイエットに効果がある場合もありますし、腸内環境が整うといったメリットもあります。メリハリをつけた食生活で食事をおいしくいただきましょう。

■糖分はほどほどに

糖分がむし歯菌(ミュータンス菌)のエサとなることをご理解いただけたでしょうか。砂糖入りの飲み物を1日に何度も飲む習慣がある方は要注意です。口あたりのいい飲み物には多くの砂糖が含まれているのです。写真は市販の飲料に含まれる炭水化物を角砂糖におきかえて視覚化したものです。驚くほど砂糖が多く含まれていますね。


ちなみに木更津きらら歯科では、ふだんの飲み物は水を推奨いたします! 砂糖入りの飴やガムなどを食べることが多い、という人もちょっと見直してみてください。おいしいスイーツを我慢する必要はありません。ここでもメリハリが大切ですね!

■よく噛んで食べる、噛み応えのあるものを食べる

現代人はやわらかい食べ物を好みます。1回の食事で600回しか噛まないそうですよ。昭和の初期には1回の食事に1420回噛んだそうですから、そのころから比べても半分以下ですね。※ ところが、よく噛んで食べることにはいろいろな効用があるのです。

※引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書


消化によい

これはすぐご想像がつくでしょう。食べ物を細かく嚙み砕き、また唾液中の消化酵素が活発に働くので、胃腸の負担が軽くなり消化によいのです。

むし歯予防になる

よく噛んで食べると唾液の分泌が盛んになります。唾液のパワーは偉大です。抗菌作用があり、むし歯や歯周病、口臭予防につながります。酸性に傾いたお口の中を中性にもどし、歯の表面から溶けだしたカルシウムやリンを補ってくれます。

お口のまわりの筋肉が発達する

食べ物を飲み込むときにはお口のまわりの様々な筋肉が複雑に動いています。よく噛んで食べることは、お口のまわりの筋肉を鍛え、年をとっても自分の力でおいしく食べて飲み込むことができるでしょう。また言葉の発音が明瞭になり、表情が豊かになるという効果もあるんですよ。

■寝る前に食べない


睡眠中は、唾液の分泌が大幅に減少します。歯を守る大切な働きをする唾液の効果が少なくなるのです。歯みがきでも100%汚れをとりきるということはできないわけですから、寝る直前になにか食べるのはやめましょう。寝落ちなんてもっての他です!

■食べたら磨く


お口の中の健康にとっては、食事のあとに、お口の中に食べカスが残っているのが大問題なのです。お口の中の食べかすは、むし歯菌(ミュータンス菌)の餌となります。むし歯菌は、歯の表面のエナメルを溶かす酸を作り出します。歯の健康のためには、第一に食べカスを取り除くことが重要です。食後すぐに歯みがきをすれば、汚れも落ちやすいため、毎食後、食べたら歯みがき、がおすすめです。夜はフロスや歯間ブラシを使って丁寧に、外出先のランチタイムでも、さっとでもいいですから歯みがきしましょう。歯みがきができなかったらうがいだけでも。

歯みがきで気を付けていただだきたいのは、力をいれてごしごし磨かないこと。歯ブラシは鉛筆をもつように持ちかたが基本です。わしづかみにすると力がはいりすぎて、歯を傷めてしまいます。鉛筆をもつように歯ブラシを持ったら、ブラシの毛先がきちんと歯と歯ぐきの境目や、歯の表面にあたるように意識してみてください。歯と歯のあいだの隙間や、凸凹している箇所、裏側にも毛先が当たるように、歯ブラシの向きを変えたり、小刻みに動かしたりしてみましょう。1日1度は、デンタルフロスや歯間ブラシを使うといいですね。

こういった生活習慣は、昔から言われていることです。だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。

だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。こういった生活習慣は、昔から言われていることです。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。

■禁煙のすすめ

喫煙により歯周病のリスクは5.4倍以上高くなることがわかっています。。ヘビースモーカー、長年吸っている人ほどそのリスクは高くなります。禁煙すると、歯を支える組織の状態が良くなるため、歯周病のリスクが下がり、治療効果が上がります。

■口呼吸より鼻呼吸

口呼吸は口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすくなります。健康のためには鼻呼吸が基本なのです。鼻つまりなどの症状があるなら耳鼻科の治療を受けましょう。また、癖で口呼吸になっている方は、お口の周りの筋肉に力が入っていないことも考えられます。「あいうべ体操」などのトレーニングもお試しください。

■歯科定期検診を受ける


健康な歯と身体を守るために、ご自身の毎日の口腔ケアだけでなく、プロフェッショナルによるケアを3ヶ月に1度程度、受けることをお勧めします。セルフケアでは落としきれない歯の汚れを徹底的にお掃除することで、むし歯・歯周病を予防します。また病気の早期発見のためにも重要です。歯周病は痛みがなく進行し、自覚症状がありません。放置しておくと、知らないうちに抜歯しなければならないほど進行していることもあるのです。歯科での定期検診により早期に発見し治療すれば、改善できる病気なのです。むし歯も同じです。初期のうちに発見できれば、治療期間も費用も少なくてすみます。それには定期的に歯科医師がチェックする必要があるのです。

いかがでしょうか。まとめてみると、ご自身が子供の頃から言われていること、普段からお子さんにも言っていることですよね。ぜひその意味を理解して、気持ちのいい生活習慣で健康を守っていきましょう。


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23年05月12日

予防歯科のキーワード

健康な自分の歯を大切にしたいなら、年齢により、お口の中のケアの内容が変わってきます。幼稚園のお子さまとご高齢者では目標とする状態、リスク、ケアの仕方が変わってくるのは当然ですよね。予防歯科のキーワードから、年代別のお口のケアをご紹介いたします。


■定期検診

お子さまからご高齢者まで、すべての年代の方に定期検診は予防の効果があります。

定期検診によるむし歯・歯周病の初期の発見・治療は、お子さまにとっても大人にとっても非常に重要です。お子さまにとっては、これから長いおつきあいとなる自分の歯を早いうちに傷めなくてすみます。

定期検診の習慣は、忙しくて口腔ケアがおろそかになりそうなときでも、むし歯や歯周病のリスクの高まる妊娠を迎えたときでも、お口の健康を守ってくれます。

ご高齢者は、「ご自身で噛んで食事ができる」ことがとても重要です。入れ歯の調整、噛み合わせの調整、欠損部の治療、歯周病・虫歯の改善などを行っていきます。残っている歯をケアし、義歯のクリーニングや調整をして現状を維持するために必要なものです。

■フッ素塗布

フッ素は歯の表面のエナメル質を強くし、むし歯菌の出す酸に溶けにくくします。むし歯の早い段階でしたら、フッ素による溶けたエナメル質の再石灰化を促す作用で修復されることがあります。またフッ素自体が抗菌力があり、予防にもつながります。

大人の歯は、治療した歯や歯ぐきがさがって歯の根が露出しているところからむし歯になりやすいのです。当院は厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」のため、初期のむし歯の治療の一環として、保険診療でフッ素塗布を行うことができます。

またフッ素塗布は、お子さまの歯みがきがうまくいかない場合のむし歯予防にも適しています。

■シーラント

生えてきたばかりのお子さまの歯は、柔らかく、まわりの歯が生えそろっていないため歯ブラシの毛先が届きにくく、むし歯になりやすいのです。シーラントは、乳歯や生えてきたばかりの永久歯のなかでも、むし歯になりやすい奥歯の溝などをプラスチックで埋めてしまう予防方法です。6歳~12歳のお子さまで、初期の虫歯がある乳歯か、生えたての永久歯であれば保険が適用されます。大人の歯には基本的には必要ありません。

■PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)

プロの歯科衛生士による歯のおそうじです。専用機器を用いて、ご自分ではどうしても磨き残してしまう部分や、歯周ポケットの中の歯の根の部分まできれいにきれいにクリーニングします。きれいにおそうじしたあとフッ素を塗布します。エステのような感覚の心地よい刺激の範囲で行なわれます。

■コウキング

コウキングは入れ歯、矯正器具等の菌の繁殖を抑え、臭いの元を防止する抗菌処置です。お口の中の大切なパーツのお手入れにおすすめします。

■3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)

マウスピースに殺菌作用のある薬剤を注入して、一日5分程度、お口に装着するという口腔内の除菌システムです。むし歯になりやすい方、歯周病がなかなか改善されない方、インプラントや矯正器具を装着している方の口腔内の状態を改善します。

傷めてしまったり、失った歯は二度と元にはもどりません。予防の意識をもってご自分の歯を大切にしてください。木更津きらら歯科では3ヶ月に1度の定期検診をおすすめいたします!


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23年05月08日

歯周病の予防

残っている歯の本数が多いと、病気になりにくく、医療費も少なくなるんです。実はお口の健康と全身の健康は大きく関わり合っているのです。

■歯周病と全身の病気

歯を失う原因の4割近くを占めているのが歯周病です。そして歯周病は、糖尿病、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの病気と関連があることが明らかになっています。



糖尿病との関係

歯周病で出血や膿のある歯周ポケットからは、炎症に関連する化学物質が放出され血流にのって全身にまわります。この炎症に関連する物質は、体のなかで血糖値を下げるインスリンの働きを低下させます。そのため、糖尿病の発症や進行につながってしまうのです。

狭心症、心筋梗塞、脳梗塞との関係

お口から血管にのって流れる歯周病原因菌の刺激により、血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)ができてしまい、血液の通り道が細くなります。狭心症・心筋梗塞は、心臓への血液供給が絶たれ、死に至ることもある病気です。脳梗塞は脳の血管がプラークで詰まってしまう病気です。歯周病の人はそうでない人の2.8倍も脳梗塞のリスクが高いのです。

アルツハイマー病との関係

アルツハイマーと歯周病との関係性についての研究報告も提示されています。歯周病菌の毒素は血流にのって脳にはいりこみ、アルツハイマーを進行させる原因となってしまいます。

歯周病は怖いです! まちがいなく皆様が全員感染しあす。逆に言えば、歯周病を予防し、年をとっても自分の歯がたくさん残っていることが、糖尿病や血液の病気を予防したり進行を遅らせたりすることにつながっているのです。

■定期検診のおすすめ

予防歯科先進国のスウェーデンでは、80歳の方でも自分の歯が20本あります。食べること、噛むことがほぼ自分の歯で可能なんです。日本は、80歳の方は8本しか歯が残っていません。その違いは、「定期的なメインテナンスを受けているかどうか」によるのです。



日本では「歯医者はむし歯が痛くなったら行くところ」と理解されています。むし歯を削ってつめものをし、最終的には入れ歯の製作・装着に頼ることになるのは、歯科の治療の重要な部分ではあります。木更津きらら歯科は、ここで「お口の健康を守ることの大切さ」もお伝えしてかなくてはならないと考えています。お口の健康を通して全身の健康を守ることができれば、年をとっても医療費も少なくてすむというわけなんです。

木更津きらら歯科では3ヶ月に一度の定期検診をおすすめしています。定期的にメインテナンスを行うことで、悪いところがあっても初期のうちに短期間の治療で治すことができますよ。


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23年04月22日

どうしてここまでほおっておいたんですか

歯医者は歯が痛くなってから行くところ、とお考えの方も多いのではないでしょうか。むし歯や、痛みなどの自覚のない歯周病が重度に進行して歯がぐらぐらするほどになってから、重い腰をあげて歯科医院を訪れた、というご経験はありませんか? 



症状が進行してから治療を受けると、治療にかかる期間が長くなり費用もかさんでしまいます。そればかりでなく、口腔内から全身の健康にも悪い影響を与えることになってしまいます。

歯医者が、むし歯などの不調なところを治療するのは当然なのですが、症状を訴える患者さまのお口の中を拝見し、「どうしてここまでほおっておいたんですかっ」と医師のほうが涙目になってしまうことも少なくないんですよ。

■予防歯科の考え方

予防歯科とは、むし歯などになってからの治療ではなく、むし歯や歯周病にならないための予防を大切にする考え方です。

予防歯科先進国のスウェーデンでは、定期的な予防的治療がさかんに行われています。またむし歯や歯周病の治療を終えたあとに、再発を防ぐためのメインテナンスも歯科の重要な仕事のひとつです。

歯科医院でのプロフェッショナルケア、患者さまご自身のセルフケアの合わせ技で、歯やお口の健康を守る予防歯科を行っていきましょう。

■予防歯科のプロフェッショナルケア

むし歯も歯周病も元通りに治ることは残念ながらありません。原因は歯のまわりにこびりついたプラーク(歯垢)です。歯の表面についた食べカスに細菌が繁殖し、白くねばねばしています。1mgには1億個以上の細菌が存在しています。これをとりのぞくことが口腔ケアの基本です。しかしどうしても、ご自身だけで細かいところのケアまでするのはなかなか大変です。そこで歯科衛生士によるクリーニング(PMTC)を定期的に受ける必要がでてくるのです。

クリーニングに定期的に来ていただければ、むし歯や歯周病も早期のうちに見つけることができ、治療も大がかりにならなくて済みますよ。

■PMTC-Professional Mechanical Tooth Cleaning

PMTCとはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、毎日の自分で行なう歯磨きで落ちない歯の汚れを、専用機器を使ってきれいにクリーニングすることです。プロの歯科衛生士が行います。

日々の歯みがきでどうしても磨き残してしまった部分、歯ブラシでは届かない歯周ポケットの奥の歯の表面もキレイに汚れを取り除きます。歯石を取るような治療ではなく、エステのような感覚の心地よい施術です。きれいにおそうじしたら、歯の面をつるつるに仕上げて、プラークをつきにくくします。最後にフッ素で歯の表面をコーティングして、歯質を強くし虫歯になりにくい状態へと導きます。初期の虫歯であれば再石灰化を促して修復を助けることもできます。



歯科医院で定期的にクリーニングを行うことは欧米ではもはやあたりまえのことです。歯が痛くなってから、ではなく歯を守るために歯科医院にいらっしゃいませんか?


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23年01月24日

むし歯になりやすい人、なりにくい人

むし歯になりやすい人、なりにくい人というのは、歯並びや唾液の性質により本当にいます。一生懸命歯みがきをしても体質的にむし歯になりやすい人がいる一方、生活習慣がむし歯のリスクを高めている場合もあります(ちなみに歯周病は全員かかります!)。


■体質的にむし歯になりやすい人

*歯並び

歯並びが整っていないと、歯ブラシが届かず、磨き残しができてしまいむし歯になりやすいということはあります。

【対策】

歯列矯正で歯並びを整えることはむし歯のリスクを減らすことにもつながります。歯列矯正は、見た目や食生活を改善するだけでなく、歯の健康を守ることでもあるのです。

*歯の性質

歯ができる過程で、表面の固いエナメル質が弱い歯を形成されてしまうことがあります。これが「歯の質が弱い」という状態です。子供の乳歯も歯の質は決して強くはありません。

【対策】

歯みがき剤にフッ素入りのものを使ったり、定期検診の際にフッ素塗布をすることをおすすめします。フッ素には、溶かされた歯の修復を促したり、歯そのものを溶かされにくい強いものにかえる働きがあります。お子さんがフッ素入り歯みがきを使う場合は、年齢により種類や使える量が変わってきますので、歯科医師にご相談ください。

*唾液が少ない

唾液には酸性に傾いたお口の中を中性にもどそうとしたり、カルシウムやリンの溶け出した歯の表面のエナメル質を修復したり、抗菌作用もあります。唾液の量が少ない人はむし歯になりやすいと言えます。

【対策】

よく噛んで食べることが唾液の分泌を促します。また口呼吸ではなく鼻呼吸を心掛けましょう。口呼吸はお口の中が乾いてしまい、唾液の働きが弱くなってしまいます。適度に水分をとることも大切です。そして緊張をほどいてリラックスしていただけたらなと思います。

※当院開発の歯みがきTooth&Peaceはカンナビジオール(CBD)オイル配合でリラックス効果も期待できます!

カンナビジオール(CBD)配合の歯みがきTooth&Peaceについて詳しくはこちら

■むし歯のリスクの高い生活習慣の人

*食事・間食の回数が多い

歯の表面は「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しています。「脱灰」は、食事で口腔内が酸性に傾き、歯のエナメル質のカルシウムやリンが溶け出す状態のことです。「再石灰化」は、唾液の働きによって、口腔内が戻り溶けた歯の表面がもとにもどることです。食事や間食の多い方は、口腔内が中性にもどるひまがないので、むし歯になりやすいのです。

【対策】

食事と食事の間の時間をあけましょう。食事の後に歯をみがきましょう。

*よく飲む飲料

ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンクは糖分が多く含まれており、酸っぱいものを好む方はお口の中が常に酸性に傾いています。そのため、歯の表面が溶け出しやすく、また修復されにくいため、むし歯になりやすい状態が続いてしまうのです。

【対策】

水分補給に歯科医がおすすめする飲み物は、「水」です。適度に水分を補給することは唾液の分泌を促すことにもつながります。

*歯みがきの習慣が間違っている

歯みがきはプラークのもととなる食べかすを掃除し、お口の中を中性にもどす役割を果たしています。歯ブラシが届かない箇所をそのままにしたり、寝る前の歯みがきを怠ったりするとむし歯になりやすくなります。特に就寝中は唾液の分泌が少なくなり、むし歯の原因菌や歯周病菌の活動が活発になるため、寝る前に歯をみがかないことがたびたびあると、むし歯になりやすくなるのです。

【対策】

歯ブラシの届かない場所には、歯間ブラシやデンタルフロスを使ってみましょう。仕上げに口内洗浄液でうがいをすることも有効です。就寝前の歯みがきは丁寧に。歯科定期検診で、歯科衛生士が正しい歯みがき方法をお教えします。

むし歯になりやすい気がする、むし歯になりやすい習慣があるようだ、と心当たりがある方はぜひ気をつけてみてください。そして「歯周病」は間違いなく全員がかかります。ぜひ歯科定期検診を活用して、お口と歯の健康を守ってください!


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22年12月29日

寝落ち危険

歯みがきしないで寝落ちするなんてありえません! 年末年始、ご自宅で楽しくお酒を飲んで、いつのまにかこたつで寝落ち・・・ 風邪をひきますよ・・・ そればかりではなく、口腔衛生的にも寝落ちはたいへん危険なんです。


■寝る前の歯みがきの重要性

就寝中は唾液の分泌が減るのです。

唾液にはさまざまな働きがあります。抗菌作用があり、うるおいを保つことによって乾燥による細菌感染からお口の中を守ってくれます。酸性に傾いたお口の中のphバランスを中性にもどし、歯のエナメル質の再石灰化を促し、むし歯のリスクを軽減します。

ところが、眠っている間はこの唾液の分泌が減少するのです。お口の中を健康に保つ、唾液の助けを得ることができなくなります。夜寝る前の歯みがきを怠ると、むし歯や歯周病が発症しやすく、進行も一気に早くなるのです。

■歯みがきをしなかった翌朝

口の中の細菌は食後3時間後から急激に増え、約8時間後には最も多くなると言われています。歯みがきしないで寝落ちしてしまった夜、お口の中は細菌の運動会のような状態です。

朝起きたら口臭がして、お口の中がねばねばしているかもしれません。そのまま水を飲んだり食事をしてしまうと口腔内の細菌がそのまま体内に流れ込み、からだの不調の原因ともなります。肌荒れや、便秘、口内炎や風邪につながってしまう場合もあります。もし歯みがきをしないで寝てしまったら、朝起きたときに、まず歯みがきをしてください。

■寝る前の歯みがきは丁寧に

就寝前の歯みがきは、1日の中で1番丁寧にみがくきましょう。歯間ブラシやフロスを使って、しっかりプラークをとりのぞきましょう。虫歯や歯周病、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑制する洗口剤を使用することもいいですね。当院では、薬用マウスウォッシュ「コンクールF」をおすすめしています。

■歯みがきで感染症対策

歯科医療の立場からは、口腔ケアがウイルス感染予防に役立つと考えられているんです。インフルエンザのように、ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜にふれることが感染経路となるウイルスの場合、口腔ケアが感染予防になることがわかっています。手を洗うのと同じように、歯みがきの大切さも意識してみてください。

■TOOTH & PEACE

当院開発の歯みがき剤”TOOTH&PEACE”もぜひどうぞ。CBD(カンナビジオール)オイルを配合しています。リラックスやリフレッシュ、眠りの質をよいものにしてくれる効果が期待される成分です。院内で販売している他、オンラインでもお取り扱いしております。

歯科医がこだわりぬいた歯みがき TOOTH & PEACE


お正月は、おいしいおせち料理やお酒を楽しみ、ゆっくりできるといいですね。歯みがきも忘れずにお願いいたします。


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22年10月30日

口腔がん

お口の中にも、がんができることをご存じですか?口の中の粘膜にできるがんを「口腔がん」と言います。舌や歯ぐき、頬の内側の粘膜ががんになることがあるんです。


お口の中のがんの発生頻度は、がん全体のなかでは1~3%程度で、決して「よくある」ということではありません。しかも初期のうちに治療すれば、5年生存率は90%以上という報告もされています。しかし、あまり知られていないため、発見が遅れると舌やあごの骨を切除しなければならなくなったり、死にいたることもあるのです。

■口腔がんの自覚症状

痛みやしこりが感じられるようになったらすでに進行しているかもしれません。舌や歯ぐきが盛り上がって変形していたり、しこりのようなものを感じたら要注意です。なかなかなおらない口内炎もちょっと心配ですね。

■口腔がんの原因

口口腔がんは、早期に発見できれば「なおる」、とも言われています。対策は簡単です。歯科医院の定期検診に来ていただければいいのです。行政が行っている検診もありますので、活用してください。

■口腔がんのセルフチェック

お口の中の異変は、自分の目で見て気づくことができます。40代以上のかたは、月に1回、お口の中もセルフチェックをしましょう。

健康なお口の中の粘膜はピンク色ですが、前がん病変という粘膜の病気にかかると白く斑な部分ができたり、赤かったり黒かったりする部分ができたりします。ほおっておくと、「がん」にまで進行する可能性の高い病変です。そうなる前に、からだがサインをだしていたら、見逃さないようにしましょう。

チェックポイント
  • なかなか治らない口内炎がある。2週間以上よくならなかったら要注意。
  • 口の中の傷がなかなか治らない。
  • 歯がぐらついたり、浮く感じがする
  • 入れ歯が合わなくなり痛みや腫れがある
  • しこりや腫れ、できものがある
  • 出血がある

お口は食べ物をすりつぶし栄養をとりいれ、外からはいってくるものからからだを守ってくれる、大事な機関です。歯科クリニックは、むし歯だけでなくお口の中の異変全般を診療します。これは何科にいったらいいの? と悩まず、お口の中の異常に気づいたら歯科クリニックに足を運んでください。。


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22年09月28日

歯が伸びたのではありません。歯ぐきが下がったのです。


加齢より歯ぐきがさがり象牙質が露出すると、歯の根っこがむし歯になりやすくなります。鏡の中で唇を手でさげてご自分の歯を見てみてください。



年をとってくると、歯がのびたように見えることがありませんか? それは、歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がったんです。その歯の根元にできる「歯の根むし歯」をほおっておくと、健康にとってとても重大な事態を引き起こします。

歯の根むし歯のスペシャリスト、愛知学院大学歯学部 保存修復学講座 特殊診療科教授 冨士谷 盛興(もりおき)先生にお話しをうかがいました。

※情報や出演者の肩書きは撮影時のものです。


■歯ぐきは誰でも下がってしまうのでしょうか?

歯ぐきは年をとると誰でもさがっていきます。30代でさがりはじめて、40代で8割以上、60代になると100%の方が歯ぐきが下がっています。毎日少しづつ下がっていくので、気づいていない人も多いと思いかもしれません

■歯の根むし歯はどうしてこわいんですか?

歯の根むし歯をおほっておくと、複数の歯がむし歯になって、歯を失う原因になり、口の機能が低下し、ご高齢者の場合は要介護に至る危険性もあります。また全身の病気に関連する歯周病を引き起こす原因にもなるんです。

■歯の根むし歯の特徴

歯の根むし歯は、治療がむずかしいところがあります。重症化しやすいのに進行が遅いため、気づきにくいという特徴があるからです。

■なぜ歯の根元がむし歯になるのですか?

歯は歯ぐきから上の部分はからだの中で最も堅い組織、エナメル質でできていて、そのエナメル質で守られているのが象牙質です。歯ぐきがさがると、この象牙質が露出してしまいます。象牙質は酸に弱くて溶けやすく、表面がざらざらしていて汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。

■歯の根むし歯を予防するには?

食べかすを歯の間に残さないことが重要です。食事の余韻を楽しまず、食後5分以内に口をゆすぐことが効果的です。大切なのは、歯の間にモノが挟まっていると気持ちが悪いという感覚を持つことです。

ぶくぶくうがいと2段階歯みがき

口をゆすぐときにはぶくぶくうがい。頬をふくらませて勢いよく歯と歯の間を洗い流します。また食後の歯みがきは二段階磨きで行います。普段通りに歯をみがいたあと、歯と歯ぐきの境目を意識してみがきましょう。

歯みがきで絶対にやってはいけないことが、力をいれてゴシゴシ磨きをすること。歯ぐきを傷つけ、歯ぐきががる原因にもなります。軽く当てて、小さく動かすだけでも汚れはとれます。

電動歯ブラシもおすすめです。力をいれずに毛先を軽くあてるだけできれいになります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯の間の食べかすをとることも効果的です。歯みがき粉はフッ素配合で濃度が高いものを使うと、歯の表面を保護する効果が高まります。

■歯ぐきの下がりは治せますか?

歯ぐきがさがったら、元に戻す方法はありません。だから、歯ぐきが下がっていることに気づいた時からケアをすることが大切なんです。歯医者の定期検診にいって歯垢や歯石をとりのぞいてもらい、自分にあった歯みがきの仕方を教えてもらいましょう。また歯の根元がしみるなど症状がある方はすぐに歯医者で受診を。

歯の根むし歯は専門用語で根面う蝕(こんめんうしょく)といいます。健康寿命を延ばすために、歯の根むし歯に気を付けて。


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22年07月27日

「おしごと年鑑2022」歯医者のお仕事


現代の歯医者は、むし歯を治すだけでなく、全身の健康を視野にいれてお口の中の健康を保つ予防歯科にとりくんでいます。今月発行された、子供たちのための「おしごと年鑑2022」(発行・朝日新聞社)に”歯医者の仕事”が紹介されました。その内容は、昨年版から内容を一新しているんです。

子供たちに大人気の「おしごと年鑑」。いろいろな職業が紹介されています。歯医者のページでは、まずお口の健康が全身の健康に大きく関わっていることを伝えています。

■お口の中が清潔でないと、全身の健康を損ないます

お口の中が清潔でないと、ウイルス感染しやすくなります。インフルエンザはウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染しますが、口の中にはいっただけでは感染しません。細胞の中にはいりこむことで感染するのです。口の中に歯周病菌などの悪い菌がいると、感染を手助けしてしまいます。

お口の中が清潔でないと、菌のバランスが崩れます。口の中にいる様々な菌の中には、からだを守る細菌もいます。しかし、悪い細菌が増えると、全身の粘膜に存在するIgAという抗体が負けてしまうのです。腸内にたどりついた悪い細菌は、腸内細菌のバランスを崩し全身の免疫力を低下させることにつながってしまうのです。

■予防歯科の重要性

口腔内の健康は、全身の健康に大きく関わっていることがわかってきました。現代の歯医者は、全身の健康を視野に入れてお口の中の健康を守ることをミッションとしています。

歯周病が重大な病気のリスクを高くすることはご存じですよね。血管にはいりこんだ歯周病原因菌などの刺激は、血管内にプラーク(ねばねばした沈着物)を作りだし、血液の通り道を塞いでしまいます。血管内のプラークが剥がれ落ちて血管がつまると、心臓疾患や脳血管疾患といった重大な病気を引き起こすのです。

子供さん向けの「おしごと年鑑2022」では、・歯と歯ぐきの病気を治す ・お口の機能を守る・歯と歯ぐきの病気の予防の3つをあげています。むし歯治療は、歯医者の仕事のその一環なのです。

■スポーツデンティストというお仕事

アスリートを助ける「スポーツデンティスト」についても紹介しています。激しい接触のあるスポーツには口の中を守るマウスガードが必須。ワールドカップからオリンピックまで、名勝負が繰り広げられる陰には歯医者の活躍もあるんですよ。木更津きらら歯科では、多くのアスリートのマウスガード制作に携わらせてもらっています!


「おしごと年鑑2022」“歯医者さんの仕事”は日本歯科医師会の堀憲郎会長が監修されました。日本ではどうしても、歯医者はむし歯を治しに行くところという感覚があり、予防歯科は遅れていると言われています。子供たちが歯医者の仕事について知ってくれたら嬉しいですね! 


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22年06月30日

フッ素ケアの効果


フッ素塗布は、効果的なむし歯予防法です。予防歯科先進国である欧米では、年齢を問わず広く行われています。木更津きらら歯科は厚生労働省の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の認定を受けているため、初期のむし歯治療をした場合に保険診療でフッ素塗布を行うことができます。

■フッ素ケアの効果

フッ素ケアとは歯にフッ素を塗布して歯を丈夫にし、むし歯になりにくくする予防法の一種です。フッ素塗布には次のような効果があり、どの年代の方にとっても有効です。

  • 歯が溶けにくくなります。
    むし歯の原因菌によって作られる酸は、歯を溶かしてしまいます。フッ素コートが歯を酸から守ります。
  • 再石灰化を促します。
    食事によって酸性に傾いたお口の中では、歯からカルシウムやリンが溶け出している状態です。フッ素は、カルシウムやリンが歯に戻し、再石灰化を促します。
  • 細菌の活動を抑制します。
    歯垢の中に潜んでいる細菌から酸が生み出されるのを抑制することです。

■お子さまにとっての必要性

お子さまの歯は大人の永久歯に比べて歯が溶けやすく、むし歯になりやすいのです。早めのフッ素ケアをおすすめします。

■大人はむし歯の再発予防に有効

大人の歯にとっては、むし歯の再発防止と、歯ぐきを守る効果があります。加齢や歯周病によって歯ぐきがさがると、歯の弱い部分が露出してしまいます。フッ素コートは、歯を守り、初期虫歯になってしまった歯の表面を再石灰化する働きが期待できます。

■フッ素ケアの安全性

フッ素は天然の成分で、お肉や魚、野菜などの食物や水や土にも含まれる天然の成分です。歯科で使用するフッ素は、フッ素化合物と呼ばれる化学物質です。

■歯みがき剤でフッ素ケア

歯みがき剤を選ぶときに、フッ素が配合されているか気にかけてみてください。2017年、厚生労働省がフッ素の配合濃度として従来の上限1000ppmを1500ppmに引き上げました。むし歯予防の効果を期待してのことです。

歯みがき剤に配合されているフッ素によってむし歯予防につなげるためには、歯みがきにちょっとしたコツがあります。

  • 歯みがき剤は毛先の2/3以上。意外と多めです。
  • ブラッシングは2分以上、時間をかけて。
  • うがいは少量の水で流しすぎないように。
  • みがいたあとは2時間程度、食事を控える。

当院では人気のジェル状歯みがき「コンクール/ジェルコートF」を取り扱っています。


むし歯、歯周病予防に、歯を守るフッ素ケアを上手に活用してくださいね。


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22年05月30日

当院は厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です

木更津きらら歯科は、厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です。「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」は、通常、保険適用外である予防やメインテナンスのうち、保険の範囲内でできることがあります。


むし歯予防のためのフッ素塗布

フッ素塗布は従来、子供さんのむし歯予防のためにするものと考えられてきました。実は大人の患者さまにもフッ素塗布は有効です。大人の歯は、治療した歯があったり、加齢により歯の根元のはぐきが露出してきてむし歯になりやすいのです。定期検診のクリーニングのあとに、フッ素塗布をおすすめいたします。

歯周病のメインテナンスが毎月できるようになりました

従来、保険診療内での歯周病のメインテナンスは、3カ月に一度しかできなかったのですが、1か月に一度の治療に保険が適用されるようになりました。歯周ポケットが深くてお悩みの方も、集中して治療して改善していきましょう。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の意義

厚生労働省では、平成28年度に「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」を認定する制度が新設されました。

かかりつけの歯科医が、むし歯や歯周病の有無、年をとっても残っている歯の本数などに大きく関係していることがわかってきました。むし歯を削ってつめる治療だけではなく、予防やメインテナンスにも重点がおかれるようになったのです。そのためにはかかりつけ歯科医の存在が重要であることが認められたのです。

認定の条件

「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」は、スタッフのレベルや人数、過去の治療実績、設備、ご高齢者を診療できる訪問診療対応、他の医療機関との連携や研修の充実、感染症対策などの条件をクリアすることで認定されます。

ポイントとしては、

  • 患者さまの安全に留意しているか?
  • 院内環境に留意しているか?
  • 歯科医療が全身の健康に大きく関係があり、予防が重要であるという、現在の歯科医療のあるべき姿を理解して診療しているか?
といったことがあげられます。

まだ全国でも数パーセントの医院のみが認定されている段階で、当院の活動が形になって認められたのはありがたいことです。木更津きらら歯科は、歯科医療を通じてすべての世代の方の健康を守るヴィジョンを持ち、地域のみなさまをサポートできるようにがんばってまいります。


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22年05月29日

デンタルフロスのすすめ



デンタルフロスの使用は、年齢を問わず小さなお子様からご高齢者まで、歯と歯ぐきの健康を守るために役立ってくれます。

■歯に残った食べかすが細菌の住処「プラーク」に

プラークとは、歯の表面に残った食べかすに細菌が繁殖したもので、ねばねばした細菌の住処です。食べかすといった栄養分に温かい口腔内環境で、細菌はどんどん繁殖していきます。時間がたつと歯石となって固まり、歯ブラシによるブラッシングではとれなくなってしまいます。

プラークがたまりやすいのは、並んだ歯と歯がくっついているところ(コンタクトポイント)、奥歯の後ろ側、歯並びがデコボコしているところ、隣の歯が抜けてしまっているところです。歯ブラシの毛先が届きにくいんです。

■歯ぐきの出血は歯周病や歯肉炎

フロスに血がついてきたときは、ほとんどが歯肉炎や歯周病という歯肉の病気です。フロスで細菌の住処を除去することで、健康な歯ぐきをとりもどすことができます。

※血が止まりにくい血液の病気の場合もありますので、歯科医師の診療を受けることをおすすめします。

■デンタルフロスの効果

歯ブラシによるブラッシングだけでは取り切れない、歯と歯の間のプラーク。デンタルフロスは、歯と歯のあいだに糸をとおし食べかすをからめとるようにして除去するアイテムです。ではフロスの使用にどんな効果があるのでしょうか。

歯みがき前



※効果を分かりやすくするため、赤く染色しています。

ブラッシング後



歯ブラシが歯と歯の間まで行き届かず、歯間部の磨き残しが目立ちます。

フロス使用後



デンタルフロスを使用すると、歯と歯の間の磨きにくい部分のプラークも、きれいに落とすことができます。

画像はジーシー社のwebサイト http://www.gcdental.jp/floss/ よりお借りしています。

■デンタルフロスの種類

デンタルフロスを使用すると、こんなにお口のケアに差がでるのです。ではどんなフロスが自分にあっているでしょうか?

デンタルフロスには、糸を指に巻いて使うロールタイプと、ホルダーつきフロスがあります。

ロールタイプ

定期健診の際に歯科衛生士が歯のクリーニングの最後に、両手の指にフロスをまいてぴんとはり、歯と歯のあいだにとおして最後の仕上げをしてくれますよね。こちらがロースタイプです。ワックスつきとワックスなしのものがあります。ワックスなしのほうが汚れはよくつきますが、慣れない方はワックスつきのほうが使いやすいかもしれません。当院ではジーシー社のルシェロ(ワックス付&アンワックス)を販売しています。

ホルダータイプ

糸ようじとも呼ばれていますね。F字やY字のホルダーにフロスがはってあるタイプです。ドラッグストアでもたくさん並んでいますね。まずは食事のあとにお試しになってはいかがでしょうか。

デンタルフロスを初めて使った人が、フロスに血がついてきたり痛みを感じてびっくりすることがあります。これは歯ぐきに炎症が起こっているからなんです。正しくフロスを使うと、細菌数が劇的に減少し、痛みや炎症は2週間くらいでおさまってきます。フロスの使用が、お子様からご高齢者まで、歯と歯ぐきの健康を守ってくれるんです。ぜひとりいれてみてくださいね。当院の歯科衛生士がお手伝いしますよ!


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22年01月28日

歯周病治療の終わりは予防のはじまり

歯科定期検診はむし歯や歯周病を早期発見して治療につなげるためのものです。歯科定期検診と連動して、歯とお口の中の状態を健康に保つために必要なのがメインテナンスです。患者さまの口腔内の健康管理のため、必要なアドバイスをご提供したり、ケアをしたりします。


■再発しやすい歯周病

なかでも歯周病は再発しやすく、自覚症状がないため、知らないうちに進行してしまいます。徹底したクリーニングと正しい歯みがきで、予防が可能になり、初期のうちに進行を食い止めることができるのす。

■プロービング検査

まず歯周ポケットの深さを調べます。歯と歯ぐきのあいだにあるすきまが、歯周ポケットです。プローブという針状の器具を使って深さを探るため、プロービング検査と呼ばれます。また歯を支えている骨の状態をレントゲンで調べることもあります。

■歯周ポケット

歯周ポケットの深さがわかったら必要なメインテナンスを決定します。健康な歯と歯ぐきなら、歯周ポケットは1~2 mm程度です。深さが3 mm程度だと歯肉炎を起こしている可能性があります。きれいにおそうじして正しい歯みがきをすることで回復します。

■初期の歯周病

歯と歯のあいだや、歯と歯肉のあいだにたまった汚れは、放置しておくと歯石となり、歯周病菌の温床となります。初期の歯周病はプロによるクリーニングと正しい歯みがきを続けることで、改善されることが多いのです。また歯の表面がなめらかになり歯垢がつきにくくなることは歯周病菌の繁殖をふせぎ予防に効果的です。

*PMTC

Professional Mechanical Tooth Cleaning の略です。その名のとおりプロの歯科衛生士による歯のおそうじです。日々の歯みがきで落としきれず、歯と歯肉のあいだや歯の根の部分に残ってしまった汚れを、振動するプラスチックやゴム製の器具でおそうじし、フッ化物入りペーストを使用して、きれいに磨いていきます。歯石を取る治療とは異なり、エステのような感覚の気持ちよい刺激で、眠ってしまう方もいらっしゃるほどです。

■重度の歯周病

歯周ポケットが4~5mm程度まで深くなると危険信号です。6mm以上になると、重度の進行した歯周病で、歯を支えている骨が溶けていることもあります。歯周病治療の基本は徹底した歯のおそうじと歯みがきです。重度に進行した歯周病では、歯と歯ぐきのあいだに細菌のかたまりである歯石ががんこに付着していることがあります。その場合は歯ぐきを切り開いてクリーニングする外科的な処置も検討します。

歯周病は自覚症状がなく「静かなる病気」と言われています。メインテナンスで、お口の中の重大な病気を予防できたり、治療の第一歩になったりします。トラブルを感じていなくても、定期的に歯科で検診しメインテナンスを受けることはとても大切なのです。


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22年01月24日

歯科定期検診のすすめ

むし歯や歯周病は自覚症状がなく、気づかぬうちに進行してしまうので、歯科の定期健診で口腔内のメインテナンスをすることをおすすめいたします。


■むし歯を初期のうちに発見し、治療する

痛みがない段階のむし歯は、自覚症状がなく治療しなければどんどん進行してしまいます。歯と歯の間のあいてしまった大きな穴を、歯科の定期検診で指摘されたご経験のある方も多いのではないでしょうか。

■歯石をとる

歯の表面や歯と歯のあいだ、歯と歯ぐきのあいだに付着した歯垢(プラーク)は日々の歯みがきや歯間ブラシ、デンタルフロスを活用してきれいにすることができます。しかし、歯みがきだけではとりのぞくことができず、時間がたつと、口腔内のカルシウムやリンをとりこんで堅い歯石となり、そうなったら自分では除去することはできません。

*歯周病の予防になります

歯石の中には歯周病菌が生息しています。歯周病菌は、お口の中に炎症を起こし、歯や歯ぐきを痛めるだけでなく、血液にのって全身にまわり、全身の重大な病気を引き起こす原因になることがあります。

血管の中にプラークを作り血管が狭くなることで、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気や、ご高齢者に多い誤謬性肺炎の原因ともなります。一方、歯周病治療で糖尿病が改善することもわかっています。歯周病菌の住処である歯垢や歯石をとりのぞくことは、全身のメインテナンスの大切な要素のひとつでもあるのです。

■粘膜や舌に異常がないかの確認

舌の状態からはいろいろなことがわかります。口腔がんは歯科の定期検診から早期発見することができます。早期発見・適切な治療でほぼ治癒すると言われていますが、進行がんになると治癒率は低下します。喫煙や飲酒、刺激の強い食べ物がお好きな方、合わない入れ歯による粘膜の損傷などに心当たりの方はご注意ください。

■義歯や詰め物などの状態を確認する

歯の機能をサポートするために人工的にとりいれたクラウンや詰め物、入れ歯は、時間がたつとずれたり痛んだりすることがあります。噛みあわせに支障がでるだけでなく、例えばあわない入れ歯が慢性的に口の中の粘膜を傷つけていると口腔がんの原因になったりもします。緊急に治療が必要か、もう少しもたせることができるか? そういった治療プランもご相談しましょう。

■むし歯にならないような予防措置をとる

多忙でブラッシングがおろそかになりがちな大人の患者さまや、乳歯のお子さま、永久歯が生えたばかりのお子さまには歯の表面にフッ素を塗布することが予防につながります。お口の中は食事のたびに酸性に傾き、歯の表面のエナメル質が少しづ溶けだします。唾液によって溶けた成分をとりもどす作用を再石灰化といいます。フッ素はエナメル質の再石灰化を促し、初期のむし歯が修復できることもあります。

■お口のケアがうまくいっているかご相談にのる

一生懸命歯みがきをしても、ご自分では気づかない、歯ブラシの届いていないところがあるかもしれません。また丁寧に治療したとしても、年月がたてばお口の中の状態がかわり、詰め物やブリッジ、入れ歯があわなくなっていることもあるかもしれません。お口の中の状態を診察しながら困っていることがおありでしたら解決していきます。

お口の中の健康は全身の健康につながります。ぜひ歯科の定期健診をご活用ください。


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22年01月18日

歯垢(プラーク)と歯石

今日は歯周病菌やむし歯菌の温床となってしまう歯垢と歯石についてお話しましょう。

■歯は天然のミキサー

歯はものを食べるときに、食べ物を細かくかみ砕いて消化しやすくしてくれます。前歯は食べ物を噛みきり、先のとがった犬歯は食べ物を切り裂き、奥歯は食べ物をすりつぶします。こうして砕かれた食べ物は飲み込みやすくなり消化もたやすくなります。天然のミキサーを誰もが持っているんです。

■歯の垢、プラーク

ミキサーにはお手入れが必要です。食べ物を噛み砕いた後の歯のまわりには、食べ物のカスがくっついています。歯の表面や、歯と歯の間だけでなく、歯と歯ぐきの間にも残ってしまいます。そのままにしておくと、食後8時間ほどでむし歯菌(ミュータンス菌)がねばねばした物質を作り始め、膜のようにはりつきます。ここは温度も最適で食べ物もあり、細菌が繁殖しやすい住処となってしまいます。

これが、歯垢(プラーク)で、バイオフィルムともいいます。プラークは水にとけにくく、うがいなどでは落ちないため、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスでしっかりおそうじしないととりのぞくことができません。


■プラークの危険性

プラークには、たくさんの種類の細菌が住み着きます。わずか1/1000gのプラークに、1億個以上の善玉菌と悪玉菌が生息します。プラークが除去されず、時間がたつほど、悪玉菌が増えてしまいます。

代表的な悪玉菌が歯周病菌です。歯周病菌は歯ぐきの炎症を起こし、出血や膿の原因となり、歯の周りの骨を溶かす作用ももっています。しかも、プラークは、唾液や薬の抗菌成分にも抵抗力が強く、化膿止めといった薬も効きにくいのです。

■脱灰と再石灰化

通常、中性であるお口の中は、食べたり飲んだりしたあとは酸性に傾き、歯のカルシウムを溶かしはじめます。これを「脱灰」と言います。少しのことなら、唾液の助けなどにより歯は自然に修復します。これを「再石灰化」と言います。ところが、プラークが除去されないまま長時間たつと、再石灰化がまにあわず、歯に穴があくほどに進んでしまうことがあります。これがむし歯です。

■歯石

さて、除去されなかったプラークはどうなるのでしょうか。プラークは、唾液や血液の中のカルシウムやリンと結びついて灰白色、黒褐色の石灰化した堅いかたまりとなり、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に張り付きます。これが歯石です。

■歯周病のリスク

プラークや歯石は悪玉菌、特に歯周病菌の住処となり、炎症などのトラブルを起こします。歯周病は放っておくとどんどん進行します。痛みがないからといって放置していると、抜歯しなければならないほど歯や歯ぐきが痛んだり、歯周病菌が血液中にまわって重大な病気につながったりします。

プラークは歯みがきなどでおそうじすることができますが、歯石になってしまったら自分でとりのぞくことはできません。歯科で歯石の除去をしてもらってください。なんとなくお口の中がねばねばしている、そんな感じがしたら要注意。しっかり歯みがきしてさっぱりしたお口の中をとりもどしてくださいね。


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21年12月18日

木更津市の1歳半検診

赤ちゃんは、乳歯の生え始めから2歳くらいまでの間に、とてもむし歯になりやすいのです。特に2歳前にむし歯菌がうつってしまうと、将来的にもむし歯になる可能性が非常に高くなります。歯が生える前の赤ちゃんにむし歯菌(ミュータンス菌)はいません。乳歯がはえはじめたころから、むし歯菌に狙われてしまうのです。

■1歳半のお子さんの歯科検診

12月17日(金)は、木更津市の1歳半検診でした。小児科、保健師、栄養士の先生方とともに、当院理事長中谷も、歯科検診のためにうかがってまいりました。

■乳幼児の歯科検診の重要性

*早期に発見して、むし歯の進行を抑える
小さなお子さんのむし歯治療は、お子さんにも保護者の方にも歯科医にとってもたいへんです。治療のため、「歯医者はこわいところ」という気持ちをもってしまうと、お口の中の健康を守ることがむずかしくなってきます。そうなる前に、初期の段階で発見できれば、お子さんの負担も軽くなります。フッ素やサホライドの塗布により、進行を抑えることができる場合があります。

*歯科医院の雰囲気に慣れてもらう
定期健診なら、医師も歯科衛生士も、お子さんがこわがらないような工夫をして、だんだんとお口の中を見せてもらったりお口に器具をいれたりすることに慣れていただくことができます。優しく声かけをしながらお口の中で風をかけたり水を出したり、掃除機ですよとバキュームで水を吸ったり、ブラッシングをしたりして。歯医者さんはほめられるところ、楽しいところと思ってもらえるような診療をいたします。そうして歯科医院の雰囲気に慣れていただき、歯医者に対して安心感や信頼感を持ってもらえれば、なにかあっても歯科治療がスムーズに進みます。

■赤ちゃんのために妊娠中にできること

お母さんは妊娠中からできることがあります。むし歯をしっかり治し、丁寧な歯みがきをすることで母子感染のリスクはぐっと減らすことができます。キシリトールも役立ちます。お母さんがキシリトールをとっていると、むし歯菌が弱って、赤ちゃんが感染しにくくなります。

■むし歯菌はまわりの大人から赤ちゃんへ感染します

歯が生える前の赤ちゃんはむし歯菌に感染していません。むし歯菌の感染ルートはたったひとつ。唾液なんです。お子さんにご飯を食べさせるとき、冷ましてあげようとふうふうしたスプーンをそのままお子さんのお口にいれていませんか。ひとつのスプーンで、味見をしたりはしていませんか? 残念ながら、こうして、周りの大人の持つむし歯菌が、唾液にのって、お子さんに移ってしまうんです。

■食習慣が大切です。

乳幼児のむし歯予防を考えたとき、歯みがきはもちろんですが、実は食習慣のほうが重要な関係があります。砂糖の量はむし歯と強い相関関係があるのです。

お子さまの口腔ケアは、むし歯菌を感染させない習慣を周囲の大人たちも身に着けること、むし歯になってしまったら早期に負担の少ない治療を受けることが大切です。小さなお子さんのむし歯治療は、お子さんにも負担がかかりますし、通院や歯科スタッフにとっても非常な負担となります。治療に時間がかかり、お子さんが歯医者嫌いになってしまうという点もあります。そうなる前に、歯科や行政の定期健診をぜひご活用ください。


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