木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

22年09月21日

重度の歯周病の治療

重度歯周病の治療は、患者さまの口腔内の状態により、治療の選択肢が多岐にわたります。木更津きらら歯科では日本歯周病学会認定医が所属しており、患者さまのご要望を考慮しつつ総合的に治療方針を検討していきます。


症例:重度の歯周病により歯周組織が破壊されていた、女性Lさん(40代)の症例です。再生療法/エムドゲインで損なわれた歯周組織を再生する治療を行いました。

■外科的な治療

初期の歯周病なら、歯のまわりをきれいにお掃除して、その状態を保つ歯みがきや歯のお手入れを継続することで改善されます。しかし、歯周ポケットが深かったり、歯肉に隠れた部分が汚れていて器具を使ったスケーリングだけでは歯石をとりきれない場合、メスやレーザーで腫れてしまった歯ぐきを切除します。細菌の住処となっている歯石をとりのぞく必要があるのです。

◇歯肉切除

お掃除を徹底的にして正しい歯みがきを実践しても歯周ポケットの深さが改善されない場合は、腫れてしまった歯ぐきをメスやレーザーで切除します。

◇歯周ポケット掻爬術

歯の根っこの部分の表面にこびりついた汚れや、歯周ポケットの内側の細菌に感染した部分を掻き出す治療です。麻酔をして行います。歯の根の部分が清潔になり歯と歯肉が密着すれば、汚れがたまりにくくなります。

◇フラップ手術

歯ぐきを切り開いて歯の根のまわりをきれいにする手術を選択する場合もあります。1週間程度で抜糸となります。

■歯周組織の回復

歯周病の基本は歯周病原因菌を除去することで、そのために菌の住処となるプラークをコントロールすることにあります。さらに、重度の歯周病の場合は損なわれた組織を回復する必要があります。

◇歯周組織再生法(エムドゲイン療法)(自由診療)

歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。この手術の際に、歯周組織の再生を誘導する薬剤を使用します。当院ではエムドゲインという歯周組織再生用材料を使用します。エムドゲインの主成分はタンパク質の1種で、歯が生えてくるときに重要な働きをする成分です。歯肉を切開し、歯の表面をお掃除をして、エムドゲインゲルを塗布して縫合します。数か月から1年程度で歯周組織の再生が見込まれます。

■抜歯を検討しなければならない場合

歯周病治療は、歯を残すための治療です。しかしどうしても抜歯を検討しなければならない場合もあります。根の先まで大量の歯石がついており歯周病菌に侵されているケースや、周りの骨まで溶けてしまっているケースなどです。治療後のことを考えたとき、人工の歯を入れる可能性も考慮すると抜歯をおすすめすることもあります。抜歯は本当に最後の手段です。歯科医師は、歯を残す治療をしたいのです。他の医院で抜歯をすすめられた患者さまのセカンドオピニオンも受け付けています。

歯周病は、歯をきれいにクリーニングして正しい歯みがきを行うことができれば、多くは改善に向かいます。はやめにご相談ください。


詳しく読む →
22年09月20日

初期の歯周病の治療


歯周病治療の基本は歯周病菌をとりのぞきプラークをコントロールすることです。そのために、進行度を検査し、進行度に応じた手法で歯と歯ぐきを徹底的にお掃除します。そしてふだんの歯みがきでお口の中の清潔を保っていきます。

■歯周病は自覚症状がない

歯がぐらつく、口臭がするといったお口の中の違和感を放置しないでください。歯みがきでとりきれなかった歯と歯肉の間の汚れ。そこに細菌が住み着くとプラーク(歯垢)となり、歯にこびりつく歯石となると、炎症が引き起こされます。これが歯周病のはじまりです。歯周病には自覚症状がなく、自分で早期発見することはできません。歯がぐらぐらするほどになって初めて気づくのです。

■歯周病治療はまずお掃除

歯周病は、気づくのが早ければ歯についた汚れの掃除と歯みがきで治すことができます。それぞれの段階で治療法が異なりますので、適切な治療計画をご提案させていただきます。

◇歯周ポケットの深さを検査する

歯と歯肉との間の隙間を歯周ポケットといいます。この隙間ができるのが歯周病の症状です。針状の器具やレントゲンで深さを確認します。3㎜以上なら治療が必要です。

◇スケーリング

歯にこびりついている歯石を先端のとがった器具でとりのぞいていきます。歯石は、プラーク中の細菌が唾液の中の成分と結びついて固くなり歯にこびりついている状態です。それほど進行していなければ、歯石をとりのぞき歯みがきの習慣を見直すことで改善されます。

◇スケーリング・ルートプレーニング(SRP)

スケーリング・ルートプレーニングは、特殊な器具で歯肉の奥までお掃除し、歯の表面をなめらかにする治療です。きれいになった歯の表面に、再びプラークや歯石が付着しないようにすることが目的です。

■毎日の歯のお手入れ

そしてこれがとても重要なのですが、歯科医で歯をきれいにしたら、日々の食事で汚れがたまらないように、歯みがきの方法を見直していただきたいのです。1本1本の歯に対して、歯の前側、後ろ側、わき、隣の歯と接しているところ、つけねに歯ブラシがあたるように子心がけてください。

ポイントは、「磨きのこしがないように」

  1. 順番を決めて磨く。例えば左奥歯から右奥歯へと、流れにそって。順番がないと磨き残してしまうかもしれません。
  2. 歯ブラシの毛先が歯周ポケットにむくように、45度に傾ける。
  3. 力は加えず、歯と歯のあいだに毛先が当たるように、小刻みに動かす。大きく動かすと、歯と歯の間に歯ブラシが届かず、磨き残してしまいます。

歯医者では治療だけでなく、歯みがき方法の見直しもお手伝いします。歯周病はお掃除と歯みがきで、改善されるのです。正しい歯みがきをして、お口の中の感染症を退治しましょう!


詳しく読む →
22年09月19日

人類史上最大の感染症「歯周病」


「歯周病」が「人類史上最大の感染症」としてギネスブックに認定されたのは2001年のことです。「地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない」とまで記述されてるんです。その後もこの感染症が収束したという報告はされていません。

■歯周病で歯を失う

こちらは2018年に財団法人8020推進財団が発表したデータです。赤い部分が歯周病で歯を失った方の部分です。40代前半という年代の1/4の方が、歯周病で抜歯しなければならなくなっています。50代後半になると、二人に一人の方が歯周病で歯を失っているのです。


  • 歯周病が原因で歯を抜くに至ったケースは、15歳未満からみられ、25~29歳で約3%、35~39歳では約12%、40~44歳では約24。
  • 50~54歳までは、う蝕が原因で抜歯に至ったケースの割合が歯周病より多い。
  • 55歳以降の各年齢層においては、歯周病が原因で歯を抜くに至ったケースが多くを占めている。

■歯周病は感染症

歯が生え始めたばかりの赤ちゃんに歯周病菌はいません。大人の歯周病菌が、噛み与えや食器の共用などから感染してしまうんです。唾液感染が、感染ルートでは一番多く、キスや箸・スプーンの共用が考えられます。人間の歯周病菌と同じ菌が犬の口から発見された報告もあります。かわいいペットと歯周病を移しあっては悲しすぎます。動物とキスをするのはやめましょう。

■歯周病がもたらす重大な病気

歯周病は歯のまわりにたまったプラークが原因です。プラークは細菌の塊。プラークの中の細菌がからだに入り込もうとするのを阻止しようとして、歯ぐきのまわりに炎症が起こります。炎症性物質は、口腔内の血管から全身にまわり、様々な重大な病気の原因となります。

◇脳梗塞・狭心症・心筋梗塞

どれも血管の病気です。全身にまわった歯周病菌は血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)をつくり、血管の壁面からはがれたプラークは血液の通り道を狭くします。狭心症・心筋梗塞は心筋に血液の供給がなくなり死に至る場合もあります。脳梗塞は脳血管がつまる病気です。歯周病の人は、そうでない人より脳梗塞になるリスクが2.8倍も高いのです。

◇糖尿病との関係

歯周病と糖尿病は相互に悪化させあいます。逆に、糖尿病の患者さんが歯周病を治療すると、血液中のTNF-α濃度が低下し、HbA1c値も改善するという報告がされています。血糖値がさがり血糖値をコントロールする機能が回復するということです。

◇歯周病と低体重児早産

妊娠している女性が歯周病にかかっていると、低体重児の出産と早産のリスクが高くなることが明らかになっています。喫煙や飲酒、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。

◇誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は細菌が気管から肺の中にはいることによって起こります。免疫力の低下しているご高齢者や、脳血管障害のある方は注意が必要です。お口の中の細菌が命に関わることもあるのです。

◇関節炎・腎炎

お口の中の炎症物資が血液中にはいりこみ、関節炎や糸球体腎炎を起こすことがあります。歯周病は口腔内が常に炎症しており危険な細菌が常駐しているような状態のため、様々な病気の原因となります。

口腔内の健康は全身の健康と大きく関わっています。それをお伝えするのは、歯科医療の重要な役目です。歯周病は痛みといった自覚症状がなく静かに進行する病気です。普段からお口の中の違和感にも気を付けてあげてください。そしてかかりつけ歯科クリニックの定期健診をぜひ活用してください。


詳しく読む →
22年05月30日

当院は厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です

木更津きらら歯科は、厚生労働省認定の「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です。「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」は、通常、保険適用外である予防やメインテナンスのうち、保険の範囲内でできることがあります。


むし歯予防のためのフッ素塗布

フッ素塗布は従来、子供さんのむし歯予防のためにするものと考えられてきました。実は大人の患者さまにもフッ素塗布は有効です。大人の歯は、治療した歯があったり、加齢により歯の根元のはぐきが露出してきてむし歯になりやすいのです。定期検診のクリーニングのあとに、フッ素塗布をおすすめいたします。

歯周病のメインテナンスが毎月できるようになりました

従来、保険診療内での歯周病のメインテナンスは、3カ月に一度しかできなかったのですが、1か月に一度の治療に保険が適用されるようになりました。歯周ポケットが深くてお悩みの方も、集中して治療して改善していきましょう。

かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の意義

厚生労働省では、平成28年度に「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」を認定する制度が新設されました。

かかりつけの歯科医が、むし歯や歯周病の有無、年をとっても残っている歯の本数などに大きく関係していることがわかってきました。むし歯を削ってつめる治療だけではなく、予防やメインテナンスにも重点がおかれるようになったのです。そのためにはかかりつけ歯科医の存在が重要であることが認められたのです。

認定の条件

「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」は、スタッフのレベルや人数、過去の治療実績、設備、ご高齢者を診療できる訪問診療対応、他の医療機関との連携や研修の充実、感染症対策などの条件をクリアすることで認定されます。

ポイントとしては、

  • 患者さまの安全に留意しているか?
  • 院内環境に留意しているか?
  • 歯科医療が全身の健康に大きく関係があり、予防が重要であるという、現在の歯科医療のあるべき姿を理解して診療しているか?
といったことがあげられます。

まだ全国でも数パーセントの医院のみが認定されている段階で、当院の活動が形になって認められたのはありがたいことです。木更津きらら歯科は、歯科医療を通じてすべての世代の方の健康を守るヴィジョンを持ち、地域のみなさまをサポートできるようにがんばってまいります。


詳しく読む →
22年04月17日

歯周病と糖尿病

歯周病は、糖尿病と悪い影響を与え合う関係にあります。歯科医にとっては、歯周病は患者さまの全身の健康を阻害する大敵。歯周病も糖尿病も初期の段階では自覚しにくい病気ですが、お口の中の病気が健康に重大な影響をおよぼすことをぜひ知っていただきたいと思います。


■糖尿病とは

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が増えすぎる病気です。血糖が増えたままの状態が長く続くと、血管が傷つき、心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、さらに重い病気をひきおこします。

■糖尿病の原因

血液中のブドウ糖(血糖)糖尿病が増えてしまうのは、インスリンというホルモンが十分に働いてくれないことが原因です。インスリンは膵臓で作られるホルモンで、血糖を正常な範囲におさめる働きを担っています。血液中の血糖はインスリンの助けを借りて細胞にとりこまれます。インスリンの分泌量が足りなかったり、量はたりているが肥満などで細胞に糖がうまくとりこまれない状態だと、血液中に糖があふれてしまいます。

■歯周病が糖尿病を悪化させるわけ

では歯周病は糖尿病にどのような関係があるのでしょうか。歯周病は、インスリンの働きを阻害します。「血糖値を正常な範囲におさめる」というからだの機能が働かなくなるのです。ちなみに正常な人のHA1c(ヘモグロビンエイチエーワンシー、過去1~2ヵ月の血糖の平均値)は5.9%以下です。6%を超えたら糖尿病予備軍です。

■糖尿病が歯周病を悪化させるわけ

一方、糖尿病は免疫機能の低下や血流の悪化、唾液の減少を引き起こし、歯をとりかこむ歯周組織にも障害を起こします。そのため歯周病になりやすく、また重症化もしやすいのです。これはもう悪循環としか言いようがありません。

■歯周病治療で血糖値がさがる可能性

逆を考えてみて下さい。歯周病を治療すると、「血糖値を正常な範囲におさめる」という働きが改善されることになります。実際、歯周病治療により、HA1cが最大1%改善するという報告がされているのです。木更津きらら歯科のinstagramでこの話題をとりあげたところ、「歯周病の治療をしたら血糖値が劇的に改善されました!」とコメントくださった方がいて、とてもうれしく思いました。歯周病治療は、血糖値の正常化に貢献するんです!

■木更津きらら歯科は日本歯周病学会認定医が所属しています

歯周病や糖尿病は重大な病気をひきおこしますが、健康は毎日の習慣で守ることができるのです。悪いところのある方でも、生活習慣をあらためることで改善できる部分もあります。歯科医は、お口の健康を守ることで皆様の健康をサポートすることができます。

■お口の中の様子をチェック

お口の中の様子からいろんなことがわかりますよ。歯みがきしたときに、お口の中をチェックしてみてください。次の設問のすべてに〇がつくのが理想です。×の項目があったら、早めに歯科医にご相談ください。

  • □1 いつも口の中がさわやかだと思う。
  • □2 歯肉の色がピンク色でひきしまっている。
  • □3 歯のぐらつきがなく、しっかりかめる。
  • □4 歯と歯の間にものが挟まらない。
  • □5 歯がしみたり、痛まない。

■生活習慣チェック

次にあげるのは生活習慣のセルフチェックです。すべて〇を目指して、ご自身の生活をふりかってみてください。

  • □1 間食が少ない。
  • □2 ストレスを感じるときでも気持ちの切り替えができる。
  • □3 喫煙習慣がない。
  • □4 深酒をしない。
  • □5 1日1度は時間をかけて歯みがきをしている。
  • □5 歯磨きはフッ化物入りのものを使用している。

歯周病という病気の重大さをお伝え出来ましたでしょうか? 当院では日本歯周病学会 認定医が所属しています。お悩みがありましたらぜひご相談ください。


詳しく読む →
22年01月28日

歯周病治療の終わりは予防のはじまり

歯科定期検診はむし歯や歯周病を早期発見して治療につなげるためのものです。歯科定期検診と連動して、歯とお口の中の状態を健康に保つために必要なのがメインテナンスです。患者さまの口腔内の健康管理のため、必要なアドバイスをご提供したり、ケアをしたりします。


■再発しやすい歯周病

なかでも歯周病は再発しやすく、自覚症状がないため、知らないうちに進行してしまいます。徹底したクリーニングと正しい歯みがきで、予防が可能になり、初期のうちに進行を食い止めることができるのす。

■プロービング検査

まず歯周ポケットの深さを調べます。歯と歯ぐきのあいだにあるすきまが、歯周ポケットです。プローブという針状の器具を使って深さを探るため、プロービング検査と呼ばれます。また歯を支えている骨の状態をレントゲンで調べることもあります。

■歯周ポケット

歯周ポケットの深さがわかったら必要なメインテナンスを決定します。健康な歯と歯ぐきなら、歯周ポケットは1~2 mm程度です。深さが3 mm程度だと歯肉炎を起こしている可能性があります。きれいにおそうじして正しい歯みがきをすることで回復します。

■初期の歯周病

歯と歯のあいだや、歯と歯肉のあいだにたまった汚れは、放置しておくと歯石となり、歯周病菌の温床となります。初期の歯周病はプロによるクリーニングと正しい歯みがきを続けることで、改善されることが多いのです。また歯の表面がなめらかになり歯垢がつきにくくなることは歯周病菌の繁殖をふせぎ予防に効果的です。

*PMTC

Professional Mechanical Tooth Cleaning の略です。その名のとおりプロの歯科衛生士による歯のおそうじです。日々の歯みがきで落としきれず、歯と歯肉のあいだや歯の根の部分に残ってしまった汚れを、振動するプラスチックやゴム製の器具でおそうじし、フッ化物入りペーストを使用して、きれいに磨いていきます。歯石を取る治療とは異なり、エステのような感覚の気持ちよい刺激で、眠ってしまう方もいらっしゃるほどです。

■重度の歯周病

歯周ポケットが4~5mm程度まで深くなると危険信号です。6mm以上になると、重度の進行した歯周病で、歯を支えている骨が溶けていることもあります。歯周病治療の基本は徹底した歯のおそうじと歯みがきです。重度に進行した歯周病では、歯と歯ぐきのあいだに細菌のかたまりである歯石ががんこに付着していることがあります。その場合は歯ぐきを切り開いてクリーニングする外科的な処置も検討します。

歯周病は自覚症状がなく「静かなる病気」と言われています。メインテナンスで、お口の中の重大な病気を予防できたり、治療の第一歩になったりします。トラブルを感じていなくても、定期的に歯科で検診しメインテナンスを受けることはとても大切なのです。


詳しく読む →
22年01月18日

歯垢(プラーク)と歯石

今日は歯周病菌やむし歯菌の温床となってしまう歯垢と歯石についてお話しましょう。

■歯は天然のミキサー

歯はものを食べるときに、食べ物を細かくかみ砕いて消化しやすくしてくれます。前歯は食べ物を噛みきり、先のとがった犬歯は食べ物を切り裂き、奥歯は食べ物をすりつぶします。こうして砕かれた食べ物は飲み込みやすくなり消化もたやすくなります。天然のミキサーを誰もが持っているんです。

■歯の垢、プラーク

ミキサーにはお手入れが必要です。食べ物を噛み砕いた後の歯のまわりには、食べ物のカスがくっついています。歯の表面や、歯と歯の間だけでなく、歯と歯ぐきの間にも残ってしまいます。そのままにしておくと、食後8時間ほどでむし歯菌(ミュータンス菌)がねばねばした物質を作り始め、膜のようにはりつきます。ここは温度も最適で食べ物もあり、細菌が繁殖しやすい住処となってしまいます。

これが、歯垢(プラーク)で、バイオフィルムともいいます。プラークは水にとけにくく、うがいなどでは落ちないため、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスでしっかりおそうじしないととりのぞくことができません。


■プラークの危険性

プラークには、たくさんの種類の細菌が住み着きます。わずか1/1000gのプラークに、1億個以上の善玉菌と悪玉菌が生息します。プラークが除去されず、時間がたつほど、悪玉菌が増えてしまいます。

代表的な悪玉菌が歯周病菌です。歯周病菌は歯ぐきの炎症を起こし、出血や膿の原因となり、歯の周りの骨を溶かす作用ももっています。しかも、プラークは、唾液や薬の抗菌成分にも抵抗力が強く、化膿止めといった薬も効きにくいのです。

■脱灰と再石灰化

通常、中性であるお口の中は、食べたり飲んだりしたあとは酸性に傾き、歯のカルシウムを溶かしはじめます。これを「脱灰」と言います。少しのことなら、唾液の助けなどにより歯は自然に修復します。これを「再石灰化」と言います。ところが、プラークが除去されないまま長時間たつと、再石灰化がまにあわず、歯に穴があくほどに進んでしまうことがあります。これがむし歯です。

■歯石

さて、除去されなかったプラークはどうなるのでしょうか。プラークは、唾液や血液の中のカルシウムやリンと結びついて灰白色、黒褐色の石灰化した堅いかたまりとなり、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に張り付きます。これが歯石です。

■歯周病のリスク

プラークや歯石は悪玉菌、特に歯周病菌の住処となり、炎症などのトラブルを起こします。歯周病は放っておくとどんどん進行します。痛みがないからといって放置していると、抜歯しなければならないほど歯や歯ぐきが痛んだり、歯周病菌が血液中にまわって重大な病気につながったりします。

プラークは歯みがきなどでおそうじすることができますが、歯石になってしまったら自分でとりのぞくことはできません。歯科で歯石の除去をしてもらってください。なんとなくお口の中がねばねばしている、そんな感じがしたら要注意。しっかり歯みがきしてさっぱりしたお口の中をとりもどしてくださいね。


詳しく読む →
21年12月28日

感染症対策に取り組んだ2021年

2021年は、新型コロナウイルス感染症対策で皆様が苦しい思いをされてきた1年でした。医療関係者の方々のたいへんなご苦労があり、一般の方々も外出の自粛や、渡航の制限、イベントの中止、テレワーク、学校の休校やオンライン授業、会食も遠方の家族と会うことも我慢するといった、本当に厳しい、様々な努力をしてきました。医療のジャンルでは、予防やリスク軽減につながる研究が日々続けられ、有益な報告も多数あげられてきました。

■歯科クリニックの感染症予防

その中で、歯科クリニックが感染症が流行する中でたいへん厳しく徹底的に予防対策をしていることはあらためて知っていただけたのではないでしょうか。

歯科クリニックでは患者さまを守るだけでなく、歯科スタッフのことも感染症から守らなくてはなりません。そのため、従来からB型肝炎やHIVなど感染対策には力を入れており、ノウハウも確率されています。コロナ禍においてもいちはやく「歯科診療のガイドライン」を策定して対応しています。

2021年6月のことですが、大阪府の吉村府知事が、歯科医院のクラスター発生が報告されていないことをTwitterで発信されていました。大阪だけではなく、これは全国的にも言われていることなんです。

通院途中の方、お口の中の健康状態に気になることがある方は安心してご来院いいただけます。治療の中断をなさいませんように、ご心配なことがあればいつでもご相談ください。

■歯周病のリスク

何度も繰り返しお伝えしたいのは、「歯周病」のリスクです。

歯周病は日本人の8割がかかっていると言われるほど身近な病気ですが、身体全体に影響がおよぶほど重大な病気であることはご存じでしょうか。口腔内の細菌は、血液にのって循環器、呼吸器、消化器へと広がり、慢性の炎症を起こします。この状態は、感染症ウイルスが蔓延しているような緊急事態では、免疫暴走や細菌性肺炎、重大な臓器障害を起こすリスクを高くしてしまうのです。

歯周病を治療することは、感染症に負けないからだ作りにもとても大切なのです。

■歯周病治療が感染症予防につながる

また新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)は、インフルエンザと同じ、付着様式で感染することがわかっています。ウイルスが付着した手や唾液を介して、からだの粘膜に付着し、感染していくのですね。

風邪やインフルエンザにおいては、歯周病菌がウイルスの付着を助けていることは明らかにされています。歯周病原因菌をお口の中から減らすことができれば、付着を防げることがわかっているのです。ということは、新型コロナウイルス感染症でも、歯周病を治療し口腔内を健康に清潔に保つことによって、付着を防げる可能性が高いのです。

歯科医療の立場からは、口腔ケアが、患者さまの全身の健康を守り感染症対策のサポートになると考えております。

写真は木更津の証城寺(しょうじょうじ)の鐘です。今年は感染症対策のため除夜の会は行わないそうです。早く季節の行事や日常がもどってきてほしいですね。本年中はたいへんお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


詳しく読む →
21年10月03日

歯周炎はCOVID-19合併症のリスク因子



「歯周炎はCOVID-19合併症のリスク因子である」との研究報告が、 Jon B. Suzuki先生よりありました。歯周病は感染症対策の上でも本当に危険な病気であることを表す報告です。

Suzuki先生はアメリカの大学で臨床教授を務められている方で、10月2日から3日にかけて札幌で開催された、iACD(国際コンテンポラリー歯科学会)日本支部の学会で講演をされたのです。

理事長中谷が学会に参加し、お話を聞いてきました。中谷はiACD日本支部の役員を務めております。

正しい口腔ケア、歯科定期健診は感染症予防につながります

わからないことが多かったコロナウイルス感染症ですが、少しづつ明らかになっていることもありますね。歯科の立場からは、正しい口腔ケア、定期健診をおすすめいたします。

緊急事態宣言が明けたとはいえ、まだまだ油断はできないのが現状です。皆様がいろいろと苦しい思いをされている中ではございますが、もうひとがんばり、宣言下同様の感染症対策を続けていきましょう。


詳しく読む →
20年10月04日

歯周病菌を撃退! 3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)

2013年、鶴見大学歯学部に3DS除菌外来が開設されました。歯周病菌の除去を専門とする診療科です。専門の外来が必要とされるほど、歯周病菌の除菌は重要なことなんでしょうか?



恐ろしい歯周病

歯周病は本当にこわい病気です。歯と歯ぐきの間にたまってしまう歯垢は細菌のかたまりです。これが歯ぐきの炎症を起こし、歯を支える骨を溶かし、血管にはいった歯周病菌は血管の慢性的な炎症を起こすのです。

そのうえ、歯周病菌は、動脈硬化、脳疾患、糖尿病、高血圧、肺炎、早産などの危険因子となることがわかってきたのです。歯周病の症状は、歯ぐきをいためて歯が抜けてしまう、というだけではないんですね。

しつこい歯周病菌

対策としては、歯周病菌を除去すればいいのですが、これがなかなか簡単ではありません。細菌がくっつきあってネバネバしたかたまりとなっているため、簡単には取り除けないのです。

こんな方はご注意

歯の質や歯並び、お口の中の状態は人それぞれ。こんな方はご注意ください。

  • 丁寧に歯磨きしても、むし歯や歯周病を繰り返してしまう患者さまもいらっしゃいます。
  • インプラントや矯正治療の装具をお口の中に装着している場合。
  • ご自身で丁寧な歯みがきを行うことのできないご高齢者。
歯周病菌がたまりやくなっているかもしれません。

「3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」

ではどうすれば歯周病菌を除去し、歯周病を予防できるでしょうか。

木更津きらら歯科では、鶴見大学の研究チームが開発した「3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」という予防システムをとりいれています。

マウスピースに殺菌作用のある薬剤を注入して、一日5分、お口に装着するというもので、薬剤が歯と歯茎にとどまり、効果的に除菌できます。

当院では、注入する薬剤として、高い殺菌力とフッ素配合が特徴のコンクールジェルを採用しました。効果的、かつ徹底的にむし歯菌や歯周病菌を殺菌、歯の再石灰化も促進します。



3DSの効果

定期的なメンテンナンスと一緒に行う事で、むし歯や歯周病のない健康なお口を手に入れることができます。全身の健康づくりにも役立てることができます。

鶴見大学歯学部の花田教授によると・・・歯周病の前段階の歯肉炎に対して、3DSを6週間続けた結果、

  • 歯周ポケットが浅くなる
  • 出血が劇的に減る
などの効果があったそうです。

また血圧が下がり、服用していた降圧剤がいらなくなった人も報告されているということです。

「3DS」について興味のある方は診療時にご案内いたします。ごいっしょに、歯周病という病気を学んでいきましょう!


詳しく読む →