「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
初期の歯周病なら、歯のまわりをきれいにお掃除して、その状態を保つ歯みがきや歯のお手入れを継続することで改善されます。しかし、歯周ポケットが深かったり、歯肉に隠れた部分が汚れていて器具を使ったスケーリングだけでは歯石をとりきれない場合、メスやレーザーで腫れてしまった歯ぐきを切除します。細菌の住処となっている歯石をとりのぞく必要があるのです。
お掃除を徹底的にして正しい歯みがきを実践しても歯周ポケットの深さが改善されない場合は、腫れてしまった歯ぐきをメスやレーザーで切除します。
歯の根っこの部分の表面にこびりついた汚れや、歯周ポケットの内側の細菌に感染した部分を掻き出す治療です。麻酔をして行います。歯の根の部分が清潔になり歯と歯肉が密着すれば、汚れがたまりにくくなります。
歯ぐきを切り開いて歯の根のまわりをきれいにする手術を選択する場合もあります。1週間程度で抜糸となります。
歯周病の基本は歯周病原因菌を除去することで、そのために菌の住処となるプラークをコントロールすることにあります。さらに、重度の歯周病の場合は損なわれた組織を回復する必要があります。
歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。この手術の際に、歯周組織の再生を誘導する薬剤を使用します。当院ではエムドゲインという歯周組織再生用材料を使用します。エムドゲインの主成分はタンパク質の1種で、歯が生えてくるときに重要な働きをする成分です。歯肉を切開し、歯の表面をお掃除をして、エムドゲインゲルを塗布して縫合します。数か月から1年程度で歯周組織の再生が見込まれます。
歯周病治療は、歯を残すための治療です。しかしどうしても抜歯を検討しなければならない場合もあります。根の先まで大量の歯石がついており歯周病菌に侵されているケースや、周りの骨まで溶けてしまっているケースなどです。治療後のことを考えたとき、人工の歯を入れる可能性も考慮すると抜歯をおすすめすることもあります。抜歯は本当に最後の手段です。歯科医師は、歯を残す治療をしたいのです。他の医院で抜歯をすすめられた患者さまのセカンドオピニオンも受け付けています。