木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年04月30日

【口腔の健康が全身に与える影響とは?】木更津きらら歯科理事長中谷が解説

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

木更津きらら歯科の理事長中谷一空が、2025年4月18日、株式会社ワールドフィット様が社員様の健康増進のための施策として開催したオンラインセミナー「口腔の健康が全身に影響を与える!?歯科医師による特別セミナー」でお話させていただきました。当日は、総勢35名の社員の方々がご参加されました。

このセミナーは、口腔の健康が全身の健康にどのように影響を与えるのか、最新の研究結果や実践的なケア方法について理解を深めていただき、日常生活に役立つ実践的な知識を得ることで、より健康的なライフスタイルの実現を目指すものです。

中谷は、口腔内の健康が全身の疾患リスクにどのように関連しているか、また、日常的に実践できる口腔ケアのポイントなどを解説しました。そのうちの一部をご紹介します。

なんとなく歯ブラシをお口にいれていませんか? 歯みがきは毎日のことなので、正しく磨けているかどうかが大問題になってきます。

歯みがきのポイント

  • 歯ブラシの毛先をあてて汚れを落とす
    歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先が届いてることを意識してみてください。
  • 力をいれない
    歯みがきは軽い力で歯ブラシの毛先を歯に当てることがポイントです。力を入れすぎると、毛先が開いて、汚れをからめとることができません。
  • 鉛筆のように持つ
    歯ブラシは握りしめるのではなく鉛筆を持つように軽い力で持ってください。手首と指先で細かく動かしましょう。

磨き残しをしないコツ

お口の中はとても複雑です。利き手側の奥歯、奥歯の向こう側、歯の裏側に歯ブラシが届くように、角度を変えながら磨きましょう。

口腔がん

口腔がんとは、口の中にできる悪性腫瘍です。口腔内でも、舌、歯ぐき、頬の内側、口の中の天井や底部にできます。

口腔がんの症状

粘膜の色が赤や白に変色したり、変形したりします。しこりや長引く口内炎の症状が現れることもあります。歯ぐきにがんができると、歯の動揺を招き、入れ歯が合わなくなってきたりします。進行すると粘膜のただれ、痛み、出血が見られ、口が開けにくい、食事が飲み込みにくい、話しにくい、などの症状となって現れます。

口腔がんの種類

口腔がんはがん全体のなかでは1~3%程度。60代~70代の男性に多い病気です。初期のうちに発見して治療できれば、5年生存率は90%以上と言われています。

日本人にもっとも多いのは舌がんで、口腔がん全体の約55%を占めています。

口腔がんの原因

口腔がんの発生には、喫煙、飲酒、口腔内の不衛生、炎症などが関係しているといわれています。

歯科の役割

口腔がんは、早期に発見できれば治る病気と言うことができそうです。口腔がんを見つけるタイミングは、歯科医院の定期検診です。3ヶ月に一度、歯科医師が確認させていただければ安心です。行政が行っている検診もありますので、活用してください。

咬み合わせ

咬み合わせは全身のバランスに影響をおよぼします。咬み合わせが悪いまま咀嚼を続けていると、顎関節や筋肉に負担がかかり、頭痛や肩こりなどが生じるばかりでなく、全身のゆがみを招いてしまうことも。咬み合わせのずれが原因で全身がゆがむとはどういうことなのでしょうか。

咬み合わせのずれ

図は「左側の奥歯のほうが右側より低い人」の例です。左側が低いために、あごを左後方へ引いて上下の歯をあわせて噛むため、左側の様々な筋肉が緊張してゆがんできます。

全身への影響

かみ合わせのずれは、連鎖するように更なるゆがみを引き起こします。ゆがんだ姿勢が長期間続くと、その姿勢で筋肉や筋膜、そして骨格自体が固まってきて変形してしまいます。

画像出典:歯の学校

咬み合わせがずれていることに気づいたら、早めに歯科に相談しましょう。

糖尿病と口腔ケア

糖尿病は血液中にブドウ糖がエネルギーにならず、余分にある状態が長く続いてしまう病気です。糖分は、インスリンを鍵として細胞にとりこまれ、エネルギーとなります。この鍵となるインスリンが足りなかったり、うまく働いてくれないと、高血糖になり、糖尿病と診断されます。血糖コントロールの測定のめやすとなるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が8.4%を超えた状態をほっておくと、両足のしびれや足の感覚の麻痺からはじまり、視力の低下、失明、腎不全とからだの機能が損なわれていくのです。

糖尿病の症状

初期の糖尿病は自覚症状がありません。糖尿病ははやいうちに気づいて食事療法や運動療法、インスリンの注射、投薬といった治療を開始することが非常に大切なんです。

糖尿病の原因

遺伝的要因や生活習慣、加齢などが複合的に影響すると考えられますが、多くの場合、食生活や運動不足、肥満などに起因します。生活習慣病の一種であり、食事、運動、生活習慣の改善が重要となってきます。

糖尿病と歯周病

歯周病の治療をすると、血糖がうまくコントロールされるようになってくるという報告が多くされています。HbA1c値が非常に高かった方が、歯みがきだけで基準値以内に改善されたという報告もあるほどなんです。

歯みがきで血糖コントロール

歯みがきは、糖尿病の治療になるのです。歯周病の治療は、細菌の温床となるプラークをしっかりとりのぞくことです。それは患者さんご自身の歯みがきでできることなのです。歯科医院で歯石をとりのぞくスケーリングも行いましょう。

歯みがきが糖尿病治療につながるわけ

歯周ポケットにたまった炎症に関連する物質は、インスリンの働きを妨げる作用があるのです。逆に、歯周病のある方が、歯肉の炎症をコントロールできれば、血糖コントロールも改善できることになります。歯周病や歯周病予防のための歯みがき・定期検診が、糖尿病の治療にもつながるのです。

株式会社ワールドフィット様より

今回のセミナーでは、口腔内の健康が、全身の健康に深く関わっていることをお話させていただきました。社員の方々よりご感想をいただいております。

-口腔の健康が全身に与える影響について新たな視点を得られ参考になりました。
-口腔ケアの重要性を再認識しました。実生活に役立つ具体的なケア方法を教えていただいたので、早速実践してみたいと思います。
-歯のメンテナンスで健康寿命が変わるということを知り、もっと歯を大切にしていきたいと思いました。

メッセージありがとうございます! お口の健康が全身の健康につながることをお伝えできましたでしょうか。お口の中の健やかさが全身の健康につながっていることを知っていただけたら嬉しいです!

株式会社ワールドフィット
本社:東京都渋谷区、代表取締役:高城大樹
フィットネス事業を軸として、ウェルネス領域の事業を多数展開されています。
https://world-fit.co.jp/

木更津きらら歯科
千葉県木更津市イオンモール2F、理事長中谷一空
各診療に精通した歯科医師が、患者さまおひとりおひとりに最適な歯科治療を提供します。
https://kisarazu-kirara.com/


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