木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

一般歯科

24年10月03日

部分入れ歯とは?種類と費用目安、上手に付き合っていくためのポイント!

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。 部分入れ歯と鏡 虫歯やケガなどによって歯を失った方のなかには、入れ歯を検討している方もいるでしょう。入れ歯にはいくつか種類がありますが、なかでも部分入れ歯とはどのようなものなのか気になっている方がいるのではないでしょうか。 今回は、部分入れ歯とはどのようなものなのか解説します。部分入れ歯の種類や費用、メリット・デメリットについても解説しますので、部分入れ歯を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

部分入れ歯とは

2個の部分入れ歯 部分入れ歯とは、虫歯や事故、ケガなどにより部分的に歯を失った箇所に歯を補うために用いられる取り外し可能な人工歯です。総入れ歯と同様に、歯ぐきのような役割を果たす床(しょう)に人工歯が取り付けられており、残った天然歯にバネ(スクラプ)をかけて固定します。 入れ歯ときくと、見た目が気になる方も多いかもしれません。 しかし、部分入れ歯には保険適用のものと自費診療のものがあり、自費診療の部分入れ歯であればある程度目立ちにくくすることも可能です。

部分入れ歯の種類と費用目安

部分入れ歯の種類と費用目安イメージ 先にも述べた通り、部分入れ歯には保険適用のものと自費診療のものがあります。ここでは、それぞれの種類の特徴や費用について解説します。

保険適用の部分入れ歯

保険適用で作れる部分入れ歯は、プラスチック製(レジン)がほとんどです。費用は5,000円〜1万5,000円程度が目安となります。保険適用内で作れるため、費用が抑えられる点や治療にかかる期間が短い点がメリットです。 ただし、保険適用の部分入れ歯は厚みがあるため装着時に違和感を覚えることも少なくありません。また、プラスチックの特性上、破損しやすく、擦り減りやすいというデメリットがあります。

自費診療の部分入れ歯

自費診療の部分入れ歯には、いくつかの種類があります。以下に、自費診療の部分入れ歯を5つご紹介します。

金属床義歯

金属床義歯とは、歯茎に触れる部分が金属でできている入れ歯です。代表的なものには、コバルトクロム床義歯やチタン床義歯などが挙げられます。コバルトクロム床義歯は、強度に優れていて、耐久性が高いのが特徴です。 一方、チタン床義歯はプラスチック製の部分入れ歯に比べて厚みが4分の1ほどに抑えられるのが特徴で、軽く、耐久性にも優れています。金属床義歯の費用は、20万〜30万円ほどが相場です。

シリコーン義歯

シリコーン義歯とは、歯茎に触れる部分がシリコーン素材で作られている入れ歯のことです。シリコーンは柔らかい素材のため装着時に痛みが生じにくいという特徴があります。費用は、10万〜50万円ほどが目安です。 なお、シリコーン素材は3〜4年程度で剥がれることがあり、剥がれた場合には修理する必要があります。

ノンクラスプ義歯(ノンクラスプデンチャー)

ノンクラスプ義歯(ノンクラスプデンチャー)とは、金属のバネがついていないタイプの入れ歯のことです。金属のバネを使用しないため、入れ歯を装着していても気付かれにくいという特徴があります。 強度はあまり高くなく、機能自体はバネ付きの部分入れ歯と大差ありません。ノンクラスプ義歯の費用は10万〜50万円ほどと幅がありますので、気になる方はかかりつけの歯科医院で確認するとよいでしょう。

磁性アタッチメント義歯

磁性アタッチメント義歯とは、バネを使用せずに磁石で固定する入れ歯のことです。バネを使用しないため目立ちにくく、装着時の違和感が少ないのが特徴です。 ただし、磁性アタッチメント義歯の適応となるかどうかは歯科医院で詳しく検査を受ける必要があります。費用の目安は5万〜11万円ほどです。

コーヌスクローネ義歯

コーヌスクローネ義歯とは、土台となる歯に冠をはめて固定する入れ歯のことです。バネを使用しないため他の歯への負担を抑えられるのが特徴です。また、しっかり固定されるため、自分の歯と同じように食べ物を噛むことができます。 ただし、コーヌスクローネ義歯を使用するためには健康な歯を削る必要があります。費用の目安は40万〜200万円ほどです。

部分入れ歯以外で歯を補う方法

インプラントの歯を持っている人 部分的に失った歯を補う方法としては、入れ歯の他にブリッジやインプラントといった方法もあります。ここでは、ブリッジとインプラントとはどのような治療法か解説します。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯と隣り合う歯を削って土台を作り、橋を架けるように人工歯を固定する治療法です。バネを使用しないため目立ちにくいという特徴がありますが、健康な天然歯を削る必要があります。保険が適用されるブリッジの費用は1本あたり2万〜3万円ほどです。

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分の顎の骨に直接人工歯根を埋入して、人工歯を取り付ける治療法です。天然歯に近い噛み心地や見た目を得られるのが特徴ですが、保険適用外となるため費用は高額になります。 また、人工歯根が顎の骨と結合するのを待つ必要があるため、治療期間も長くなる傾向にあります。費用はインプラントを埋入する位置や被せ物の種類によっても異なりますが、1本あたり30万〜40万円ほどが目安です。

部分入れ歯のメリット・デメリット

部分入れ歯のメリット・デメリットイメージ

部分入れ歯のメリット

部分入れ歯のメリットは、以下のとおりです。

適応範囲が広い

部分入れ歯には、ブリッジやインプラントに比べて適応範囲が広いというメリットがあります。例えば、ブリッジでは3本以上の欠損では適応となりませんが、部分入れ歯であれば治療が可能です。

費用を抑えられる場合がある

上述のとおり、インプラントの費用は1本あたり30万〜40万円ほどが目安です。そのため、インプラントで歯を複数本補う場合には費用が高額になる傾向があります。 一方で部分入れ歯には保険が適用されるものもあります。保険が適用される部分入れ歯を選択すれば、費用を抑えることができるでしょう。

手術の必要がない

インプラントの場合は顎の骨に人工歯根を埋め込むために外科手術を行います。そのため、身体的に負担がかかるでしょう。 一方で部分入れ歯の場合は、手術の必要がありません。これは、総入れ歯も同様です。そのため、持病がある方や高齢の方でも治療を受けられるのです。

部分入れ歯のデメリット

部分入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。

隣接する歯に負担がかかる

部分入れ歯は、隣接する健康な歯にバネをかけて固定するため負担がかかります。バネをひっかける歯に負担がかかり続けると、歯の寿命が短くなる可能性もあります。

虫歯や歯周病になるリスクが高まる

保険が適用される部分入れ歯の場合、金属部分に汚れが溜まりやすいです。そのため、お手入れを怠ると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

目立つことがある

保険が適用される部分入れ歯は、金属のバネを隣接する歯にひっかけて固定します。そのため、口をあけたときにバネが目立つことがあるのです。見た目を気にする方にとってはデメリットといえるでしょう。

部分入れ歯と上手に付き合っていくためのポイント

部分入れ歯と上手に付き合っていくためのポイントイメージ では、部分入れ歯を使用する際にはどのような点に気を付ければよいのでしょうか。ここからは、部分入れ歯と上手に付き合っていくためのポイントについて解説します。

毎日のセルフケアを丁寧に行う

部分入れ歯は残っている歯を利用して装着するため、残っている歯を失わないように毎日のセルフケアを丁寧に行うことが大切です。歯磨きを怠ると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。 なお、歯磨きをする際には必ず部分入れ歯を外しましょう。部分入れ歯を装着したまま歯磨きをすると、天然の歯をきれいに磨くことが難しくなります。また、歯磨き粉に含まれる研磨剤によって入れ歯に傷がつくこともあるでしょう。 そのため、歯磨きをするときは部分入れ歯を外す必要があるのです。歯磨きの仕方がわからないという方は、歯科医院で相談してください。

正しい方法で着脱をする

部分入れ歯に慣れるまでは、着脱が難しいと感じることがあります。最初のうちは鏡を見ながら丁寧に外すことを心がけましょう。無理やり引っ張ると入れ歯が破損する可能性があります。 入れ歯が破損した場合には修理や作り直しになり、追加で費用が必要になる可能性があるため注意が必要です。

定期的に歯科医院を受診する

部分入れ歯を使い始めて慣れるまでは歯茎に痛みが生じたり噛み合わせに違和感を覚えたりすることがあるかもしれません。そのような場合には、歯科医院で調整してもらう必要があります。我慢せずに歯科医院を受診してください。 なお、使用に問題がなくても定期的に歯科医院へ受診して歯や歯茎の状態、入れ歯の状態などをチェックしてもらうことも大切です。

適切な時期に交換する

部分入れ歯の交換目安は、4〜5年ほどといわれています。そのまま使い続けていると痛みが生じたり顎の関節に負担がかかったりすることも考えられますので、適切な時期に交換しましょう。

まとめ

部分入れ歯を持っている人 部分入れ歯とは、失った歯を補う取り外し可能な人工歯です。保険が適用されるものや自費診療のものなどいくつか種類があるため、ご自身の希望や予算に合ったものを選ぶ必要があるでしょう。 失った歯を補う治療法にはいくつかあるため、どれが自分に合っているのかわからないという方は歯科医院で相談してください。 入れ歯を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。 当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。
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24年09月29日

「歯痛」はお口のSOS! 一筋縄ではいかないその原因と対策は?

お口の中はとても複雑で繊細です。トラブルも一筋縄ではいきません。歯以外に原因があることもあります。原因によって治療方法も変わってきます。

■歯の痛みはどうして起こるの?

一言で「歯が痛い」といっても、「冷たいもの、温かいものを食べると歯がしみる」「歯の奥がズキズキと痛い」「歯ぐきがはれて違和感がある」「噛みしめると痛い」「親知らずが痛い」など、いろいろな症状があります。むし歯は神経が露出して痛みを感じるのですが、冷たいものがしみる症状は歯周病の兆候かもしれません。歯周病は、痛みを感じるようになったらかなり進行していますよ。



「歯が痛い」と感じる症状は、歯そのものに由来する痛みと、歯ぐきに由来する痛みがあります。歯以外に原因がある場合もあります。

■歯に由来する痛み

*「冷たいものがしみる」と感じたら歯医者へ! むし歯の痛み

むし歯は、歯の表面のエナメル質がお口の中の酸で溶け出し穴があいてしまう病気です。むし歯の原因菌として知られているのが「ミュータンス菌」。糖質と結びついて歯の表面に付着し、プラーク(歯垢)を形成します。ミュータンス菌は糖分から乳酸を作ります。プラークがくっついたままの状態を放置していると、歯の表面が酸でゆっくり溶けていくのです。



歯の表面に穴があいただけでは痛みを感じません。その内側の象牙質も酸に弱いのです。象牙質にまで進むと冷たいものがしみると感じます。神経まで進むと激しい痛みを感じるようになります。神経が破壊される段階まで進行すると、歯を抜かなければならなくなります。

こちらはC3まで進行したむし歯です。歯の象牙質の内側、歯髄にまで到達しています。痛みは耐え難いほどになっているでしょう。歯髄は神経や血管などがあつまっている組織です。ここまで進んでしまったら神経を抜く治療を選択しなければなりません。神経を抜く、とは、歯髄を除去するということ。痛みはなくなりますが、栄養が供給されず歯は死んでしまうのです。

その前段階、「冷たいものがしみる」と感じた時点で歯医者に行っていれば、むし歯の進行を食い止めることができるのです。



C3まで進行したむし歯

*知覚過敏

むし歯でなくても象牙質が露出して歯が痛むと感じることがあります。むし歯以外に、どんなときに歯が痛むのでしょうか。

  • 加齢により歯ぐきがさがり象牙質が露出する 年齢を重ねると、歯ぐきがやせたり弾力が低下したりして、歯ぐきが下がってきます。歯ぐきが下がると歯の根元の象牙質が露出します。エナメル質は歯ぐきの上までしか覆っていないからです。象牙質が露出すると、痛みを感じることがあります。
  • 歯の破折 事故などで歯が破損して象牙質がむき出しになった場合でも、痛みを感じることがあります。これは酸によってエナメル質が溶けてしまうむし歯の痛みとは原因が異なります。むし歯は進行しますが、歯の破損によって象牙質が露出する症状は進行するわけではありません。しかし、割れ目から細菌が入り込み痛みや炎症を引き起こすこともあり、放置しておくわけにはいきません。
  • 歯がすり減る むし歯でなくても、歯は長い間には少しづつすり減っていきます。その結果、エナメル質がなくなって象牙質が露出するということもあります。

■歯ぐきに由来する痛み

*歯周病

プラークが歯と歯肉の境にある隙間、歯周ポケットにたまったままになると、体は細菌を退治するために炎症を起こします。歯ぐきが腫れ、骨が溶けるまでに進んでしまうこともあります。しかし、歯周病はサイレントキラー(静かなる殺人者)とも言われ、重症になるまで痛みはありません。

進行してくると、歯周ポケットが深くなり歯ぐきが退縮し、歯の根の部分に冷たいものが触れると痛みを感じることがあります。さらに症状が悪化すると、膿がたまり、膿の圧力によって炎症を起こしている部分が激しく痛むようになります。ここまで進行していたらかなり重症です。歯そのものというより、歯ぐきの痛みが歯周病を原因とするものだったら、手遅れと言わざるを得ないかもしれません。初期のうちは自覚症状がないのですから、ぜひ歯科で定期的に医師のチェックを受けてください。



歯周病で歯ぐきがはれている状態

*親知らず(智歯周囲炎)

親知らずは他の永久歯と比べ、生えてくるのが遅いので、お口の中に生えてくるスペースがなく部分的に歯ぐきの中に埋まっていたり、傾いたりしたりしていることが多くあります。歯ブラシが届かず不潔な状態になりやすいため、周りの歯肉に細菌性の炎症を起こしやすいのです。親知らずは智歯とも言いますので、親知らずの周りに起こる炎症は智歯周囲炎と呼ばれています。炎症がひどいと口が開きにくくなることさえあります。



歯ぐきに埋没した親知らず

■歯以外に原因がある(非歯原性歯痛)

実は歯痛を訴えて歯科を訪れる患者さまの1割は、「歯や歯ぐきに原因がないのに歯に痛みを感じる状態」です。非歯原性疾患と呼びます。むし歯や歯周病などとは痛みがおこる仕組みが異なるため、、治療法も異なります。

  • 筋・筋膜性歯痛 顎を動かす筋肉に痛みを生じた場合に、歯の痛みとして感じることがあります。首や肩の筋肉に関連して歯痛が生じることもあります。筋・筋膜性歯痛は、いわば筋肉痛からくる歯痛です。お口の状態に由来していないので治療も全く異なるアプローチをすることになります。筋肉のストレッチやマッサージが必要です。
  • 神経障害性歯痛 神経の何処かに障害が生じて感じる痛みです。神経痛と呼ばれる症状です。瞬間的に刺されたような激痛が起こる「発作性神経痛」と、24時間絶え間なく焼けつくような痛みが続く「持続性神経痛」に分けられます。服薬により治療します。
  • 神経血管性歯痛 頭痛からくる歯痛です。片頭痛や、群発頭痛の症状の一つとして歯が痛むケースで、返頭痛に関連して起こることが多く見られます。痛み方が歯髄炎と似ているので難しいところなのですが、神経血管性歯痛なら歯の治療に効果を求めることはできません。頭痛の治療が必要です。
  • 心臓性歯痛 狭心症や心筋梗塞などの疾患に関連して歯痛が起こる報告は少なくありません。動脈解離や心膜炎から歯痛が生じる例もあります。歩行などの運動により、発作的に起こることがわかっています。早急に心疾患の治療を行う必要があります。
  • 上顎洞性歯痛 上顎洞とは副鼻腔のひとつで、左右の上あご、主に奥歯の上にある骨の中の空洞です。この空間に生じ、歯痛につながっているのが上顎洞性歯痛 です。上顎洞に起こる炎症は、耳鼻科の領域の場合と、歯科の領域の場合があります。風邪など鼻からの影響で起きている場合は耳鼻咽喉科で治療を行います。
  • 精神疾患による歯痛 統合失調症、うつ病において身体症状として歯痛が出現することも知られています。心理社会的要因によって生じると言われる身体表現性障害の症状として歯痛があらわれることもあります。精神科の対応が必要な疾患です。
  • 特発性歯痛 本当に原因がわからない場合もあります。後になって原因が判明する場合もあります。



一言で歯痛といってもいろいろな理由があります。重大な病気が隠れていることもあるのです。おかしいなと思ったら放置せず受診しましょう。定期検診の習慣も大切ですよ。


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24年09月26日

根管治療の流れ!治療回数や痛み、根管治療のメリット・デメリットを解説

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

根管治療に使う器具を持っている医師

根管治療は、深刻な虫歯や歯の感染によって引き起こされる痛みや問題を解決するための治療法です。この治療は歯の内部にある神経や血管にアプローチし、歯を抜かずに保存する方法として広く用いられています。

この記事では、根管治療の流れや必要な治療回数、メリット・デメリット、さらに治療中や治療後の痛みについて詳しく解説します。

根管治療とは

根管治療イメージ

根管治療は、歯の内部にある神経や血管が通っている根管に対して行う治療です。虫歯や外傷によって根管内に細菌が入り、炎症を引き起こした場合に行われます。

この治療では、感染した歯髄を取り除き、根管内を清掃・消毒してから被せ物を装着して歯の機能を回復させます。これにより、痛みや腫れを抑え、歯を残すことが可能です。

根管治療の流れ

根管治療について説明している医師

根管治療はどのような流れで行われるのか解説します。一般的な根管治療の流れは、以下のとおりです。

診断と計画

まず、レントゲン撮影やCT撮影をして歯の状態を確認します。その結果をもとに、歯科医師が治療計画を立てます。

歯髄の除去

痛みを抑えるために局所麻酔を行い、細菌に感染した歯髄を専用の器具を使って丁寧に取り除きます。歯の内部に侵入した細菌や感染物質も一緒に除去されます。

根管内の消毒

歯髄を取り除いたら、根管内を洗浄・消毒します。細菌の完全な除去を目指し、この作業を数回繰り返すこともあります。

根管の充填

根管がきれいになったら、詰め物をして根管を密閉し、再感染を防ぎます。この際、隙間があると再感染を起こす可能性があるため、隙間を作らないように詰めることが重要です。

被せ物の装着

最後に土台を立てて被せ物を装着し、歯を補強して治療完了です。

根管治療の治療回数

根管治療の治療回数イメージ

根管治療に必要な回数は、歯の状態や治療する部位によって異なります。通常、前歯の場合は2〜3回、奥歯の場合は3〜4回の通院で治療が完了することが多いです。さらに、被せ物を装着するまでに3回ほど通院する必要があります。

1回の治療時間は約30分で、治療間隔は1週間に1回程度行われます。治療期間全体としては、約1ヶ月〜1ヶ月半かかることが一般的です。

再発した場合は、5回以上の通院が必要になるケースもあり、場合によっては治療期間が半年以上に及ぶこともあります。治療間隔が空きすぎると、再感染のリスクが高まるため、歯科医師の指示に従って計画的に通院しましょう。

根管治療を受けるメリット・デメリット

根管治療を受けるメリット・デメリットイメージ

続いては、根管治療を受けるメリットとデメリットについて詳しく解説します。

根管治療を受けるメリット

まずは、根管治療を受けるメリットについて解説します。治療を選択する際の参考にしてください。

歯を残せる

根管治療を受ける大きなメリットは、天然の歯を残せることです。通常、深刻な虫歯や歯髄炎が進行すると抜歯が必要になるケースもあります。

しかし、根管治療を行うことで、自分の歯を残すことが可能です。歯を残すことで、咬合のバランスが保たれ、周囲の歯への負担を減らす効果も期待できます。

抜歯後は、隣接する歯が移動したり噛み合わせが悪くなったりするリスクがありますが、根管治療であれば、これらの問題を未然に防ぐことが可能です。

痛みを取り除ける

虫歯が進行して神経にまで達すると、非常に強い痛みが発生します。特に冷たいものや熱いものに敏感になります。痛みを解消するためには、神経を除去し、根管内を清掃・消毒する必要があるでしょう。

治療後、軽い痛みが残る場合もありますが、一時的なものなので、歯科医院から処方される抗生剤や鎮痛剤で対応できます。

抜歯を避けられる

抜歯は一見、簡単な解決策のように見えますが、実際にはさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

たとえば、歯を失った箇所の噛み合わせが悪くなったり、ほかの歯に負担がかかったりするケースがあります。これにより、将来的に顔の形が変わったり、食事がしにくくなったりする可能性があるでしょう。

一方、根管治療を行えば、これらのリスクを回避しつつ、天然の歯を保存することが可能です。

根管治療を受けるデメリット

次に、根管治療を受けるデメリットについて解説します。治療前にデメリットを把握しておくことも重要です。

治療が長期化する可能性がある

根管治療は、感染した歯髄の除去から、根管内の洗浄・消毒、さらに歯を保護するための被せ物の装着まで、複数のステップが必要です。そのため、治療にかかる回数が多く、1〜2ヶ月程度の通院が必要になることもあります。

仕事などで忙しく、なかなか歯科医院を受診できないという方にとってはデメリットといえるでしょう。

歯が脆くなる可能性がある

根管治療では、根管内の神経や血管を除去するため、歯が脆くなることがあります。歯の耐久性が低下すると、割れたり折れたりするリスクが高まります。治療後には被せ物を装着するなどして補強が必要ですが、それでも元の健康な歯と同じ強度には戻りません。

むし歯などのトラブルに気づきにくくなる

神経を除去した歯は、痛みや温度変化を感じなくなるため、再発したむし歯や感染に気づきにくくなります。

特に、被せ物の下で進行するむし歯は、外見からは判断できない場合があり、問題が深刻化するまで放置されることが多いです。このようなリスクを軽減するためには、治療後も定期的に歯科検診を受け、歯の状態を確認してもらうことが重要です。

歯を大きく削る必要がある

根管内の感染を取り除くためには、歯を大きく削らなければいけません。

しかし、歯を削ることで治療後の歯は耐久性が低くなり、破折のリスクが高まります。歯の寿命が短くなる可能性があることも、根管治療のデメリットの一つです。

再発リスクがある

根管治療後も、歯根の先に膿が溜まる根尖性歯周炎や、むし歯の再発などが起こる可能性があります。初回の治療が最も成功率が高いとされていますが、再治療を行うたびに成功率が下がり、最終的には抜歯が必要となるケースも少なくありません。

これを防ぐには、治療後の歯のメンテナンスが非常に重要です。

モチベーションが低下する可能性がある

根管治療は長期間にわたります。治療が進むにつれて痛みが和らぐと、治ったと思って通院しなくなる方もいるかもしれません。

治療を中断すると、感染が再発し最終的に歯を失う可能性が高まります。そのため、最後まで治療を継続し、適切なケアを行うことが求められます。

根管治療の痛みについて

根管治療を受けている患者

根管治療に伴う痛みが気になる方も多いでしょう。ここでは、治療の前後や治療中の痛みについて解説します。

根管治療前の痛み

虫歯が進行して神経にまで達した場合、強い痛みを感じることがあります。この場合、根管治療によって神経を除去することで痛みを取り除くことができます。

ただし、放置すると神経が壊死し、一時的に痛みがなくなることもありますが、そのままにしておくと感染が広がり、再び痛みや腫れを引き起こす可能性が高くなります。

根管治療中の痛み

治療中は麻酔が施されるため、痛みを感じることはほとんどありません。

しかし、麻酔が効きにくい場合や炎症が進んでいる場合は、治療中に多少の痛みを感じるケースもあります。

根管治療後の痛み

根管治療後数日は、噛んだ際に違和感や痛みが生じるのが一般的です。これは治療による組織の炎症や膿の排出が原因で起こる一時的なものです。

通常、2〜3日で痛みはおさまりますが、もし痛みが長引く場合は根管内に細菌が残っている可能性があるため、再度歯科医院を受診して歯科医師の指示を仰ぎましょう。

まとめ

根管治療を受けている患者

根管治療は、歯の神経や血管が感染した際に行う治療です。治療の過程には、歯髄の除去、根管内の洗浄・消毒、被せ物の装着などが含まれ、複数回の通院が必要です。痛みを抑えるために麻酔が使われますが、治療後も一時的な痛みが生じる場合があります。

歯を抜かずに済むことや痛みを取り除けるなどといったメリットがある一方で、治療が長期化する可能性がある点や歯が脆くなる可能性がある点はデメリットといえるでしょう。

根管治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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24年09月12日

虫歯を予防する方法は?虫歯のメカニズムや定期検診の重要性を紹介!

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

虫歯で歯が痛い女性

「虫歯を予防する方法とは?」「虫歯になりやすい人っているの?」と、疑問を持っている患者さまもいるでしょう。

今回は、虫歯について詳しく解説していきます。虫歯のメカニズムや虫歯になりやすい方の特徴も伝えるので、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯のメカニズム

虫歯になった歯

口の中には、ミュータンス菌という虫歯の原因になる細菌が存在します。ミュータンス菌は糖をエサにして口の中で増殖し、粘着性の高いグルカンという物質を生成します。グルカンによってさまざまな細菌が引っ付きあってさらに増殖し、プラークが形成されるのです。

また、ミュータンス菌は酸も生成します。生成された酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされることを、脱灰といいます。酸によって溶かされたエナメル質を修復する働きを再石灰化といい、通常は脱灰と再石灰化のサイクルを繰り返して健康な状態を維持しています。

しかし、間食などにより糖分の摂取回数が多くなると、再石灰化が間に合わず脱灰が進行します。再石灰化が追いつかなければ、エナメル質がどんどん溶かされ虫歯になります。

放置するとさらに進行し、痛みなどの症状が引き起こされます。最悪の場合は歯を失う恐れもあるので、できるだけ早く治療する必要があるでしょう。

虫歯を予防する方法

虫歯予防のため歯磨きをしている女性

虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。

ブラッシングを丁寧におこなう

虫歯は、歯垢や歯石が蓄積して細菌が増殖することによって引き起こされます。そのため、毎日のブラッシングを丁寧に行うのが、虫歯の予防には最も重要です。ブラッシング自体は、毎日している方が大多数でしょう。

しかし、外出などでブラッシングに時間をかけるのが難しいときもあるかもしれません。その際は、就寝前のブラッシングだけでも丁寧に行うように心がけてみてください。

眠っているときは唾液の分泌量が減り、唾液による自浄作用や殺菌作用も低下します。細菌が増殖しやすい状態になるため、寝る前は丁寧にブラッシングを行いましょう。できるだけ口内の細菌を減らしておくことが大切です。

歯間ブラシやフロスも使用する

歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスなどの使用も虫歯予防に効果的です。どんなに丁寧に磨いているつもりも、歯ブラシだけでは歯間など細かい部分の汚れを取るのは難しいです。

汚れが残りやすい歯と歯の隙間は、歯間ブラシやデンタルフロスを使って汚れを落とします。歯と歯ぐきの境目の部分はタフトブラシを小刻みに動かすと、汚れやプラークを落としやすいので活用しましょう。

フッ素配合の歯みがき粉を使用する

丁寧なブラッシングに加えて、フッ素の入っている歯みがき粉を使用するとより一層虫歯を予防できます。フッ素には、再石灰化を促して歯を強くする効果と、虫歯の原因となる酸の生成を抑制する働きがあるためです。

歯科医院だけではなく、ドラッグストアなどでもフッ素配合の歯みがき粉は販売されています。虫歯予防の効果を高めたい方は、購入して使用してみましょう。

定期的に歯科医院でクリーニングを受ける

丁寧にセルフケアをおこなっていても、汚れや歯石は溜まります。また、患者さまご自身でも気付かないうちに、虫歯ができているケースもあるでしょう。

定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、ご自身では取れなかった汚れや歯石を除去してもらえます。クリーニングでは歯石や汚れの除去だけではなく、虫歯や歯周病ができていないかのチェックもしてもらえるため、問題の早期発見にもつながるでしょう。

定期クリーニングの頻度は口腔内の状態や生活習慣によって変わりますが、およそ3ヶ月に一度が一般的です。

虫歯対策に有効な手段

虫歯対策としてうがいをしている女性

歯磨きは毎食後に行うのが理想的ですが、外出中など十分にできないケースもあるでしょう。ここでは、歯磨きするのが難しい場合にできる、虫歯の対策方法をご紹介します。

うがいをする

歯みがきをするのが難しいときには、うがいをしましょう。うがいをするだけでも、ある程度の食べカスや汚れを洗い流すことができ、虫歯リスクを下げられます。

ただし、うがいだけでは細かい汚れや歯と歯の隙間に詰まっている食べカスは落とせません。歯磨きができる状況になったら、早めにおこないましょう。

また、マウスウォッシュを使用するのも効果的です。フッ素が入っているマウスウォッシュを使用すれば、虫歯予防につながります。

水をこまめに飲む

水をこまめに飲むことも、手軽にできる虫歯予防の方法です。口腔内が乾燥すると細菌が増えやすく、虫歯のリスクが高くなるからです。

また、虫歯のリスクだけではなく、口臭が発生するリスクもあります。水をこまめに飲んで口腔内の乾燥を防げば、口腔内の環境が整って虫歯・口臭を予防できるでしょう。

ただし、飲み物ならなんでも良いわけではありません。砂糖入りの飲み物を頻繁に飲むと、虫歯のリスクが高まります。コーヒーなどの色の濃い飲み物も、着色汚れがつきやすくなるので注意しましょう。

キシリトール配合のガムを噛む

ガムを噛むと唾液が分泌されやすくなります。唾液が分泌されれば自浄作用や殺菌作用もより得られるため、虫歯対策になるでしょう。キシリトールには虫歯の原因になるミュータンス菌の活動を弱める働きもあるので、キシリトール配合のガムを選ぶと効果的です。

ただし、糖が入っているとミュータンス菌の餌になるので、無糖のものを選ぶようにしましょう。

虫歯になりやすい人の特徴

歯並びが悪く虫歯になりやすい男性

虫歯になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。

ブラッシングが上手くできていない

ブラッシングが上手くできておらず、磨き残しが多い方は虫歯になりやすいです。磨きにくい箇所などは、意識しないと綺麗に汚れを落とせません。

歯科医院では、ブラッシング指導を行っています。日々の口腔ケアの質を上げることで、虫歯を予防できる可能性が高まるためです。

ブラッシングの仕方に自信がない患者さまは、一度指導を受けてみてください。

歯並びが悪い

歯並びが良くないと、歯と歯が重なり合っている部分などブラッシングしにくい箇所に磨き残しが発生しやすいです。汚れが蓄積して細菌が繁殖し、虫歯のリスクが高くなります。

矯正治療で歯並びを整えれば、ブラッシングしやすくなり虫歯のリスクも下げられるでしょう。

虫歯になりやすい歯の質

遺伝的に虫歯になりやすいケースもあります。歯質は遺伝すると言われており、歯質が弱ければ虫歯菌に感染した時に症状が出やすいでしょう。両親が虫歯になりやすい体質なら、子どもも虫歯になりやすいかもしれません。

食事のタイミングに問題がある

食事をしたあとは、口の中が酸性に傾きます。食後しばらくすると中性に戻りますが、ダラダラと長時間食べたり間食が多かったりすると、酸性になっている時間が長くなって虫歯になりやすくなるのです。

食事やおやつは、決まった時間に取るように心がけましょう。

定期検診の重要性

定期健診を受けている患者

虫歯を予防するためには、定期的に検診を受けることが大切です。定期検診では、患者さまがご自身では取り除けない歯石や着色汚れを落とせます。

また、虫歯や歯周病になっていないかのチェックもしてもらえるので、トラブルが小さいうちに発見・治療できます。定期検診を欠かさずに受けることで、口腔内の健康を維持しましょう。

まとめ

鏡で自分の歯を見ている女性

虫歯を予防するには、日々の丁寧なブラッシングが重要です。ブラッシングの際は歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども使って細かい部分の汚れも除去してください。

外出などでどうしてもブラッシングをするのが難しいときには、水やマウスウォッシュでうがいをおこないましょう。

また、どんなに丁寧にセルフケアをおこなっていても、磨き残しが発生することがあります。定期的に検診を受けてクリーニングをしてもらい、口腔内を清潔に保てるようにしてください。

虫歯予防についてもっと詳しく知りたい方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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24年03月31日

歯の神経を抜かなければならないと言われたら(根管治療)

今回は、神経を抜く治療、「根管治療」についてお話します。「これはもう、神経を抜かなければならないですね」歯医者さんでそう言われたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

■歯髄(しずい)は歯の生命線



歯の神経のことを「歯髄(しずい)」と言います。「歯髄」は、歯の中核です。歯髄には神経だけでなく、たくさんの血管も通っています。歯髄の血管は、歯を形作る象牙質に栄養を送ったり、免疫細胞を作ったりする役割を担っています。

■神経を抜く治療

むし歯がC3 以上にまで進行し、この歯髄まで侵されている場合や、歯の根が病気になった場合には、神経を抜く治療、「根管治療」を選択しなければならないことがあります。根管治療は、歯の治療のうちでもとても大きな割合を占める治療なんです。

簡単に言うと、細菌に感染した歯や神経を徹底的に殺菌して除去し、清掃・消毒して、空になった管の部分に防腐剤を詰めて密閉するというものです。そうすることで、それ以上の感染をストップさせ、歯の機能を維持させるというものです。

■神経を抜くとはどういうことなのか

むし歯治療で神経(歯髄)を抜いてしまうということは、栄養の供給がストップし、免疫機能が働かなくなることを意味します。歯は再生能力を失い、もろく、欠けたり折れたりといったことが起こりやすくなります。

ですから、そこまで進行してしまう前に、早く気づいて治療しましょう! 神経を抜かなければならなくなる前に治療できたらいいのですが・・・ でもそこまでむし歯が進行してしまったら、放置しておくのはもっとよくありません。

■感染した根管の症状

では、むし歯の菌に感染した神経、根管はどのような状態にあるのでしょうか。根の先に膿は溜まっている状態では、痛みが出ないこともあります。これを慢性期といいます。治療を始めて感染源を取り除くと激しい痛みや腫れが現われる場合があります。これを急性期といいます。

*慢性期

慢性期では、普段は痛くないが、体調が悪いようなときに鈍痛が生じます。疲れているときや発熱しているときに痛みが起こるのですね。また歯肉(しにく)を押したり、なにか咬んだときにと違和感を感じることがあります。走ったり階段を駆け降りたりしたときに、上の奥歯が痛むことはありませんか? 歯肉に小さな穴があり、膿が出ていませんか? 歯肉が腫れたり、潰れたりを繰り返していませんか? これは根管が感染したときの症状なんです。

*急性期

急性期は、食べたり飲んだり、運動をしたりといった刺激がなくても、ズキズキと激しい痛みが起こる状態です。激しい痛みは、痛み止めが効かず、眠れないほどです。歯肉が腫れてきて、上の歯であれば目の下まで、下の歯であれば首のあたりまで腫れてきます。喉も腫れてくることがあります。微熱や倦怠感が現われることもあります。

■歯髄炎(進行したむし歯)の治療

むし歯が歯の奥深くまで進行し、神経(歯髄組織))までむし歯の原因菌に感染し、炎症がおさまらず回復しない場合は、もはや歯髄を保存することはできません。できる治療は、感染した歯髄をとりのぞき、歯髄組織が入っている管 (根管)をできるだけ無菌状態にして、封鎖してしまいます。これは細心の注意が必要な治療です。根管治療を行ったにもかかわらず、再び根管が感染してしまったり感染が残っていたりする場合もあるのです。その場合は再度、根管治療が必要となります。

*こんな症状が危険信号です

症状は冷たいものや温かいものがしみる、じっとしていても鈍い痛みを感じることがあるなどです。

■根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

歯髄炎がさらに進行して、神経や血管などが入ってくる管(根尖孔)から、歯根の周囲の組織に細菌の感染が広がり、病巣が広がっている状態を、根尖性歯周炎といいます。

歯根の先端に炎症が起きて膿がたまってしまいます。歯を支える骨の部分、歯槽骨の内部に膿がたまり、破壊されて溶けていくため、激しい痛みが生じ、歯肉や顎が腫れたりします。この膿が、歯肉や皮膚ににできた穴から口の中に出てくることもあります。

むし歯を放置して根尖性歯周炎にまで進行することもありますが、むしろ一度根管治療を行った歯が、再度感染を起こし、根尖性歯周炎となるケースが多く見られます。

*こんな症状が危険信号です

症状としては、「噛むと痛い」「歯ぐきから膿が出る」「たまに強い痛みがおそってくる」といったことがあげられます。

■歯髄壊死

歯髄の組織や細胞が死んでしまい、冷たいものを飲んでも痛みを感じなくなります。この状態を「歯髄壊死」と言います。痛くなくなったからと安心してはいけません。歯の色も変わってきます。怪我や事故などの外傷により脱した歯が歯髄壊死となることもあります。

■歯髄壊疽(えそ)

さらに放置を続けると、歯髄がおさめられている管に停滞する細菌によって、壊死した歯髄が腐敗してしまい、「歯髄壊疽(えそ)」の状態になります。強い腐敗臭や口臭がするよういになります。

■根管治療のポイント

根管治療、神経を抜く治療という治療法は、細菌に侵された部分を取り除き除菌して無菌状態にしたうえで、薬を詰め、封印することとお話しました。大切なことは、根管内にいる細菌をできるだけ消毒すること、新たに根管内に細菌を侵入させないことです。

歯の根は、人それぞれ形が違い、複雑な構造になっているため、細菌を完全に取り除くことは非常に困難です。根管治療はじっくり時間をかけて丁寧な処置を行う必要があります。

細菌を残した状態で詰め物や彼せ物をしてしまうと、根の中で細菌が増殖して症状が再発してしまうかもしれません。その場合には、抜歯・歯根端の切除など、外科的な処置が必要となります。再発を防ぐために、初回の根管治療で適切な治療を受ける事が重要です。

*歯科用 高精度手術用顕微鏡 マイクロスコープ「Bright Vision」

木更津きらら歯科では歯科用 高精度手術用顕微鏡 マイクロスコープ「Bright Vision」を導入しています。拡大された視野で治療することにより、より精密に感染源を除去することができます。だた顕微鏡を使用すると、いろいろわかりすぎて、通常の保険診療で想定されている状況にあてはめることができないほど、治療の範囲が広くなる傾向はあります。一部保険適用できるケースもございますので、必要に応じて、より高い精度での診療をご提供することが可能です。

■根管治療の流れ

健康な歯



健康な歯の断面です。このまま何事もなければよいのですが・・・。

汚染された歯髄



虫歯や破折によって歯髄に細菌が侵入し、歯髄腔全体に感染が広がって、根の先に膿が溜まっている状態です。

咬合面や補綴物の除去



治療の為に咬み合わせ面やつめものをとりさります。

清掃と消毒



感染した歯髄やボロボロになった象牙質、たまった膿などを丁寧に取り除さ、清掃と消毒を繰り返します。多くの場合、1〜4回程度の通院が必要です。痛みはこの時点で治まります。

きれいになった状態



細菌に感染した骨髄(神経や血管)を除去し、歯の内部がきれいなった状態です。

薬品を詰める



根管内を洗浄し、薬品を詰めます。この処置は何度か行います。

補綴治療



キレイになった根管に土台を入れ、、被せ物(クラウン)を装着します。被せ物の種類は、メタルやセラミックなど様々な種類があります。炎症が強い場合は仮歯でしばらく様子見ることもあります。

治療のゴール



咬み合わせに問題がなければ治療は終了です。2〜3回の通院が必要なことが多いです。

定期検診

根管治療は治療後が重要です。根管治療を施した歯がしっかり機能しているかどうか、再発していないかどうか、定期的に確認します。

「神経を抜く」というのはこんなに重大なことなんです。お口の中に違和感を感じたら、早めに歯医者を受診して治療しましょう。もし進行してしまったら、そこで食い止めるように、少しでも歯の機能を残せるようにがんばりましょう。私たちもがんばります!


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24年03月04日

むし歯の治療方法

むし歯は初期のうちに治療すれば負担が軽くてすみます。重度になるほど、損なわれた歯がとりもどせないだけでなく治療の負担も大きくなるのです。少しでも違和感を感じたら、受診されることをおすすめします。



■むし歯は感染症

むし歯は、歯の成分が溶け出して穴があいてしまう病気です。お口の中のミュータンス菌という細菌が、糖質と結びつくと酸をつくります。その酸が歯の表面のエナメル質をとかして穴をあけてしまうというものです。

生まれたばかりの赤ちゃんにむし歯の原因となるミュータンス菌はいません。お母さんや周りの人から、唾液を通してミュータンス菌がうつってしまうのです。むし歯は感染症なのです。

むし歯は、歯の表面に穴があいただけでは痛みを感じません。歯の内側の象牙まで質に進行すると冷たいものがしみるようになり、神経まで進むと激しい痛みを感じるようになります。神経が破壊される段階まで進行すると、歯を抜かなければならなくなります。



■むし歯の治療の流れ

むし歯が歯の表面に限られる段階なら、削らす再石灰化を促すことを考えます。むし歯が大きくなると歯を削り、詰め物やかぶせものをかぶせる治療が必要になります。むし歯がさらに進行して歯の神経(歯髄:しずい)にまで到達すると、神経を抜かなくてはなりません(抜髄:ばつずい)。神経を抜いた場合、多くは土台をたててかぶせものをすることになります。これがいわゆる差し歯です。

■初期の段階なら削らなくてもよいかもしれません



お口の中は、「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しています。口の中にいる細菌が酸を出して歯を溶かす現象が「脱灰」、酸性に傾いたお口の中が唾液の働きで中和され、、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す働きが「再石灰化」です。

初期のむし歯は、歯科医院で再石灰化に有効な薬剤を塗布する治療を行い、お口の中に糖質を残さないセルフケアを徹底することで修復できる場合があるんです。この段階で治療できたら歯のためには一番いいのです。

■小さなむし歯の場合



セルフケアを怠り、お口の中に糖質が残っている状態が続くと脱灰がすすみます。表面のエナメル質に見てわかるような穴があいてしまうでしょう。また鏡で見てわからない歯の裏側や歯と歯の間に穴があいてしまったら自分では気づくことができません。この状態になると、再石灰化を期待することはできません。むし歯の部分を削り取り、その部分に合成樹脂を詰める治療を行います。

*コンポジットレジン充填

かけてしまった部分を修復したり、初期の虫歯を少しだけけずって詰め物をするような治療で最も多く使用されるのは、コンポジットレジンというプラスチックの素材です。紫外線照射によって固まるので、型どりをする必要がないため、多くの場合、1回の治療で終了します。多数のカラーを調整することで自然な仕上がりに近い美しさを求めることもできます。コンポジットレジンを使用して修復する治療法をコンポジットレジン充填と言います。

審美性を求めて、欠けている個所を整える治療を自由診療で行うこともあります。

■大きなむし歯の場合



むし歯の穴が、直接つめものをすることができないくらい大きくなってしまったら、型をとって歯の模型を作製し、この模型を使って金属やセラミックなどの技工物を作り、歯の穴を修復します。

*インレー

インレーとは、臼歯(奥歯)の削った歯の空洞に詰める修復物です。保険適用の範囲内では、金属の素材を使用します。審美性を求める場合には、自由診療でセラミックスなどのインレーを選択することもできます。

*クラウン

歯を削った後にクラウンと呼ばれる人工歯を被せます。歯全体を覆う場合と、歯の一部を覆う場合があります。保険診療では、銀歯と呼ばれる金属製のクラウンを使用することが多いのですが、自由診療では、美しく体に優しいセラミックスや体に優しいゴールドのクラウンを選択することもできます。

■歯の神経まで傷んでしまった場合

むし歯の範囲が歯の神経(歯髄:しずい)まで到達してしまうと、神経を抜かなくてはなりません。専門的には、歯髄を除去(抜髄)するという言い方をします。

できればそこまでになってしまうまでに治療できたらいいのですが・・・

というのは、神経を取り除いた歯は、健康な歯よりどうしても弱くなり、むし歯の再発もしやすいのです。

歯髄には、脳に刺激を伝える神経だけではなく、栄養や酸素を送り込む毛細血管も存在しています。歯髄が取り除かれるということは、栄養や酸素が供給されなくなるということです。歯の色が悪くなり強度も失われていきます。むし歯も再発しやすく、神経がないため痛みなどの自覚症がなく悪化しやすいのです。



神経を抜かなければならないほど進行してしまったら、空洞になった管をきれいに掃除して、細菌がはいらないように薬をつめます。歯髄の入っていた穴がきれいに掃除されたら、そこに金属やレジンで土台をつくり、その土台の上にかぶせ物をします。一般的に「差し歯にする」と表現される治療です。歯を抜くことなく、自分の歯を利用してかぶせ物をするわけです。

この神経を抜いた空洞に細菌がはいりこむと、膿がたまり、さらに腫れや痛みを引き起こします。最初は痛みなどの自覚症状がないため、レントゲンでなければ発見できません。こうなると、単に「歯に穴があいたむし歯」という段階を超えてしまいます。

どうか、そうなる前に歯医者に行きましょう!

■抜歯



歯を残したまま治療が可能なのは、軽度〜中等度のむし歯まで。重度のむし歯では、歯を支えている骨が溶け、歯を支えられなくなっています。こうなると抜歯するしかありません。

抜歯をしないで放置すれば、口腔内にもさまざまな悪影響を与えてしまいます。細菌感染が広がり多くの歯を失ってしまう可能性があります。そうなるとさらに治療の難易度が上がり、選択肢も少なくなっていきます。抜かないことで身体的負担や治療期間、費用が増加するリスクが生じてしまうのです。

■抜歯後の治療

歯を失った状態をそのままに放置していると、咬み合わせに異常が生じ、ものが食べにくいだけでなく姿勢や、めまいや耳鳴りといった全身の健康にも問題が起きてきます。がんばって最後まで治療しましょう。



*ブリッジ

失った歯の両隣の歯を支台とし、クラウンを橋のように渡して欠損部分を補う治療法です。違和感は少ないのですが、両隣の歯を削らなくてはならないため、両隣の歯の負担が大きくなるため、長い目で見ると心配もあります。歯科定期検診を欠かさず受診してください。



*義歯(入れ歯)

部分義歯は、人工床に人工の歯をとりつけ、留め具で両隣の歯に固定するものです。保険診療で作製できる点がメリットです。不便さもあり、噛む力が20~30%ほどに減ってしまいます。「クラスプ」と呼ばれる留め具は歯ぐきや歯に負担になります。自由診療では、ばねのない部分義歯を作製することも可能です。



*インプラント

顎の骨にチタン製のねじ状の歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を被せる治療法です。チタンは骨と結合する性質を持っており、比較的体に負担をかけません。埋め込まれた人工歯根は顎の骨にしっかり固定されるので、自分の歯のように違和感を覚えず咀嚼することができるようになります。

インプラントについて詳しくはこちら

むし歯は、初期のうちに治療することがおからだのためにとても大切なのです。重度に進行してしまうと、治療自体が、患者さまの身体的、金銭的、時間的にたいへん負担になってしまうのです。ぜひ歯科定期検診に来院いただき、早いうちに治してしまいましょう!


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24年01月12日

歯が欠けたとき、折れてしまったとき

食事中に口の中に違和感を感じ、なんだろう・・・ と思ったら、歯が欠けていた! そんな経験をしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。そんなときはほおっておかないですぐ歯医者へ。この記事では、歯が欠けたときの原因や治療法をお伝えします。



■歯が欠ける、折れるのはこんなとき

歯の表面のエナメル質は、人体の中でも最も堅い組織ですが、それでも欠けてしまうことがあるんです。健康な歯は、食事などで堅いものを食べたからと言って折れたり欠けたりすつることはありません。折れたり、欠けたりした歯にはなにか問題が起こっていた可能性があります。

*むし歯になっていた

むし歯とは、むし歯の原因菌によってエナメル質や象牙質が溶かされる病気です。象牙質のほうが歯の表面のエナメル質より柔らかいため、先に溶けてしまいます。中が空洞になった歯は、もろくなり、欠けやすくなります。歯がしみていたというような前兆はありませんでしたか?

*酸蝕症になっていた

歯は酸に弱いのです。スポーツドリンクやコーラ、炭酸水といった酸を含む飲料を間をおかず飲み続けるようなことでも傷んでしまいます。酸蝕症とは、むし歯と同様に歯のエナメル質がとけてしまう症状ですが、むし歯と異なるのはそれが歯全体に起こる点なんです。エナメル質が溶けて薄くなり、象牙質がすけてみえるようになったときには、知覚過敏やむし歯のリスクが高くなり、歯そのものももろくなって欠けやすい状態になっています。

*スポーツや事故などによる外傷

エナメル質は人体で最も硬い組織ですが、それでも強い衝撃を受けたら欠けたり折れたりしてしまいます。スポーツ中の事故なら、そのままにしておくと欠けた箇所がお口の中を傷つけることもあります。転倒やスポーツ中の事故などによって強い衝撃を受けると、歯が欠けたり破折したりすることがあります。

*歯ぎしりや食いしばりによって負荷がかかっている

歯ぎしりや食いしばりの癖は歯が欠ける原因になります。特に神経の治療を受けた歯は、健康な歯よりもろくなっているため、歯の根っこから割れてしまうこともあります。集中しているときなどに無意識に上下の歯が接触する癖がある場合も、歯に負担がかかっています。

■欠けた歯を放置していると

残念ながら、歯が欠けたり折れたりしてしまったら、新しい歯が生えてくるということはないのです。だからといって、痛みがないからと欠けた歯や折れた歯を放置しておくのはよくありません。表面のエナメル質が損なわれ、象牙質が露出するとそこからむし歯にかかりやすくなります。象牙質は熱や振動に敏感なため、触れただけで痛みを感じるようになるでしょう。欠けた箇所を舌でさわったり押したりしないでください。雑菌がはいって、歯の神経が感染するかもしれません。できるだけ早く歯医者に行きましょう。

■歯が欠けてしまったときの治療

損傷の程度によりふさわしい治療法があります。

*脱臼した歯をもどす

事故などで、健全な歯が完全に抜けてしまった場合は、道路に落ちても自分で洗ったりせずに牛乳に入れて持ってきてください。もどせるかもしれません。時間との勝負で、30分以内なら成功率が高いです。歯を乾燥させないようにしてください。歯は骨から直接生えているわけではなく、歯根膜という線維性の組織によって支えられているのですが、歯根膜の断裂などにより歯が抜け落ちるのを脱臼といいます。歯をもどせるかどうかは、抜けてからの時間が短いことと、歯根膜という膜がどれだけ残っているかどうかがポイントになります。

*コンポジットレジン充填

欠けた部分が小さければ、プラスチック製の素材で補填することができます。コンポジットレジンは、紫外線照射によって固まる素材でいろいろな症例で使用されます。カラーが豊富で、重ね合わせて使用することで自然な仕上がりに近くなるように調整できます。コンポジットレジンを使用して修復する治療法をコンポジットレジン充填と言います。保険診療の範囲内での治療が可能です。

*ラミネートべニア

歯に模した薄い剥片を付け爪のように装着するラミネートべニアという治療法を選択できる場合もあります。歯の表面を薄く削る必要があります。歯の表面に装着する素材はセラミック製で、シェルと呼ばれ、装着した歯が透けてみえるほど薄いものです。自然な白さを実現するために、接着剤の色や、元の歯の色を消すシェルを重ねづけするなど、繊細な調整を施していきます。自費診療で行います。

*セラミック治療

損傷がもう少し大きい場合は、修復物を作製します。詰め物や被せ物の型取りが必要です。保険診療では銀歯やプラスチック素材を使用します。自費診療の選択が可能なら、審美性や強度にすぐれたセラミック素材をおすすめします。特に目立ちやすい前歯や強い力がかかる奥歯には、セラミック素材の修復物が適しています。

いろいろな白い歯

*クラウン

残った歯を削り、土台をはめ込み、その上に人工の歯、クラウンを被せます。歯は折れてしまったが根が残せる場合に選択できる治療法です。前歯などの目に見える範囲の歯は、自然の歯の色に近い素材が多くの患者さまに選ばれます。

当院で使用する補綴素材

*ブリッジ

神経や根の損傷が著しく、抜歯しなくてはいけない場合もあります。そんな場合の選択肢のひとつとして「ブリッジ」という治療があります。失われた歯の両隣の歯を削って支台とし、支台と欠損部を連結したクラウンを橋のように渡します。違和感は少ないのですが、両隣の歯を削る必要があるため、力の関係上、両隣の歯の負担が大きくなります。また汚れがたまりやすいという面もあります。

*義歯(入れ歯)

部分義歯と総義歯があります。部分義歯は、人工床に人工の歯をとりつけ、金具で両隣の歯に固定するものです。入れ歯は保険診療で費用を抑えて作製することができる点がメリットですが、不便さもあります。自分の歯と比較すると、噛む力が20~30%ほどになるため、硬い食べ物が食べにくくなってしまいます。また、部分入れ歯では入れ歯を支えるために「クラスプ」と呼ばれる留め具を自身の歯に引っ掛けますが、これが歯ぐきや歯に相当な負担をかけてしまうのです。自由診療では、ばねのない部分義歯を作製することも可能です。

*インプラント

顎の骨にチタン製のねじ状の歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を被せる治療法です。チタンは骨と結合する性質を持っており、比較的体に負担をかけません。埋め込まれた人工歯根は顎の骨にしっかり固定されるので、自分の歯のように違和感を覚えず咀嚼することができるようになります。

インプラント治療は平均して約3~6ヶ月の時間が必要です。例として二回法の治療の流れをご紹介します。インプラントを埋め込む手術の後、上顎でしたら6か月、下顎でしたら3か月程度の定着期間を置いて、歯ぐきを開き、人工歯の接合部分を取り付ける治療を行います。インプラントを埋め込んだ歯肉部分が十分治癒するまでの時間を設けるので、感染のリスクが低くなる方法です。二回法はほとんどの方に適応できる手術です。

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欠けてしまった歯、折れてしまった歯。歯は残念ながら再生することはありません。しかし、放置しているとむし歯のリスクが高くなり、噛み合わせがくずれ、欠けた歯の先がお口の中を傷つけたり、いいことはありません。痛みがないから、いまさら急がなくてもとおっしゃらずに、早めに歯科を受診してください。なによりも、ご自身のからだをきちんをメインテナンスしてあげることは、心にもいい影響がありますよ。


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23年03月24日

口内炎は歯科にご相談ください

口内炎の診断や治療は、お口の専門家である歯科が適切です。口内炎は、お口の中の粘膜に起こる炎症のことをいいます。自然と治ることも多いので放置しがちですが、治りが悪い時は重大な病気のサインかもしれません。おかしいなと思ったらご来院ください。


■口内炎の種類と原因

  • アフタ性口内炎
    円形の白っぽい潰瘍です。ストレスや睡眠不足、疲労、免疫力の低下によって起こります。最も一般的な口内炎です。
  • 外傷性口内炎
    むし歯や入れ歯の不具合などで、お口の中の年末が傷つき、細菌感染して炎症を起こすものです。
  • ヘルペス性口内炎
    舌や唇の裏に多数の小さな水疱ができる口内炎です。高熱が続いたときに、ヘルペスウイルスなどのウイルスに感染して起こります。
  • カンジダ性口内炎
    白いこけのような斑点ができて赤くただれます。真菌(カンジダ菌など)が原因です。

※口内炎ではないケース

口内炎と間違いやすい病気もあります。舌癌や白板症なら、自然と治ることはありません。口腔外科での治療が必要です。

  • 舌癌
    初期には痛みがなく見た目はアフタ性口内炎と似ています。早いうちに治療すれば90%が治ると言われています。
  • 白板症
    がんになる可能性が高い、前がん病変という症状です。見た目はカンジダ性口内炎に似ています。

■受診のめやす

口内炎は、自然と治ることも多いのですが、「我慢できないほど痛かったり再発を繰り返したりするようなら心配です。こんな症状でしたら歯科を受診してください。

  • なかなか治らない
  • 症状が大きくなる
  • 何度も再発する
  • 多数の口内炎が同時にできる
  • 食事や会話に支障がでるほど痛みが強い
  • 痛みのない腫れやしこりがある

■口内炎の治療

当院ではレーザー治療にも塗り薬での治療にも対応しています。口内炎にレーザーを照射すると、レーザーの殺菌・消毒作用によって治りが早くなり、比較的時間がかからずに症状がおさまります。

■口内炎の予防

一番多いと言われるアフタ性口内炎は、過労や睡眠不足・栄養不足によってできやすいと言われています。バランスのいい食事、十分な睡眠を心掛けましょう。

むし歯の治療の被せものや、入れ歯の装着がお口の中を傷つけ口内炎の原因になっていることもあります。歯科でお口の中のメインテナンスを行いましょう。

口内炎は、身体からのサインです。ストレスをためていないか、重大な病気の前触れではないか、ご自身のメインテナンスのきっかけにしてください。


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23年02月16日

歯の構造

歯は、中核をなす神経(歯髄)、それを囲む乳白色の象牙質、そして象牙質を覆う水晶のように固いエナメル質という3層構造になっています。歯根部の表面を被っている組織がセメント質です。


■歯髄

歯の神経があるところを「歯髄」といいます。神経は痛みを感じ、大きな問題を未然に防ぐSOSを発してくれます。歯髄には神経だけでなく、たくさんの血管も通っています。歯髄の血管は、象牙質に栄養を送ったり、免疫細胞を作ったりする役割を担っています。

むし歯治療で神経(歯髄)を抜いてしまうということは、栄養の供給がストップし、免疫機能が働かなくなることを意味します。歯は再生能力を失い、もろく、欠けたり折れたりといったことが起こりやすくなります。

■象牙質

象牙質は歯の大部分を構成します。エナメル質よりは柔らかく、セメント質よりは硬いという組織で、黄色味をおびていて、エナメル質やセメント質に覆われており普段は見えません。象牙質が露出してしまうと、すりへりやすくなりむし歯のリスクが高くなります。冷たいものや熱いものがしみてしまうのも、象牙質がむき出しになっていることが原因である場合が多くあります。

■エナメル質

歯の外側を覆っているのがエナメル質です。きれいなエナメル質は、半透明で、その下の乳白色の象牙質が透けて見えます。白い歯の色合いが奥行きがあり美しいのは、この半透明のエナメル質によるものなんです。エナメル質は水晶と同じくらいの硬度を持っていて、人体の中で一番硬いと言われています。2~3ミリほどの厚さで、歯にかかる様々な力から歯の神経を守ります。

エナメル質は硬くて美しいのですが、けっこう繊細です。お口の中が酸性に傾くと表面のミネラルが溶け出してしまいます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。傷んだエナメル質は唾液の働きによって修復されます。これを「再石灰化」といいます。目に見えるほどの痛みは修復できず元の状態にはもどりません。

■歯を守る

お口の中は、食事のたびに酸性に傾き、唾液の働きで中性にもどります。歯を守るにはお口の中を中性に保つことが大切なんです。だらだらなにか食べたり甘い飲み物を飲んだりしていると、お口の中が中性にもどるひまがありません。食事やおやつはめりはりをつけて、水分補給は糖分のはいっていないものを、食事の後には歯みがきをして唾液の働きを助けましょう。

お口の中ではいろんなことが起こっていますね! ご自分の歯を長く大切にしてくださいね。3ヶ月に1度は定期検診に来てください!


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23年02月14日

大人のむし歯

歯は一度むし歯になると、二度と元の歯にはもどりません。私たちは、治療した歯が再びむし歯になる「むし歯リスク」をずっと背負わなくてはならないのです。


大人のむし歯には「二次う蝕(しょく)」と「根面う蝕(しょく)」があります。「二次う蝕」はむし歯を治療したつめものやクラウンのまわりにプラークがたまり再びむし歯になってしまうことです。「根面う蝕」は歯の根元に発生するむし歯です。様々な理由から、あらわになってしまった歯の根っこの部分にプラークがたまり、むし歯を引き起こすものです。

■二次う蝕

二次カリエスとも言います。人のむし歯の80%は二次う蝕、特に40代、50代の人のむし歯は2次う蝕が大幅に増えます※。治療後のつめ物やかぶせたクラウンと歯の間の隙間は、プラークが付きやすく、むし歯が再発しやすいからです。

※歯科先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学による

■根面う蝕(しょく)

「歯の根むし歯」と言ったらイメージしていただけますでしょうか? 根面う蝕は、なんらかの理由で歯ぐきがさがり象牙質が露出したときに起こりやすくなります。象牙質は、表面の固いエナメル質より酸に弱く、表面がざらざらして汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。

歯周病にかかっていたり、加齢により歯ぐきがさがることで象牙質は露出してしまいます。間違ったブラッシングで歯根が露出する場合もあります。大人がかかりやすいむし歯というのはそういうわけなんです。

■根むし歯の原因

むし歯は、酸によって歯のエナメル質が溶かされてしまう状態からはじまります。歯を溶かす酸は、歯に付着したプラークの中でむし歯の原因菌、ミュータンス菌によって発生します。ミュータンス菌は食べ物の中に含まれる糖質(特に砂糖)を餌にして酸をつくるのです。そしてプラークをつくるのもこのミュータンス菌なのです。

■予防のポイント

プラークの除去

大人のむし歯の予防は、まずはプラークの除去です。毎日の歯磨きでプラークをしっかり取り除くことが大切。ところが磨いたつもりでも、磨き残しが意外に多いのです。定期健診で、磨けているかどうかチェックしてもらいましょう。

エナメル質の強化

歯の表面を覆うエナメル質。人体の中で一番硬い組織ですが、酸には弱いのです。むし歯菌の出す酸に負けない強い歯にするためにはフッ素塗布が有効です。定期検診の後に塗布してもらうといいですね。

痛くないから、忙しいからと言わずに、ぜひ3ヶ月に一度の定期的な検診を活用してください。大人のむし歯は、とりかえしのつかないことになります。抜歯しなければならないほど進行していたら、患者さんはショックを受けるでしょうが歯科医師もすごくショックなんですよ! ご来院をお待ちしています。


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23年02月11日

欠損治療―インプラント

失われた歯を修復する治療法としてインプラント治療があります。あごの骨に自然の骨と親和性のあるチタンの人工歯根を埋め込み、人工歯根に人工の歯を固定するというものです。


■インプラントという選択

インプラント治療では、多くの場合、隣の歯の支えを必要とせず、修復する歯を独立して治療することが可能なため、残っている健康な歯に負担をかけずに済みます。またインプラント治療は、自然の歯に近い機能や見た目の自然な美しさをとりもどすことができます。

懸案事項となるのが、外科手術が必要な点と、費用の面です。骨とインプラント体を結合させるという、他の歯科治療とは異なるアプローチの治療のため、全身の健康状態が関わってきますし、治療の時間もかかります。

インプラント治療の症例や治療法について詳しくは こちら でご紹介しています

■欠損治療の比較

それぞれの治療法について、メリット、デメリットを理解し適切な治療法を考えていきましょう。

ブリッジ

メリット
  • 両隣の歯に固定され、違和感があまりない
  • 治療が比較的短期間でできる
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、天然の歯に似た修復ができる
デメリット
  • ブリッジを支え固定するために、健康な両隣の歯を削る必要がある
  • 支えとする両隣の歯の負担が大きく、しかも削っているため、将来的に歯を失うことになるリスクがある
  • 歯肉との間の部分に食べ物カスがつまりやすく、口の中が不衛生になりやすい

入れ歯

メリット
  • 多くの歯を失った方など、ほとんどの症例に対応できる
  • バネをかける両隣の歯を削らなくてはならないが、削る部分はブリッジより少なくてすむ
  • バネをかける歯が健康なら、治療期間が短くてすむ場合が多い
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、見た目や装着感の快適さを求めることもできる
デメリット
  • 装着したときに違和感を感じやすい
  • ガタついて噛みにくい場合がある
  • バネによる隣の歯への負担が大きい
  • バネが見えてしまうことがある
  • 取り外して手入れをする必要がある
  • 食べ物が挟まって口の中が不衛生になりやすい

インプラント

メリット
  • 顎の骨に固定するので、違和感がなく堅いものでも噛むことができる
  • 隣の歯を削る必要がなく、他の歯に負担をかけない
  • 見た目を天然歯に近くすることができる
デメリット
  • 外科手術が必要
  • 手術のリスク(腫れ、痺れ、出血その他)がある
  • 骨の状態によっては付帯手術が必要になる
  • 全身の健康状態によりインプラント治療が適さない場合がある
  • 治療期間が長くかかる( 3~ 6ヶ月程度)
  • 保険の適応外なので治療費が高額

失った歯を修復するのは本当にたいへんです。それでもそのまま放置していてはよくありません。ごいっしょに、がんばって治療していきましょう! そして歯を失う原因の多くをしめる歯周病やむし歯は予防できるのです。定期的に歯科でチェックをして、歯の健康を守ってください!


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23年02月09日

欠損治療ー部分入れ歯

部分入れ歯(部分義歯)は、人工の歯にバネをつけて両隣の歯にひっかけて支えるものです。

■部分入れ歯のメリット

  • 歯を失った方の、ほとんどの症例に対応できます。
  • 保険診療の範囲で作製するなら、安価で、比較的短期間で作ることができます。
  • 手入れが簡単です。取り外せるので手入れが簡単にできます。
  • 支えとする健康な歯の削る分がブリッジより少なくてすみます。ブリッジ同様、支えとなる両隣の歯を削らなければなりませんが、バネがかかる分だけでよいので、ブリッジを装着する場合よりも削る部分は少なくてすみます。
  • 支えとする健康な歯の負担がブリッジより少ないです。また補った歯にかかる力を、両隣の歯だけではなく歯ぐきでも支えてくれるので、ブリッジよりも健康な歯にかかる負担は少なくなります。

■部分入れ歯のデメリット

まず違和感はあると思います。金属のバネが見えるのが受け入れがたい方もいます。自費診療なら金属の目立つバネを使わない、柔らかい義歯(入れ歯)もありますが、入れ歯は入れ歯と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。入れ歯の見た目や、歯を削ることに抵抗がある方にインプラント治療をおすすめします。

■保険適用範囲で作成できる入れ歯

保険で作る部分入れ歯は、

  • 歯ぐきと似た色の土台(床)
  • 人工歯
  • クラスプ(両隣の歯に固定するための針金のバネ)
で構成されます。土台の部分をプラスチック(レジン)で作製するので厚みがありお口の中に装着したときに違和感を感じる場合があります。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。


安価に短期間で作製できること、ほとんどの方の症例に対応できることが特徴です。支えとなる歯は、むし歯や歯周病の兆候があればしっかり治療することが大切です。

■自由診療で作製するノンクラスプ+シリコーンの入れ歯


クラスプというのは針金、金属製のバネのことです。ノンクラスプの入れ歯は、金属のバネを使いません。金属のバネを使用しないので、入れ歯のようには見えにくいです。ソフトな感触で安定しており、お口の中に装着したときに痛くなくよく噛むことができます。 シリコーンのバネをつかった部分入れ歯は、自由診療となります。

■自由診療で作製するインプラントで支える部分入れ歯

*ロケーターで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントにロケーターというパーツで入れ歯を固定します。インプラント側のロケーターは凸凹でいえば凸側、入れ歯側には凸凹の凹側のキャップを装着します。ロケーターアバットメントと入れ歯側のキャップがパチッとはまり、入れ歯はしっかりと固定されます。

*マグネットで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントに、磁石にくっつく性質を持つ持つ金属を組み込みます。入れ歯側には磁石を装着します。インプラントと入れ歯は、磁石の作用で磁石の作用でくっつく様にします。インプラント体そのものには、磁石にくっつく性質はありません。歯ぐきがやせてきてもはずれにくく、お身体に不自由がある方でも扱いやすいのが特徴です。

お口の中の感覚は、髪の毛一本はいっただけでもわずらわしく感じるほど繊細です。人工的な義歯(入れ歯)を装着するのは、違和感があり抵抗をお感じの方もいらっしゃるかもしれません。木更津きらら歯科では、患者さまのお口にあった入れ歯でお口の機能をとりもどすお手伝いをいたします。


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23年02月06日

欠損治療ーブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って支台とし、橋のように渡す形で人工的な歯を被せる治療法です。外科手術が不要な、比較的シンプルな治療法です。


■ブリッジ治療のメリット

*自分の歯と同じように噛むことができる

失った歯が1本や2本で、両サイドに健康な歯が残っていたら、その健康な歯を削り被せものをして人工歯を支える支柱とします。失われた歯の部分は人工歯で補われ、両隣の歯にしっかりと固定されます。ガタついたりすることが少なく、自分の歯があったときと同じように違和感なく噛むことが可能です。

※インレーブリッジ
前歯、犬歯より後ろの歯でブリッジをしたい場合、失った歯の両隣に被せものをして支台とするのでなく、インレー(一般的に“詰め物”といったりします)を支台とすることがあります。歯を削る部分が少なくてすむメリットがある反面、接着面が小さくなるため離脱のリスクがやや高くなるというデメリットがあります。治療を必要とする場所やお口の中の状態により最適な治療法を選択します。

*自分の歯のように自然な見た目を再現できる

歯ぐきが健康であれば、見た目的にも自分の元の歯に近い自然な歯並びに修復することができます。

*保険の適用範囲内の治療が可能

ブリッジ治療には保険が適用されます。費用を抑えて必要な処置を受けることができます保険診療の治療は、奥歯には銀歯を、前歯には銀歯の前側にだけプラスチックを貼り付けた前装冠を使用します。自費診療であれば、セラミックやジルコニア素材を選択することもできます。

■ブリッジ治療のデメリット

*健康な歯を削る必要がある

ブリッジ治療のデメリットは、両隣の健康な歯を削らなければならない点です。歯は一度削ってしまうと元にはもどりません。歯の寿命を短くしてしまうリスクもあります。

*両隣の歯に負担がかかる

ブリッジは2本の歯で3本分の歯にかかる力を支えることになります。負担のかかった歯が根の方で折れてしまうと抜歯するしかなくなります。そうなるとまた1本歯がなくなって・・・ と負の連鎖となってしまうリスクがあります。

*むし歯や歯周病の原因となる場合がある

ブリッジは、健康な歯にクラウンを被せるような形になるため、若干の隙間ができます。そこに食べかすなどがたまりやすいのです。お口の中の清潔が保てないと、むし歯や歯周病の原因となる可能性があります。

*隣接する歯の状態による

支台となる隣の歯の状態により、ブリッジという選択ができない場合があります。

■審美性を求める場合

自費診療では、強度があり審美的に美しい素材を選ぶことができます。ジルコニアとセラミックの2種類があります。奥歯には強度のあるフルジルコニアクラウン、前歯にはオールセラミックス(ガラス系、ジルコニア系)が適しています。

失った歯を補うために、ブリッジ、入れ歯、インプラントといった治療法があります。隣接する歯、歯ぐきの状態、残された歯にかかる負担や、審美性、費用などを考慮してふさわしい治療法をご提案いたします。欠損した部分をそのままにしていると、噛み合わせや歯並び、長い間には発声や全身の健康に影響をおよぼします。ごいっしょに適切な治療法を検討しましょう。


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23年01月15日

欠損治療

本来あるはずの歯が、むし歯や歯周病、ケガなどによって失われた状態のことを「歯が欠損している」といいます。失われた歯を放置していてはいけません。ただ食べるときに不便なだけではなく、コミュニケーションや脳の健康にまでよくない影響が出てしまうのです。


■欠損治療が必要なわけ

  1. 歯並びが悪くなる

    1本の歯がなくなると、残っているとなりの歯は、空いたスペースに傾いてきます。上下でも同じです。なくなった歯の反対側の歯は、対合する歯の刺激がなくなり伸びてきてしまいます。そのような状態が長期間続くと、歯列全体がおかしくなってきます。

  2. 噛み合わせが悪くことによる弊害

    歯並びが悪くなると、噛み合わせがおかしくなり、別の歯や顎の関節、筋肉に負担がかかります。噛み合わせが悪くなると・・・

    • 食物をしっかり噛むことができなくなり、咀嚼の機能が落ちてきます。
    • 咀嚼機能が落ちると口腔内の健康を守ってくれる唾液の分泌が減り、お口の中の状態はさらに悪くなるという悪循環に。
    • お口の周りの筋肉の動きから脳へ伝わる刺激が減り、認知症のリスクが高まる報告がされています。

    •  
  3. コミュニケーションの問題

    前歯が欠損した場合、発音に大きな影響があり話す言葉が聞き取りづらいものになってしまう場合があります。また顔の皮膚を内側から支えている歯が失われると、お顔のたるみやしわにもつながります。歯がないことで自信を無くしてしまい、積極的にコミュニケーションをとる気持ちが減ってしまうかもしれません。

歯は食べることにもコミュニケーションにも脳の機能にさえ関係してくるのです。お口の状態にふさわしい治療をしていきましょう。

■欠損治療の種類

歯を失った場合、人工歯を装着して失われた歯を補う治療を行います。患者さまのお口の状態により、メリットが多くデメリットの少ないものを選択しご提案します。

*ブリッジ治療

両となりの歯を支えとして、橋のようにクラウンを渡す手法です。とりはずさなくてもよいので、義歯という違和感はあまり感じません。それでも、両隣の歯を支台とするために少し削る必要があり、また支えとなる歯に負担がかかります。歯を失った箇所の両隣の歯を削って支台とし、連結した支台と欠損部を連結した形でのクラウンを橋のように渡す形で被せます。失った歯が1~数本の場合、ブリッジ治療がデメリットがありながらもメリットを感じられる選択になります。

*義歯(入れ歯)

入れ歯は、残っている歯をけずることなく、人口の歯をお口の中にとりつけるという治療法です。外科手術の必要がなく、修理が可能で、ほとんどの方のお口の状態にあわせて作製することができます。しかし違和感やお手入れに慣れていただく必要があります。部分義歯(部分入れ歯)と総義歯(総入れ歯)があります。

*インプラント義歯(自由診療)

失われた歯の根のかわりに人工の歯根を埋め込み、人工の歯を被せる治療法です。自分の歯のような感覚をとりもどせると同時に、見た目的に自然な歯の美しさがあり、自分の歯を削る必要もありません。ただ外科手術が必要ですので、患者さまのおからだの状態によっては施術できない場合があります。日本では自由診療の治療となりますので費用がかさんでしまう点もあります。

インプラントについて詳しくはこちら

歯科治療の知見や素材は近年のうちにめざましく発展しています。ご自身やご家族のお口の状態に不安がありましたら、ぜひご相談ください。新しい技術や素材について知り、いきいきとした暮らしのためによりより治療法を選択していきましょう。


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23年01月13日

総入れ歯(総義歯)

総入れ歯は、歯ぐきで支える義床に人工歯をとりつけるもので、人口の歯ぐきがご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付き、失った歯の代わりとなって働いてくれます。入れ歯にはいろいろな種類があります。


■金属床義歯

歯ぐきに触れる部分が金属で作られている入れ歯です。コバルトやチタンといった、強度のある、体に優しい素材を使います。金属床の部分はごく薄く、違和感が少なく安定してよく噛むことができます。入れ歯を薄くすることができるため違和感も少なく、発生も自然なものになります。食べ物の温度がよく伝わり、温かい食事を温かく、冷たい食事をひんやりと楽しめます。

自費診療による入れ歯です。

*メリット
  • 安定して噛みやすい
  • 発声がしやすい
  • 食べ物の温度が伝わるため、食事をおいしく感じる
*デメリット
  • 保険適用外のため費用がかかる

■ノンクラスプ・デンチャー/ノンクラスプ+シリコーン

クラスプは、入れ歯を安定させるために、針金のような留め具で残っている歯にひっかける留め具です。この金属の留め具を使わずに入れ歯を安定させることもできます

歯ぐきにふれる部分を弾力性のある特殊素材で作り、目立たないばねで固定します。金属を使用しないので、笑ったときにも目立ちません。装着感が優しく、快適に使用していただけます。金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。ただ、修理がむずかしく、適する症例が限られる面があります。汚れがつきやすいので、お手入れも大切です。

シリコーンを使用することにより、より安定してよく噛めると感じられる入れ歯もあります。

※自由診療による部分入れ歯です。

*メリット
  • 歯と歯ぐきで支えてくれるため、歯にかかる負担が少ない
  • 装着感が優しく快適
  • 金具がないので審美的
*デメリット
  • 修理がむずかしい
  • 保険適用外のため費用がかかる

プラスチックとシリコーンで作るコンフォートデンチャー、ばねのかわりに磁石で固定するマグネットデンチャーも、違和感が少なく、ソフトな装着感でよく噛むことのできる入れ歯です。どちらも自由診療での製作となります。

■レジン床義歯

歯ぐきに触れる部分がレジン(プラスチック)で作られた保険適用の入れ歯です。食べ物の熱さや冷たさに対する熱伝導が悪く、強度を保つために厚く大きめに作らなければならないので、違和感がある、しゃべりにくい、という難点があります

しかし、保険適用なので安価、ほとんどの症例で使用できて修理しやすい、といったメリットがあります。

強化プラスチックを使う場合もあります。従来の保険適用内の入れ歯で使用するプラスチックより汚れにくく強度があります。ただ、アルコールや熱に弱い面があります。

※保険適用による入れ歯です。

*メリット
  • 大きくて厚い入れ歯になる
  • 違和感を感じやすい
  • 発声がしにくい
  • 食べ物の温度が伝わりにくい

いかがでしょうか。精巧な入れ歯はおからだの一部となり、食生活やコミュニケーションを助けます。お口の状態やご予算に応じて、ふさわしい入れ歯をご提案します。おいしく食べることをあきらめてはいけません!


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23年01月06日

「入れ歯」の今昔

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします! 今年の大河ドラマは徳川家康が主人公ですね。徳川家康といえば、歯科医的には「入れ歯」です。


■江戸時代の入れ歯

徳川家康が入れ歯を使っていたことはよく知られています。江戸時代の入れ歯は木製で、ツゲの木を使っていたそうです。ツゲの木には抗菌作用があり、固さもある程度あって加工しやすかったようです。

製作手順は、基本的にはなんと現代とかわりません。蜜蝋を主成分とした素材で型どりをし、木製の入れ歯をおおまかに作り、強くあたるところをマーキングして調整していたそうです。奥歯にはくぎを打って強度を増し、前歯は審美性を考え人や動物の歯を使っていたのだとか。

現代の歯科技工士に相当する仕事をしていたのは、仏師(仏様を彫る彫刻師)でした。現代と同じように、優れた技工士が最先端の知見をもって制作にあたっていたのです。

■現代の入れ歯

時代はかわって現代です。現代の入れ歯は、プラスチック製や薄い金属、磁石や特殊な弾力性のある素材を組み合わせて作られます。

入れ歯は歯の部分(人工歯)と、歯ぐきの部分(床)からできています。入れ歯には部分入れ歯(部分義歯)と、総入れ歯(総義歯)があります。保険診療の範囲で選択可能な素材と、自費診療で選択できる素材があります。

*総入れ歯(総義歯)

すべての歯を失ってしまった場合に使う入れ歯です。顎の内側を覆うような、大きな入れ歯で、歯ぐきで支える義床に、人工歯をとりつけます。人工の歯ぐきが、ご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付くことで入れ歯が固定されます。患者さまのご要望にに応じて、入れ歯の素材を選ぶことができます。

*部分入れ歯(部分義歯)

部分義歯は、失われた歯を補うものです。歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯を製作し、残っている歯に金具を引っ掛けて固定する仕組みです。残っている歯の部位や本数により、ふさわしいタイプの入れ歯をご提案します。

人工床に人工歯をとりつけた歯を、金具で両隣の歯に固定します。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。

現代の入れ歯は、機能的にも審美的にも進化を続け、歯を失った方の食べるという行為をサポートし、患者さまの健康に大きく寄与しています。


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22年12月27日

知覚過敏

むし歯でもないのに痛みを感じる知覚過敏、ほおっておいてもだいじょうぶなんでしょうか?


白く輝くきれいな歯を、真珠のような歯、と言ったりしますが、真珠のように美しいのは、歯の一番外側を覆うエナメル質です。このエナメル質は痛みを感じないんです。なにか食べたりかみ切ったりするたびに痛みを感じたらたいへんです。エナメル質でおおわれているのが象牙質です。根っこの部分は象牙質がむきだしになっています。象牙質は、刺激を痛みとして神経に伝達します。つまり痛みを感じるのは象牙質なんです。

■知覚過敏の原因

なんらかの理由で象牙質がむきだしになると、痛みを感じることがあります。

*歯ぐきがさがり象牙質が露出する

加齢によって歯ぐきがさがると、エナメル質でおおわれていない歯の根っこの象牙質が露出し、痛みを噛んじることがあります。ただ加齢により、刺激を痛みとして伝達する象牙質の中の無数の小さな管が塞がってくることもあり、そうすると痛みは感じにくくなりますね。

*歯が溶ける

歯を覆うエナメル質は、お口の中が酸性に傾くと溶け始めます。酸性の飲み物や食べ物を、だらだら口にし続けたり、歯みがきを怠ると、お口の中が中性にもどることができず、エナメル質を傷めます。歯(の表面を覆うエナメル質)は意外に簡単に溶けてしまうんですよ。エナメル質が損なわれ、象牙質がむき出しになると、知覚過敏が起こりやすくなります。

*歯の破折

事故などで歯が破損して象牙質がむき出しになると、痛みを感じることがあります。これはむし歯の痛みとは異なるものです。

*歯がすり減る

長い間働いてくれる歯は、わずかではありますが少しづつすり減ってきます。エナメル質がなくなって象牙質が露出するということもあります。

■知覚過敏の治療

*脱灰と再石灰化

食事でお口の中が酸性に傾き、歯の成分が溶け出してしまうことを脱灰と言います。そのままだと歯が溶けてむし歯になってしまうのですが、唾液が、溶け出してしまったカルシウムイオンやリン酸イオンを歯にもどし修復してくれます。再石灰化は、お口の中で常に起こっている働きです。歯みがきをきちんとして再石灰化を促すことで、エナメル質が修復され、知覚過敏が改善されることも多いのです。

*エナメル質のかわりになるものを塗布する

刺激を遮ってくれるエナメル質のかわりになる歯と同じような成分の結晶を塗布して、歯の神経へ刺激が伝わらないようにすることで知覚過敏を改善します。歯みがき剤もありますが、歯科クリニックで治療する方が効果が高く即効性もあります。

*コンポジットレジンで修復する

象牙質を物理的に樹脂の素材(コンポジットレジン)などでコーティングして刺激から守ります。

*レーザー治療

露出した象牙質にレーザーを照射し、象牙質に伝わる刺激を抑制し、歯の神経への刺激を遮断して知覚過敏の症状を改善します。

知覚過敏は露出した象牙質を、守ることで治療できることが多くあります。ただ原因を考えてみましょう。プラークの付着や、酸性に傾いた口腔内が、エナメル質を傷めているのなら、歯みがき方法や食生活を見直してみましょう。歯科定期健診でご相談ください。


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22年09月28日

歯が伸びたのではありません。歯ぐきが下がったのです。


加齢より歯ぐきがさがり象牙質が露出すると、歯の根っこがむし歯になりやすくなります。鏡の中で唇を手でさげてご自分の歯を見てみてください。



年をとってくると、歯がのびたように見えることがありませんか? それは、歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がったんです。その歯の根元にできる「歯の根むし歯」をほおっておくと、健康にとってとても重大な事態を引き起こします。

歯の根むし歯のスペシャリスト、愛知学院大学歯学部 保存修復学講座 特殊診療科教授 冨士谷 盛興(もりおき)先生にお話しをうかがいました。

※情報や出演者の肩書きは撮影時のものです。


■歯ぐきは誰でも下がってしまうのでしょうか?

歯ぐきは年をとると誰でもさがっていきます。30代でさがりはじめて、40代で8割以上、60代になると100%の方が歯ぐきが下がっています。毎日少しづつ下がっていくので、気づいていない人も多いと思いかもしれません

■歯の根むし歯はどうしてこわいんですか?

歯の根むし歯をおほっておくと、複数の歯がむし歯になって、歯を失う原因になり、口の機能が低下し、ご高齢者の場合は要介護に至る危険性もあります。また全身の病気に関連する歯周病を引き起こす原因にもなるんです。

■歯の根むし歯の特徴

歯の根むし歯は、治療がむずかしいところがあります。重症化しやすいのに進行が遅いため、気づきにくいという特徴があるからです。

■なぜ歯の根元がむし歯になるのですか?

歯は歯ぐきから上の部分はからだの中で最も堅い組織、エナメル質でできていて、そのエナメル質で守られているのが象牙質です。歯ぐきがさがると、この象牙質が露出してしまいます。象牙質は酸に弱くて溶けやすく、表面がざらざらしていて汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。

■歯の根むし歯を予防するには?

食べかすを歯の間に残さないことが重要です。食事の余韻を楽しまず、食後5分以内に口をゆすぐことが効果的です。大切なのは、歯の間にモノが挟まっていると気持ちが悪いという感覚を持つことです。

ぶくぶくうがいと2段階歯みがき

口をゆすぐときにはぶくぶくうがい。頬をふくらませて勢いよく歯と歯の間を洗い流します。また食後の歯みがきは二段階磨きで行います。普段通りに歯をみがいたあと、歯と歯ぐきの境目を意識してみがきましょう。

歯みがきで絶対にやってはいけないことが、力をいれてゴシゴシ磨きをすること。歯ぐきを傷つけ、歯ぐきががる原因にもなります。軽く当てて、小さく動かすだけでも汚れはとれます。

電動歯ブラシもおすすめです。力をいれずに毛先を軽くあてるだけできれいになります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯の間の食べかすをとることも効果的です。歯みがき粉はフッ素配合で濃度が高いものを使うと、歯の表面を保護する効果が高まります。

■歯ぐきの下がりは治せますか?

歯ぐきがさがったら、元に戻す方法はありません。だから、歯ぐきが下がっていることに気づいた時からケアをすることが大切なんです。歯医者の定期検診にいって歯垢や歯石をとりのぞいてもらい、自分にあった歯みがきの仕方を教えてもらいましょう。また歯の根元がしみるなど症状がある方はすぐに歯医者で受診を。

歯の根むし歯は専門用語で根面う蝕(こんめんうしょく)といいます。健康寿命を延ばすために、歯の根むし歯に気を付けて。


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22年04月30日

コンポジットレジン充填

コンポジットレジンは、セラミック粒子と合成樹脂を複合した白いプラスチック素材で、紫外線照射によって固まります。悪いところを削り、ペースト状のレジンを直接つめていきます。保険診療、自由診療の両方の場面で使われます。

■コンポジットレジンの特徴

削る部分を最小限にとどめることができる

ペースト状のレジンを直接つめていく治療法なので、以前なら大きく削って金属性のつめものをしなければならなかったむし歯でも、高い精度で削る範囲を最小限にすることができます。その分、歯科医師の腕の見せ所でもあります。

審美性に優れている

歯の色に近い色調のため、金属の詰め物より自然な見た目を再現できます。

金属アレルギーのリスクがない

プラスチック素材のため、お口の中の詰め物として、金属アレルギーのある方でも安心しです。

即日の治療に対応できる

悪いところが見つかったら、即日治療できます。患者さまのお口の状態によりますが、治療回数が少なくできます。

保険診療の範囲で用いることができる

初期のむし歯でしたら、保険診療の範囲で治療が可能なことが多いです。

使用できる場所が限定される

光線が届かない箇所では、硬化させられないため、使用できません。適用する箇所を選ぶ素材でもあります。

セラミックや金属に比べ、やや強度に劣ります

セラミックや金属に比べ、やや強度に劣るという特性がありますが、前歯だけでなく奥歯に使えることも多いです。

■治療例(保険診療)

コンポジットレジンは歯科の治療では最も多く使われている素材です。保険診療の範囲内で自然な美しさのある歯を再現できます。



お悩み:前歯のむし歯が、歯と歯の間から中へと広がり、黒く透けて見えるようになっ
てしまった。
治療:むし歯部分を削り、保険診療のコンポジットレジン充填を行いました。
リスク:保険診療の場合、材料の選択や対応できる症例に限りがあります。今回のケースは、保険診療の範囲できれいに治療ができました。
金額:1本 約1000円(非課税)

■治療例(自由診療)

自由診療では、素材の特性を生かし、前歯のすきまや色調を整えたい場合に使用できるケースがあります。色調が豊富なため、色が合わせやすく自然な色合いを再現することが可能です。



お悩み:前歯の隙間が気になる
治療:自由診療のコンポレットレジン充填で、すきまのあった歯ならびを整えました。
リスク:欠けたりすることがあります。
金額:1本 16,500円(税込)×2



お悩み:前歯の色についてお悩みでした。
治療:自由診療のコンポジットレジン修復
金額:歯を少し削る必要がありました。また、治療後に欠けたりすることがあります。
金額:16,500円(税込)×2

むし歯は、早めに受診いただければ、進行をくいとめることができるばかりでなく治療時間や治療費を抑えることもできます。ぜひご自身の歯に注意してあげてください。


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22年04月28日

むし歯はほおっておかないで!

むし歯は進行の段階により治療法も変わってきます。むし歯はC0からC4までの5つの段階に区別されます。むし歯のことを専門用語でカリエス(Caries)と言うのですが、カリエスからとったCを用いて表します。歯科医は患者さまの歯の質をできるだけ損なわない治療を考えます。初期のうちに気づいて治療したほうが歯のダメージが少なくてすむのです。

■C0:(シーオー):脱灰

歯の表面がとけはじめた状態です。痛みがないので気づきにくいのですが、本来なら透明感のある歯の表面に白く濁ったようなシミ、ホワイトスポットが見つかったら、C0の段階のむし歯です。この段階なら、歯を削らずに再石灰化を促すという治療が有効な場合があります。フッ素塗布や、歯みがき剤の成分の力を借りてカルシウムを補います。

*アイコン(Icon)による歯を削らないホワイトスポット治療

木更津きらら歯科では、薬剤でむし歯部分を溶かし、再石灰化を促す治療法もご提案できます。
詳しくはこちら



■C2:虫歯が象牙質まで浸食し、痛み始める

むし歯がC2の段階まで進行すると、冷たいものが染みたり、見た目にも目立ち始めます。歯の表面のエナメル質に大な穴が空き、その下の象牙質まで浸食されている状態です。C2まで進行したむし歯は、むし歯の部分を削ったうえ、詰め物をかたどりして製作する必要があります


*コンポジットレジン充填

C2の患者さまのコンポジットレジン充填の症例です。この患者さまは、保険診療の範囲できれいに治療ができました。


*インレー

インレーは前から4番目から7番目の歯に行うつめもので、強度と見た目の美しさが求められます。保険診療の範囲で製作できる銀歯や、セラミックの素材を使用します。お口の中に金属がある状態は本来、からだに負担がかかってしまうので、当院ではジルコニアインレーを推奨しています。

写真はジルコニアインレーです。患者さまの歯に似た色を選ぶことができ、強度があるため奥歯にも適します。インレーのかたどりは熟練を要します。当院の経験豊かな歯科医師と歯科衛生士が丁寧にかたどりしていきます。



■C3:むし歯が神経に到達する

C3では、進行したむし歯が神経に到達し、冷たいものがしみたり痛みを感じるようになります。ここまで進んでしまうと歯の神経を根っこからとりのぞかなくてはならない場合があります。これを根管治療といいます。神経をとりさってしまうのは最後の手段です。歯科医は患者さまの歯の神経は温存したいのです。こうなる前に治療できればいいのですが・・・。



C3になると、つめものではすまなくなり、歯全体に被せる被せものを製作する必要があります。これをクラウンといいます。強度や美しさの点で、ジルコニア製のクラウンが主流です。写真はすべてジルコニアで製作された、フルジルコニアクラウンです。



■C4:抜歯

C4はむし歯の最終段階です。歯のエナメル質も象牙質ももうほとんど残っていません。この段階では抜歯の選択をすることになります。歯を抜いた後は、入れ歯、ブリッジ、インプラントという手段で失った歯の部分を補います。



ごく初期の場合をのぞき、むし歯は放置しておくと進行するばかりです。失われた歯はもとにもどらず、とりかえしのつかないことになります。早めの治療を強くおすすめいたします。


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歯のセラミックの種類を徹底紹介!費用目安や選ぶときのポイントも
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オフィスホワイトニングとは?他の種類との違いやメリットや費用について
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歯周病の影響と予防法
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歯科用マイクロスコープ「Bright Vision」を導入しています
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親知らずは抜く?抜かない?それぞれのメリット・デメリットを解説!
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子どもの歯科検診の重要性!内容や費用と頻度、嫌がる場合の対処法も
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お口の中の細菌とうまくやっていく方法
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「歯痛」はお口のSOS! 一筋縄ではいかないその原因と対策は?
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根管治療の流れ!治療回数や痛み、根管治療のメリット・デメリットを解説
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歯周病とは?かかるとどうなるの?症状・治療方法・治療費用を徹底解説!
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虫歯を予防する方法は?虫歯のメカニズムや定期検診の重要性を紹介!
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訪問歯科で気をつけること!受診のメリット・デメリット・費用を解説
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器質的口腔ケアと機能的口腔ケア

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