「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インビザライン矯正は目立たず、取り外しもできるため多くの方に人気です。
しかし、インビザラインで歯茎が下がると聞いて治療をためらっている方も少なくありません。「インビザライン矯正をすると歯茎が下がるの?」「歯茎を下げないための対策はあるの?」と思う方もいるでしょう。
本記事では、インビザライン矯正で歯茎が下がる原因やリスク、下がったときの対策、下がらないための予防法について解説します。インビザライン矯正を希望している方や、実際に治療中の方は、ぜひ最後までお読みください。
インビザライン矯正をしていなくても、歯茎が下がることがあります。まずは、歯茎が下がる主な原因を4つ見ていきましょう。
歯周病が悪化すると、歯茎や歯を支えている歯槽骨などの歯周組織が破壊されて骨が溶けるので、歯茎が下がって見えます。
しかし、歯周病が進行している途中は、歯茎が腫れているので歯茎が下がっていることに気づかないことも多いです。歯周病の治療が進み症状が落ち着いてくると、歯茎の腫れがおさまって引き締まるため、歯茎が下がっていることに気づくでしょう。
間違った口腔ケアは、歯茎が下がる原因になります。
例えば、ブラッシングの力が強すぎると、歯茎が下がるリスクが高いでしょう。歯茎はとても繊細な組織なので、強い力で磨くと傷ついたり、潰瘍ができたりします。
食いしばりや歯ぎしりの癖があると、一部分の歯や歯茎、歯槽骨に負担がかかります。日常的に食いしばりや歯ぎしりをしている場合、過度の力がかかって歯茎が退縮します。
舌の横や頬の内側に、白っぽい跡や歯の跡がついている方は、食いしばりや歯ぎしりをしている可能性があるでしょう。また、歯の境目にある歯茎が白っぽくなったり盛り上がったりしている場合も、歯茎に負担がかかっていることが考えられます。
年齢の経過とともに、歯茎が下がる人が増加する傾向があります。30代から歯茎が下がる傾向が見られ、40代で歯茎が下がったと感じる方は少なくありません。
ある程度歯茎が下がるのは仕方がありませんが、ブラッシングの力が強かったり、食いしばりの癖があったり、歯周病を患っていたりすると、急激に歯肉が下がるリスクがあるでしょう。
「歯茎が下がったらどんな問題があるの?」と思う方もいるでしょう。歯茎が下がった状態を放置していると、いくつかのリスクがあります。
歯茎が下がったことに気づいた場合は、歯科医院で処置したほうが良いでしょう。本項目では、歯茎が下がるリスクについて解説します。
歯茎が下がると、審美性が低下します。健康的な歯や歯茎の場合、歯と歯茎のバランスが良く綺麗に見えます。また歯と歯茎の境目のラインが丸く、アーチを描いたような形をしています。
歯茎が下がると歯根(歯の根の部分)が出てくるため、歯が長くなったように見えるでしょう。また、歯と歯茎のアーチがなくなり、尖ったように見えることも少なくありません。
特に、1本の歯の歯茎だけが下がっていると、歯と歯茎のラインが整わず、審美性が低下したと感じるでしょう。
歯茎が下がると、知覚過敏のリスクが高くなります。知覚過敏とは、歯が水に触れたり、食べたり、歯磨きをしたりするときに痛みを感じる症状です。歯茎が下がったことで、歯根が露出したために起こります。
歯根は、本来なら歯茎や骨に埋まっているため、エナメル質とは異なり刺激に弱いです。少しの刺激に反応して痛みを感じます。
痛みがあると、食事やブラッシングの際にストレスを感じるでしょう。
歯茎が下がって歯根が露出した状態だと、虫歯になるリスクも高くなるでしょう。上記でも触れた通り、歯根はエナメル質と違い刺激に弱く柔らかいため、虫歯になりやすいのです。
また、歯が長くなって形が変わったり、知覚過敏でブラッシングができなかったりすると、プラークが付着したままになります。
インビザライン矯正だけでなく、矯正治療中に歯茎が下がる方もいます。矯正治療では歯槽骨にあえて負担をかけ、骨の吸収と再生を誘導しながら歯を動かします。
そのため、もともと歯茎が薄い方は特に、歯茎が下がる可能性があるのです。下の前歯の歯茎は特に薄いので、歯茎が下がりやすい部分だといえるでしょう。
とはいえ、矯正治療をする方全員の歯茎が下がるわけではありません。インビザライン矯正中に歯茎が下がらない方もいます。
上記の項目でも触れた通り、インビザライン矯正をするすべての人の歯茎が下がるわけではありません。インビザライン矯正に歯肉が対応できない場合のほかに、インビザラインの使い方や口腔ケアが原因となって歯茎が下がることがあります。
インビザライン矯正中に歯茎が下がる主な原因は、次の3つです。
マウスピースが合っていないのに無理やり使用し続けると、歯茎が下がる原因になります。インビザライン矯正は、1週間〜2週間に一度のペースでマウスピースを交換しながら治療を進めます。
インビザラインの交換は自己責任で行う必要がありますが、交換日を守らなかったり、順番を間違えて装着したりすると歯に負担がかかるでしょう。また、マウスピースが合わずに装置が歯茎に強くあたったり、矯正力が強すぎたりすると歯茎が下がる原因になります。
正しい矯正力で歯を動かすためには、歯科医師の指示を守って交換することが重要です。
インビザライン矯正中に正しい口腔ケアができていないと、歯周病になるリスクが高くなり歯茎が下がります。インビザライン矯正中の口腔ケアの方法は、矯正前とほぼ変わりません。
しかし、マウスピースを装着していることで唾液の抗菌作用や自浄作用が働かなくなります。そのため、歯周病になりやすいといえるでしょう。
ブラッシング圧に気をつけながら、正しく口腔ケアをすることが重要です。
指示通りにマウスピースを装着できていない場合、歯茎が下がりやすくなります。例えば、装着時間を守っていない、きちんと装着できていないなどが挙げられます。
この場合、治療計画通りに歯が動きません。正しく歯が動いていない状態で新しいマウスピースへ移行すると、歯茎や骨に大きな負荷がかかって歯茎が下がるのです。
インビザライン矯正中に歯茎が下がったと感じたときには、すぐに歯科医師へ相談しましょう。歯茎の状態をチェックし、歯茎が下がった原因を特定します。状況に合わせて、マウスピースの微調整、ブラッシング指導、歯周病の治療などの対処をします。
適切な処置をしないままインビザライン矯正を続けると、矯正計画が大幅に崩れるため危険です。また、歯周病の進行を無視して治療を進めると、歯を失うリスクもあるでしょう。
歯茎が大きく下がった場合は元に戻らないので、移植手術をして歯茎の形を整えるなどの方法で対応します。
「インビザライン矯正中に歯茎が下がらないために自分で注意できることはある?」と考える方も少なくないでしょう。本項目では、インビザライン矯正中に歯茎が下がるリスクを抑える対策について解説します。
矯正治療中は、調整日に忘れずに受診しましょう。歯の動き方やマウスピースを見て、治療計画を微調整します。
マウスピースの矯正力が強すぎたり、装置がきちんと合っていなかったりするようなトラブルがあった場合も、適切に対応してもらえます。大きな問題が起こるのを防ぎ、スムーズに治療を進められるでしょう。
マウスピースを正しく装着することも重要です。インビザライン矯正の場合、マウスピースを1日20時間以上装着しなければなりません。
また、奥歯から指で押しながら装着します。必要ならチューイーという道具を使って、しっかりと歯にフィットさせましょう。
正しく装着できているか不安な場合は、遠慮なく歯科医師や歯科衛生士に相談してください。正しい装着方法を身につけられるまで指導してくれます。
インビザライン矯正中も、正しい口腔ケアを欠かさずに行ってください。特に、ブラッシングの力には気をつけましょう。
歯ブラシの硬さはやわらかめ、もしくは普通を選び、鉛筆の持ち方で小さく動かしてください。グーの形で握るように歯ブラシを持って大きく動かすと、力が入りやすいため避けたほうが良いでしょう。
下の歯や奥歯の歯と歯茎の境目は、特にブラッシングが難しいです。タフトブラシを併用すると効果的でしょう。
歯並びや歯の形にあった口腔ケアの方法は、歯科衛生士から指導してもらえます。遠慮せずに何度でも確認してください。
今回は、インビザラインの矯正中に歯茎が下がる原因や対策について解説しました。インビザラインの矯正中は、あえて骨に圧力をかけて歯を移動させるため、歯茎にも負担がかかり下がることがあります。
歯磨きの力が強すぎたり、マウスピースを正しく装着していなかったりする場合も、歯茎に過剰な力がかかって下がるリスクが高いでしょう。
歯茎が下がるのを防ぐために、正しく口腔ケアをし、装置の装着方法を守ってください。また、受診日を守ることで、トラブルが起こった場合でも早急に発見して対処できます。
インビザライン矯正は自己管理をしながら進めていきますが、歯科医師も歯科衛生士も全力でサポートします。不安なことがあればお気軽に相談してください。
インビザラインを検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。