「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
歯の表面がとけはじめた状態です。痛みがないので気づきにくいのですが、本来なら透明感のある歯の表面に白く濁ったようなシミ、ホワイトスポットが見つかったら、C0の段階のむし歯です。この段階なら、歯を削らずに再石灰化を促すという治療が有効な場合があります。フッ素塗布や、歯みがき剤の成分の力を借りてカルシウムを補います。
木更津きらら歯科では、薬剤でむし歯部分を溶かし、再石灰化を促す治療法もご提案できます。
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むし歯がC2の段階まで進行すると、冷たいものが染みたり、見た目にも目立ち始めます。歯の表面のエナメル質に大な穴が空き、その下の象牙質まで浸食されている状態です。C2まで進行したむし歯は、むし歯の部分を削ったうえ、詰め物をかたどりして製作する必要があります
C2の患者さまのコンポジットレジン充填の症例です。この患者さまは、保険診療の範囲できれいに治療ができました。
インレーは前から4番目から7番目の歯に行うつめもので、強度と見た目の美しさが求められます。保険診療の範囲で製作できる銀歯や、セラミックの素材を使用します。お口の中に金属がある状態は本来、からだに負担がかかってしまうので、当院ではジルコニアインレーを推奨しています。
写真はジルコニアインレーです。患者さまの歯に似た色を選ぶことができ、強度があるため奥歯にも適します。インレーのかたどりは熟練を要します。当院の経験豊かな歯科医師と歯科衛生士が丁寧にかたどりしていきます。
C3では、進行したむし歯が神経に到達し、冷たいものがしみたり痛みを感じるようになります。ここまで進んでしまうと歯の神経を根っこからとりのぞかなくてはならない場合があります。これを根管治療といいます。神経をとりさってしまうのは最後の手段です。歯科医は患者さまの歯の神経は温存したいのです。こうなる前に治療できればいいのですが・・・。
C3になると、つめものではすまなくなり、歯全体に被せる被せものを製作する必要があります。これをクラウンといいます。強度や美しさの点で、ジルコニア製のクラウンが主流です。写真はすべてジルコニアで製作された、フルジルコニアクラウンです。
C4はむし歯の最終段階です。歯のエナメル質も象牙質ももうほとんど残っていません。この段階では抜歯の選択をすることになります。歯を抜いた後は、入れ歯、ブリッジ、インプラントという手段で失った歯の部分を補います。
ジルコニアは、単独で使用する場合と、セラミックを被せて審美性をさらに求める場合があります。
フルジルコニア
技工物のすべてがジルコニア素材で作られているケースで、強度に優れ、奥歯に適しています。写真は木更津きらら歯科がお願いしている歯科技工所Rag Dental Labさんの制作物です。すべてジルコニアで制作された被せものをフルジルコニアクラウンと呼んだりします。
ジルコニアオールセラミック
ジルコニアにセラミックを被せたもので、ジルコニア単独より強度は落ちますがセラミック単独よりは強く、審美性に優れます。主に前歯で選択されます。
保険診療の範囲でとりいれることのできる「銀歯」は金、銀、銅、パラジウム、アマルガムといった素材の合金で、強度や耐久性があります。しかしこれがアレルギーの原因となることがあるのです。
金属アレルギーは、お口の中の金属が唾液(水分)にふれて金属イオンとなり、金属イオンがからだのタンパク質とふれてアレルギーの原因(アレルゲン)となり、アレルゲンがからだに蓄積するとアレルギー症状があらわれてくる、というものです。銀歯だけが原因ではないのですが、安全のためにセラミック素材を選択される患者さまも多くいらっしゃいます。
この患者さまは、さし歯を作り直す際にジルコニアオールセラミックを選択されました。
さし歯も、ご自身の歯と同じように経年劣化をします。さし歯そのものの変色や着色汚れ、破損や、摩耗もありますが、患者さまが年をとるにつれ歯ぐきが後退し、不適合が起きることも多いのです。歯ぐきが後退するとさし歯の土台部分が露出し、見た目を損なうばかりでなく、むし歯や歯周病の原因ともなります。さし歯は永久に使えるものではなく、何年かたったら作り直す必要が生じてくるのです。
さし歯の耐久年数は個々のケースによって違いますが、銀歯の場合、5年ほどで劣化がはじまることが多いようです。ジルコニアオールセラミックなら10年ほど美しさを保つと言われています。当院では、7年間のあいだ、壊れたりした場合無償でやりかえることができます※。さし歯を作り直す際には、ぜひジルコニアオールセラミックをご検討ください。
※7年保証は、3ヶ月に一度の定期検診にきていただき、お口の中の状態や技工物に不具合がでていないか確認させていただくことが条件です。
セラミック素材のもうひとつの特徴は、天然の歯に近い色合いを再現できる審美性です。天然の歯には自然な透明感があり、また色合いも、個々の患者さまによって異なります。ジルコニアは歯の質に似た透明感がある素材で、16色の色調の中から、ご自身の歯に似た色合いを選ぶことができます。歯ぐきとの境めも変色しにくく、不自然ではない自然な美しさを保つことができます。
ご紹介するのは、保険の範囲内で治療していた前歯を美しく整えるために、セラミック治療をご希望された患者さまの症例です。
セラミック素材の選択には、治療する内容や、歯のある場所によって変わります。奥歯には強度の強い素材がふさわしく、前歯や目立つところなら審美性も求められます。またつめものをする場合と、被せものをする場合でも違ってきます。
むし歯の進み具合により、治療はなるべく患者さまの歯質を残すことを考えます。けずる部分がごく小さい場合、コンポレットレジンというプラスチック素材で対応できます。こちらは保険の適用範囲で治療できます。
もう少し大きくなると、インレーと呼ばれる技工物のつめものが必要になってきます。インレーは前から4番目から7番目の歯に行いますので、強度も必要なため、ジルコニアインレーを推奨しています。10年ほど前には、ジルコニアという素材の加工の精度があまりよくなかったのですが、近年は加工の精度があがり強度面からも自信をもっておすすめできます。
もっと大きいむし歯になると、歯の全体に被せる被せものを作ります。これはクラウンと呼ばれます。
ブリッジも同様に、強度の求められる奥歯はジルコニア、加えて審美性も求められる前歯はジルコニアオールセラミックを推奨いたします。
セラミックの特徴のひとつは、身体への負担の少なさです。金属が継続的にお口の中にあるのは、本当は、少し心配なところもあるんです。金属アレルギーの原因になることもあります。正直申しまして、歯科医は自分の家族の治療に銀歯を使用することには抵抗があります。からだに負担がかかることがわかっているからなんです。セラミック素材はお口の中で化学反応を起こしません。安定して、安全な状態を保つことができます。
そして審美性については言うまでもありません。セラミック素材は自然な歯のような透明感があり、変色がほとんどありません。歯と歯茎の境目が黒ずむこともありません。
こんな素晴らしい素材なのですが、デメリットは、保険が適用されず治療費がかさんでしまうことです。日本の保険制度は素晴らしく、費用を抑えて治療を受けることができます。それでもやはり、保険が適用される治療の範囲や素材には限界があるのも事実なんです。
金属アレルギーやアトピーで悩まれている方は年々増加しています。
歯科治療に使われる金属で発症するのが全身型金属アレルギーです。お口の中の粘膜からアレルギーの原因が吸収され、汗として皮膚から分泌するため、手の平や足底に多く症状が現れることが多いのです。口内炎などのお口の中の症状が何度も再発してしまう方、手・足・全身に湿疹などの症状が繰り返される方は、お口の中の金属が原因になっている可能性があります。銀歯は安全性は確認されているものの、患者さまの体質によりアレルギーの原因となってしまうこともあるのです。以前はなんともなかった方でも、症状があらわれることもあります。
アレルギーの可能性が考えられる場合、皮膚科でのパッチテストで、症状の原因となっている金属を特定します。
セラミック製の技工物の重要な特徴は、からだに優しいという点です。お口の中の金属がアレルギーの原因とわかったら、セラミック素材が治療の効果をあげるでしょう。皮膚科での診療で、お口の中の歯科技工物をセラミック製のものに変えることを薦められて、当院を受診された患者さまもいらっしゃいます。
もうひとつの特徴はその審美性です。自然な歯のエナメル質のような透明感や、となりのご自身の歯と似た色合いを作ることができます。陶器のお皿と同じ性質ですので、安定しており長い間使用していてもあまり変色しません。優れた歯科技工士の製作した技工物なら、表面はなめらかで傷や汚れがつきにくいのです。
セラミック素材には、大きくわけて、ガラス系のセラミックス、人口ダイヤモンドと呼ばれるジルコニア系のセラミックがあります。歯の表面に薄片を張り付けるラミネートべニアという手法もあります。
ラミネートべニアで使用されるセラミックのシェルは、金属アレルギーがある方にもおすすめできるからだに優しい素材。汚れや色素がつきづらいため、長い間美しさを保つことができるというメリットもあります。
シェルは装着した歯が透けてみえるほど薄いので、繊細な調整を施すことで、自然な白さ、他の歯となじむ色合いを表現できます。接着剤の色の選定や、元の歯の色を消すシェルを重ねづけするなどの様々な技術があるんですよ。
また歯を白く美しく見せるだけでなく、チップを貼り付けるという手法で形を整えることもできますね。歯の表面のひび割れや、歯と歯の間のすきまをなくしたい方、歯の形が気になる方のお悩みを解決します‼️
ここで、当院で治療した症例をご紹介いたします。前歯のすき間にお悩みだった患者さまの事例です。
ラミネートべニア
短期間で治療でき、効果があがり、長持ちするラミネートべニアですが、注意点もあります。ラミネートベニアを装着するためには、歯の表面を薄く削る必要があるんです。
歯の裏側は削りません。それでも、患者さまの歯が、ラミネートべニアという手法に向いていない場合もあるのです。当院ではそういった見極めを正確に行い、きちんと患者さまにご説明いたします。
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれ、その成分・構成は宝飾品のキュービックジルコニアとよく似ています。
歯の質感に似た透明感が美しい素材です。強度があり、比較的安価で、患者さまに選ばれる機会が増えています。
また内側に金属が使用されないので金属アレルギーの方でも安心して使用できます。
色調は16色の中から選択します。年月を経ても歯ぐきとの境めが変色せず美しさを保ちます。
フルジルコニアクラウン
おからだのどこかに慢性の炎症があると、それがトリガーとなって別の場所に症状があらわれることがあります。
こちらは掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と診断された方の手のひらです。
掌蹠膿疱症は、手のひら、足のうらに、小さな水ぶくれ(膿疱)がくり返し現れる病気です。水ぶくれは膿(うみ)を伴います。こちらの患者さまは、手や足の皮膚が部分的に乾燥し、皮が剥け、痒くなり、皮膚科を受診されたそうです。
この患者さまの場合は、原因として金属アレルギーが疑われ、口腔内の金属を除去すると良いとの助言を受け当院に来院されました。
当院では口腔内で治療に使われていた金属を、セラミックに置き換える治療をいたしました。
また口腔内の細菌の繁殖をおさえ、免疫系の働きを健康に保てるように、口呼吸の習慣を鼻呼吸にするようにお話ししました。
鼻呼吸のためには、お口を閉じておく習慣が必要です。お口のまわりや舌の筋肉を鍛える体操、あいうべ体操をお伝えいたしました。