木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

22年04月26日

ジルコニアを使用した症例

■フルジルコニアとジルコニアオールセラミック

ジルコニアは、単独で使用する場合と、セラミックを被せて審美性をさらに求める場合があります。

フルジルコニア

技工物のすべてがジルコニア素材で作られているケースで、強度に優れ、奥歯に適しています。写真は木更津きらら歯科がお願いしている歯科技工所Rag Dental Labさんの制作物です。すべてジルコニアで制作された被せものをフルジルコニアクラウンと呼んだりします。

ジルコニアオールセラミック

ジルコニアにセラミックを被せたもので、ジルコニア単独より強度は落ちますがセラミック単独よりは強く、審美性に優れます。主に前歯で選択されます。

1.金属アレルギーの方

この患者さまは金属アレルギーがおありの方でした。口の中から金属をなくしたいと来院されました。奥歯のクラウン(被せもの)にはフルジルコニアを選択されました。

保険診療の範囲でとりいれることのできる「銀歯」は金、銀、銅、パラジウム、アマルガムといった素材の合金で、強度や耐久性があります。しかしこれがアレルギーの原因となることがあるのです。

金属アレルギーは、お口の中の金属が唾液(水分)にふれて金属イオンとなり、金属イオンがからだのタンパク質とふれてアレルギーの原因(アレルゲン)となり、アレルゲンがからだに蓄積するとアレルギー症状があらわれてくる、というものです。銀歯だけが原因ではないのですが、安全のためにセラミック素材を選択される患者さまも多くいらっしゃいます。

2.差し歯のやりかえ

この患者さまは、さし歯を作り直す際にジルコニアオールセラミックを選択されました。

さし歯も、ご自身の歯と同じように経年劣化をします。さし歯そのものの変色や着色汚れ、破損や、摩耗もありますが、患者さまが年をとるにつれ歯ぐきが後退し、不適合が起きることも多いのです。歯ぐきが後退するとさし歯の土台部分が露出し、見た目を損なうばかりでなく、むし歯や歯周病の原因ともなります。さし歯は永久に使えるものではなく、何年かたったら作り直す必要が生じてくるのです。

さし歯の耐久年数は個々のケースによって違いますが、銀歯の場合、5年ほどで劣化がはじまることが多いようです。ジルコニアオールセラミックなら10年ほど美しさを保つと言われています。当院では、7年間のあいだ、壊れたりした場合無償でやりかえることができます※。さし歯を作り直す際には、ぜひジルコニアオールセラミックをご検討ください。

※7年保証は、3ヶ月に一度の定期検診にきていただき、お口の中の状態や技工物に不具合がでていないか確認させていただくことが条件です。

3.審美性を求める

セラミック素材のもうひとつの特徴は、天然の歯に近い色合いを再現できる審美性です。天然の歯には自然な透明感があり、また色合いも、個々の患者さまによって異なります。ジルコニアは歯の質に似た透明感がある素材で、16色の色調の中から、ご自身の歯に似た色合いを選ぶことができます。歯ぐきとの境めも変色しにくく、不自然ではない自然な美しさを保つことができます。

ご紹介するのは、保険の範囲内で治療していた前歯を美しく整えるために、セラミック治療をご希望された患者さまの症例です。

*この方は前歯の変色を気にされ来院されました。ジルコニアオールセラミックを選択されました。

*こちらの患者さまは、前歯の2本の色が気になると来院されました。ジルコニアオールセラミックを選択されました。

*前歯の色と透明感を整えたいとご希望の患者さまです。患者さまのもともとの歯の色に近いかたちで、透明感のある歯になりました。ジルコニアオールセラミックを選択されました。

ジルコニアはセラミックの中では安価で強度があり、安全の意味からも銀歯とさしかえることにデメリットはありません。デメリットは自費診療となるため費用がかさむことです。耐久年数や保証、価格など、明解にご説明いたします。口元にお悩みがありましたらぜひご相談ください。


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