「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
歯と歯と間に隙間のあるすきっ歯に悩んでいる方も多いでしょう。見た目がよくないだけなく、食べ物が歯に挟まりやすい、滑舌が悪くなるなど不便なことも多いです。
すきっ歯を改善したいものの「ワイヤー矯正の見た目が苦手」「目立ちにくい矯正装置で治療したい」と考える方もいるでしょう。
本記事では、インビザラインですきっ歯を治せるのかについて詳しく解説します。インビザラインのメリットやデメリット、インビザラインですきっ歯を治すために必要な期間や費用についてもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
すきっ歯とは、自然な状態で歯と歯の間に隙間が生じている歯並びのことです。前歯部分に隙間がある正中離開(せいちゅうりかい)と、歯列全体に隙間のある空隙歯列(くうげきしれつ)があります。
すきっ歯は、審美性が悪いだけでなく、虫歯になりやすい、滑舌が悪くなるなど、さまざまなリスクがあります。そのため、インビザラインやワイヤー矯正などで改善する方が増加傾向にあります。
すきっ歯になる主な原因は、以下のとおりです。
顎と歯のバランスが悪いと、すきっ歯になる可能性が高いです。例えば、顎の大きさに対して歯のサイズが小さいと、スペースが大きく開いて歯と歯の間に隙間が生じやすくなります。
人間の口内には、親知らずを除いて全部で28本の歯が生えます。まれに、先天的な理由で28本の歯が揃わない方がいます。歯の本数が少ないと、口内のスペースが余ってすきっ歯になるリスクが高まります。
上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは、唇の中心あたりから歯の正中にかけて伸びている歯茎と唇をつなぐ筋のことです。子供の頃は大きく永久歯が生える頃に徐々に小さくなりますが、上唇小帯が発達した状態だと邪魔して中央に隙間ができます。
口腔悪習癖が原因ですきっ歯になることもあります。口腔悪習癖とは、指しゃぶりや舌で前歯を外側に押す癖、下唇を噛む癖などです。
これらの癖により歯が押されて、歯と歯の間に隙間が広がるとすきっ歯になりやすいです。
細菌感染により、歯茎やその周りの骨に炎症がおこった状態が歯周病です。歯周病の初期段階では、歯茎が腫れる、出血するなどの症状が現れますが、進行すると歯を支えている骨が溶けて歯がぐらつくようになります。
歯が不安定になると歯と歯の間に隙間ができ、すきっ歯になることがあるでしょう。
虫歯や歯周病などで奥歯を失ったまま放置すると、前歯が後方に動くことがあります。前歯が動くことで隙間ができ、すきっ歯になることもあるでしょう。
すきっ歯は審美性だけでなく、放置していると健康にも影響を及ぼします。
すきっ歯を放置していると、上下の歯がうまく噛み合わず噛み合わせが悪くなる可能性があります。噛み合わせが悪くなると、顎の骨や一部の筋肉に負担がかかります。
食事中に食べ物をうまく噛み切れず胃腸に負担をかけたり、奥歯にかかる負担が増加したりするかもしれません。
すきっ歯の状態だと、胃腸に負担がかかることがあります。噛み合わせが悪くうまく食べ物を噛めないと、食べ物を細かく噛み砕くのが難しくなるからです。
食べ物を口腔内で細かくできなかった場合、胃腸の負担が増加するでしょう。
歯と歯の隙間に食べかすやプラークが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。歯ブラシだけですべての汚れを取り除くのは難しいため、歯間ブラシやフロスを使用してケアを行わなければなりません。
歯並びに問題がなくても歯間ブラシやフロスでのケアは不可欠ですが、すきっ歯の場合は通常よりも徹底してケアする必要があります。
前歯の隙間から空気が抜けるため、舌を歯につけて発音するサ行やタ行が発音しづらい場合があります。滑舌にも影響することが多く、周囲から聞き取りづらいといわれて悩む方も少なくありません。
すきっ歯の症状が軽度の場合、インビザラインで治療できます。特に、前歯だけの歯並びが気になるケースは、部分矯正で改善できることもあります。
ただし、すきっ歯の症状が重度の場合は、インビザラインでの矯正が難しいこともあります。インビザラインで矯正できない場合は、ワイヤー矯正など別の方法で治療しなければなりません。
インビザラインですきっ歯を治療するメリットは、以下の通りです。
歯を少しずつ動かして矯正するインビザラインは、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないとされています。ワイヤー矯正の場合、調整後2~3日をピークに痛みが生じるケースが多く、痛み止めで対応することも珍しくありません。
「矯正中の痛みが不安で治療に踏み切れない」という方は、インビザライン矯正を選択する傾向があります。
インビザラインでは、透明で薄いプラスチック製のマウスピースを使用します。「仕事上、口元のワイヤーが目立つのは抵抗がある」という方も、ストレスなく矯正をスタートできます。
薄いマウスピースで取り外しが可能な点が、インビザラインの特徴です。食事中や歯磨きの時にマウスピースを取り外せるため、ワイヤー矯正に比べると食事の制限がありません。歯磨きがしやすいこともメリットでしょう。
矯正中も口腔内を清潔に保ちやすいため、ワイヤー矯正に比べ虫歯のリスクも減るでしょう。
インビザラインは、マウスピース矯正の中でも適応できる症例の幅が広いです。ほかのマウスピース矯正では治療が難しい症例でも、インビザラインでは可能なことも少なくありません。
メリットの多いインビザラインですが、デメリットもいくつかあります。メリットのみに目をむけるのではなく、メリットとデメリットの両方を把握しましょう。
インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があります。装着時間が短かったり装着しなかったりすると、当初の計画通りに治療が進みません。
「食後に装着するのを忘れた」「マウスピースの手入れ後にどこに置いたか分からなくなってしまった」などのトラブルがあると、治療がやり直しになるリスクがあります。正しく装着し、しっかり管理することで矯正治療をスムーズに完了できるでしょう。
すきっ歯の症状が軽い場合は、インビザラインでの矯正が可能です。
ただし、隙間が大きすぎる重度のすきっ歯の場合、インビザラインだけの治療は難しいでしょう。ワイヤー矯正を併用したり、ワイヤー矯正で治療したりする症例もあります。
インビザライン矯正ですきっ歯の治療を行う際の費用は、部分矯正か全体矯正かによって異なります。また、インビザライン矯正は自由診療なので、クリニックによっても費用が異なります。
目安の金額は、以下のとおりです。
クリニックによっては、すべての金額を含めたトータルフィー制度を採用していることもあります。すきっ歯の矯正治療そのものにかかる費用とは別に、カウンセリング料金・精密検査料金・リテーナー料金が発生する歯科医院もあるでしょう。
矯正費用だけでなくそのほかに費用が発生しないかも、治療開始前にクリニックのスタッフに確認しておきましょう。
すきっ歯は、症状に関係なく自然治癒することはありません。
症状が軽度で、前歯を数本動かすだけで良い場合は部分矯正で治療します。その場合、治療期間の目安は3か月から1年程度でしょう。全体矯正の場合は、個人差はあるものの2年〜2年半程度の治療期間が必要です。
また、治療終了後は保定期間を設けます。リテーナー(保定装置)を装着して歯並びを固定する期間です。治療期間とは別に1年〜3年程度必要でしょう。
今回は、インビザラインですきっ歯を治せるのかについて解説し、すきっ歯を治すために必要な期間・費用をご紹介しました。
すきっ歯を放置していると虫歯や歯周病になるリスクが高く、口腔内はもちろん心身にも影響を及ぼす可能性があります。また、審美性が悪くコンプレックスにもなりやすいので、放置せずなるべく早く改善したほうがよいでしょう。
インビザライン矯正は、透明なマウスピースを使用するため矯正器具が目立ちにくく、痛みが少ないのが特徴です。すきっ歯の症状が重度の場合は治療できないケースもありますが、軽度な場合は対応可能でしょう。
ご自身のすきっ歯がインビザラインで治療できるのか気になる場合は、歯科クリニックのカウンセリングで相談してみましょう。
インビザライン矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。