「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インビザラインでは、歯並び全体を矯正する治療だけではなく、気になる一部の歯並びを治療する部分矯正も行えます。インビザラインの部分矯正にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
今回は、インビザラインの部分矯正について解説します。費用についてもご紹介するので、インビザラインの部分矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
部分矯正は、特に気になる部分、例えば前歯などの歯並びを改善するための矯正方法です。全体矯正に比べて治療期間が短く、経済的な負担が少ない傾向にあります。
透明なマウスピースを使用して歯並びを整えるインビザラインは、部分矯正も可能です。ワイヤー矯正と比較して目立たず、治療中の痛みが少ないため、治療の負担を軽減できることがメリットでしょう。
インビザラインでは、軽度の歯並びの乱れに対応するパッケージとして、インビザライン・エクスプレスやインビザライン・ライトが提供されています。奥歯を治療対象に含まない、前歯の治療に特化したインビザライン Goもあります。通常のインビザラインに比べて使用できるマウスピースの枚数が少ないので、部分矯正に適しているでしょう。
ただし、患者さまが一部の歯並びの矯正を希望していても、実際には全体的な矯正が必要となるケースがあります。インビザラインで部分矯正できるかどうかは、歯科医院での精密検査と専門家の評価に基づいて判断されます。
インビザラインで部分矯正する際のメリットとデメリットを確認しましょう。
まずは、メリットからご紹介します。
ワイヤーを使用した部分矯正の平均的な治療期間は12か月程度です。
一方、インビザラインによる部分矯正は、3〜6か月程度と短く設定されていることが多いです。特定の部分の歯並びのみを短期間で改善したい場合、インビザラインの部分矯正が適しているでしょう。
インビザラインの部分矯正は、マウスピース装着時に感じる痛みや違和感が、ほかの矯正治療よりも少ないことが特徴です。治療対象となる歯の本数が少なく、段階的に徐々に歯を動かすためです。
ワイヤー矯正では、矯正装置が舌や頬に当たって傷つけることがあるでしょう。インビザラインのマウスピースは柔らかい素材でできているため、問題が起こりにくいです。
また、食事や歯磨きの際は取り外せるので、口腔内を清潔に維持できます。
インビザラインで全体矯正をする場合の費用は700,000~1,200,000円が目安ですが、部分矯正は200,000~500,000円が目安です。全体矯正の半分程度の費用で治療できるため、挑戦しやすいでしょう。
部分矯正であっても、ワイヤー矯正の装置は口を開けた際に目立つでしょう。インビザラインは透明なマウスピースを使用する矯正なので、目立ちません。
インビザラインで部分矯正するデメリットは、以下のとおりです。
インビザラインは、アメリカのアライン・テクノジー社の製品で、マウスピースはアメリカで製作されます。
しかし、治療計画を決定するのは歯科医師なので、担当する歯科医師の知識や経験、技術が治療結果を左右します。マウスピースの使用枚数を決めるのも歯科医師なので、歯科医師の判断が治療期間や費用に影響するのです。
取り外しが可能なことがインビザラインのメリットですが、好きなだけ取り外してよいわけではありません。治療計画どおりに歯を移動させるには、1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。
マウスピースは1〜2週間に一度交換しますが、交換時期を守ることも重要です。
インビザラインで部分矯正できる症例をご紹介します。
ただし、インビザラインで部分矯正できるかどうかは、歯科医師が判断します。歯並びや口腔内の状態には個人差があるため、精密検査を行って慎重に判断する必要があるでしょう。
ご自身の歯並びがインビザラインの部分矯正で対応できるかどうかは、歯科医院を受診して確認してもらってください。
歯と歯の間にすき間がある状態をすきっ歯といいます。歯を並べるスペースは十分にあるので歯を動かしやすく、インビザラインの部分矯正が適しています。
ただし、すきっ歯だけではなく、出っ歯や受け口などを併発している場合は、全体矯正を行う必要があるでしょう。
出っ歯は、上の前歯が前方に突出した状態です。軽度の出っ歯は、インビザラインの部分矯正で治療できます。
ただし、骨格や噛み合わせには問題がない症例に限ります。
叢生とは、歯が重なり合って生えているガタガタした歯並びです。歯の大きさに対して顎が小さい場合など、歯が並ぶためのスペースが足りない場合に生じることが多いです。
軽度の場合は、インビザラインの部分矯正で治療可能でしょう。
左右どちらかに捻れて生えている歯を、捻転歯(ねんてんし)といいます。適切なスペースがない、または乳歯が抜けるタイミングが遅れるなどの原因で起こります。
インビザラインの部分矯正では、前歯のみが捻転している場合や、叢生はない軽度の捻転に対応可能です。
「部分的に治療したいからインビザラインの部分矯正を選択したい」と思っても、全体矯正を行う必要がある場合があります。
インビザラインで部分矯正できない症例は、以下のとおりです。
一見すると前歯が出ているだけに見えても、根本的な原因が全体的な歯並びにある場合があります。全体的な歯並びや噛み合わせを改善しなければならない場合は、部分矯正では対応できません。
出っ歯や受け口などは、歯の傾斜が原因の場合と、顎の位置などの骨格が原因の場合があります。歯の傾斜が原因で症状が軽度な症例は、インビザラインの部分矯正で治療できるでしょう。
しかし、矯正治療では骨格的な問題は改善できません。骨格的な問題がある場合は、外科手術を行って顎の位置を調整することが多いです。
インビザラインの部分矯正は、大きな歯の動きには対応できません。複数本の歯を抜いてスペースを確保した場合などは、治療できないことがあるでしょう。
無理にインビザラインの部分矯正を行うと、歯茎が下がるなどのトラブルを引き起こす可能性があります。
インビザラインで部分矯正をするのに適しているのは、インビザライン・エクスプレス、インビザライン・ライト、インビザライン Goでしょう。
それぞれの特徴と費用を解説します。
最大7枚のマウスピースを使用できるインビザラインのパッケージです。治療期間は4か月程度で、1〜2本の歯の位置を整えたい場合などに使用されます。後戻りの再治療に用いられることも多いです。
費用の目安は、200,000~400,000円程度でしょう。
最大14枚のマウスピースを使用できるパッケージです。治療期間は7か月程度で、軽度のすきっ歯や歯の捻れ、後戻りした際の再治療に用いられます。
費用の目安は、300,000〜600,000円程度でしょう。
最大20枚のマウスピースを使用できる、前歯の治療に特化した部分矯正です。3~6か月程度で、軽度の出っ歯や叢生、すきっ歯、歯の捻れなどを治療します。
費用の目安は、300,000〜500,000円程度です。
インビザラインの部分矯正は、治療期間や費用面、手軽さから多くのメリットがあります。
しかし、全体的な歯並び・噛み合わせを改善しなければならない場合や、歯並びの乱れが重度な場合は選択できないでしょう。インビザラインの部分矯正が可能かどうかは歯科医師が判断するので、気になる方は気軽にカウンセリングを受けてください。
インビザラインで部分矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。