「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インビザライン矯正中に虫歯ができたら、どのように対処すれば良いのでしょうか。「治療をやめなければならないのでは?」「虫歯を放置するの?」など、不安に思う方が多いでしょう。
この記事では、インビザライン矯正中に虫歯ができる原因と、見つかった場合の対処法について詳しく解説します。
目次
インビザライン矯正を始める前に虫歯がないかを確認し、もし虫歯が見つかった場合はその治療を先に行う必要があります。インビザライン矯正中に、虫歯を治療して歯の形が変わってしまうと、マウスピースがうまくフィットしなくなる可能性があるからです。
基本的に、虫歯がある場合はその治療を完了させてからインビザライン矯正を開始します。
では、インビザライン矯正中に虫歯ができた場合は、どのような対処が必要なのでしょうか。実際の対処法は、以下の3つです。
インビザライン矯正中に虫歯が見つかった場合、矯正が終わりに近づいているのであれば応急処置をして矯正治療を先に完了させることがあります。応急処置は、虫歯の進行を遅らせるための一時的な対策です。
応急処置だけでは虫歯は治らないため、インビザライン矯正が終わったらできるだけ早く本格的な虫歯治療を始めなければなりません。
虫歯が歯の形を大きく変えない小さなものであれば、インビザライン矯正を続けながら同時に治療することができます。虫歯治療の際はマウスピースを一時的に外さなければなりませんが、終わった後はマウスピースをすぐにまた装着してインビザライン矯正を進めます。
虫歯が見つかったからといって、インビザライン矯正のスケジュールが大きく狂うわけではないので安心してください。
インビザライン矯正をしている最中に虫歯が重症化した場合、矯正治療を中断してまずは虫歯の治療に集中することが重要です。特に、虫歯が悪化しているなど、緊急で抜歯が必要な場合にはインビザライン矯正を一旦中止することが一般的です。
インビザライン矯正を一時的に中断すると、歯並びが元に戻ってしまうかもしれません。矯正中の歯は不安定なので、マウスピースを装着していないと後戻りすることがあるのです。
しかし、虫歯が原因で歯を失うリスクを避けるためには、やむを得ないと言えるでしょう。
マウスピースを装着しているあいだは、そうでない場合と比べて虫歯になりやすいです。その理由について解説します。
インビザライン矯正では、マウスピースを1日に20~22時間以上つける必要があります。マウスピースはとても薄くわずか0.5mmですが、上下の歯に装着すると合計で1mmの厚みになります。
このため、マウスピースをつけていると唇が閉じにくくなり、口の中が乾燥することがあります。口内が乾燥すると、歯に付着した食べかすなどの汚れが留まり、通常の歯磨きだけでは落としきれなくなるのです。
インビザライン矯正中は、特に口腔ケアに注意し定期的にクリーニングに通うことが大切です。
インビザライン矯正で使うマウスピースは、いつでも取り外すことができます。
しかし、歯を動かすための小さなパーツであるアタッチメントは、歯にしっかりと接着されていて取り外しできません。アタッチメントは、マウスピースと歯を密着させるために使用されます。
アタッチメントの周辺は汚れが溜まりやすくなるため、注意しなければなりません。アタッチメントは小さな突起物のような形をしているため、食べかすやプラークが引っかかりやすく、歯磨きでしっかりと除去しなければ虫歯のリスクが高まります。
インビザライン矯正では、マウスピースを長時間装着します。そのため、口内の唾液の循環が悪くなります。
唾液は、口の中を清潔に保つ重要な役割を担っています。唾液には自浄作用と殺菌作用があり、これによって虫歯の発生を防ぎ、食べ物の残りかすなどの汚れを洗い流しているのです。
マウスピースを装着していると唾液の循環が悪くなり、これらの効果が十分に発揮されなくなります。
インビザライン矯正中に虫歯ができると、矯正治療を中断しなければならない可能性があります。矯正の中断は治療期間の延長にもつながるため、日常ケアをしっかり行い虫歯を予防することが大切です。
歯磨きをするとき、ただ歯ブラシを使うだけではなく、歯間ブラシとデンタルフロスを使用することもとても重要です。歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことが可能です。
歯間ブラシは、歯に対して垂直に持ちゆっくりと汚れをかき出すように使います。デンタルフロスは歯と歯の間の狭いスペースに挿入し、歯の表面に沿って擦りつけてプラークや食べかすを取り除きます。
ただし、どちらの道具もどのように使うかがとても重要です。間違った使い方をしてしまうと、歯や歯茎を傷つけることもあるため注意が必要です。
歯間ブラシやデンタルフロスの正しい使用方法や適切なサイズの選び方については、歯科医院で相談するとよいでしょう。
虫歯は、私たちが食べた後に口内に残った食べかすが原因で、歯垢の中のバクテリアが酸を作り出すことから始まります。この酸が歯の表面のミネラルを溶かす現象を脱灰と言います。
脱灰が起きても、唾液が持つミネラルが歯の表面に戻ることで、虫歯の進行を防ぐことができます。これを再石灰化と言い、私たちの口の中では脱灰と再石灰化が常に繰り返されています。
脱灰が優位になると虫歯になりやすいので、再石灰化を促すフッ素の使用が有効でしょう。フッ素は歯磨き粉に含まれており、高濃度フッ素が配合されたものも販売されています。
ただし、6歳未満のこどもにはフッ素の濃度が1,000ppm以下の歯磨き剤を使うことが推奨されています。使用に不安がある場合は、歯科医院で相談すると良いでしょう。
インビザライン矯正中に特に気をつけたいのは、飲食時のマウスピースの取り扱いです。マウスピースを外さずにそのまま飲み物を飲む人も多いでしょう。
マウスピースを装着したままジュースなどの甘い飲料を飲むと、歯とマウスピースの間に飲み物が入り込み、歯が砂糖水に浸されるため虫歯を引き起こしやすくなります。水以外の飲み物を飲む際は、マウスピースを外す習慣をつけましょう。
インビザライン矯正中は、マウスピースが唾液の流れを妨げるため口の中が普段より乾燥しやすくなります。口が乾くと細菌が活発になり、虫歯のリスクが増えます。
マウスピースを装着している間は、こまめに水分を取ることが大切です。
ただし、水分補給をするときは、ジュースやスポーツドリンクなどの糖分が含まれている飲料は避けましょう。水や無糖のお茶を選んでください。先ほど説明したとおり、糖分を含む飲料は虫歯の原因となる砂糖を口内に残すため、虫歯を引き起こすことがあります。
マウスピースは、取り外した際に洗浄することが推奨されています。歯磨きで歯をきれいにしていても、マウスピースの溝に溜まった細菌が繁殖すると虫歯になるリスクが高まるからです。
洗うときは、指や手で優しくこするか、柔らかい歯ブラシで汚れを取り除きましょう。週に一度は専用の洗浄剤を使ってマウスピースをつけ置き洗いすることで、マウスピースをより清潔に保つことができます。
ただし、歯磨き粉はマウスピースに傷をつける可能性があるので使用しないでください。また、熱いお湯で洗うとマウスピースが変形する可能性があるため、水またはぬるま湯を使いましょう。
インビザライン矯正を始める前には、虫歯がないかを確認します。必要があれば治療を優先し、改善されてからインビザライン矯正を始めます。
また、矯正中に虫歯が見つかった場合は、状況に応じて応急処置や治療を行い、最悪の場合は矯正を中断することも考えられます。
インビザライン矯正中は、通常よりも虫歯になりやすい状況なので予防が非常に重要です。飲食時にはマウスピースを外し、流水で洗浄してから装着しましょう。
歯磨きの際は、歯間ブラシやデンタルフロスも併用してください。歯の隅々まで清掃することで、虫歯のリスクを減らすことができます。
口腔ケアの方法に不安がある場合は、歯科医院で相談してみてください。
インビザライン矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。