木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

24年05月30日

歯ぎしりとインプラントの関係!影響や対策、治療のポイントを解説

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

歯ぎしりをしている人

「インプラントは歯ぎしりの癖があってもできる?」「歯ぎしりは口腔内にどんな影響を与えるの?」と疑問を持っている患者さまもいるでしょう。

今回は、歯ぎしりとインプラントについて詳しく解説します。歯ぎしりが与える影響や、歯ぎしりの癖があってもインプラント治療が可能かどうかなどもご紹介します。ぜひご覧ください。

歯ぎしりって何?

歯ぎしりをしている人

歯ぎしりとは、無意識に歯を強く噛み締めたり擦り合わせたりする行為のことです。

歯ぎしりをしやすいタイミング

歯ぎしりは、就寝時に眠りが浅いと発生するケースが多いです。起きているときにすることもありますが、ほとんどが寝ているときに発生しています。

歯ぎしりが起こる原因

歯ぎしりが起こる原因は、以下のとおりです。

ストレス

歯ぎしりの主な原因は、ストレスと言われています。日常生活で過度なプレッシャーを受けていると、無意識のうちに歯ぎしりをし、ストレスを解消しようとするのです。

睡眠障害

睡眠の質が低下したり、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が原因で、歯ぎしりをすることがあります。深い睡眠がとれない、睡眠中に呼吸が一時的に止まるなどにより、筋肉や神経の反応が活発になるからです。

刺激物の摂りすぎ

カフェインやアルコールなどの刺激物を摂取しすぎると、交感神経を刺激して筋肉が緊張しやすくなり、歯ぎしりを引き起こします。また、アルコールの摂りすぎると、脳の働きが抑制されます。睡眠の質が低下し、筋肉の緊張が続くため、歯ぎしりを引き起こしやすいです。

噛み合わせが悪い

上下の歯の噛み合わせが悪いと、噛み合わせを調整するために顎の筋肉を過剰に使います。筋肉が緊張し、歯ぎしりを引き起こしやすいでしょう。

一部の歯が強く当たっていたり、歯の詰め物や被せ物の高さが合っていなかったりする場合も、歯ぎしりをしやすいです。

歯ぎしりが与える影響

歯ぎしりが原因で顎関節症になった人

歯ぎしりが口腔内に与える影響は、以下のとおりです。

歯にヒビが入る・割れる

歯ぎしりをすると、歯に過度な圧力がかかります。歯のエナメル質がすり減り、ヒビが入ったり割れたりする原因になるでしょう。

歯ぎしりは、就寝時など無意識でしていることが多いです。長期間気づかずに歯にダメージを与え続けていると、歯の表面が傷つき、小さな亀裂やヒビ割れが起こるでしょう。歯が弱くなったり、痛みを感じやすくなったりする原因につながります。

知覚過敏になりやすい

歯ぎしりによって歯が摩耗すると、歯の表面にあるエナメル質が薄くなり、知覚過敏を引き起こす原因となります。エナメル質が擦り減ってその下にある象牙質が露出すると、熱いものや甘いものなどに神経が過敏に反応し、しみたり痛みを感じたりします。

人工歯が破損しやすくなる

歯ぎしりは、強い力で上下の歯を擦り合わせているため、詰め物や被せ物が欠けたり割れたりしやすくなります。詰め物・被せ物が破損していると、食事がしにくくなるといった機能面への悪影響だけではなく、審美面にも影響を与えるでしょう。

炎症が起こりやすい

歯ぎしりをすると歯や歯ぐきに過度な力がかかり、歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。歯に強い力が加わると、歯周組織に負担がかかるため、ダメージが加わったり血行不良を起こしたりするでしょう。

歯ぐきに炎症が起こると、赤く腫れ上がり痛みが生じることがあります。炎症により歯がグラつくと、歯周ポケットが深くなり歯周病を引き起こす原因にもなるでしょう。

顎関節症になりやすい

歯ぎしりをすると顎関節に負担がかかるため、顎関節症を引き起こすことがあるでしょう。顎関節症になると、顎関節や顎周辺の筋肉に過度なストレスがかかり、さまざまな症状を引き起こします。

主な症状としては、顎の痛み・口が開きにくい・口の開閉時に音が鳴るなどが挙げられます。

歯ぎしりによって長期的に顎関節に負担をかけ続けると、顎関節の機能を妨げて筋肉を緊張させ、顎関節症につながるでしょう。

歯並びや噛み合わせに悪影響がある

歯ぎしりによって歯に継続して強い力がかかると、歯が移動したり向きが変わったりすることがあります。歯が移動したり向きが変わったりすると、歯並びの乱れや噛み合わせの悪化につながる可能性があります。

歯ぎしりがあってもインプラント治療ができる?

歯ぎしりがあってもインプラント治療ができるか考えている人

結論から申し上げると、歯ぎしりがあってもインプラント治療はできます。

ただし、歯ぎしりの程度によっては、インプラント治療ができないケースもあります。歯ぎしりが強い患者さまにはインプラント治療は不向きです。インプラント治療を希望していても歯ぎしりの癖がある場合は、歯科医師とよく相談しましょう。

歯ぎしりによってインプラントが失敗するケースとは

歯ぎしりによって破損したインプラントのイメージ

歯ぎしりは、インプラント治療にも影響を与えることがあります。歯ぎしりによって、インプラント治療が失敗するケースは以下のとおりです。

インプラントが破損する

歯ぎしりによってインプラントに強い力がかかると、インプラントが破損することがあります。また、インプラント体とアバットメントをつなげているネジが緩んだり、インプラントの人工歯部分が割れたりすることもあるでしょう。

インプラントが破損すると、噛み合わせが悪くなる場合もあります。再治療が必要になる可能性が高いので、早めに歯科医師へ相談しましょう。

インプラント周囲炎が起きる

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲の歯肉に起こる炎症です。インプラントの歯周病ともいわれています。

歯ぎしりをすると、歯ぐきが下がりやすくなります。歯周病の細菌が入りやすくなるため、歯周組織に炎症を引き起こすのです。

また、インプラント周囲炎は、症状の進行が早いことが多いです。気づいたときには進行しており、インプラントを撤去して再治療が必要になる場合もあるでしょう。

歯ぎしりがある人がインプラント治療をするための対策

歯ぎしりのある人がインプラント治療について相談している様子

歯ぎしりがある人がインプラント治療をするための対策は、以下のとおりです。

ナイトガードを使う

歯ぎしりの癖がある人がインプラント治療を受ける際には、ナイトガードを使用しましょう。

ナイトガードとは、就寝時に行う歯ぎしりによるダメージから歯やインプラントを守るための装置です。患者さまご自身でつけ外しできます。ナイトガードを使うと、インプラントの破損やインプラント周囲炎の予防につながるでしょう。

歯科医師に相談する

インプラント治療を開始する前に、歯ぎしりの癖があることを歯科医師に相談しましょう。歯ぎしりの対策や、インプラント治療を受けるときの注意などについてアドバイスを受けることができます。

定期検診を欠かさず受ける

歯ぎしりの癖がある人は、インプラント治療を受けたあとに定期検診を欠かさず受けましょう。定期的にプロが口内をチェックすることで、患者さまご自身では気づかなかったトラブルを早期に発見できます。

特に、インプラント周囲炎などは悪化するとインプラントを撤去する必要があります。早期発見・早期治療をすることで、インプラントを守れるでしょう。

歯ぎしりの改善方法

ストレスフリーで過ごす人

歯ぎしりの改善方法は、以下のとおりです。

ストレスを軽減させる

歯ぎしりの主な原因として、過度のストレスが挙げられます。ストレスが溜まると眠りが浅くなって筋肉が緩み、歯ぎしりを引き起こしやすくなります。ストレスを軽減して睡眠の質が上がれば、歯ぎしりを抑えることに繋げられるでしょう。

眠り方を変えてみる

眠るときの姿勢を変えてみると、歯ぎしりを軽減できることがあります。うつ伏せや横向きで眠ると顎関節に負担がかかるため、歯ぎしりしやすいです。

眠るときにはできるかぎり仰向けで眠ってみましょう。

まとめ

インプラントの模型

歯ぎしりの癖があってもインプラント治療はできますが、歯ぎしりの癖が強いと難しい場合があります。

しかし、強い歯ぎしりの癖がある方でも、ナイトガードを使用することで歯ぎしりによる負荷からインプラントを守れるケースもあります。歯ぎしりが気になってインプラント治療を躊躇っている患者さまは、一度歯科医師へ相談してみると良いでしょう。

インプラント治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。


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