「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インビザラインとは、世界で1,400万人の実績を誇る有名なマウスピース矯正です。透明で目立たず、取り外せるので食事や歯磨きに影響しないことから人気を集めています。
治療を検討していても、歯ぎしりでマウスピースが割れたらどうしようと不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、歯ぎしりの原因や改善方法、歯ぎしりの癖がある方がインビザライン矯正を受ける場合の注意点について解説します。
歯ぎしりとはブラキシズム(bruxism)とも呼ばれ、睡眠中などの無意識下で上下の歯を強く噛み合わせたり、こすり合わせることをいいます。睡眠中に音を立てて歯をこすり合わせるイメージがあるかもしれませんが、日中に歯をぎゅっと噛むのも歯ぎしりです。
睡眠中の歯ぎしりは、口の中に問題がある場合や、昼間のストレスが原因の場合があります。日中の歯ぎしりは、ストレスや緊張が原因の場合だけでなく、癖でしていることもあるでしょう。
いずれにしても、睡眠中や無意識下で行っていることが多いので、自分では気づきにくいのが特徴です。自分が寝ている間に歯ぎしりをしていないか、一緒に暮らしている人に確認してみたり、日中も無意識に歯を噛んでいないか気にしてみてください。
歯ぎしりは、以下の3つに分類されます。
グラインディングは、上下の歯をギリギリとこすり合わせる動作です。睡眠中に行う方が多く、ギリギリと音が鳴ることが特徴でしょう。
一般的に歯ぎしりといわれて連想するのは、グラインディングが多いです。
上下の歯を強く噛み締める動作のことです。スポーツをしている時や重いものを持つとき、集中しているときに行う方が多いです。
一般的には、噛み締め、食いしばりと呼ばれます。
上下の歯をカチカチと噛み合わせる動作のことです。タッピングだけで強い力が加わることは少ないですが、他の歯ぎしりのきっかけになる傾向があります。
次に、歯ぎしりの原因を確認しましょう。
歯ぎしりが起こる一番の原因としてあげられるのが、ストレスです。精神的なものだけでなく、肉体的な疲れもストレスになります。日中に受けたストレスを解消するために、歯ぎしりをすることがあるのです。
噛み合わせや歯並びが悪いと、それが歯ぎしりを起こす原因になります。歯が強く当たる部分がある場合や、合わない被せ物が入っている場合、しっかり噛めないことからバランスを調整しようとして歯ぎしりを起こします。
眠りが浅いときに歯ぎしりは起こります。眠りが浅くなる原因としては、飲酒や喫煙が挙げられるでしょう。
お酒を飲むと眠くなる方も多いですが、この状態で入眠すると眠りが浅くなり、中途覚醒や歯ぎしりの原因になります。喫煙も覚醒作用があり浅い眠りになりやすいので、どちらも睡眠前は控えたほうがいいでしょう。
生活習慣が乱れると、自律神経も乱れます。交感神経と副交感神経がうまく切り替わることができず、休んでも体の疲れがとれなかったり、しっかり眠ることができなくなったりするでしょう。
ストレスを解消できないので、歯ぎしりを起こしやすくなります。
歯ぎしりをしていると、どのような影響があるのでしょうか。一つずつ確認しましょう。
歯ぎしりをしていると、上下の歯が噛み合う部分が削れます。歯の表面にはエナメル質という層があり、外部の刺激から歯の内部を守っています。
エナメル質が削られると、刺激が神経に伝わりやすくなり歯がしみたり痛みを感じたりするでしょう。歯が削られると噛み合わせが深くなり、さらに力が強くかかるようになります。
歯ぎしりによる負荷が原因で、歯が割れることもあります。歯の状態によっては割れた部分を修復できることもありますが、抜歯になるケースもあるでしょう。
噛む力によって歯の表面のエナメル質が削られると、中にある象牙質が露出します。飲食物の熱さや冷たさ、歯ブラシの刺激などが神経に伝わりやすくなるでしょう。
歯が削られていなくても、噛む力が持続的にかかっている影響で神経が過敏になり、知覚過敏の症状が現れることがあります。
歯周病は口の中の細菌が原因で起こる病気ですが、歯に過剰な力がかかると歯周病が悪化します。歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が溶かされます。
歯を支えている骨が溶かされると、歯が動揺し始めて最終的には抜け落ちるでしょう。歯ぎしりによる過剰な力がかかることで、顎の骨への負荷が増えて歯周病が悪化します。
歯ぎしりによって歯にヒビが入ると、そこから細菌が入って虫歯になることがあります。少しでも段差や隙間が生じると、汚れやプラークが残って虫歯の原因になるのです。
歯ぎしりを日常的にしていると、顎関節にも負担がかかり続けます。そのため、痛みが出たり顎を動かすときに異音がなったり、顎関節症を引き起こすかもしれません。
また、噛むときに使う咬筋という筋肉が歯ぎしりによって過剰に使われていると、頭や肩の筋肉にも影響を及ぼします。歯ぎしりが原因で、肩こりや頭痛に悩まされる方も多いのです。
歯ぎしりをしていると、過去の治療で入れた詰め物・被せ物が割れたり外れたりすることもあります。日常的な使用なら問題ありませんが、詰め物や被せ物は過度な負荷に耐えられないのです。
歯ぎしりの癖があっても、程度によってはインビザライン矯正が可能です。
ただし、以下の点に注意して納得したうえで治療を始めましょう。
歯ぎしりをすると、マウスピースに負担がかかります。マウスピースは装着時の違和感を軽減するために、0.5mm程度と薄く作られています。
歯ぎしりによる過剰な負荷に耐えられず、割れることがあるので注意しましょう。
マウスピースが割れた場合、マウスピースを作り直さなければならないことがあります。この場合、追加の費用がかかるかもしれません。
割れが軽度であれば修理できることもありますが、作り直す場合は新しいマウスピースが届くまでに1ヶ月程度かかるでしょう。その間は治療が進まないので、治療期間が延びます。
どれだけ気をつけていても、マウスピースが割れることはあります。その場合、以下の点に注意してください。
できるだけ早めに、歯科医院に連絡して確認してもらいましょう。歯科医院を受診するまでの間、どのように対処すべきか指示を仰ぎましょう。
割れた部分を接着剤でくっつけたり、ヒビが入った部分の修復を行ったり、ご自身で修理しようとするのは絶対に避けてください。矯正用のマウスピースは、精密に作られています。
少しのズレが、歯並びに大きく影響を与える可能性があります。少しヒビが入っただけでも、歯科医院で修理してもらってください。
ヒビが入っても少しなら大丈夫だろうと、自分で判断して使い続けないようにしましょう。状態によっては、矯正治療に支障をきたして治療が長引く場合があります。
インビザラインのマウスピースに問題が起きた場合は、必ず歯科医院に相談してください。
インビザライン矯正を始めるなら、可能であれば歯ぎしりの癖を改善できたほうがよいでしょう。歯ぎしりを改善する方法は、以下のとおりです。
ストレスは、歯ぎしりの主な原因とされています。好きな音楽を聞く、映画を観る、運動をするなど、リラックスできる時間を設けましょう。
睡眠中の歯ぎしりは、寝具の硬さや枕の高さがあっていないことで起こるケースもあります。ご自身の体に合う寝具を用意し、自然な体勢で眠れるように環境を整えましょう。
寝る前にカフェインが入ったコーヒーを飲む、飲酒・喫煙をする、携帯を長くみてブルーライトを浴びるなどすると、睡眠の質が低下しやすいです。これらの行動も、就寝前は控えてください。
睡眠中の歯ぎしりを改善するのは難しいので、ナイトガードを装着しても良いでしょう。
噛み合わせが悪いことが歯ぎしりの原因の場合、噛み合わせを改善してもらうと良いかもしれません。ご自身では噛み合わせの良し悪しはわからないので、歯科医師に相談してみてください。
今回は、歯ぎしりがある方がインビザラインを受ける際の注意点や歯ぎしりの改善方法について解説しました。
歯ぎしりによってインビザラインのマウスピースが割れた場合、通常よりも費用や期間がかかるかもしれません。そういったリスクがあることを考慮し、インビザライン矯正を始めてください。
インビザライン矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。