木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

24年12月26日

歯周病の外科治療が必要となるケース|外科治療の種類と費用とは

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

外科治療が必要なほど悪化した歯周病のイメージ

歯周病の外科治療は、歯周病の基本的な治療で改善が見込めない場合などに行われます。「どんな治療法なんだろう」「費用はどれくらい?」など、疑問に思う方もいるでしょう。

この記事では、歯周病の外科治療が必要なケースや歯周病外科治療の種類、費用などについて解説します。メリットやデメリット、歯周病を悪化させないための予防法なども併せて紹介するので、歯周病の外科治療について気になる方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病の外科治療が必要となるケース

歯周病の外科治療が必要なケースを説明するイメージ

歯周病の外科治療が必要なケースは、重度の歯周病の場合です。一般的に、歯周病になると歯周基本治療と呼ばれる治療が行われます。

歯周基本治療は、プラークや歯石の除去や歯磨き指導、歯根表面を滑らかに整える処置などを指します。初期段階の歯周病や中度の場合は歯周基本治療で改善できることもありますが、歯周病が進行している場合は難しいでしょう。歯周基本治療だけでは治らない場合は、外科治療が必要です。

歯周病の外科治療の種類

歯周病の外科治療をしているイメージ

歯周病外科治療には、大きく分けて歯周組織再生療法とフラップ手術の2種類があります。それぞれの特徴を詳しく解説します。

歯周組織再生療法

重度の歯周病で歯を支える骨が溶けている場合は、支えを失った歯が不安定になります。そのままでは、食事が困難になるなど日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。そのため、歯周組織再生療法が行われます。

歯周組織再生療法にはいくつか種類があるので、ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

GTR法(歯周組織再生誘導法)

GTR法は、歯肉の侵入を防ぎ歯槽骨が再生できるように必要な場所を確保して治療する方法です。歯槽骨と呼ばれる顎の骨は再生までに時間がかかるため、歯周組織は歯肉から再生します。

歯肉が先に再生して歯槽骨のためのスペースが奪われた場合、十分な治療効果が望めません。そのため、人工膜を使用して歯槽骨のスペースを確保し、外から歯肉が入らないようにします。

リグロス法

リグロス法は、細胞を増やす成長因子を主成分とした薬剤を使用し、歯周組織の再生を促す治療法です。治療部分を切開して汚れを除去し薬剤を塗って縫い合わせ、成長因子の作用により失われた歯周組織の再生を促します。

エムドゲイン法

エムドゲイン法も、リグロス法同様に薬剤により歯周組織の再生を誘導する治療法です。エムドゲインはタンパク質の一種で豚の歯胚組織から作られており、歯周組織の再生を促進します。

フラップ手術

フラップ手術は、進行した歯周病を治療する方法の一つです。歯茎を切開して剥離して歯根の表面を目視できる状態にし、直接汚れや感染組織を取り除きます。

切開すると細かい部分まで治療できるため、歯周病の原因になる歯石などを徹底的に除去することが可能です。

フラップ手術は、以下の手順で行われます。

  1. 局所麻酔をして歯茎を切開
  2. 歯茎を剥がし歯根を露出させる
  3. 歯石を除去し歯根の表面を滑らかにする
  4. 歯茎を縫合する

フラップ手術により歯周ポケットが浅くなるメリットがありますが、切開した部位によっては歯が長く見えたり歯茎が下がって見えたりするリスクがある点は留意しておきましょう。気になる方は、事前に歯科医師と相談しましょう。

歯周病の外科治療の費用

歯周病の外科治療でかかる費用のイメージ

歯周病の外科治療には、保険適用になる種類と自費治療になる種類があります。一般的な歯周病治療には保険が適用されますが、先進医療や審美目的の治療は保険適用外となる場合があります。

歯周病外科治療の費用は、治療の種類や保険適用の有無によって大きく変動します。一般的な治療相場は、以下の通りです。

  • フラップ手術:2,000円〜2,500円(3割負担)
  • リグロス法:7,000円~9,000円(3割負担)
  • エムドゲイン法:7万7,000円〜11万円

エムドゲインには保険が適用されないため、他の治療法と比べると高額になりやすいです。自由診療では、治療期間や使用できる材料などを自由に選択できるメリットがあります。

ただし、自費診療の場合はクリニックによって費用が異なるため、歯科医院で事前に確認する必要があるでしょう。

歯周病の外科治療のメリット・デメリット

歯周病の外科治療のメリットとデメリットのイメージ

歯周病の外科治療には、良い面がある反面、悪い面もあります。ここでは、歯周外科治療のメリットとデメリットの両方を紹介するので、特徴を把握しておきましょう。

歯周病の外科治療のメリット

歯周病の外科治療のメリットは、以下のとおりです。

  • 抜歯のリスクを回避できる
  • 歯周ポケットを改善できる
  • 歯石をしっかり除去できる
  • 口臭を改善できる

歯周病の外科治療を行うことで、歯周ポケットの深さを浅くすることが可能です。また、歯周病の悪化による抜歯のリスクを回避したり、口臭が改善されたりするメリットもあります。

適切に外科治療を受けることで、自分の歯をより長く使用できる可能性が高まるでしょう。

歯周病の外科治療のデメリット

歯周病の外科治療のデメリットは、以下の通りです。

  • 傷が治るまでに時間を要する
  • 知覚過敏を発症するリスクがある
  • 歯茎が下がる可能性がある
  • 治療後、痛みや腫れが現れることがある

歯周病の外科治療では歯茎を切開することが多いため、治療後の傷が治るまでに時間がかかるケースもあります。痛みや腫れが発生することも多いでしょう。痛み止めを服用すれば痛みを軽減することは可能ですが、傷が治るまでに時間がかかるためストレスに感じる方もいるかもしれません。

また、歯茎が引き締まって腫れが引くため、歯茎が下がって見えたり知覚過敏を引き起こしたりする可能性があります。

外科治療以外の治療とは

歯石を取ってもらう患者

歯周外科治療は、全ての方に適応できる治療法ではありません。主に、以下の方は歯周病の外科治療ができない可能性があります。

  • 血液をサラサラにする薬を服用している
  • 脳梗塞・心筋梗塞の方
  • 妊娠中の方
  • 喫煙者
  • 歯周病の進行がひどい方

上記に当てはまる場合は歯周病の外科治療が難しいため、プラークコントロールや歯石の除去などで対処します。ここでは、それぞれの治療法について解説します。

歯周病の外科治療ができない場合は、下記の対応で様子を見ますが、重度の場合は抜歯になる可能性もある点に留意しておきましょう。

プラークコントロール

プラークコントロールとは、虫歯や歯周病の原因となるプラークを減らし、口腔内の健康を維持するための取り組みです。定期的な歯石除去と適切な口腔清掃を行い、プラークや細菌性の沈着物を取り除きます。

主に、歯科医院で歯の磨き方の指導を受け、自身でケアを行います。

歯石の除去

歯石とは、歯垢が石灰化して硬くなったものを指します。歯垢は歯ブラシで落とせますが、歯石は歯ブラシでは落とせません。そのため、歯科医院で専用の器具や機械を使用して除去する必要があります。

歯周病を悪化させないための予防法

デンタルフロスを使う女性

歯周病を悪化させないための予防法は、以下の通りです。

ホームケアを怠らない

歯周病の予防には、ホームケアが非常に重要です。歯垢や歯石が付着していない状態では歯周病菌は繁殖できないため、歯周病の進行を防げます。毎日のケアを丁寧に行い、歯石や歯垢を溜め込まないようにすることが大切です。

また、歯ブラシだけでは口内の汚れを十分に落とすことはできません。歯間ブラシやフロスも活用し、しっかり汚れを落としましょう。

歯科医院で定期的にクリーニングを行う

定期的なクリーニングも重要です。毎日のホームケアでは落としきれなかった汚れを歯科医院で徹底的に取り除くことで、歯周病の進行を防げます。

また、定期的に歯科医院を受診すれば、歯周病や他の口腔トラブルが発生した際も早期に治療が可能です。

まとめ

歯周病の外科治療で綺麗になった歯に喜ぶ女性

この記事では、歯周病の外科治療の種類や費用をはじめ、外科治療が必要になるケースなどについて解説しました。

基本的に、歯周病は進行するほど治療が複雑になるため早期治療が大切です。歯科医院でのメンテナンスを定期的に受けたり、セルフケアを怠らなかったりすることで初期の状態で対処が可能になるでしょう。

大切な歯を守れるようにメンテナンスをしっかり行いましょう。

歯周病の外科治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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