こんにちは。千葉県木更津市イオンモール木更津2Fの木更津きらら歯科です。
木更津市では、10月1日より65歳以上の方を中心にインフルエンザの予防接種を開始しました。学校やお勤め先で、予防接種についてインフォメーションがされていることもあると思います。
木更津きらら歯科では、お口のケアが、インフルエンザ感染の強力な盾になることを、新しい研究結果をご紹介しながらお伝えします。
唾液のインフルエンザウイルス弱体化能力は、歯みがきによってパワーアップする
歯みがき行動によって唾液のインフルエンザウイルス不活化能が向上することが明らかになりました。人間の唾液には、もともと体内に侵入しようとするウイルスをブロックする防衛システムが備わっています。しかし、お口の中が細菌で汚れていると、その防衛システムが十分に働きません。丁寧な歯みがきでお口の雑菌を減らしてあげることで、唾液本来の「ウイルスを撃退する力」を十分に引き出してあげることができるのです。
これまでも、口腔衛生状態とインフルエンザの発症率との関連性は報告されていました。国内の大手歯みがき関連用品メーカー、ライオン株式会社の研究チームが、その裏付けとなる実証データを2025年10月に発表しています。
この研究では、口腔内をきれいに保つことにより、人間が本来持っている免疫力(唾液のインフルエンザウイルス不活化能)が向上し、外部から口腔に侵入するインフルエンザウイルスを不活化できる可能性を示しています。
5分の歯みがきがウイルス抑制力に効果あり
5分間の丁寧な歯みがきを行った直後の唾液を調べたところ、インフルエンザウイルスの細胞感染を抑える力が、歯みがき前の約60%から、わずか5分後には約90%へと上昇しました。
効果は1時間後も持続
さらに、歯みがきから1時間が経過した時点でも、ウイルスを無力化(不活化)する高い能力(約83%)が維持されていることが分かりました。
「お口の総細菌数」を減らす
この研究では、歯みがきによってお口の中の細菌数がしっかりと減少した人ほど、唾液のウイルス不活化パワーが顕著に高まるという相関関係も実証されました。
「歯周病菌」と「ウイルス」の危険な相互作用
2026年には、お口の中の細菌、特に歯周病菌が増えるとインフルエンザのリスクが高くなることが解明されました。日本大学歯学部の神尾宜昌(のりあき)准教授らの研究チームによる報告です。
「歯周病菌によるインフルエンザウイルス感染促進」の研究(感染症免疫学講座)日本大学歯学部
神尾准教授らは、歯周病の代表的な原因菌が生み出すタンパク質分解酵素「ジンジパイン」が、A型インフルエンザウイルスの感染力を爆発的に高めてしまうメカニズムを世界で初めて解明しました。
さらに2026年の最新論文(『実験医学』掲載の臨床研究考察など)において、神尾准教授らは「口腔細菌-ウイルス-宿主(ヒト)の相互作用」についてさらに踏み込んだ報告を行っています。
歯周病菌が粘膜のバリアを破壊する
インフルエンザウイルスが人の体に感染するためには、喉や鼻の粘膜細胞にくっつき、内部に入り込む必要があります。通常は粘膜の表面が「バリア」で守られているため、ウイルスは簡単には侵入できません。
しかし、お口の中に歯周病菌が大量にいると、そのバリアがうまく働きません。歯周病菌の酵素が、喉の粘膜を保護している膜を破壊し、弱めてしまうのです。
歯周病菌の酵素がウィルス表面のカギを開けてしまう
インフルエンザウイルスの表面には「ヘマグルチニン(HA)」という突起(細胞に侵入するための鍵)があります。神尾准教授らの研究により、歯周病菌の酵素(ジンジパイン)がこの鍵を開けてしまうことで、ウイルスが人間の細胞にガッチリと結合し、感染を成立させてしまうことが分かりました。
ウイルスの拡散を助けてしまう
口腔内の細菌は、ウイルスが細胞へ「侵入」するときだけでなく、増殖したウイルスが細胞外へ「放出」されてさらに広がっていくステップまでも手助けしてしまうことが指摘されています。
お口の環境が悪い(不良な)状態のままでいると、インフルエンザウイルスの感染を手助けし、発症や重症化のリスクを自ら高めてしまうことになるのです。
専門的なケアでインフルエンザの発症率が1/10に
歯科衛生士のケアと、自己流のケアでは、インフルエンザの発症率に違いがあるとご存知ですか?
東京歯科大学名誉教授の奥田克爾氏らの研究チームが、2003年9月から2004年3月にかけて、東京都府中市の特別養護老人ホームのデイケアに通う65歳以上のご高齢者190人を対象に比較調査が行ったところ、歯科衛生士による専門的な口腔ケアでインフルエンザの発症率が10分の1になったということが実証されました。
歯科衛生士の口腔ケアを受けるとインフルエンザの発症は98人中ひとり
歯科衛生士による口腔ケアと集団口腔衛生指導を週1回実施したグループの方のインフルエンザ発症者は98名中おひとりでした。
自己流の口腔ケアではインフルエンザの発症は92人中9人
一方、従来通り自分や介護者による口腔ケアを続けたグループの方のンフルエンザ発症者は92人中9人でした。発症率に約10倍の差が見られます。
ウイルスに負けない歯みがき法
お口のケアは、感染症予防にとても有効なんです。インフルエンザの季節を前に、毎日の歯みがきを少し意識してみると効果的です。
朝起きてすぐみがく
睡眠中は唾液の分泌量が減るため、お口の中で細菌が増殖します。朝起きてすぐに何かを食べたり飲んだりすると、増殖した細菌や、ウイルスの手助けをする酵素をそのまま胃や喉へ流し込んでしまいます。朝は朝食を摂る前に、まずうがいや歯みがきをしてお口の中をリセットしましょう。
夜はデンタルフロス・歯間ブラシを使う
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを約6割しか落とせないと言われています。残りの4割の磨き残しこそが、歯周病菌の温床となります。夜の歯みがき時は、デンタルフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間のプラークをとりのぞきましょう。
舌のケア(舌の清掃)
鏡でご自身の舌を見たとき、白っぽくなっていませんか?それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる細菌の塊です。舌の表面も、歯周病菌やウイルスを活性化させる酵素の大きな温床になります。1日1回、朝の歯みがき時に舌ブラシを使って、奥から手前へ優しくなでるように掃除してあげてください。
5分間みがく
先ほどの研究でも「5分間の丁寧な歯みがき」によって唾液のウイルス抑制力が高まることが確認されています。普段の歯みがきが1〜2分で終わってしまっている方は、いつもより少し長く、すべての歯を1本ずつ優しく磨く意識を持ってみてください。
定期検診でお口の環境を整える
毎日の歯みがきだけでは細菌の塊がカチカチに固まった「歯石(しせき)」は落とせません。歯石は表面がザラザラしているため、歯周病菌の格好のすみかになります。木更津きらら歯科では、プロの歯科衛生士が患者さまお一人おひとりのお口の環境に合わせた精密なクリーニングを行っています。冬の本番を迎える前に、お口の中の細菌を大掃除しておきましょう!