「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インプラントの治療期間はどのくらいなのか、疑問に思っている方はいませんか。特に、ライフイベントや引越しを控えている方は、治療期間が長い場合、治療をためらうこともあるでしょう。インプラント治療は、ほかの歯科治療と比較すると治療期間が長いです。
今回は、インプラントの治療期間や治療が長引くケースなどを詳しく解説します。
インプラントの治療というと、インプラント体を埋入する外科手術を想像する方がいます。インプラント体を埋入する手術は入院などの必要はなく、1本あたり10〜20分程度で終了する場合が多いです。
しかし、カウンセリングから人工歯を被せるまでを考えると、3か月〜1年程度の期間が必要になります。インプラント体を埋入してから顎の骨に安定するまで、待つ期間が必要だからです。
治療期間に差があるのは、口腔内の状態や顎の骨の量・厚みに個人差があるからです。例えば、顎の骨が十分にあって歯茎も健康な方は、カウンセリングから手術日までの日数はあまりかかりません。インプラント体が馴染むのも早いでしょう。
歯周病の既往がある方や、顎の骨が少ない・薄い方は、歯茎の治療や骨造成を先に行う必要があります。インプラント体の埋入手術までに日数がかかり、インプラント体が骨と結合するまでにも時間を要するでしょう。
実際の治療期間は患者さまによって異なるので、歯科医院を受診して相談してください。
インプラント治療の大まかな流れや、それぞれにかかる治療期間を解説します。
インプラント治療に至った経緯や治療上の希望などを聴取するために、カウンセリングを行うのが一般的です。リスクや治療法についての説明も行われます。
カウンセリングは初診時にまとめて行うことがありますが、治療をしようと考えている施設の歯科医師やスタッフと信頼関係を築けそうか確認することが重要です。自身の思いや治療の希望などは素直に伝えましょう。
通常、カウンセリングのための通院回数は1回です。
治療前に、歯科診察やレントゲン・CTなどの画像診断を行い、口腔内の健康状態を観察します。通常の歯科治療とは異なり、さまざまな検査が行われます。緊張する方も多いですが、インプラント治療を受けるために必要な検査なので、落ち着いて受けましょう。
精密検査をもとに、具体的な治療計画が立てられます。治療期間の目安や、外科手術を行う予定日、どのような術式で治療を行うのかなどを詳しく説明されるでしょう。
一般的に、1〜2回の受診で精密検査は終了します。初診から治療計画の立案までの期間は、2週間程度かかることが多いです。
事前治療は、精密検査の段階で虫歯や歯周病などがあった場合や、顎の骨が十分にない場合、必要になります。虫歯・歯周病の治療や骨造成手術を行います。
治療内容や術式にもよりますが、骨造成の手術では最大半年程度の期間が必要になるでしょう。3〜4回受診する必要があります。
インプラント体の埋入手術は、局所麻酔を使用して行われることが多いです。入院の必要はなく、手術当日に帰宅できるのが一般的です。外科手術の日程は、治療している歯科医院の手術の予約状況、枠組みなどに大きく左右されます。
外科手術では、顎の骨に穴をあけて人工歯根(インプラント体)を埋め込みます。術式には1回法と2回法があり、口腔内の状況などによって歯科医師が判断し提案されるでしょう。
2回法は、手術を2回に分けて行う術式です。
1回目の手術でインプラント体を顎の骨に埋め込み、歯肉を縫合してインプラント体と顎の骨が結合するのを待ちます。結合したら2回目の手術を行い、人工歯を連結するためのアバットメントを装着して、その上に人工歯を装着すれば手術は終了です。
1回目の手術のあと定着期間が必要になるため、治療期間が長引きます。治療完了までは3〜6か月程度、3〜4回の通院が必要になるでしょう。
1回法は、手術を一度しか行わない術式です。顎の骨の厚みや量が十分にあり、インプラント体が安定しやすい方や、歯肉が健康で感染症リスクが低い方に適応されます。
インプラント体とアバットメントが一体化したものを埋入し、アバットメントが露出した状態でインプラント体と顎の骨の結合を待ちます。
歯茎の切開を一度しか行わないので、治癒を待つ期間が短くなるでしょう。通院期間は1〜2週間程度です。
人工歯をアバットメントと連結させて、インプラントの治療は終了となります。人工歯が完成するまでは、プラスチック製の仮歯を装着して過ごすのが一般的です。仮歯は、インプラント体が安定するまで最大半年ほど装着します。
人工歯の装着で通院する回数は1回です。装着時に不具合があれば、追加で通院が必要になることもあるでしょう。
インプラント治療が長引くケースは、以下のとおりです。
口腔内の状況から安全性を考慮して、2回法を選択する場合があります。2回法は手術を2回行うので、1回法と比べるとインプラント治療が長引くでしょう。
治療期間を短くしたいからと無理に1回法を選択すると、術後合併症のリスクが高まります。歯科医師としっかりと相談して、自身に合った方法を選択してください。
顎の骨が薄い・少ないなどの理由で骨造成を行う場合、骨が安定するまでの期間が必要になります。半年程度治療が長引くことがあるでしょう。
GBR法という骨造成術は、インプラント体の埋入と同時に行えるため、大幅に治療期間が延びることはありません。
口内には、5,000億以上の常在菌が存在するといわれています。虫歯や歯周病の原因になる細菌も含まれています。
インプラント体が安定する前に感染症にかかると、インプラント体が定着するまでに長い時間が必要となるでしょう。治療期間が長引くだけでなく、炎症が悪化することでインプラント体が定着せず抜け落ちる可能性もあります。
口腔環境を整えるために、口腔ケアを丁寧に行いましょう。
一般的に、上顎よりも下顎のほうが骨の厚みや量がしっかりしています。下顎は最短3か月前後で治療が完了しますが、上顎の場合は最短でも5か月程度かかることが多いです。
インプラントの治療期間は、人工歯を装着するまでの期間を指します。
しかし、インプラント治療後は、インプラントを長持ちさせるために定期的なメンテナンスが必要となります。インプラントは永久的に使えると思っている方もいるかもしれませんが、メンテナンスを行うことで長く使い続けることができるのです。
メンテナンスに通う頻度は、治療直後は1〜2か月に1回、治療から数年間は3〜4か月に1回、最終的には半年に1回程度になります。歯科医院やインプラントのメーカー、患者さまの状態によって異なるので、指示されたタイミングでメンテナンスを受けましょう。
インプラントの治療期間について解説しました。インプラントは、非常に審美性が高く自分の歯のように使えるため、治療が完了したら生活の質が向上するでしょう。
治療期間は平均して3か月〜1年程度です。インプラント治療を考えている方は、ライフイベントや引越しなどから逆算して治療開始時期を決めるとよいでしょう。
口腔ケアを徹底する、ふだんから歯科検診を受けるなど、口腔内を清潔に保つことで、インプラント治療が長引くのを防げます。
インプラント治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。