木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

23年12月07日

失った奥歯を取り戻す!インプラント治療を選択するメリットとは?

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

奥歯のインプラント治療

失った奥歯を取り戻すための方法の一つに、インプラント治療があります。自然な見た目を得られることや機能性が高いことから、多くの人々に選ばれています。

インプラント治療にはどのようなメリットがあるのでしょうか。インプラントはほかの健康な歯を傷つけることなく、自然な噛み心地と美しい見た目を得られる治療ですが、デメリットも存在するため慎重に検討する必要があるでしょう。

今回は、奥歯のインプラント治療について解説します。

奥歯の役割

奥歯をチェックする女性

奥歯は、食べ物を噛み砕いてすり潰すことに特化しており、特に「6歳臼歯」とよばれる第一大臼歯は、噛み合わせの安定に不可欠です。第一大臼歯が失われると、噛み合わせが不安定になり歯列全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、奥歯を失うと効率的に食べ物を噛み砕けなくなります。奥歯を1本失うだけでも、噛む能力が40%ほど低下し、噛み合わせのバランスが崩れるとされているのです。

全体的な口腔健康を保つため、ストレスなく食事をして栄養を摂取するために、奥歯は重要な役割を担っています。

奥歯を失った場合の治療法

奥歯を失った場合の治療法について考える女性

奥歯を失った場合の治療法として代表的なのは、インプラント、入れ歯、ブリッジでしょう。それぞれの特徴を解説します。

インプラント

インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込み、上部に人工歯を取り付けて歯を補う治療法です。ご自身の歯と同等の審美性・機能性を得られることから、非常に注目されています。

インプラントの大きな特徴は、歯根から補うことです。入れ歯やブリッジは歯の部分しか再建しないため、噛む力が低下するなどの問題があります。

インプラントと差し歯との違いは、ご自身の歯根が残っているかどうかです。差し歯はご自身の歯根を利用しますが、インプラントは歯根がない状態、つまり抜歯後に行われる治療法です。

インプラント治療は、ご自身の歯と同程度の噛む力を得ることができ、見た目も自然なので多くの患者さまに選ばれています。

しかし、外科手術を伴う治療なので、すべての患者さまに適応できるわけではありません。インプラント治療を検討する際は、歯科医師と十分に相談しましょう。

入れ歯

入れ歯も、奥歯を失った際の選択肢として挙げられます。複数の奥歯を失った場合でも、部分入れ歯で対応可能です。

奥歯を入れ歯にすると、取り外しが可能なため残っている歯の清掃を容易に行えるなどのメリットがあります。1本の欠損から適応でき、入れ歯が壊れても修理が可能な場合が多いです。

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を削って土台とし、連結させた人工歯を固定する治療法です。そのため、両隣の歯が丈夫でなければ行えません。

ブリッジのメリットは、ご自身の歯のように自然に噛めることでしょう。ブリッジは固定されているため違和感が少なく、ふだんの歯磨きでお手入れできます。入れ歯と比較すると見た目が自然なこともメリットです。

ブリッジのデメリットは、健康な歯を削ることでしょう。土台となる歯には負担がかかり、寿命が短くなる可能性があります。

また、ブリッジと歯茎の間には汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まることも懸念されます。

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯インプラントにするメリットイメージ

奥歯をインプラントにするメリットは、以下のとおりです。

見た目が自然で美しい

入れ歯を使っている場合、金具やバネが目立つことで、公の場で笑えなくなる方がいます。笑うときに金属が見えることで、恥ずかしさを感じる方もいるでしょう。

インプラントは金属部分が目立ちにくく、見た目が美しいことが大きなメリットです。公共の場で笑うことに抵抗を感じることはないでしょう。

ご自身の歯のように噛める

ブリッジや入れ歯を使用している場合、外食を避ける傾向にある方がいます。ずれて痛みを伴い、食べ物を噛むことが難しくなることもあります。

インプラントは、顎の骨にしっかりと結合しているため、通常の使用でずれることはないでしょう。強い力が加わっても壊れにくいため、食事を楽しめます。

噛み合わせの悪化を防止できる

ブリッジや入れ歯の場合、噛み合わせに不快感を覚える方もいます。噛み合わせが適切でないと、最悪の場合ほかの歯を損傷する恐れがあるでしょう。

インプラント治療を行う際は、治療中に噛み合わせのバランスを細かく調節します。そのため、噛み合わせが悪くなることは少ないです。

定期的にメンテナンスを受ければ、大きく噛み合わせがずれることも防げるでしょう。

顎の骨が痩せることを防げる

インプラントは、顎の骨に埋め込んで固定します。食事の際の噛む力が、インプラントを通じて顎の骨に伝わるのです。顎の骨は常に適切な刺激を受けることができるので、丈夫さを保てます。

入れ歯やブリッジでは、インプラントほど顎の骨に噛む力が伝わりません。骨が徐々に弱くなる傾向にあります。

健康な歯を傷つけない

ブリッジでは両隣の健康な歯を削る必要があります。大きく削られた歯は虫歯になりやすく、将来的に抜歯しなければならないこともあるでしょう。

インプラント治療では周囲の歯への影響を最小限に抑えることが可能です。ブリッジ治療を受けたすべての方が虫歯になるわけではありませんが、健康な歯を維持するという観点では、インプラントは理想的な選択といえるでしょう。

発音に影響が出にくい

奥歯を失うと、空気が漏れて発音しづらくなることがあります。入れ歯やブリッジで補ったとしても、会話の最中にずれる・すき間ができるなど、スムーズな発音が困難になることがあります。

インプラントは歯茎と人工歯の間にすき間ができません。ずれることもほとんどないため、クリアな発音で会話を楽しめるでしょう。

痛みや違和感が少ない

入れ歯やブリッジを使用していると、歯茎と人工歯の間に食べ物が挟まって強い痛みを感じることがあります。歯並びが原因で装置が適切にフィットしない場合も、痛みを伴うでしょう。

インプラントは人工歯と歯茎の間にすき間が生じにくいため、間に食べ物が挟まることはありません。人工歯と人工歯根をつなぐ部分が緩んで痛むことはありますが、歯科医院で調整できます。

奥歯をインプラントにするデメリット

DEMERITと書かれたタグ

奥歯をインプラントにするデメリットは、以下のとおりです。

費用が高額である

高い治療費が必要になることは、インプラントのデメリットでしょう。インプラントは高い審美性や機能性を求めて選択される治療なので、健康保険が適用されないのです。

そのため、インプラント治療では1本あたり約300,000~400,000円を全額自己負担しなければなりません。治療する歯の本数が増えるほど、必要な治療費も大きくなります。

ブリッジと併用して治療費を減らすことは可能ですが、最低でも1本分の費用は必要です。

インプラント周囲炎を発症する恐れがある

奥歯をインプラントにした場合、インプラント周囲炎に注意しなければなりません。

インプラント周囲炎は、歯周病菌がインプラントと歯茎の間に侵入し、炎症を引き起こす病気です。インプラントが脱落する可能性があるだけでなく、ほかの健康な歯を失うリスクも伴います。

定期的にメンテナンスを受けていれば、インプラントが脱落するほど悪化することは少ないです。早期に発見できるので、悪化する前に治療できるでしょう。

インプラント治療後は、入念なセルフケアと定期的なメンテナンスが必須です。

治療期間が長い

インプラント治療は、一般的に治療期間が長くなる傾向があります。奥歯を失った場合の治療法のそれぞれの治療期間は、以下のとおりです。
  • インプラント:約3か月〜1年
  • 入れ歯:約2週間~1か月
  • ブリッジ:約1~4か月

インプラントの治療期間が、ほかの方法に比べて長いことがわかります。人工歯根と顎の骨の結合を待つ必要があるからです。

また、治療するのが上顎か下顎かによっても期間が異なります。一般的に、上顎の治療のほうが期間が長くなることが多いです。上顎の骨の上には空洞があって骨が薄くなりやすいため、治療が複雑になるからです。

治療を受けられない場合がある

インプラント治療は、患者さまの健康状態が良好でなければ受けられません。一般的な虫歯治療とは異なり、麻酔を伴う外科手術が必要だからです。

顎の骨が十分に丈夫で、インプラントを支える強度があることも条件です。骨が不足していると判断された場合は、骨造成(骨量を増やす治療)を行うか、別の治療法を検討する必要があるでしょう。

また、糖尿病や心臓病、高血圧などの持病がある場合、インプラント治療が難しいことがあります。感染症のリスクが高い、薬の影響で出血が止まりにくいなど、インプラント治療を受けるリスクが高いためです。

骨量が不足している場合は骨造成を行う必要がある

先ほども少し触れましたが、インプラントを埋め込むには、人工歯根を支える顎の骨の厚みや高さ、骨密度が非常に重要です。顎の骨が不足していると判断された場合、インプラント治療を受ける前に顎の骨を増やす処置が必要になります。

顎の骨を増やす方法には、サイナスリフト、GBR法、骨移植などがあり、患者さまの状態や要望に応じて選択されます。

しかし、骨造成を行ってもすぐにインプラント治療を開始することはできません。術後の経過を見守って、インプラントが可能かどうか判断します。

定期的なメンテナンスが必要になる

奥歯に限らず、インプラント治療を受けた場合は必ず治療後にメンテナンスを受けなければなりません。メンテナンスを受けないと、インプラントが抜け落ちるなどのトラブルにつながります。通常、3~6か月に一度のメンテナンスが推奨されています。

奥歯をインプラントにする場合の費用

奥歯をインプラントにする場合の費用イメージ

奥歯のインプラント治療にかかる費用の相場は、1本あたり300,000~400,000円程度です。診察から治療、人工歯の取り付けまでを含んだ総額ですが、あくまで目安なので患者さまの状況に応じて前後するでしょう。

歯科医院や使用するインプラントのメーカーによって費用が異なるため、具体的な金額は歯科医院に確認することが大切です。メンテナンス代などの追加費用も考慮しましょう。

まとめ

奥歯のインプラント治療

インプラント治療は、失った奥歯を回復させる効果的な方法です。自然な見た目や噛み心地を得られる、発音しやすい、ほかの健康な歯への影響が少ないなどのメリットがあります。

デメリットとしては、高額な治療費や長期にわたる治療期間、健康状態による制限、定期的なメンテナンスの必要性などが挙げられます。

治療費は1本あたり300,000~400,000円程度です。保険適用外の治療なので全額自己負担となります。

インプラントを検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。


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