「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
歯が折れた、欠けたという事故は、歯そのものだけではなく口腔機能や見た目の変化、患者さまの心理的にもショックが大きいものです。ここでは外傷による歯のトラブルについて解説します。
歯を損傷するのは、実は活動が活発になりはじめた子どもたちが多いのです。
運動機能が発達する段階の年齢で、転倒や衝突、転落、打撲によってお口をぶつけることから歯を損傷することが多発します。日常的にこういった事故が起こりやすい年頃でもあるんです。
乳学童期では活動が活発になり、男子のほうが比較的多い印象です。上の前歯を打つことが多いようです。前歯が突出していると、特にぶつけやすい傾向があります。
永久歯の外傷は、交通事故やスポーツ、暴行といったケースもありますが、日常的に発生するものではありません。スポーツでは、衝突、転倒や激しい接触の機会が多いので、マウスガードの装着が求められます。木更津きらら歯科のスポーツ歯科では、日本スポーツ歯科医学会、日本補綴(ほてつ)学会所属の医師が中心になってスポーツマウスガードを作製いたします。
まず意識障害やお口以外の部分の損傷がないか確認します。頭痛や吐き気、めまい、嘔吐などがみられる場合は、歯科治療の前に医科の頭部CTを導入している医療機関を受診してください。受診するのは脳神経外科か整形外科になります。
止血を図ります。うがいや濡らしたガーゼで出血部位をきれいにしてから、清潔なガーゼなどで出血部位を押さえて止血します。歯肉が切れていたり、歯ぐきの中で歯が折れている、歯の位置がずれていることもありますので、早めに歯科を受診しましょう。
大きく欠けているときは、歯の神経(歯髄)まで損傷している可能性があります。放置せず早急に歯科を受診することをお勧めします。
歯の組織が生きているうちに処置を行うことができれば、歯を植えなおす(再植)ことができるかもしれません。タイムリミットは30分。歯根の周りにある再植に必要な細胞があるかどうかが決め手です。水道水で洗い流してはいけません。脱落した歯を「歯の保存液」か「牛乳」につけるか、ラップなどに包んで、歯科に直行してください。激しい接触のあるスポーツを行う際には、救急箱に「歯の保存液」も常備しておくと安心です。
まずは、X線写真で、歯の根まで破損していないか、周りの骨が骨折していないかを確認する必要があります。歯がぐらぐらするときは、歯を支える骨が損傷している場合に起こりやすいのです。歯の根が折れている時も歯は動揺します。この歯は保存できるだろうか? その診断につながる検査です。両脇の歯と固定して動揺している歯を安静にして、様子をみます。保存が可能と判断された場合は、固定処置を行って様子をみます。根の折れ方がよくない場合は抜歯になる可能性もあります。
外傷によって歯の位置がずれたり歯がめり込んだりするのは、子どもの乳歯や生えたての永久歯に多く見られます。乳歯や生えたての永久歯は、自力で再び生えてくることを期待できる場合があり、そのような場合は無理にもどさずに様子を見ます。歯の周りの組織の回復を待つために、歯を元の位置に戻し、両脇の歯と固定して安静を図ることもあります。
乳歯のずれやめり込みはそのあと生えてくる永久歯に影響が及んでいることがあるので、定期的に検査を受けることをおすすめします。
歯は人体で最も強い部分ですが、強い衝撃により欠けてしまうこともあります。
欠け方が部分的で軽度な場合、痛みはあまりなく、神経(歯髄)や周辺の組織への影響も少ないことが多いのですが、欠けた部分から神経へ感染を起こしたり、後から歯の変色や歯ぐきの腫れが生じる可能性もあります。痛みがないからと放置せず、歯科を受診して処置をして経過に注意してください。
歯の欠けが神経まで達するような重度の場合は、強い痛みや歯肉の腫れなどを引き起こします。神経の処置を行って、経過を観察し、歯を元の形に修復する治療を行います。乳歯の場合は次の永久歯に生え替わるまで定期的にチェックすることが大切です。
歯が抜け落ちた(脱落)場合、条件がよければ再び上直すことが可能かもしれません。
この3つの状態がよいほど、予後が良好である可能性が高くなります。かみ合わせを確認しながら、脱落した歯を元の位置に戻して、固定します。歯肉からの出血が多ければ縫合して止血します。固定の期間は2週間から6週間ほどです。
歯の根の状態によっては抜歯せざるを得ないこともあります。外傷の状況によっては、脱落した歯がなくなってしまったり、再植が困難なこともあります。歯の外傷は上の前歯に起こりやすいので、発音は食べることに悪影響があり、見た目の問題もあり、失った歯を補わなくてはなりません。歯並び・かみ合わせなどの状況を考慮しながら適切な治療方法をご提案します。失った歯を補うには義歯(入れ歯)、ブリッジ、インプラントといった治療法があります。乳歯や生えたばかりの永久歯を失った場合は、次の永久歯が生えるまで、または顎の成長が止まるまで入れ歯タイプの装置を検討します。
歯歯を打ったあと、歯の色が変わってくることがあります。受傷直後に起こりやすい赤みをおびた変色は、神経(歯髄)の中の血管が損傷して充血や内出血を生じたものと考えられ、充血が治れば歯の色も回復するでしょう。しかし、数か月後に徐々に歯の色が黒ずんでくる場合は、神経(歯髄)が死んでいるかもしれません。さらに色が悪くなったり、根の周囲に病気ができて歯肉が腫れてくることもあります。
歯歯を失った部分を放置しておくと、噛み合わせや咀嚼、発声、姿勢にまで影響が及びます。歯の欠損治療にはこんな方法があります。
入れ歯は保険診療で費用を抑えて作製することができる点がメリットです。しかし噛む力が自分の歯と比較すると弱くなるのは否めません。また、部分入れ歯の留め具は健康な歯や歯ぐきや負担がかかります。自由診療では、ばねのない部分義歯を作製することも可能です。
失われた歯の両隣の歯を削って支台とし、失った歯の部分に人工の歯を橋のように渡す方法です。違和感が少ないというメリットと、両隣の歯の負担が大きくなるというデメリットがあります。
顎の骨にチタン製のねじ状の歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を被せる治療法です。チタンは骨と結合する性質を持っており、体への負担が少なく、顎の骨にしっかり固定されるので、自分の歯のように違和感を覚えず咀嚼することができるようになります。治療に時間がかかる点と費用が高額になるのがデメリットです。
お口の状態やご予算などを考慮し、最適な治療法をご提案いたします。ご遠慮なくご相談ください。
歯の外傷は、神経(歯髄)や根っこの部分にも影響をおよぼし、数か月後に症状があらわれてくることがあります。定期的な経過観察で、根の周囲の病気を早期に発見し、早期に治療することができます。根の周囲の病気が大きくなってからでは、歯の保存が困難になる可能性が高くなるのです。
突然の外傷にはショックを受けてしまいますよね。でもあわてずに、迅速に行動しましょう。お困りのことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。