「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
お口は、からだの中を外界と直接つなぐ唯一の器官です。食べ物、飲み物を摂取する最初の入り口であり、言葉を発声して外界とコミュニケーションを図る役目を果たし、細菌や異物の侵入を防ぐバリア機能まで持っています。そんな口の中にできるがんが、口腔がんです。歯科医師による口腔内(口の中)のがん検査は、早期発見・早期治療において極めて重要です。
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口腔がんは、舌にできる舌がん、舌と歯ぐきのくぼみにできる口腔底がん、頬の内側の粘膜にできる頬粘膜(きょうねんまく)がん、そして歯ぐきにできる上歯肉がんと下歯肉がんがあります。一番多いのは、舌がんで、口腔がんの約半数を占めています。口内炎のような状態が2週間以上も治らない、しこりができる、痛みや出血があるといった症状が出ます。
日本の場合男性が女性の約2倍で60代から70代に多い傾向があります。発生頻度は全てのがんの約1%とそれほど高くありません。口腔がんは様々な因子が複合的に重なって起こります。口腔がんのリスクを高くしてしまうリスク因子は以下のとおりです。
他のがんと同じように、高齢になるとリスクは高まります。また飲酒による刺激はリスクの増大を招きます。飲酒の習慣がある人は、は非飲酒者に比べリスクが約2〜6倍増加します。
歯並びが乱れていて歯が内側に倒れているケースは、若年層に多い舌がんの原因となることが多いのです。むし歯も同様で、欠けた歯の尖った部分が放置されていたり、入れ歯があわなくなってきたりという状況はよくありません。直接傷口からバイキンがはいって・・・ というより、慢性的な炎症ががんの発症を招くのです。
木更津市では、定期的に口腔がん検診を行っており、当院も協力しております。定期的に歯科定期検診を受診されていれば、歯科医院は口腔がんの可能性もあわせてお口の健康をチェックさせてもらうことができます。
岐阜大学の調査では、2019年に口腔がんの診断を受けた計3990人のうち49%の方が、ステージ3、4の進行がんでした※日本頭頸部癌学会による全国悪性腫瘍癌登録 報告書(2019)より。
口腔がんは、原因が複合的なこともあり、予防の手立てが十分確立されておらず、認知度が低いのが現状です。初期には自覚症状はないため、ご自身で症状に気づいた時には進行しているかもしれません。歯科定期検診や自治体の行う口腔がん検診を活用してください。早期に発見、治療できれば、治療後の食事や会話といった生活の質QOL(Quality of Life:クオリティ・オブ・ライフ)を高く維持することが可能です。口腔がんは早期に発見できれば、治療の選択肢が広がり、生存率が高い病気なんです。
歯科医師は、日常的に多くの人の口の中を見ているため、健康な状態と少しでも違う異常を敏感に検知します。「白斑」や「紅斑(赤い部分)」、「治りにくい口内炎」などが、よくある一時的な症状なのか、精密に検査するべき異常なのか判断します。
問診で喫煙や飲酒の習慣、口の中の慢性的な刺激(合わない入れ歯や鋭い歯の引っかかり)の有無をチェックし、がんの可能性を総合的に判断します。
鏡やライトを使い、医師が肉眼で見て異常がないか調べます。舌、頬の内側の粘膜、歯ぐき、上あごなどを観察し、「白斑」「紅斑」、「粘膜の変化」「潰瘍の有無」などを確認します。
お口の中を指で触れて、しこりや硬い部分がないかを確認します。また、頸部を触診し、首のリンパ節に転移の様子がないか確かめます。
口腔がんの疑いがあると診断された場合、さらに精密な検査が必要になります。
木更津きらら歯科は歯科用CTを導入しています。
口腔がんは体の中にできるがんと違って自分で簡単にチェックすることができます。歯みがきのタイミングで鏡で口の中を見て変わったことがないか異常を確認しましょう。
2週間以上治らない口内炎や口の中の異常が気になる場合は、放置せずに、歯科を受診しましょう。
口腔がんの治療法は、がんができた場所やがんの種類、進行(広がり)の度合いなどによって異なります。ほとんどの口腔がん外科治療(手術)が標準治療となります。標準治療とは、科学的根拠と多くの臨床試験の結果から専門家が合意した「ガイドライン」によって推奨される、最も推奨される「最善・最良の治療」のことです。進行度によっては、放射線治療や化学療法(抗がん剤)を術後に併用したり、痛みなどの症状を和らげる目的で緩和治療も行う場合があります。
口腔がんは、歯科口腔外科の領域となります。木更津きらら歯科の歯科口腔外科では日本口腔外科学会 専門医、認定医が所属し、歯科用CTや歯科用マイクロスコープを導入し、適切な検査と診療をご提供いたします。