木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

23年12月28日

インプラントにしたいけれど顎の骨が少ない?骨を増やす治療と費用!

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

歯のレントゲン

インプラント治療は、失った歯を補う方法として非常に人気です。機能性・審美性に優れていることから、多くの方から選ばれています。

インプラント治療を受ける際は、顎の骨の量が重要なことをご存じでしょうか。顎の骨が薄い場合や量が少ない場合、治療を断られると聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし、顎の骨の量が少ない方でも、インプラント治療を受けられる場合があります。近年では、顎の骨の量を増やす骨造成の治療が進化しているためです。

今回は、顎の骨を増やす骨造成について詳しく解説します。費用もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

顎の骨が少ないとインプラント治療は受けられない?

インプラント治療に疑問がある女性

インプラントは、顎の骨に穴をあけて人工歯根を埋め込み、人工歯を装着する治療です。そのため、顎の骨に適切な厚みや高さがなければ、インプラントが安定しません。

顎の骨の量が少ないと治療が難しいと判断され、治療前の検査の段階で断られるケースもありました。顎の骨の量が少ないと、インプラントと骨が結合しにくく、治療後に抜け落ちるリスクが高いためです。

しかし、近年では骨造成の治療が進化し、顎の骨の量を増やす方法が確立されています。骨造成を受けることで顎の骨の量を増やせれば、インプラント治療を受けられるでしょう。

顎の骨が少なくなるのはなぜ?

歯周病の女性

顎の骨が少なくなる理由は、以下のとおりです。

  • 歯周病
  • 加齢
  • 入れ歯やブリッジの使用

それぞれ解説します。

歯周病

顎の骨が少なくなる主な原因は、歯周病です。歯周病は、歯茎に炎症が生じる病気です。

口腔内の清掃が不十分なことが原因で引き起こされ、歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットに細菌が侵入すると炎症が骨にまで広がり、顎の骨が溶かされて薄くなるのです。

加齢

加齢も、顎の骨が少なくなる原因です。個人差はありますが、顎の骨は年齢とともに薄くなる傾向にあります。

人間の骨は、古い骨が破壊される骨吸収と、新しい骨が作られる骨形成が繰り返されることで、バランスを保っています。

しかし、加齢によって、骨が吸収される速度が骨形成の速度を上回ることがあるのです。新たな骨の生成が間に合わなければ、骨の量が減少します。

特に女性の場合、高齢になると骨吸収を抑える作用のあるエストロゲンが減少するので、骨の吸収がより進行しやすいです。

入れ歯やブリッジの使用

入れ歯やブリッジを長期間使用すると、顎の骨が少なくなることがあります。

顎の骨は、刺激を受けることで厚みや量を保っています。入れ歯やブリッジの場合、噛む力が顎の骨に伝わりにくいため、骨の量や厚みが減少するのです。

入れ歯やブリッジを使用せずに、歯が抜けたまま放置した場合も、骨の量や厚みが少なくなります。

顎の骨を増やす治療法とは?

顎の骨を増やす治療

顎の骨を増やす治療として、広く行われているのが骨造成です。骨造成とは、顎の骨が足りない部分の骨を再生して増やし、インプラント治療を安全に進められる骨の厚みを確保する治療法です。

骨を増やすために、患者さまご自身から取り出した自家骨や人工の骨補填材などを使用します。骨が足りない部分に補填材などを詰めて、新しい骨が作られるように促すのです。

骨造成には、いくつか種類があります。代表的な方法を3つ確認しましょう。

実際の治療では、患者さまの口腔内の状態などを考慮して、歯科医師が適切な治療法を判断します。

GBR(骨誘導再生療法)法

GBR法は、骨が足りない部分に自家骨や骨補填材を充填し、メンブレンとよばれる人工の特殊な膜で覆って骨の再生を誘導する方法です。

骨の再生よりも歯肉の再生のほうが早いため、自家骨や骨補填材を充填しただけでは、骨を再生したい部分に歯肉の組織が再生します。そのため、メンブレン膜で骨と歯肉を遮断し、骨が再生するためのスペースを確保するのです。

GBR法は通常、インプラント治療の前に行われます。新しい骨が再生されるまで、4〜6か月程度待つ必要があるでしょう。

インプラントの埋入と同時に行う場合は、6か月〜1年程度の治療期間が必要です。

サイナスリフト

上顎の上には、上顎洞とよばれる空洞が存在します。サイナスリフトは、歯茎の側面を切開して上顎粘膜と骨を剥がし、すき間に自家骨や骨補填材を充填して上顎の骨を再生させる治療法です。

上顎の奥歯部分の骨の厚さが5mm以下の場合や、多くの歯が欠損している場合に行います。歯茎を大きく切開する必要がありますが、広範囲の骨を増やせること、残っている骨の量に関係なく適応できることがメリットです。

ソケットリフト

ソケットリフトも、上顎の骨を再生させる治療法です。ソケットリフトでは、インプラントを挿入するためにあけた穴から上顎洞の底部を押し上げ、自家骨や骨補填材などを注入して骨を再生させます。

ソケットリフトは、上顎の奥歯部分の骨の厚さが5mm以上ある場合や、歯1本分などの狭い範囲で骨を再生させたい場合に用いられます。ソケットリフトはインプラントの埋入時に行うため、手術回数が増えないことがメリットでしょう。

顎の骨を増やす治療の費用

顎の骨を増やす治療の費用イメージ

インプラント治療にかかる費用は、治療する部位や歯の本数によって異なります。1本あたり300,000〜400,000円が相場です。

顎の骨を増やす場合、インプラントの費用に加えて、骨造成の費用がかかります。治療を開始する前に、歯科医師としっかりと相談しましょう。

GBR法

GBR法の費用は、1本あたり50,000〜100,000円程度です。再生する骨の量や口腔内の状態によって変動します。

サイナスリフト

サイナスリフトの費用は、200,000〜300,000円程度です。サイナスリフトはソケットリフトよりも高額になりますが、ソケットリフトよりも再生できる骨の量が多いです。

ソケットリフト

ソケットリフトの費用は、1か所50,000〜100,000円程度かかるとされています。サイナスリフトと比べると、ソケットリフトは手術がシンプルなので費用も安価な傾向にあります。

骨を増やす治療は保険適用の対象になる?

医療保険イメージ

インプラント治療を安全に行うための骨造成は、基本的には保険適用外です。そのため、骨造成の費用は歯科医院によって異なり、高額になるのが一般的です。

ただし、先天的な病気や、後天的な病気・外傷などの理由で行う場合は、保険適用となるケースもあります。保険適用になるか気になる方は、治療を受ける前に歯科医院で相談しましょう。

骨を増やす治療を受けたあとの注意点

骨を増やす治療を受けたあとの注意点イメージ

骨造成の治療を受けた当日は、飲酒・激しい運動・入浴を控えてください。血流がよくなることで、創部から出血する可能性があります。

手術翌日からは、ふだんどおりに生活して問題ありません。

ただし、手術した部位で硬いものを噛む、歯磨きで傷つけるなど、刺激を与えないように注意しましょう。また、傷口に細菌が侵入すると感染症を引き起こす原因となります。術後は口腔内の清潔を保つことが重要です。

骨造成後に麻酔が切れると、個人差はありますが痛みや腫れが生じることがあります。痛みや腫れのピークは2~3日で、徐々に症状が軽減するのが一般的です。

術後2~3日は、処方された痛み止めを内服して痛みをコントロールしましょう。痛みが長く続く場合や、2〜3日以降も悪化する場合は、歯科医院を受診してください。

まとめ

インプラント治療

インプラント治療を受けるには、土台となる顎の骨の量が十分でなければなりません。以前は、顎の骨の量が少ないとインプラント治療を受けられませんでした。

しかし、近年では骨造成を受けることで顎の骨の量を増やし、インプラント治療を安全に受けられるようになっています。インプラント治療は、多くのメリットを享受できる治療法です。顎の骨の量が少なくてインプラント治療を諦めていた方も、一度歯科医院を受診して相談してはいかがでしょうか。

インプラント治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。


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