「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
乳歯は、虫歯になりやすいとされています。お子様は自分で歯磨きを十分にすることが難しく、乳歯を虫歯から守るためには保護者の方の協力が欠かせません。
しかし、実際はどの部分が虫歯になりやすいのか、どうしたらお子様の歯を守れるのか、お悩みの方は少なくありません。
今回は、乳歯の虫歯についてご紹介し、さらに虫歯ができやすい箇所や進行段階別の治療方法についてご説明させていただきます。
目次
乳歯は、永久歯と比べると虫歯になりやすいとされています。乳歯の虫歯の特徴を知れば、適切に対応できるようになるかもしれません。
ここでは、乳歯の虫歯の特徴をご説明します。
乳歯は酸に弱く、エナメル質が薄いので虫歯の進行が速いです。虫歯の原因はプラークと呼ばれる細菌の塊で、これが歯の表面に付着して酸を出すことで歯が溶け始めます。
乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、歯質がやわらかいという特徴があります。一度虫歯の酸の影響で歯が溶け始めると、一気に進行しやすいのです。
乳歯の虫歯が神経まで到達すると、歯の根の先に膿の袋を作ることがあります。永久歯は乳歯の下で育つので、たまった膿の影響で将来生えてくる永久歯が変形・変色する可能性があります。
さらに、永久歯の生える準備が整っていない時期に、予定よりも早く乳歯が抜ける可能性もあります。
0~3歳までの虫歯は上の前歯にできやすく、3歳以降は奥歯にできやすい特徴があります。舌の下に大きな唾液が出るスポットがあるので、唾液の自浄作用によって下の前歯は虫歯ができにくいのも特徴でしょう。
虫歯ができやすい場所は、歯ブラシの当て方を工夫したり補助用具を使用したり、丁寧に磨く必要があります。
子供は痛みを感じる神経の発達も未熟なので、虫歯の痛みに気付かないことがあります。痛みを感じにくい分、虫歯の発見が遅れることが多いです。気づいた時には重症化しているケースもあるでしょう。
仕上げ磨きの時には、保護者の方がしっかり歯の状態を確認してあげてください。また、歯科医師による定期的な歯科健診にて、虫歯を早期に発見する必要があります。
乳歯の虫歯ができやすい場所は、以下の通りです。
前歯の虫歯は、甘いジュースやイオン飲料、乳酸菌飲料を頻繁に摂取すると進行しやすくなります。さらに、哺乳瓶を使用している時期では、前歯の裏側が虫歯になりやすいです。
3歳以降は甘い食べ物を食べる機会が増えてくるので、奥歯の咬み合わせの溝や歯と歯の間に食べかすがたまり、虫歯のリスクが高まります。
進行段階別にみる、虫歯の治療方法は以下のとおりです。
カルシウムなどが歯から溶け出して、歯の表面が白くなります。この時点ではまだ完全に虫歯にはなっていないので、歯質の回復を期待して様子を見ることが多いです。
歯科医院で行うこととしては、高濃度のフッ素の塗布と、ブラッシング指導が挙げられます。場合によっては、虫歯予防のお薬を歯の溝に詰めて進行抑制を図ります。
虫歯の進行を防ぎながら、歯の状態を改善することを目指します。
歯の表層のエナメル質まで虫歯が進行した状態です。虫歯の部分が黒や黄色っぽくなって、穴や溝ができ始めます。治療では、虫歯の部分を削り、白いプラスチックを詰めます。
エナメル質の虫歯であれば、痛みを感じることは基本的にありません。麻酔を使用しないで治療することがほとんどでしょう。
エナメル質の奥の象牙質まで虫歯が進行した状態です。象牙質まで虫歯が進行すると、歯がしみる、痛むなどの症状が出てきます。象牙質はエナメル質よりも歯質が柔らかいため、この後の虫歯の進行速度が早まることも特徴です。
中等度の虫歯の治療は、初期虫歯と同じように白いプラスチックを詰めて行います。必要に応じて、麻酔を使用することもあるでしょう。虫歯の範囲が広い場合は、型取りをして詰め物を作成して装着するケースもあります。
虫歯により乳歯に大きな穴が開いた状態では、激しい痛みを感じるので虫歯を認識する子供が多いです。神経が虫歯に侵されているので、根の治療(根管治療)を行う必要があります。根管の中が綺麗になったら、被せ物の型取りをして装着します。
神経まで虫歯が進行するとズキズキと痛んだり、強い口臭を感じたり、冷たいものや温かいものでしみる症状を感じたりします。
虫歯により歯が溶かされ、根っこのみになった状態です。ここまで進行すると、神経が死んで痛みを感じなくなることもあります。
しかし、虫歯が治ったわけではありません。歯の根の先に膿の袋を作っていたり、歯肉が腫れていたり、食事をする時に噛みにくくなったりする可能性が高いでしょう。
ほとんど歯がない虫歯の場合、永久歯に影響が出る前に抜歯を行う必要があります。さらに、歯の生える順番や時期を考慮して、空間を保つ保隙装置を使用する場合もあります。
基本的には、乳歯の虫歯の治療には保険が適用されます。歯の溶け始めの段階であれば、フッ素を塗布やブラッシング指導が主な治療の内容で、費用の目安は1,500〜3,000円程度でしょう。歯質を削ってプラスチックの詰め物をする治療は1,500円〜3,000円程度が目安です。
治療にかかる期間は1日ですが、虫歯の本数が多い場合は数回に分けて治療を行うこともあります。
型取りが必要な場合は、保険適用で2,000円〜1万円程度かかることがあります。治療期間は1〜2週間程度で、通院回数は2回が一般的です。
根管治療を行う場合は5,000円〜1万円程度が目安で、治療期間は1ヶ月程度です。感染した根を繰り返し洗浄してから型取りするので、数回通院しなければなりません。
抜歯が必要な場合は1,000円〜3,000円程度の費用が発生します。抜歯自体は1日で完了しますが、経過観察のために数回通院するケースもあります。
子供の歯科治療は、市町村の医療費助成を受けられることが多いです。市町村により助成金額が異なるので、それぞれの自治体のホームページなどで確認してみましょう。
乳歯の虫歯治療について解説しましたが「もうすぐ抜けるだろうから無理に治療しなくてもいいのでは」と感じる方もいるでしょう。ここでは、乳歯の虫歯を放置した時のリスクについて解説します。
乳歯の虫歯をそのまま放置しておくと、神経まで達した時に急に激しい強い痛みを訴えることがあります。痛みの影響で日常生活に支障が出たり、お食事が取りにくくなったりすることもあります。
乳歯の虫歯はなるべく小さいうちに治療を行いましょう。
虫歯により乳歯がほとんど無くなると、将来的に歯並びに影響がでる可能性があります。多少個人差はありますが、乳歯から永久歯への生え変わりにはある程度順番があります。
虫歯の影響で歯が生える順番が変わると、歯列不正に繋がることもあるでしょう。また、早期に乳歯を失うと、空いたスペースに隣接する歯が倒れたり移動したりすることもあります。
永久歯列の歯並びが悪くなる可能性があるので、乳歯の虫歯を発見したらなるべく早めに歯科医院を受診しましょう。
前歯は物を噛みきるために必要な歯で、奥歯は物をすりつぶすために必要な歯です。特に、お子様は、上手に噛んだり飲み込んだりするのが難しい場合が多いです。
乳歯が虫歯になって噛み合わせが悪化すると、さらにお食事がしにくくなる可能性があります。正しい食べ方を習得できなくなる恐れもあるでしょう。
歯科医院での虫歯治療で乳歯の形を修復し、お食事に影響が出ないよう注意しましょう。
虫歯により乳歯の根の先に膿が溜まっている場合は、後に生えてくる永久歯が変形・変色する可能性があります。膿の影響で永久歯のエナメル質がうまく作られず、形成不全を引き起こすことがあるのです。
乳歯はいずれ抜けますが、永久歯は生涯使用する歯です。永久歯に影響が及ばないように、乳歯の虫歯は早急に治療しておきましょう。
乳歯の虫歯は、お子様ご本人が気付くのは難しいです。保護者の仕上げ磨きの際に、歯や歯肉のチェックも行ってあげてください。
定期的に歯科医院の検診を受けることも重要です。歯科医師によるお口のチェックや専門的なクリーニングを受け、乳歯の時期からお子様の歯を守っていきましょう。
乳歯の虫歯治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。