木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年01月31日

歯科ユニットウォーターライン除菌装置「ポセイドン」を導入しました

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

病院で使われる器具や、患者さまのおからだに接するお水は、細菌感染の心配のない、安全で清潔なもの。それを疑う人はいないでしょう。歯科医院では治療にたくさんの水を使用するため、科学的な対策が講じられています。今回は、木更津きらら歯科で治療に使われる「水」についてご紹介します。

当院では、歯科ユニットの水質を安全に管理するために、除菌装置「ポセイドン」を導入しました。「ポセイドン」は薬剤や添加物を使用せず、水道水を電解し成分を補正し、「電解中性機能水」(中性)という殺菌力のある水を生成することで、水道水の中に存在している細菌やウィルスを除菌する装置です。

「中性電解水」の働き

中性電解水は、水道水に多く含まれる塩素イオンを電解し、殺菌力の強い「次亜塩素酸」を生成します。 この次亜塩素酸の作用がほとんどの細菌・ウイルスを10~30秒以内に殺菌します。細菌や・ウイルスに対して強い殺菌力を持ちつつも、もとは水道水なのですから、薬品で殺菌する場合と異なり残留による害は全くありません。

「ポセイドン」の仕組み

センサーが水の流れを感知、電解槽に通電します。水中に含まれる塩素イオンが電解により塩素に変化、塩素はすぐに水と反応し、次亜塩素酸や次亜塩素酸イオン (=残留塩素)に変化します。残留塩素が上昇することによって、水道水中の細菌の繁殖を抑制するというものです。一番の特徴は、薬品を使った殺菌ではないという点です。

「ポセイドン」の特徴

  • 添加物、薬剤は使用しません。水道水の成分を補正することで除菌を行います。
  • 歯科ユニット給水系の残留塩素濃度を4段階に補正します。
  • 「中性」なのでユニットを傷めません。
  • 生成される水は飲料にも適しており、歯科治療を受ける患者さまにとって安全です。

歯科治療で水を使用する場面

歯科医院では一般の病院より水をたくさん使います。ですから、歯科治療において水の安全はとても大切なんですよ。どんなときに水が使われているかみていきましょう。

うがい

歯科治療で使う水として患者さまがまずお気づきになるのが「うがい」です。治療の前、治療中、治療後にもたびたびうがいをしていただいていますね。

患部を洗浄するとき

お口の中を洗浄してきれいにしてから治療にあたります。ここでも水が使われます。

器材を洗浄するとき

治療に使われる器具の洗浄にも水が必要です。

このように、歯科治療に清潔な水は欠かせないものなのです。

患者さまのお口に届く水はどこから来るの?

歯科の治療で使用される水は、水道から供給され、歯科用ユニットを経由して患者さまのお口の中に届きます。その過程で、汚染されるということがあってはなりません。しかしそこには様々な障害があり、徹底した品質管理が必要です。

歯科医院内の給水経路

まず歯科医院内の給水経路に注目してください。歯科医院では通常の医療機関よりもたくさんの水が使われます。水道管から歯科診療台まで水の配管も、一般家庭とは異なり長く複雑なものとなっています。すると、管を通っていく過程で水道水が本来持っている殺菌効果のある塩素がどんどん消費され、なにも対策をしなければ最終的に患者様の口の中に水が入る段階では消毒効果がないほど塩素が薄まり、菌が繁殖しやすい状態になってしまいます。

歯科ユニットに供給される水

水道から供給された水は、ユニット中をまわり、うがい用の蛇口や歯を削る道具、洗浄用のシリンジなどから出てくるのです。

歯科ユニットとは、治療用の椅子、機器、薬品類を載せるテーブル、 患者さん用がうがいをするためのボウル、うがい用の水を供給する給水装置、各種の道具や器具、計器、ライト、椅子を調整するコントローラーといった治療に必要な一式を備えたものです。

ある程度の水質基準を満たしている水道水ですが、歯科ユニットを経由するとどうなるでしょうか。歯科医院としては、ここは注意を払わなくてはいけないポイントです。

清潔な水のためには対策が必要です

歯科医院は、水道水が歯科ユニットを経由するときに汚染がおきないように十分に注意を払わなければなりません。

バイオフィルムが形成されるリスク

歯の治療は患者さまの口の中に水を注入しながら行います。この水は、治療が行われない時は、歯科ユニット内のチューブに滞留します。夜間や治療の行われない間、なにも対策をしなければ時間がたつにつれ水道水の塩素が抜け、元々存在している細菌が増殖してしまいます。

細菌は集まって、バイオフィルムと呼ばれる薄い膜を形成します。台所や風呂場の排水口などに見られる、ドロッとした付着物です。水中のバイオフィルムとは、微生物が形成する粘性の付着物で、水と微生物が付着できる場所であればどこにでも発生し、水質や衛生に影響を与え、病原菌の集合体となる可能性があるのです。

院内感染のリスク

体には免疫機能が備わっているため、この程度の汚染であれば大きな問題にはならない、と言うことはできます。しかし、ご高齢者やお子さま、なんらかの持病があって免疫機能が弱っている患者さまにとっては、細菌に汚染された水が体内に入ることが発熱などの症状を起こすきっかけになってしまうかもしれません。ある調査では、歯科医院内の水質汚染の結果、歯周病菌やむし歯菌まで認められたことがあったそうです。治療の際に使用する水が汚染されていてはなんにもなりません。院内感染対策として、歯科医院としては細菌を少なくする努力を怠るべきではないのです。

歯科ユニットが汚染される可能性

定期的な運転によって吸引システムから汚染がおこることもありえますし、逆行汚染(サックバック)が起こる可能性もあります。

例えば「タービン」という機械は歯を削る部分が高速回転するため、摩擦熱が起きないよう水が出るのですが、その水がお口からあふれてしまわないように、同時に一瞬だけ水を吸い取ることがあるのです。その際には、唾液や治療時に使った水、つまり、細菌を含んだ水も吸い取ることになります。吸い取られた水に含まれる細菌が配管内で繁殖し、「バイオフィルム」を作るということもあるのです。

水質管理目標設定項目

日本では、水道水質基準について平成19年に水質管理目標設定項目の見直しがあり、水質管理目標設定項目に「従属栄養細菌」が追加されることとなりましたが、その目標値は、「1mlの検水で形成される集落数が2,000以下(暫定)」となってます。実は多くの歯科ユニットにおいて、水質管理目標設定項目の目標値を大幅に上回る従属栄養細菌が検出されているのが現状です。

木更津きらら歯科の水質管理対策

医療機関で使用している水は、家庭で使用する水道水よりも汚染のリスクにさらされていると言うことができるでしょう。患者さまが当たり前のように思われている安全で安心な水を使った治療を提供することは、歯科医院の使命です。木更津きらら歯科は、患者さまのおからだにはいる可能性のある水の安全管理にも十分な対策を講じています。このたび、頼もしい味方である歯科ユニットウォーターライン除菌装置「ポセイドン」を導入し、安全対策は万全です!


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