木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

17年08月15日

歯周病は、心筋梗塞と脳血管疾患の原因となります

歯周病を、あなどってはいけない

平成29年6月、厚生労働省が平成28年の人口動態について発表しました。それによると、日本人の死亡原因は、1位が悪性新生物(がん)、続いて2位が心疾患となっています。3位の肺炎に続き、脳血管疾患が4位。実は、心疾患と脳血管疾患は、歯周病ととても関係が深いのです。


厚生労働省 平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況

歯がないと、心血管疾患・脳卒中のリスクが高くなる

歯がない人、自分の歯が少ない人は、心血管疾患・脳卒中のリスクが高くなることがわかってきました。各国の調査をご紹介します。

スウェーデン
スウェーデン・ウプサラ大学医療科学科のグループが2015年12月に発表した調査では、歯が全くない人は、歯が26~32本ある人に比べて、心血管疾患による死亡のリスクが1.85倍、脳卒中による死亡のリスク1.67倍という結果がでました。他の死因についても、死亡リスクは1.81倍となるそうです。39カ国、1万5456人を対象とした調査です。

アメリカ
アメリカでは、失った歯の数に比例して、脳卒中のリスクが高まるという調査結果がでています。2010年、41万人を対象に電話調査をしたところ、1~5本の歯を失った場合、脳卒中にかかる危険性は1.29倍に高まり、6本以上の歯を失った場合は 1.68倍、全ての歯を失ってしまっや場合は1.86倍にもなるそうです。

イギリス
イギリスでは、2012年に1万2871人の健康記録を調査したところ、やはり歯をすべて失った人は、すべて自分の歯で生活できている人に比べて、心血管疾患による死亡率が高いことが明らかになりました。脳卒中の死亡リスクは3倍ともなっています。

日本人の80%がかかっている歯周病

歯周病は、日本人の80%がかかっていると言われており、歯を失ってしまう原因としてもトップです。そればかりか、歯周病菌は血管にはいると血管内にプラークをつくり、血液の通り道を補足してしまいます。また血管内のプラークは、はがれおちて脳や血管を詰まらせる原因となるのです。

歯の本数は、健康のバロメーター

死に至るほどの重い病気は、歯の状態と深く関係しているのです。日本人は、40歳までは自分の歯で生活しています。40歳以降に、急激に歯を失っていくのです。

自分の歯が残っているということは、健康のためにとても重要なことです。1億円の価値があるとも言われる、貴重な宝物を大切にしてゆきましょう。


←ブログトップに戻る

カテゴリ一覧

新着一覧

 25/06/12  
口臭の原因とは?歯科医院で行う口臭治療と自分でできる対策も
 25/06/05  
歯科衛生士の仕事のやりがいは?お口の健康を支える仕事の魅力
 25/05/31  
木更津きらら歯科監修の歯みがき剤がバージョンアップ!「TOOTH & PEACE CLEAR」
 25/05/30  
歯を強くするサプリメントは? 栄養面からお口の健康を考える
 25/05/29  
子どもの歯並びが悪いままだと!リスクと矯正したほうがよい歯並び
 25/05/22  
マウスピース矯正で歯を削るのはどうして?メリットや注意点も
 25/05/15  
MFT(口腔筋機能療法)とは?子どもの歯並びが悪くなると行う内容
 25/05/08  
何歳まで歯科衛生士として働ける?需要が高い理由も解説!
 25/04/30  
【口腔の健康が全身に与える影響とは?】木更津きらら歯科理事長中谷が解説
 25/04/24  
歯周病の初期症状とは?見逃しがちなサインと予防法
 25/04/17  
マウスピース矯正ですきっ歯の治療はできる?費用や治療期間も
 25/04/10  
プレオルソとは?メリットや治療できないケース、費用も
 25/04/04  
ご自分をメインテナンスするためのVIPルームを新設しました
 25/04/03  
歯科衛生士に向いているのはどんな人?適性を解説
 25/03/31  
木更津きらら歯科のホワイトニング
 25/03/28  
歯科で診療するお口の病気(2)
 25/03/27  
マイオブレースとは?メリット・デメリットや費用も解説!
 25/03/20  
マウスピース矯正の治療期間は?予定どおりに終わらせるための方法も
 25/03/13  
急速拡大装置とは?治療を受ける前に理解しておくべきこと!
 25/03/06  
歯科医院で働くなら知っておきたい!歯科衛生士と歯科助手の違い!

年別一覧