木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

22年08月25日

酸蝕症(さんしょくしょう)の方が増えています


歯は酸で簡単にとけてしまいます。むし歯がないのに歯がしみる。それ、酸蝕症(さんしょくしょう)かもしれません。

■お口の中の酸が歯を溶かす

むし歯がないのに、歯の表面が広く傷んでいる患者さまが時折いらっしゃいます。お聞きしてみると、コーラや炭酸水を好んで飲まれていたり、晩酌でレモンサワーやハイボールを飲む習慣がある方でした。コーラや炭酸飲料、レモンに含まれている「酸」が、歯の表面を溶かしていたのです。

歯は皆さんが思っている以上に酸に弱く、「酸っぱい」と感じる程度の酸性度の飲食物でも、長く触れていると簡単に溶けてしまうのです。

■酸蝕症の特徴

酸蝕症にかかった歯は、むし歯とは違う特徴があります。酸で歯のエナメル質が溶けるという現象自体は同じなのですが、それが歯全体に起こったらどうなるか想像してみてください。

  • 象牙質が露出する
    歯全体が妙になめらかになってきて、前歯の内側の象牙質が透けて見えてきたりします。前歯の先端が薄くなり、ヒビがはいったり欠けたりしやすくなります。
  • エナメル質が溶ける
    酸がエナメル質を広範囲に溶かしていくと、象牙質も広範囲に露出してきます。そのため歯の表面全体が黄ばんで見えます。奥歯がすりへる度合いが早くなり、変形してきます。象牙質はエナメル質ほど強くないので、むし歯のリスクも高くなります。
  • 知覚過敏をおこす
    象牙質には歯の神経の一部がかよっています。象牙質がむき出しになると、しみるように感じるのです。むし歯なら、穴のあいた箇所だけなのですが、それがお口の中全体に起こります。

■酸蝕症の方が増えています

食生活が変化し、お口の中が酸性に傾きやすい傾向があるようです。その原因のひとつとして、スポーツ飲料や清涼飲料水の過剰な摂取が言われています。暑い日の水分補給のためにはナトリウムなどを含むスポーツ飲料が助けになりますが、過剰な摂取もまたよくないという、なかなか悩ましい問題でもあるのです。

■酸蝕症にならないために

酸性の食べ物をとってはいけない、ということではありません。梅干しをおやつがわりに一日何個も食べるとか、グレープフルーツばかり食べるといった、極端な食べ方、飲み方をするのはやめましょう。食後のうがいや歯みがき、だらだら食いをしない、お口の中を中性にもどしてくれる唾液の働きを意識するといったことで、お口の中の健康を守りましょう。

ちなみに歯医者としておすすめの飲料は「水」です! 自分のからだがなにを欲しているか、からだの声をきいてあげてくださいね。


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