木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

23年08月31日

歯もからだも強くする! 気持ちのいい生活習慣

むし歯や歯周病は、生活習慣病です! と言い切りたくなってしまうくらい、生活習慣はお口の中の健康に大きく影響しています。その点では、糖尿病や高血圧と似ているかもしれません。逆にいえば、生活習慣の見直すことによって、予防できる病気なんですよ。今日は、歯によい生活習慣をお話します。歯によい習慣は、実は全身の健康にも関係が深いというここもぜひ知っていただきたいと思います。

■ストップ! だらだら食い

だらだら間食をとるのを、ちょっとストップしてみませんか。ここでお口の中でなにが起こっているかお話しましょう。



脱灰

お口の中は、通常、「中性」に保たれています。食事をすると、お口の中のむし歯原因菌(ミュータンス菌)が、糖質を餌として酸を作り出します。この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。この状態が長く続くと、むし歯の原因になります。これを脱灰と言います。

再石灰化

お口の中が健康なら、脱灰の状態は長くは続きません。ここで活躍するのは「唾液」です。唾液は、むし歯菌の作り出した酸を中和してくれる働きがあるんです。そればかりでなく、歯の表面についた酸を洗い流し、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す「再石灰化」を働きかけます。すると、約20分から1時間かけて、お口の中は徐々に中性へ戻っていきます。

つまり、間食や甘いジュースを控えると、お口の中が中性にもどる時間ができるため、お口の中の健康が保たれるというわけなんです。

間食を控えると、ダイエットに効果がある場合もありますし、腸内環境が整うといったメリットもあります。メリハリをつけた食生活で食事をおいしくいただきましょう。

■糖分はほどほどに

糖分がむし歯菌(ミュータンス菌)のエサとなることをご理解いただけたでしょうか。砂糖入りの飲み物を1日に何度も飲む習慣がある方は要注意です。口あたりのいい飲み物には多くの砂糖が含まれているのです。写真は市販の飲料に含まれる炭水化物を角砂糖におきかえて視覚化したものです。驚くほど砂糖が多く含まれていますね。


ちなみに木更津きらら歯科では、ふだんの飲み物は水を推奨いたします! 砂糖入りの飴やガムなどを食べることが多い、という人もちょっと見直してみてください。おいしいスイーツを我慢する必要はありません。ここでもメリハリが大切ですね!

■よく噛んで食べる、噛み応えのあるものを食べる

現代人はやわらかい食べ物を好みます。1回の食事で600回しか噛まないそうですよ。昭和の初期には1回の食事に1420回噛んだそうですから、そのころから比べても半分以下ですね。※ ところが、よく噛んで食べることにはいろいろな効用があるのです。

※引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書


消化によい

これはすぐご想像がつくでしょう。食べ物を細かく嚙み砕き、また唾液中の消化酵素が活発に働くので、胃腸の負担が軽くなり消化によいのです。

むし歯予防になる

よく噛んで食べると唾液の分泌が盛んになります。唾液のパワーは偉大です。抗菌作用があり、むし歯や歯周病、口臭予防につながります。酸性に傾いたお口の中を中性にもどし、歯の表面から溶けだしたカルシウムやリンを補ってくれます。

お口のまわりの筋肉が発達する

食べ物を飲み込むときにはお口のまわりの様々な筋肉が複雑に動いています。よく噛んで食べることは、お口のまわりの筋肉を鍛え、年をとっても自分の力でおいしく食べて飲み込むことができるでしょう。また言葉の発音が明瞭になり、表情が豊かになるという効果もあるんですよ。

■寝る前に食べない


睡眠中は、唾液の分泌が大幅に減少します。歯を守る大切な働きをする唾液の効果が少なくなるのです。歯みがきでも100%汚れをとりきるということはできないわけですから、寝る直前になにか食べるのはやめましょう。寝落ちなんてもっての他です!

■食べたら磨く


お口の中の健康にとっては、食事のあとに、お口の中に食べカスが残っているのが大問題なのです。お口の中の食べかすは、むし歯菌(ミュータンス菌)の餌となります。むし歯菌は、歯の表面のエナメルを溶かす酸を作り出します。歯の健康のためには、第一に食べカスを取り除くことが重要です。食後すぐに歯みがきをすれば、汚れも落ちやすいため、毎食後、食べたら歯みがき、がおすすめです。夜はフロスや歯間ブラシを使って丁寧に、外出先のランチタイムでも、さっとでもいいですから歯みがきしましょう。歯みがきができなかったらうがいだけでも。

歯みがきで気を付けていただだきたいのは、力をいれてごしごし磨かないこと。歯ブラシは鉛筆をもつように持ちかたが基本です。わしづかみにすると力がはいりすぎて、歯を傷めてしまいます。鉛筆をもつように歯ブラシを持ったら、ブラシの毛先がきちんと歯と歯ぐきの境目や、歯の表面にあたるように意識してみてください。歯と歯のあいだの隙間や、凸凹している箇所、裏側にも毛先が当たるように、歯ブラシの向きを変えたり、小刻みに動かしたりしてみましょう。1日1度は、デンタルフロスや歯間ブラシを使うといいですね。

こういった生活習慣は、昔から言われていることです。だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。

だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。こういった生活習慣は、昔から言われていることです。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。

■禁煙のすすめ

喫煙により歯周病のリスクは5.4倍以上高くなることがわかっています。。ヘビースモーカー、長年吸っている人ほどそのリスクは高くなります。禁煙すると、歯を支える組織の状態が良くなるため、歯周病のリスクが下がり、治療効果が上がります。

■口呼吸より鼻呼吸

口呼吸は口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすくなります。健康のためには鼻呼吸が基本なのです。鼻つまりなどの症状があるなら耳鼻科の治療を受けましょう。また、癖で口呼吸になっている方は、お口の周りの筋肉に力が入っていないことも考えられます。「あいうべ体操」などのトレーニングもお試しください。

■歯科定期検診を受ける


健康な歯と身体を守るために、ご自身の毎日の口腔ケアだけでなく、プロフェッショナルによるケアを3ヶ月に1度程度、受けることをお勧めします。セルフケアでは落としきれない歯の汚れを徹底的にお掃除することで、むし歯・歯周病を予防します。また病気の早期発見のためにも重要です。歯周病は痛みがなく進行し、自覚症状がありません。放置しておくと、知らないうちに抜歯しなければならないほど進行していることもあるのです。歯科での定期検診により早期に発見し治療すれば、改善できる病気なのです。むし歯も同じです。初期のうちに発見できれば、治療期間も費用も少なくてすみます。それには定期的に歯科医師がチェックする必要があるのです。

いかがでしょうか。まとめてみると、ご自身が子供の頃から言われていること、普段からお子さんにも言っていることですよね。ぜひその意味を理解して、気持ちのいい生活習慣で健康を守っていきましょう。


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