木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年02月26日

歯みがきよりも効果的! むし歯予防ランキング1位は規則正しい食生活

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

木更津市内の学童3施設にて、子どもたちと保護者の方に、むし歯予防のお話をさせていただきました。今回は、むし歯予防に意外な効果のある、どなたでもできる方法をご紹介しました。

  1. 歯みがきをする
  2. ごはん・おやつのじかんをきめる
  3. フッ素をつかう

これは基本的なお口のセルフケア。多くの方が毎日心がけていらっしゃるでしょう。お子さまのお口の健康を守るために、保護者の方たちは日々苦心してらっしゃるかもしれませんね。むし歯予防に一番効果的なのは、どの予防方法だと思いますか?

どれも効果的な予防方法なのですが、歯医者の考えるランキング1位は意外な結果になりました。

正解は「ごはん・おやつのじかんをきめる」

なんと効果的なむし歯予防方法のランキング1位は、「ごはん・おやつのじかんをきめる」こと。「規則正しい食生活」が歯やお口の健康にとってとても大切なんです。むし歯予防の意味では歯みがきよりも効果があると言ってもいいほどです。歯みがきやフッ素塗布も効果的なんですが、それ以上に、お口の中に「再石灰化」の時間を与えてあげることがとっても大切なんです。

規則正しい食生活の意味

では規則正しい食生活がどうしてお口の健康を守ることになるのでしょうか。

脱灰

歯のエナメル質はリンやカルシウムといったミネラルから形成されており、酸に弱いという特徴があります。お口の中は、通常は「中性」に保たれていますが、飲食をするとお口の中のむし歯菌(ミュータント菌)が糖質を餌として酸を作り出し、お口の中が酸性に傾きます。この状態が長く続いたり、酸性の度合いが強いと、歯のエナメル質が溶け出します。これが「脱灰」です。

脱灰の時間は20分から1時間。お口の中で、むし歯菌の作った酸が歯を溶かしてしまう時間帯です。

再石灰化

唾液には歯のエナメル質と同じカルシウムやリンが多く含まれており、溶け出した歯の表面を修復してくれます。これを、「再石灰化」といいます。酸によって溶け出した歯の表面を成分を補う「再石灰化」が、むし歯を防ぎお口の中を清潔で健康に最重要ポイントなんです。

唾液の働き

「脱灰」の状態から歯の修復を助けてくれるのが唾液です。唾液にはさまざまな働きがあるのです。お口の中をなめらかにして言葉を発しやすくしたり、食べ物の消化を助けたり、味を感じやすくしたり。口の中の汚れを洗い流す役目もあります。口の中の粘膜全体を唾液が覆うことで、保湿・保護の役割を果たすこともあります。そればかりではなく、唾液は、歯の修復にも重要な役割を果たしているんです。

眠っている間は唾液の分泌が少なくなります。寝る前に食べて歯をみがかずに眠ってしまってはむし歯の原因になりますよ。

規則正しい食生活がむし歯予防に効果的なわけ

適切に間隔をおいた規則正しい食生活には、お口の中で自然な修復作用が働く時間をとってあげるという意味があります。

おかしをしょっちゅうつまんでいたり、ちょこちょこと甘い飲み物を飲んだりしていると、お口の中が常に酸性になってしまい、歯の表面のエナメル質が溶けていき、むし歯の原因となってしまいます。

むし歯菌を減らすのは歯磨き

もちろん歯みがきも大切です。「再石灰化」は溶け出した歯の表面を修復してくれる作用ですが、むし歯菌を減らすのは歯みがきです。歯みがきはむし歯菌や歯周病菌の原因となるプラークを取り除くことができます。菌の温床となるプラークが少なければ、悪さをする細菌も増えることはできず、むし歯を防ぎ、歯ぐきに炎症を起こす歯周病にもなりにくいでしょう。

子どもの頃に見つけた歯みがき習慣は一生、お子さんの健康を守ってくれます。お子さんも保護者の方もがんばりましょう!

再石灰化を促すフッ素の働き

再石灰化を促すサポート役として、フッ素の働きをとりいれましょう。フッ素塗布には次のような効果があります。

フッ素コートで歯を守る

むし歯の原因菌によって作られる酸は、歯を溶かしてしまいます。フッ素で歯の表面を覆うことにより、歯を酸から守ります。

再石灰化を促します

飲食によって酸性に傾いたお口の中では、歯からカルシウムやリンが溶け出しています。フッ素は、酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補う再石灰化を促します。初期のむし歯なら、フッ素によるエナメル質の再石灰化の作用で修復される場合もあります。

細菌の活動を抑制します

フッ素自体に抗菌効果があり、むし歯の原因となる細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。

お子さまの歯は大人の永久歯よりも弱くて溶けやすく、むし歯のリスクが高いのです。ぜひフッ素ケアをとりいれてあげてください。

木更津市の2歳児歯科健診でフッ素塗布

木更津市では、2歳児歯科健康診査でフッ素塗布を行っています。対象は2歳6か月~3歳未満のお子さまです。1歳6か月児健診から3歳児健診の間に、むし歯のあるお子さんが大きく増えるのです。この時期のむし歯予防として、歯科健診とフッ素塗布を行うことで、むし歯に負けないように歯の質を強くしていきましょう。

木更津きらら歯科も協力歯科医療機関として木更津市の歯科健診に協力しています。お子さまの歯医者さんデビューのきっかけとしても、ぜひご活用ください。

木更津市の2歳児歯科健診について詳しくは こちら

キシリトールのむし歯予防効果

キシリトールは砂糖と同じように甘いのに、酸を作らない甘味料です。むし歯予防と、甘いものを口にする楽しみのために活用してみてください。

キシリトールの特徴

  • 酸を作らない甘味料
  • むし歯の原因菌(ミュータンス菌)の活動を弱める特徴を持っている
  • ガムのような形でとりいれるのが唾液の分泌に効果的
  • むし歯の原因となるプラークをつきにくくする
  • 歯の再石灰化を促して歯をじょうぶにする

キシリトールの効果的な使い方

ガムのような形である程度の時間お口の中で噛んでいると、唾液がたくさん出てきます。“よく噛むこと”でたくさんでてくる唾液は、歯とお口の中を守ってくれる強い味方です。お口の中が唾液で潤っていると、歯が溶ける時間、脱灰の時間を少し短くしてくれます。

キシリトールを使用したガムやチョコは歯科医のおすすめおやつです。木更津きらら歯科でも販売しています。ご来院の際に受付でお声掛けください。

歯医者さんへ行こう!

歯医者さんは虫歯になってから行くのではなく、むし歯になる前に行くところ。痛くなる前に来ればなんにもこわくありません。歯医者さんに、あそびに来る感じでぜひ定期健診に来てみてください。みなさんのお越しをお待ちしています。


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