木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

歯周病

21年12月28日

感染症対策に取り組んだ2021年

2021年は、新型コロナウイルス感染症対策で皆様が苦しい思いをされてきた1年でした。医療関係者の方々のたいへんなご苦労があり、一般の方々も外出の自粛や、渡航の制限、イベントの中止、テレワーク、学校の休校やオンライン授業、会食も遠方の家族と会うことも我慢するといった、本当に厳しい、様々な努力をしてきました。医療のジャンルでは、予防やリスク軽減につながる研究が日々続けられ、有益な報告も多数あげられてきました。

■歯科クリニックの感染症予防

その中で、歯科クリニックが感染症が流行する中でたいへん厳しく徹底的に予防対策をしていることはあらためて知っていただけたのではないでしょうか。

歯科クリニックでは患者さまを守るだけでなく、歯科スタッフのことも感染症から守らなくてはなりません。そのため、従来からB型肝炎やHIVなど感染対策には力を入れており、ノウハウも確率されています。コロナ禍においてもいちはやく「歯科診療のガイドライン」を策定して対応しています。

2021年6月のことですが、大阪府の吉村府知事が、歯科医院のクラスター発生が報告されていないことをTwitterで発信されていました。大阪だけではなく、これは全国的にも言われていることなんです。

通院途中の方、お口の中の健康状態に気になることがある方は安心してご来院いいただけます。治療の中断をなさいませんように、ご心配なことがあればいつでもご相談ください。

■歯周病のリスク

何度も繰り返しお伝えしたいのは、「歯周病」のリスクです。

歯周病は日本人の8割がかかっていると言われるほど身近な病気ですが、身体全体に影響がおよぶほど重大な病気であることはご存じでしょうか。口腔内の細菌は、血液にのって循環器、呼吸器、消化器へと広がり、慢性の炎症を起こします。この状態は、感染症ウイルスが蔓延しているような緊急事態では、免疫暴走や細菌性肺炎、重大な臓器障害を起こすリスクを高くしてしまうのです。

歯周病を治療することは、感染症に負けないからだ作りにもとても大切なのです。

■歯周病治療が感染症予防につながる

また新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)は、インフルエンザと同じ、付着様式で感染することがわかっています。ウイルスが付着した手や唾液を介して、からだの粘膜に付着し、感染していくのですね。

風邪やインフルエンザにおいては、歯周病菌がウイルスの付着を助けていることは明らかにされています。歯周病原因菌をお口の中から減らすことができれば、付着を防げることがわかっているのです。ということは、新型コロナウイルス感染症でも、歯周病を治療し口腔内を健康に清潔に保つことによって、付着を防げる可能性が高いのです。

歯科医療の立場からは、口腔ケアが、患者さまの全身の健康を守り感染症対策のサポートになると考えております。

写真は木更津の証城寺(しょうじょうじ)の鐘です。今年は感染症対策のため除夜の会は行わないそうです。早く季節の行事や日常がもどってきてほしいですね。本年中はたいへんお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


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21年10月03日

歯周炎はCOVID-19合併症のリスク因子



「歯周炎はCOVID-19合併症のリスク因子である」との研究報告が、 Jon B. Suzuki先生よりありました。歯周病は感染症対策の上でも本当に危険な病気であることを表す報告です。

Suzuki先生はアメリカの大学で臨床教授を務められている方で、10月2日から3日にかけて札幌で開催された、iACD(国際コンテンポラリー歯科学会)日本支部の学会で講演をされたのです。

理事長中谷が学会に参加し、お話を聞いてきました。中谷はiACD日本支部の役員を務めております。

正しい口腔ケア、歯科定期健診は感染症予防につながります

わからないことが多かったコロナウイルス感染症ですが、少しづつ明らかになっていることもありますね。歯科の立場からは、正しい口腔ケア、定期健診をおすすめいたします。

緊急事態宣言が明けたとはいえ、まだまだ油断はできないのが現状です。皆様がいろいろと苦しい思いをされている中ではございますが、もうひとがんばり、宣言下同様の感染症対策を続けていきましょう。


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20年10月04日

歯周病菌を撃退! 3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)

2013年、鶴見大学歯学部に3DS除菌外来が開設されました。歯周病菌の除去を専門とする診療科です。専門の外来が必要とされるほど、歯周病菌の除菌は重要なことなんでしょうか?



恐ろしい歯周病

歯周病は本当にこわい病気です。歯と歯ぐきの間にたまってしまう歯垢は細菌のかたまりです。これが歯ぐきの炎症を起こし、歯を支える骨を溶かし、血管にはいった歯周病菌は血管の慢性的な炎症を起こすのです。

そのうえ、歯周病菌は、動脈硬化、脳疾患、糖尿病、高血圧、肺炎、早産などの危険因子となることがわかってきたのです。歯周病の症状は、歯ぐきをいためて歯が抜けてしまう、というだけではないんですね。

しつこい歯周病菌

対策としては、歯周病菌を除去すればいいのですが、これがなかなか簡単ではありません。細菌がくっつきあってネバネバしたかたまりとなっているため、簡単には取り除けないのです。

こんな方はご注意

歯の質や歯並び、お口の中の状態は人それぞれ。こんな方はご注意ください。

  • 丁寧に歯磨きしても、むし歯や歯周病を繰り返してしまう患者さまもいらっしゃいます。
  • インプラントや矯正治療の装具をお口の中に装着している場合。
  • ご自身で丁寧な歯みがきを行うことのできないご高齢者。
歯周病菌がたまりやくなっているかもしれません。

「3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」

ではどうすれば歯周病菌を除去し、歯周病を予防できるでしょうか。

木更津きらら歯科では、鶴見大学の研究チームが開発した「3DS(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)」という予防システムをとりいれています。

マウスピースに殺菌作用のある薬剤を注入して、一日5分、お口に装着するというもので、薬剤が歯と歯茎にとどまり、効果的に除菌できます。

当院では、注入する薬剤として、高い殺菌力とフッ素配合が特徴のコンクールジェルを採用しました。効果的、かつ徹底的にむし歯菌や歯周病菌を殺菌、歯の再石灰化も促進します。



3DSの効果

定期的なメンテンナンスと一緒に行う事で、むし歯や歯周病のない健康なお口を手に入れることができます。全身の健康づくりにも役立てることができます。

鶴見大学歯学部の花田教授によると・・・歯周病の前段階の歯肉炎に対して、3DSを6週間続けた結果、

  • 歯周ポケットが浅くなる
  • 出血が劇的に減る
などの効果があったそうです。

また血圧が下がり、服用していた降圧剤がいらなくなった人も報告されているということです。

「3DS」について興味のある方は診療時にご案内いたします。ごいっしょに、歯周病という病気を学んでいきましょう!


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18年05月01日

歯周病が虚血性脳卒中と関連

歯周病と全身の疾患の関係を証明する重要な調査が、またひとつ発表されました。
歯周病の重症度が進むにつれ脳卒中のリスクが高まるというものです。また歯科の定期的な受診が、脳卒中のリスクの低下に効果があることも明らかになりました。


Medical Tribune 2018年2月1日号

歯周病の進行で脳卒中リスクも上昇

米国の大規模な調査で、6,736人に歯周ポケット検査を行った結果です。歯周病の重症度が進んでいるほど、虚血性脳卒中のリスクが、2倍~3倍、高くなることが明らかになりました。

台湾でも、アメリカでも同様の結果がでています

歯周病は、心血管疾患の重要なファクターであり、世界的に、公衆衛生の重要な課題です。それを示す調査結果が、各国で続々と発表されています。今回の調査は、米国人約1万5,000人を15年間追跡した大規模観察研究の付随調査です。白人と黒人が大勢をしめる米国では初めてのこととなります。台湾では、すでに歯周病と虚血性脳卒中が関連していること、歯周病の予防や治療が脳卒中のリスクを低下させることが明らかになっています。

脳の血管がつまる脳卒中

「虚血」は「血がない状態」という意味で、脳血管の血の流れが阻まれ、脳の機能に障害が起こる病気です。運動麻痺、嚥下障害、感覚麻痺、言語障害、意識障害等といった症状が現れ、死に至るケースもあります。

虚血性脳卒中のうち、発生率の高いものは、心原性脳塞栓と血栓性脳梗塞と認められました。

心原性脳塞栓は、心臓にできた血栓が血液の流れにのって脳へ到達し、脳の太い血管がつまってしまう病気です。血栓性脳梗塞では、もともと太い血管が動脈硬化で狭くなり、そこへ血栓ができて血管が詰まってしまいます。



定期歯科受診で脳卒中リスク23%減

今回の調査では、定期的な歯科の受診をした人たち6,670人は、不定期な受診しかしていない人3,692人に比べて、15年の間に脳卒中のリスクが23%低下しています。歯周病は、全身の様々な疾患に関係あることが明らかになってきていますが、またひとつ、大規模な調査結果によって裏付けられたことになります。

自覚症状のない歯周病




初期の歯周病は痛みがなく自分ではわかりません。進行してしまってからでは、とけてしまった歯槽骨はもとにはもどらないのです。

3~4か月に1度は痛みがなくてもお口の中を検査しましょう。かかりつけの歯科医で、歯周ポケットの検査をお願いしましょう。木更津きらら歯科では、歯周ポケット検査のうえ、重症度に応じた適切な治療に対応できます。気楽な気持ちで、ご来院ください。


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17年08月15日

歯周病は、心筋梗塞と脳血管疾患の原因となります

中高年のみなさん、歯周病をあなどってはいけません。歯磨きや定期健診で予防につとめ、おかしいな? と思ったら歯科医に足を運びきちんと治療しましょう。木更津きらら歯科も、お手伝いいたしますよ!




歯周病を、あなどってはいけない

平成29年6月、厚生労働省が平成28年の人口動態について発表しました。それによると、日本人の死亡原因は、1位が悪性新生物(がん)、続いて2位が心疾患となっています。3位の肺炎に続き、脳血管疾患が4位。実は、心疾患と脳血管疾患は、歯周病ととても関係が深いのです。


厚生労働省 平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況




歯がないと、心血管疾患・脳卒中のリスクが高くなる

歯がない人、自分の歯が少ない人は、心血管疾患・脳卒中のリスクが高くなることがわかってきました。各国の調査をご紹介します。


スウェーデン
スウェーデン・ウプサラ大学医療科学科のグループが2015年12月に発表した調査では、歯が全くない人は、歯が26~32本ある人に比べて、心血管疾患による死亡のリスクが1.85倍、脳卒中による死亡のリスク1.67倍という結果がでました。他の死因についても、死亡リスクは1.81倍となるそうです。39カ国、1万5456人を対象とした調査です。


アメリカ
アメリカでは、失った歯の数に比例して、脳卒中のリスクが高まるという調査結果がでています。2010年、41万人を対象に電話調査をしたところ、1~5本の歯を失った場合、脳卒中にかかる危険性は1.29倍に高まり、6本以上の歯を失った場合は 1.68倍、全ての歯を失ってしまっや場合は1.86倍にもなるそうです。


イギリス
イギリスでは、2012年に1万2871人の健康記録を調査したところ、やはり歯をすべて失った人は、すべて自分の歯で生活できている人に比べて、心血管疾患による死亡率が高いことが明らかになりました。脳卒中の死亡リスクは3倍ともなっています。


日本人の80%がかかっている歯周病




歯周病は、日本人の80%がかかっていると言われており、歯を失ってしまう原因としてもトップです。そればかりか、歯周病菌は血管にはいると血管内にプラークをつくり、血液の通り道を補足してしまいます。また血管内のプラークは、はがれおちて脳や血管を詰まらせる原因となるのです。

歯の本数は、健康のバロメーター

死に至るほどの重い病気は、歯の状態と深く関係しているのです。日本人は、40歳までは自分の歯で生活しています。40歳以降に、急激に歯を失っていくのです。

自分の歯が残っているということは、健康のためにとても重要なことです。1億円の価値があるとも言われる、貴重な宝物を大切にしてゆきましょう。


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