木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年12月18日

マウスピース矯正中に口内炎ができたらどうしたらいい?原因と対処法

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

マウスピース矯正中に口内炎ができたらどうしたらいいか考える女性

マウスピース矯正中は、装置による刺激や口腔内環境の変化によって、口内炎ができやすくなることがあります。「このまま矯正を続けても大丈夫?」「口内炎ができたときはどう対処すればいいの?」と不安に思う方も多いでしょう。

口内炎は一時的なトラブルであることが多いものの、原因を理解せずに放置すると、痛みが長引いたり、矯正治療がストレスになったりする場合もあります。

今回は、マウスピース矯正中に口内炎ができる原因や対処法、予防法について解説します。口内炎ができて対処法にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

マウスピース矯正中にできる口内炎の種類

マウスピース矯正中にできた口内炎

口内炎とは、口の中の粘膜に炎症が起こり、痛みや赤み、腫れなどの症状が現れる状態です。唇の内側や頬の内側、舌や歯茎など、口腔内のさまざまな部位に発生します。

マウスピース矯正中は、装置が粘膜に触れたり、唾液の循環が変化したりすることで、口内炎ができやすくなることがあります。食事や会話のたびに痛みを感じると、矯正治療そのものがつらく感じる方もいるのではないでしょうか。

口内炎は一時的なトラブルであることが多いものの、種類によってはすぐに対応が必要なケースもあります。主な口内炎の種類は、以下のとおりです。

カタル性口内炎

カタル性口内炎は、物理的な刺激によって起こる口内炎です。マウスピースの縁が粘膜に当たる、食事中に頬の内側を噛む、といった刺激が原因で粘膜に炎症が起こります。

粘膜が赤く腫れたり、ヒリヒリとした痛みを感じたりします。マウスピースが当たらないように調整するなど、刺激の原因を取り除くと自然に改善するケースがほとんどです。

アフタ性口内炎

アフタ性口内炎は、口内炎の中でも特によく見られるタイプです。白色や黄白色の潰瘍(アフタ)ができ、その周囲が赤く縁取られるのが特徴です。強い痛みを伴うことが多く、食事や会話がつらく感じられる場合もあります。

原因ははっきりと特定されていませんが、ストレスや睡眠不足、栄養バランスの乱れや免疫力の低下などと考えられています。マウスピース矯正中は、口腔内環境の変化や精神的な負担によって、アフタ性口内炎ができる人もいるでしょう。

ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎は、ヘルペスウイルスなどの感染によって起こります。口の中だけでなく、唇の周囲にも水ぶくれができることがあり、発熱や倦怠感を伴うケースも少なくありません。

このタイプの口内炎は感染性があるため、医療機関での診断や治療が必要です。マウスピース矯正そのものが直接の原因ではありませんが、体調不良や免疫力の低下時には発症しやすくなります。

カンジダ性口内炎

カンジダ性口内炎は、口腔内に常在しているカンジダ菌が異常に増殖することで起こります。舌や頬の内側に白い苔のような付着物が見られ、拭うと赤くただれた粘膜が現れることが多いです。

免疫力の低下や、口腔内が乾燥しやすい状態が続くと発症しやすくなります。マウスピースを長時間装着している場合や、清掃が不十分な場合には、リスクが高まることもあります。

マウスピース矯正中に口内炎ができる原因

マウスピースを装着して摩擦ができる様子

マウスピース矯正中に口内炎ができる主な原因は、以下のとおりです。

マウスピースの摩擦

マウスピースは歯列全体を覆う装置のため、装着中に頬の内側や唇の裏、歯茎などの粘膜に触れます。特に、装着し始めの時期や、新しいマウスピースに交換した直後は、縁の部分が粘膜に当たりやすく、摩擦によって小さな傷ができることがあります。

この傷がきっかけとなり、炎症が起こると口内炎となるのです。マウスピース自体は滑らかな素材で作られていますが、わずかな段差や圧迫でも、粘膜にとっては刺激となる場合があります。

唾液の減少

唾液の働きのひとつは、口腔内を潤し、細菌の増殖を抑えることです。マウスピースを長時間装着していると、唾液の循環が妨げられ、口の中が乾燥しやすくなることがあります。特に、水分摂取が少ない方や、口呼吸の癖がある方は、口腔内が乾燥しやすいです。

口腔内が乾燥すると、粘膜のバリア機能が低下し、わずかな刺激でも炎症が起こりやすくなります。その結果、口内炎が治りにくくなったり、新たにできやすくなったりするのです。

栄養不足

口内炎の発症には、栄養状態も深く関係しています。特に、ビタミンB群や鉄分、亜鉛などが不足すると、口腔内の粘膜が弱くなり、炎症が起こりやすくなります。

マウスピース矯正中は、食事のたびに装置を外す必要があるため、間食を控えたり食事量が減ったりする方もいます。その結果、栄養バランスが乱れ、口内炎ができやすくなる人もいるでしょう。

ストレス

矯正治療による違和感や、装置の管理に対する負担は、知らず知らずのうちにストレスとなることがあります。ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが乱れ、免疫機能の低下につながりかねません。

その結果、口腔内の粘膜が炎症を起こしやすくなり、口内炎が発症するリスクが高まります。

免疫力の低下

免疫力が低下していると、口腔内の細菌やウイルスに対する抵抗力が弱まり、口内炎ができやすくなります。睡眠不足や体調不良、風邪をひいているときなどは、免疫力が下がりやすいタイミングです。

マウスピース矯正中に限らず、免疫力が落ちている状態では、口内炎が治るまでに時間がかかることもあります。口内炎が繰り返しできる場合や、なかなか治らない場合は、体調面も含めて歯科医師に相談するとよいでしょう。

マウスピース矯正中に口内炎ができるのを防ぐには

マウスピースのお手入れのイメージ

マウスピース矯正中の口内炎は、日々のケアや生活習慣を少し意識するだけで予防できる場合があります。ここでは、マウスピース矯正中に口内炎を防ぐためのポイントを解説します。

口腔内を清潔に保つ

口腔内を清潔に保つことは、口内炎予防の基本です。口の中に細菌が多い状態では、粘膜に小さな傷ができただけでも炎症が起こりやすくなります。

マウスピース矯正中は、ご自身の歯と、マウスピースの両方をきちんと清掃することが重要です。歯磨きは歯と歯茎の境目を意識し、磨き残しがないよう丁寧に行いましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、プラークをより効果的に除去できます。

また、マウスピース自体も毎日洗浄し、汚れや細菌の付着を防ぐことが大切です。汚れたまま装着すると、細菌が増殖しやすくなり、口内炎のリスクが高まります。

栄養バランスを意識する

口内炎の予防には、食事から栄養素をしっかり摂取することも重要です。例えば、粘膜の健康を保つビタミンB群や、免疫機能に関わる鉄分・亜鉛が不足すると、口内炎ができやすくなります。

マウスピース矯正中は、装置の着脱が面倒に感じて食事を簡単に済ませ、栄養が偏る人も少なくありません。主食・主菜・副菜を意識し、野菜やたんぱく質をしっかり摂ることを心がけましょう。

また、十分な水分補給も重要です。口腔内が乾燥すると唾液の働きが弱まり、粘膜が傷つきやすくなります。こまめに水分を摂り、口の中を潤した状態を保つと、口内炎の予防につながります。

ストレスを軽減する

ストレスは、口内炎ができやすくなる大きな要因のひとつです。強いストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、免疫力が低下し、粘膜も回復しにくくなります。

マウスピース矯正中は、違和感や管理の手間がストレスになることもあります。ストレスをためないよう、リラックスできる時間を意識的に作ることが大切です。軽い運動や入浴、趣味の時間を取り入れると、心身の緊張を和らげ、口内炎の予防につながります。

マウスピースを清潔に保つ

マウスピースには唾液や細菌が付着しやすく、汚れた状態で装着を続けると、口腔内の細菌が増殖し、粘膜に炎症が起こりやすくなります。毎日、流水下でマウスピースを洗浄し、定期的に専用の洗浄剤を使用して除菌することが大切です。

歯磨き粉を使って強くこすると、細かい傷がつき、かえって汚れが付着しやすくなるため避けましょう。清潔なマウスピースを使用することで、口内炎のリスクを抑えやすくなります。

睡眠をしっかりとる

十分な睡眠をとることも、口内炎の予防には重要です。睡眠中は、体の修復や免疫機能の回復が行われるため、睡眠不足が続くと口腔内の粘膜が弱くなり、口内炎ができやすくなります。

マウスピース矯正中に口内炎が繰り返しできる場合は、睡眠時間や睡眠の質を見直してみましょう。就寝前にスマートフォンを長時間使用しない、規則正しい生活リズムを心がけるといった工夫も、免疫力を保つうえで効果的です。

マウスピース矯正中に口内炎ができたときの対処法

痛み止めを服用する様子

ここからは、矯正中に口内炎ができたときの対処法について解説します。

痛み止めを服用する

口内炎の痛みが強い場合は、市販の痛み止めを一時的に使用することも選択肢のひとつです。鎮痛薬を使用すると、食事や会話がしやすくなり、日常生活への支障を軽減できます。

ただし、痛み止めはあくまで対症療法であり、口内炎そのものを治すものではありません。長期間にわたって使用したり、痛みを我慢しながら矯正を続けたりすると、症状が悪化するおそれがあります。使用する際は用法・用量を守り、痛みが続く場合は歯科医院へ相談しましょう。

歯科医院を受診する

口内炎がなかなか治らない場合や、痛みが強い場合は、早めに歯科医院を受診することが重要です。歯科医院では、口内炎の状態を確認したうえで、適切な処置や薬の処方を受けられます。

また、マウスピースの縁が粘膜に強く当たっている場合には、装置の調整や研磨によって刺激を軽減できる場合もあります。自己判断で装着を中断するのではなく、歯科医師に相談しながら対応すると、矯正治療を安全に続けられるでしょう。

まとめ

マウスピースを持ち笑顔の女性

マウスピース矯正中は、装置の摩擦や唾液の減少、体調や生活習慣の影響によって、口内炎ができやすくなることがあります。口内炎ができた場合は、痛み止めを適切に使用しながら、必要に応じて歯科医院を受診することが大切です。

また、日頃から口腔内やマウスピースを清潔に保ち、栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけると、口内炎の予防につながります。痛みや違和感を我慢せず、気になる症状があれば早めに歯科医師へ相談しながら、マウスピース矯正を進めていきましょう。

マウスピース矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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