木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年12月11日

床矯正って痛いの?痛みの原因と対処法を紹介

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

床矯正の装置を手に持った子ども

床矯正は、取り外し可能な装置を使って顎を広げる治療法です。お子さまの歯並びが気になり「床矯正を始めたいけれど痛いのではないかと心配」「子どもが痛がったら続けられないのでは」と不安を感じている方も多いでしょう。

メリットの多い治療法ですが、実際、装置の調整時や装着直後には違和感や痛みを生じることがあります。

この記事では、床矯正で起こる痛みの原因や具体的な対処法、治療のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。治療を受ける前に床矯正の痛みについて正しく理解し、安心して判断できるよう参考にしてください。

床矯正とは

床矯正の装置の操作方法について説明しているイメージ

床矯正は主に成長期のお子さまを対象とした矯正治療で、入れ歯のような形状の装置を口の中に装着して顎を広げていく方法です。装置の中央にはネジが組み込まれており、このネジを定期的に回すことで少しずつ装置が広がり、それに伴い顎の骨の成長も促されていきます。

装置は基本的に取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際には外すことができます。ただし、効果を得るためには一日に決められた時間(通常12時間から14時間程度)装着する必要があります。

そのため、学校から帰宅した後や、就寝時を中心に使用するケースが一般的です。装置には上顎用と下顎用があり、症状に応じて片方または両方を使用します。

この治療法が特に効果的なのは、顎の骨がまだ柔らかく成長段階にある子どもの時期です。

乳歯が抜けて永久歯が生え揃う前の混合歯列期と呼ばれる時期に始めることで、顎の成長を利用して歯が並ぶスペースを自然に確保します。永久歯列期での矯正では歯を並べるスペースを作るために抜歯するケースもありますが、早期に床矯正を行えば抜歯を避けられる可能性が高まります。

治療期間には個人差がありますが、一般的には1年から3年程度かかることが多いでしょう。その後、後戻りを防ぐための保定期間が必要です。

床矯正で起こる痛みとその原因

床矯正で痛みがでて頬をおさえる子ども

床矯正での治療中には、いくつかの場面で痛みや違和感が生じることがあります。ここでは、主な痛みの原因について見ていきましょう。

装置の装着直後の圧迫感と痛み

床矯正を始めたばかりの時期には、装置を口の中に入れることに慣れていないため、強い違和感や圧迫感を覚える可能性があります。装置は歯や歯茎に密着するように作られているため、最初は異物感が強く、話しづらさや不快感を伴うことも少なくありません。

特に、上の歯列に装着するタイプは、上顎(口蓋部分)を広く覆う構造になっているため、舌の動きが制限されて発音がしにくくなることがあります。歯や歯茎にも持続的な力が加わるため、じんわりとした鈍痛を覚えるケースも見られます。

こうした痛みは通常数日から1週間ほどで次第に和らぎ、口の中が装置に慣れてくると気にならなくなることがほとんどです。

ネジを調整した後の痛み

装置の中央にあるネジを定期的に回して少しずつ歯列を広げていきますが、調整直後には歯や顎に新しい力が加わるため、痛みや違和感を覚えることがあります。特に、ネジを回した当日から翌日にかけては、歯が浮いたような感覚がでたり、噛む際に痛みを伴ったりすることがあります。

こうした症状は一時的なもので、通常は2〜3日ほどで次第に落ち着いていきます。

装置と粘膜の接触による痛み

装置の縁やワイヤーの先端が頬の内側や舌、歯茎に触れることで、擦れたような痛みを感じるケースもあります。こうした症状は、装置が粘膜に食い込んだり、同じ場所に繰り返し当たったりすることで生じ、場合によっては口内炎につながる可能性もあります。

新しい装置を作った直後や、成長に伴って口の形が変化した際には、このような接触による痛みが起こりやすいです。

床矯正で痛みがでた場合の対処法

床矯正で痛みがでて歯科医に装置の確認をしてもらっているイメージ

床矯正で痛みがでた場合には、いくつかの対処法があります。症状に応じて適切な方法を選んでいきましょう。

まずは様子を見る

装置を装着した直後やネジを調整した後の痛みは、多くの場合、時間の経過とともに自然に和らいでいきます。我慢できる範囲の痛みであれば、2日から3日は様子を見てみましょう。

この期間中は硬い食べ物を避け、おかゆやうどん、豆腐など柔らかめの食事を選ぶことで噛む刺激による痛みを軽減できます。また、冷たいものを口に含むと痛みが和らぐこともあるため、アイスクリームや冷たい飲み物を試してみるのも一つの方法です。

痛み止めを服用する

痛みが強くて日常生活に支障がでる場合には、市販の痛み止めを服用することも有効な対処法です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛成分は、矯正治療中の痛みにも効果があります。

ただし、痛み止めはあくまで一時的な対症療法であり、根本的な解決にはならないことを理解しておく必要があります。数日間痛み止めを飲み続けても改善しない場合や、痛みがどんどん強くなっていく場合には、装置に何らかの問題がある可能性もあるため、必ず歯科医師に相談しましょう。

装置を調整してもらう

装置の縁やワイヤーが粘膜に当たって痛みがでている場合は、我慢せずに早めに歯科医院を受診しましょう。歯科医師は装置の当たっている部分を削ったり、形を調整したりすることで、痛みの原因を取り除く処置を行います。

特に、口内炎ができた場合には、そのまま装置を使い続けると症状が悪化する恐れがありますので、早めに受診しましょう。

口腔内を清潔に保つ

痛みがある時こそ、口の中を清潔に保つことが重要です。装置を外した際には装置自体もしっかりと洗浄し、歯磨きも丁寧に行いましょう。口の中が不潔な状態だと、粘膜の傷口から細菌が入り込み、痛みが悪化したり治りが遅くなったりする可能性があります。

床矯正のメリット・デメリットを知っておこう

床矯正のメリット・デメリットを説明するイメージ

床矯正を選択する前に、この治療法の利点と欠点を十分に理解しておくことが大切です。

床矯正のメリット

床矯正の大きな利点は、抜歯をせずに治療できる可能性が高い点です。顎を広げて歯が並ぶスペースを確保することで、問題の起きていない健康な歯の抜歯を避けられます。

さらに、装置は取り外しが可能で食事や歯磨きの際に外せるため、衛生管理がしやすく虫歯のリスクを抑えやすいという特徴があります。加えて、成長期に開始することで顎の発育を正しい方向へ導き、将来的に顔のバランスが整う効果も期待できます。

床矯正のデメリット

一方で、装置を取り外せることは利点である反面、患者さま本人や保護者の協力が欠かせないという課題もあります。指定された時間を守って装着しなければ効果が得られないため、自己管理や家族のサポートが治療の成否を左右します。

また、すべての歯並びの問題に対応できるわけではありません。骨格的な不調和が大きい場合や歯の位置を細かく調整する必要がある場合には、ワイヤー矯正など他の方法を併用するケースもあります。

さらに、治療はゆっくりと顎を広げていくため時間がかかり、効果が目に見えるまでに期間を要します。そのため、途中でモチベーションを保つことが難しくなる可能性がある点もデメリットといえるでしょう。

まとめ

床矯正で綺麗な歯並びになった子どもを抱いた笑顔の家族

床矯正は成長期のお子さまの歯並びを整える有効な治療法ですが、装置の装着や調整により痛みを感じることがあります。主な原因は、装着直後の圧迫感やネジ調整による顎への負担、装置と粘膜の接触です。

痛みがでた場合は数日様子を見るのが基本ですが、強い痛みには痛み止めの使用や歯科医院での調整が有効です。

床矯正には健康な歯の抜歯を避けられる可能性や取り外しができる利点がある一方、患者さまの協力が欠かせず、すべての症例に適応できるわけではありません。特徴を理解したうえで治療を選ぶことが大切です。

この記事を参考に、床矯正の痛みについて正しく理解し、不安を和らげながら治療に取り組んでください。

床矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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