木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年02月06日

床矯正とは?目的や費用と期間の目安、他の矯正方法との併用について

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

床矯正を持って笑顔の子ども

床矯正は主に子どもの矯正に用いられる矯正法です。顎の骨を広げることを目的としており、子どもの成長に合わせて無理なく進められるため成長期の矯正に多く用いられています。また、他の矯正方法と併用することで、さらに効果を高められる点も大きな特徴です。

この記事では、床矯正とはどのような矯正方法なのか、目的や費用、期間について詳しく解説します。また、他の矯正方法との併用についても解説します。床矯正を検討している方や、お子さまの矯正についてお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

床矯正とは

床矯正の装置

床矯正とは、取り外しが可能な装置を使い、顎の骨を広げる矯正方法です。床矯正は、特に成長期の子どもに用いられ、顎の発達を利用して自然に歯並びを整えます。

特に、顎が小さく歯が重なって生えてしまう叢生(そうせい)の予防や、歯列の乱れによる噛み合わせの悪さを改善する際に用いられることが多いです。床矯正で使用する装置は、患者さま自身で取り外しでき、衛生的に保つことができます。

さらに、他の矯正方法と組み合わせると、より効果的な治療計画を立てることも可能です。

床矯正の目的

歯並びが悪い子どもの口腔内

床矯正の主な目的は、顎の骨を広げて歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保することです。特に、成長期にある子どもの矯正においては、骨格の成長を促しながら、将来的な歯列の乱れや噛み合わせの問題を予防する役割を果たします。

子どもの顎が小さい場合、永久歯が生えるスペースが不足し、歯が重なったり斜めに生えたりすることがあります。このような状態を叢生と呼び、放置すると見た目だけでなく、噛む力のバランスや発音に影響を及ぼす可能性があります。

また、床矯正には歯列全体のバランスを整える目的もあります。噛み合わせが悪いと、特定の歯や顎に負担がかかり、顎関節症や偏頭痛、肩こりなどの症状を引き起こすことがあります。床矯正を行うことで、これらのリスクを軽減できます。

さらに、床矯正は将来的な本格的な矯正治療をスムーズに進めるための準備としての役割も果たします。成長期の段階で顎の広がりを確保することで、歯を抜くリスクを減らし、矯正期間を短縮できる場合もあります。

床矯正の費用と期間の目安

床矯正の費用と期間の目安のイメージ

床矯正の費用と期間は、患者さまの年齢や矯正が必要な範囲、歯並びの状態などに応じて異なります。一般的な目安を知っておけば、計画を立てやすいでしょう。

費用の目安

床矯正の費用は、装置の作成や調整にかかる費用が中心です。通常、床矯正の費用は以下の範囲が一般的です。

  • 装置の作成:5万〜10万円
  • 調整(月に一度):5,000円〜1万円
  • トータル:全期間で20万〜50万円

費用は、矯正を行う歯科医院や地域によって異なる場合があります。また、治療の進行状況によって追加の費用が発生する場合もあるため、事前に詳細な見積もりを確認することが重要です。

期間の目安

床矯正にかかる期間は、患者さまの成長段階や矯正が必要な度合いによって異なります。一般的には1年から3年程度とされています。

また、矯正期間中は、定期的な通院が必要です。床矯正の装置は、患者さまが自分で取り外しが可能であるため、治療の効果は装置を正しく装着する習慣に大きく依存します。歯科医師の指示に従い、1日12〜16時間以上装着することが理想的です。

床矯正と他の矯正方法との併用について

床矯正と他の矯正方法との併用について説明する歯科医師

床矯正は、単体でも効果的な治療方法ですが、他の矯正方法と併用することでさらに高い効果が期待できる場合があります。例えば、治療期間を短縮できたり抜歯のリスクを減らせたりできます。

特に、歯列や顎の状態が複雑なケースでは、床矯正と他の矯正方法を組み合わせることで、治療の幅が広がります。併用を検討する際には、歯科医師との綿密な相談が必要です。

患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立てることで、無理なく理想的な歯列を目指せます。

床矯正とワイヤー矯正の併用

床矯正は顎を広げることに特化していますが、歯の細かな位置調整は行えません。そのため、床矯正で顎を広げた後に、ワイヤー矯正で歯を正確な位置に移動させる方法が一般的です。

床矯正で歯を抜かなくて良い環境を整え、ワイヤー矯正が理想的な歯列を仕上げる役割を果たします。

床矯正とマウスピース矯正の併用

人気の高いマウスピース矯正との併用も効果的です。床矯正で顎の拡大を行い、歯が並ぶスペースを確保した後に、マウスピース矯正を使って歯の位置を微調整して効率的に治療します。

床矯正のメリット・デメリット

床矯正のメリット・デメリットのイメージ

床矯正には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。治療方法の特徴を正しく理解することで、自分や家族に合った選択ができるようになるでしょう。

ここでは、床矯正のメリット・デメリットをご紹介します。

床矯正のメリット

床矯正は、子どもの成長期に顎の骨を広げることで、歯列の改善を目指します。成長期の骨の柔軟性を利用するため、無理のない治療が可能です。顎を広げて歯が生えるスペースを確保するため、抜歯を避けられる可能性が高いです。

床矯正で完全に歯並びが整わなかったとしても、後の矯正治療の負担を抑えることが可能なのです。

他の矯正方法と比べると費用が抑えられる場合も多く、特に早期の治療では費用対効果が高いといえるでしょう。装置の調整や変更がしやすいため、患者さま一人ひとりに合わせた治療が可能です。他の矯正方法と併用できる点も魅力と言えます。

また、床矯正の装置は患者さま自身で取り外しできるため、食事や歯磨きの際に装置を外して、衛生状態を保ちやすいです。また、装置が固定されていないため、虫歯や歯周病のリスクが軽減されます。

床矯正のデメリット

床矯正は取り外しが可能なため、患者さまが装置を正しく装着しないと効果が得られません。1日12〜16時間以上の装着が必要ですが、これを守れない場合は治療が長引いたり、効果が減少したりします。

また、床矯正の装置は透明なマウスピースほど目立たないわけではありません。話す際や笑う際に装置が見えることを気にする方もいます。

成長を利用する治療であるため、効果が出るまで時間がかかることがある点もデメリットでしょう。短期間で結果を求める人には合わない場合があります。

床矯正は主に顎の拡大を目的としており、複雑な歯列矯正や大幅な歯の移動が必要な場合には単体での治療が難しい場合があります。その際は、他の矯正方法との併用が必要になります。

話しづらさや食事の際の不便さを感じることもありますが、多くの患者さまは数週間で慣れます。

まとめ

絵具で伸び伸び遊ぶ笑顔の女の子

床矯正は、顎を広げることで歯が正しく並ぶスペースを確保し、自然に歯列を整える矯正方法です。特に、成長期の子どもに使用され、無理なく顎の発達を促すことで抜歯を避けたり将来的な矯正治療を簡略化したりする効果が期待できます。

患者さま自身の努力が必要である点や、治療が長期にわたる可能性がある点などのデメリットも存在します。複雑な歯列矯正が必要な場合には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正との併用が必要となることもあります。

矯正方法を選ぶ際には、歯科医師としっかり相談し、ご自身やお子さまの状態に合った治療計画を立てることが重要です。床矯正がお子さまに合う方法かどうかを見極めるためにも、この記事を参考にしてください。

健康で美しい歯並びは、見た目だけでなく、全体の健康にも大きく寄与します。ぜひ適切な方法で理想的な歯列を目指してください。

床矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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