「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
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ひとつでも該当する項目があれば、歯周病の可能性があります。3つから4つほど該当すれば、中程度まで進行しているかもしれません。実は慢性的にこのような症状があると、それが当たり前になってしまい、健康な状態を思い出せなくなっていることもあるのです。歯科医院で見てもらうのが一番です。該当する項目がなくても、定期検診は続けてください。
静かにお口の中と全身を蝕んでいく歯周病。歯周病の進行は、段階によって大きく2つに分けて考えられています。炎症が歯肉だけにある状態を「歯肉炎」といいます。炎症が歯肉から歯槽骨、歯を支える骨や、歯根膜という歯の根と骨の間の薄い膜にまで広がった状態を「歯周炎」といいます。「歯周炎」は進行状態により軽度、中度、重度に分類されます。
歯肉の色は薄いピンク色で、引き締まっています。歯と歯ぐきの間には1〜2mm程度のすき間があります。
歯垢(プラーク)がたまった状態を放置すると、歯ぐきに炎症が起き、 2~3mmのすき間ができます。歯と歯ぐきの間のすき間にプラークがたまった状態が続くと、歯肉に炎症が起きて腫れてしまいます。歯と歯ぐきの間に2~3mm程度のすき間ができると、歯肉ポケットが形成されます。
歯ぐきの炎症がひどくなり、歯周病菌が歯周組織に侵入。歯槽骨や歯根膜も破壊されはじめます。歯と歯ぐきの境目のすき間が3~5mmと深くなり、歯周ポケットという病的な状態に進行します。歯周ポケットの中に歯ブラシは届かず、プラークや歯石がたまってきます。
炎症がさらに拡大し、歯を支える骨も半分近くまで破壊が進み、歯が動揺しはじめます。歯周ポケットも4~7mmとさらに深くなります。
歯を支える骨が半分以上破壊され、歯はぐらぐらになります。歯が抜け落ちてしまう場合もあります。
プラークを除去するプラークコントロールは、患者さまご自身のセルフチェックやセルフケアがとても大切です。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯と歯ぐきの間にプラークがたまらないようにしましょう。歯科医院では専門の機材を使って徹底的におそうじします。
歯周病が進行して動揺している歯で噛むとさらに歯と歯ぐきの負担が増すため、その負担を軽くするために咬み合わせの調整を行います。歯科用の接着剤で隣の歯と接着し、ぐらぐらを抑えることもあります。
歯肉炎や軽い歯周病なら歯周基本治療だけで、歯ぐきがひきしまり歯周ポケットが浅くなります。ただ歯周病の危険因子は、生活習慣の中にあるのです。免疫抵抗力を低下させるストレスや、口腔内の衛生を損なう食習慣、喫煙、お口の中に負担のかかる咬み合わせなど、歯周病の原因を一つひとつ取り除く治療全体が歯周基本治療なのです。
歯ぐきを切り開いて歯の根のまわりをきれいにする外科的な治療です。歯根の先まで目で確認できる状態にして、細菌やプラークなど歯周病の原因となる汚れを徹底的に除去します。手術後、切り開いた個所を縫い合わせ、1週間程度で抜糸となります。
歯を支えている骨が溶けてしまうところまで歯周病が進行している場合、プラークんオ除去をしても骨を元にもどすことはできません。その場合、歯の周りの組織、歯周組織を再生する治療を選択できることがあります。
歯周病は、治療が完了したとしても油断することはできません。不治の病というわけではないのですが、歯周病を誘発しやすいお口の状態はそのまま残っているわけなのです。プラークをとりのぞき、歯周ポケットが浅くなったとしても、ほとんどは、ほとんどが歯と歯肉がそっと寄り添うような形で治っているのにすぎません。ブラッシングが足りなかったり、メインテナンスを怠るとまたもや細菌が活動しはじめます。歯周ポケット深くなり容易に再発してしまうのです。
PMTCとは”Professional Mechanical Tooth Cleanin”の略で、歯科医師・衛生士のような歯科医療のプロフェッショナルが、歯肉のまわり、見えない部分も含めて付着しているプラークを器具とフッ化物入りペーストを用いて除去する方法です。歯周病に罹られた方、虫歯の多い方、たくさんの修復物を入れられた方にはメインテナンス(PMTC)をお勧めしています。