木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

25年03月13日

急速拡大装置とは?治療を受ける前に理解しておくべきこと!

こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。

急速拡大装置を装着してもらう女の子

お子様の歯並びや噛み合わせを改善する方法は複数あり、急速拡大装置という治療もあります。急速拡大装置は、歯を動かすのではなく顎の幅を広げることが目的で使用されます。

他の小児矯正と比べると認知度が低いため、急速拡大装置について詳しくご存じない方も多いかもしれません。

ここでは、急速拡大装置の治療方法やメリット・デメリット、注意点など、治療を受ける前に理解しておくべきことについて解説します。

急速拡大装置とは

急速拡大装置のイメージ

急速拡大装置は、小児矯正の一種です。上顎の幅を広げ、歯が綺麗に並ぶためのスペースを作る目的で使用されます。

上顎が小さいと歯が生えてくるスペースが狭くなり、歯が重なって生えきたり噛み合わせが綺麗に合わなかったりします。こうした場合に、急速拡大装置を使用すれば歯が並ぶためのスペースを確保できます。

急速拡大装置の対象年齢は、8歳~15歳頃のお子様です。永久歯が全て生え揃うまでに治療を始めれば、永久歯が綺麗に生えてくるためのサポートができます。

急速拡大装置のメリット

急速拡大装置のメリットイメージ

急速拡大装置を検討するにあたり、どんなメリットがあるのか知っておきたいという方も多いでしょう。急速拡大装置で治療するメリットは、以下の通りです。

短期間で効果を得られる

急速拡大装置の最大のメリットは、短い治療期間で顎の横幅を拡大できるという点です。子どもの骨は柔軟性があるため、動かしやすいという特徴があります。

その特徴を生かし、固定式の急速拡大装置を装着すれば最短3カ月で顎の骨を広げることができます。短い治療期間で終えることができれば、お子さまの負担も軽減されるでしょう。

骨格と歯列のバランスを同時に調整できる

急速拡大装置は、小さすぎる顎の骨を拡大してバランスを整えながら、歯が生えるスペースを確保することができる治療です。つまり、骨格と歯列のバランスを同時に調整できるといえます。

抜歯を避けられる可能性が高くなる

顎の骨が小さいと歯が重なって生えてきてしまうため、将来的に歯列矯正をする際には抜歯が必要になることがあります。急速拡大装置で顎の骨を広げておけば、永久歯が綺麗に生えてくる可能性が高まるため、抜歯のリスクが軽減されます。

健康な歯を抜かなければならないリスクを軽減するために、顎の骨が小さい場合は幼少期に急速拡大装置で治療をしておくという選択肢をする保護者の方も多いです。

鼻呼吸がしやすくなる

上顎が狭いと鼻腔も狭くなることが多く、鼻呼吸しにくいことが原因で口呼吸になります。口呼吸をしていると口腔内が乾燥するため、細菌が繁殖しやすく虫歯や歯周病が起こりやすいです。

急速拡大装置で上顎を拡大した場合、鼻腔が広がるので鼻呼吸がしやすくなります。鼻詰まりがおこりやすく口呼吸が癖になっているお子さまにとっては、鼻呼吸を促せるようになることはメリットのひとつでしょう。

急速拡大装置のデメリット

急速拡大装置のデメリットイメージ

急速拡大装置の治療には、メリットだけではなくデメリットも存在します。治療を検討する際には、デメリットについても理解しておきましょう。

装着時の違和感

急速拡大装置の治療では、装置を口腔内で固定するため、装着に違和感や不快感を覚えるお子さまもいるでしょう。顎の骨を拡大するために外側へ奥歯を押し出そうとする強い力がかかるため、慣れるまでは痛みや圧迫感などを覚えるかもしれません。

装着当初は、もっとも違和感を覚えやすいです。お子さまにとってはストレスになるかもしれませんが、1週間ほどで徐々に慣れていくケースが多いです。

食事や発音がしにくくなることがある

急速拡大装置を装着すると違和感があるため、滑舌が悪くなってしまうことがあります。また、口内に装置があることで異物感を覚え、食べ物を飲み込みにくくなるお子さまもいるでしょう。

固定式なので取り外すことはできませんが、時間が経過すれば慣れて発音や食事も通常どおりできるようになります。

取り外しができない

急速拡大装置は固定式の装置のため、ご自身で取り外すことはできません。装置が壊れることのないように、硬いものや粘着性のある食べ物は避けなければなりません。

また、取り外しができないため、磨き残しが発生しやすいです。ワイヤーやネジの部分に汚れが付着したままになることが多いため、歯磨きは丁寧に行わなければなりません。

装置が目立つことがある

口を大きく開けた際に、装置が目立ってしまうことがあります。思春期のお子さまで見た目を気にする場合、装置が目立つことをデメリットと考えるかもしれません。

どうしても見た目が気になる場合は、別の治療法を検討することになるでしょう。

急速拡大装置を使用するときの注意点

急速拡大装置を使用するときの注意点イメージ

急速拡大装置を使用する場合、いくつか注意すべき点があります。詳しく確認しましょう。

指示通りにネジの調整を行う

急速拡大装置は自由に取り外すことはできませんが、定期的にネジを回して調整しなければなりません。装置の中止部にあるネジを回すことで上顎を広げるため、ネジの調整を忘れれば治療が進みません。

ネジの回し忘れが起こらないように、カレンダーやアプリなどでしっかり管理しましょう。

食べ物に注意する

急速拡大装置を装着している間は、硬い食べ物や粘着性のある食べ物は避けましょう。こうした食べ物は、装置に負担をかけて破損させる可能性があります。

装置が破損すれば、交換に費用がかかったり、治療期間が延長されたりする原因になります。保護者の方がお子さまの食べるものに注意を払ってあげる必要があるでしょう。

丁寧にセルフケアを行う

急速拡大装置を装着していると、普段よりも歯を磨きにくくなります。装置周辺に食べ物が詰まりやすく、歯ブラシも届きにくいため、汚れが蓄積されて虫歯が発生しやすいといえます。

毎食後の歯磨きの際には、装置の周辺に汚れが残らないように丁寧に磨くことが大切です。お子さまだけでは綺麗に歯を磨けないことも多いため、保護者の方が丁寧に仕上げ磨きをしてあげましょう。

強い痛みや異変があるときは受診する

強い痛みが続く場合や急速拡大装置に何らかの異変を覚える場合には、すぐに歯科医院を受診しましょう。装着した直後から数日間は違和感や痛みがありますが、強い痛みが続く場合は何らかの問題が起こっている可能性があるため、一度歯科医師に確認してもらうべきです。

また、装置の緩みや破損があれば、治療計画通りに進められません。装置に異変があると感じる場合も、歯科医師へご相談ください。

急速拡大装置で治療する場合にかかる期間

急速拡大装置で治療する場合にかかる期間イメージ

急速拡大装置で治療する場合の治療期間には個人差がありますが、目安は3カ月~6カ月です。顎の骨を拡大したあとすぐに装置を外せば、顎の骨が元の状態に戻ろうと骨が動いてしまう可能性があるため、安定するまでは一定期間装着を続ける必要があります。

歯並びの状態や骨の成長状態などによって治療期間が異なるため、詳しくは治療開始前に歯科医師に尋ねましょう。

急速拡大装置で治療する場合にかかる費用

急速拡大装置で治療する場合にかかる費用イメージ

急速拡大装置の費用は、3万~5万円が目安です。矯正治療には保険が適用されないため、自費診療になることが一般的です。

自費診療では患者さまが治療費を全額負担することになるため、保険診療よりも治療費が高額になる傾向にあります。また、自費診療の場合は歯科医院が自由に費用を設定できるため、歯科医院ごとに費用が異なります。

複数の歯科医院の費用を比較し、検討すると良いでしょう。

まとめ

急速拡大装置で治療し笑顔で過ごす親子

急速拡大装置は、骨格から整えることができる、幼少期にしか行うことができない矯正治療方法です。永久歯が綺麗に生えてくることができれば、将来的な抜歯や矯正治療が不要になります。

急速拡大装置による治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。

当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。


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