「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
歯の表面の白いシミが気になる方はいらっしゃいませんか? ホワイトスポットは、初期のむし歯や、エナメル質形成不全が原因です。ホワイトニングで歯の健康な部分と同じような色合いをとりもどすことはできません。ホワイトニングは健康なエナメル質に働きかけるので、逆にシミが目立つことになりかねません。
初期のむし歯が、エナメル質の表面に白いシミを作ることがあります。その原因は、「脱灰」です。
むし歯菌(ミュータンス菌)は、糖や炭水化物を原料としてプラークをつくり、プラークを巣として酸をつくりだします。酸は歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶かしてしまいます。このあたかも歯が溶けていくような現象を「脱灰」といいます。脱灰が起こると、歯のエナメル質は光沢を失い、白いシミのように白濁します。これが初期のむし歯によるホワイトスポットです。
ホワイトスポットを改善するためには、歯を削ってプラスチックをつめたり、セラミックべニアをかぶせるといった治療が行われてきました。また歯みがき剤でカルシウムを補いつつ、時間をかけて再石灰化を図ることも考えられてきました。現在では薬剤を用いることにより、歯を削らない治療の選択肢があります。
木更津きらら歯科では、アイコンという薬剤を用いて、歯を削らない治療をご提案できます。
アイコンはドイツで開発された特殊な薬剤です。ドリルを使わず治療の際に痛みがほとんどないため、麻酔も必要ありません。ヨーロッパで普及している安全な治療法です。
アイコンを白いシミの部分に塗布すると、傷んだエナメル質が溶けてなくなり、むし歯の部分が取り除かれます。同時に特殊な樹脂がエナメル質に浸透し、エナメル質の再石灰化を促し、歯が強化されます。これにより、シミと周囲のエナメル質の境目がめだたなくなるのです。
アイコンによるホワイトスポットの治療は、歯を削らず、同時に歯の強化を期待することもできるのです。
アイコンはエナメル質の表面に働きかけるものです。乳歯から永久歯に生え変わるころにさかのぼって、エナメル質の形成になんらかの問題が起きているケースのホワイトスポットは、アイコンでは治療できません。
1歳半健診と3歳児健診では、調べる内容はほぼ同じですが、目的が少し異なってきます。生まれたばかりの赤ちゃんにはむし歯菌はいないので、乳歯が生え始めたばかりのお子さんのためには予防のお話が中心になります。
3歳になったお子さんは、20本の乳歯が生えそろっていることが多いようです。またお子さんの環境により食生活や食習慣、歯みがきなどの習慣が定着しつつあり、生活習慣による偏りががあれば明らかになってくる時期でもあります。3歳児健診ではお子さまの口腔内の発育や健康状態を確認します。予防のほかに、むし歯を発見し、早期の治療をおすすめしたり、お口の中の健康によくない環境や習慣があったらあらためるためのご相談にのらせていただいたりもします。
むし歯だけではなく、食べることやお口の機能にまつわることなど、普段のお子さまの様子で気になることががあれば、こういった機会にぜひご相談ください。
木更津市では、無料で歯科健診が受けられる「2歳児歯科健康診査」も実施しています。
1歳半健診から3歳にかけて、健診でむし歯があるお子さんは8倍以上。自分でものを食べることができるようになり、なんでもやってみたい時期なので、むし歯の心配もふえてしまうんです。
対象は2歳6か月~3歳未満のお子さまです。決まった日はなく、木更津市内の協力歯科医療機関で予約をとって診療を受けていただくことができます。木更津きらら歯科は、木更津市の2歳児歯科健康診査協力歯科医療機関です。
むし歯になってからではなく、健診で歯医者さん体験をしてもらうと、お子さんは歯医者さんはこわいところではなく、ほめられたり楽しい気分にさせてくれたりするところ、と感じてくれます。歯医者がこわいところではなく、健康のパートナーと思ってもらえたら、その後の予防や治療にも役にたちます。
赤ちゃんの乳歯となる歯の芽(歯胚)は、胎生7週ころからもうできはじめます。4カ月の後半にはカルシウムやリンが固まって乳歯が形成されてきます。永久歯の歯胚は、4~5カ月くらいにできはじめます。お母さんの食べるものが、赤ちゃんの歯や骨やからだを作っていくんですね。
カルシウム、リン、タンパク質、ビタミンA・C・Dなどがあげられますが、これを食べればいいというものではなく、バランスのよい食事が大切です。偏りなく栄養のあるものを食べていれば、神経質にならなくてもだいじょうぶ。
つわり時には歯みがきがつらいこともありますよね。妊娠中の歯みがきはヘッドの小さい歯ブラシを使い、舌にあてないように小刻みに動かすことがコツです。前かがみになると嘔吐感を避けやすくなります。
どうしてもつらいときは、キシリトールのガムやタブレット、洗口剤を利用して、お口の中を清潔に保ちましょう。
酸っぱいものが食べたいときには、ご注意ください。お口の中が酸性に傾く時間が長く続くとむし歯になりやすくなってしまいます。
妊娠中の妊娠中は、むし歯や歯周病になりやすく、進行もしやすい状態にあります。女性ホルモンが急激に増加し、食事回数が増えたり寝不足気味になったりと生活のリズムが乱れ、唾液の分泌量も減ってしまうからです。
歯周病は全身の健康にかかわる病気です。歯ぐきの炎症を起こすだけではありません。歯周病菌は炎症を起こす物質とともに、血液を通じて全身をまわります。炎症物質は子宮に到達して子宮収縮の原因となり、早産、低体重児出産の引き金となると言われています。できれば妊娠がわかる前に治療できたらよいですね。
多忙でブラッシングがおろそかになりがちな大人の患者さまや、乳歯のお子さま、永久歯が生えたばかりのお子さまには歯の表面にフッ素を塗布することが予防につながります。お口の中は食事のたびに酸性に傾き、歯の表面のエナメル質が少しづ溶けだします。唾液によって溶けた成分をとりもどす作用を再石灰化といいます。フッ素はエナメル質の再石灰化を促し、初期のむし歯が修復できることもあります。
母体の安定期である16週~27週であれば、通常の歯科治療は可能です。エックス線撮影や局所麻酔も、胎児の影響はほとんどないと考えられます。お薬は妊娠初期の場合、胎児への影響が考えられる種類もありますので医師と相談してください。応急処置をして産後に治療することをおすすめするケースもあります。
妊娠にかかわらずふだんから定期検診を受けていただき、お口の中のケアを続けていただくことが一番です。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にむし歯菌(ミュータンス菌)はいません。唾液を介して、大人から赤ちゃんへ感染するのです。周りの大人の口腔衛生もとても大切なんです。
なかでも歯周病は再発しやすく、自覚症状がないため、知らないうちに進行してしまいます。徹底したクリーニングと正しい歯みがきで、予防が可能になり、初期のうちに進行を食い止めることができるのす。
まず歯周ポケットの深さを調べます。歯と歯ぐきのあいだにあるすきまが、歯周ポケットです。プローブという針状の器具を使って深さを探るため、プロービング検査と呼ばれます。また歯を支えている骨の状態をレントゲンで調べることもあります。
歯周ポケットの深さがわかったら必要なメインテナンスを決定します。健康な歯と歯ぐきなら、歯周ポケットは1~2 mm程度です。深さが3 mm程度だと歯肉炎を起こしている可能性があります。きれいにおそうじして正しい歯みがきをすることで回復します。
歯と歯のあいだや、歯と歯肉のあいだにたまった汚れは、放置しておくと歯石となり、歯周病菌の温床となります。初期の歯周病はプロによるクリーニングと正しい歯みがきを続けることで、改善されることが多いのです。また歯の表面がなめらかになり歯垢がつきにくくなることは歯周病菌の繁殖をふせぎ予防に効果的です。
Professional Mechanical Tooth Cleaning の略です。その名のとおりプロの歯科衛生士による歯のおそうじです。日々の歯みがきで落としきれず、歯と歯肉のあいだや歯の根の部分に残ってしまった汚れを、振動するプラスチックやゴム製の器具でおそうじし、フッ化物入りペーストを使用して、きれいに磨いていきます。歯石を取る治療とは異なり、エステのような感覚の気持ちよい刺激で、眠ってしまう方もいらっしゃるほどです。
歯周ポケットが4~5mm程度まで深くなると危険信号です。6mm以上になると、重度の進行した歯周病で、歯を支えている骨が溶けていることもあります。歯周病治療の基本は徹底した歯のおそうじと歯みがきです。重度に進行した歯周病では、歯と歯ぐきのあいだに細菌のかたまりである歯石ががんこに付着していることがあります。その場合は歯ぐきを切り開いてクリーニングする外科的な処置も検討します。
痛みがない段階のむし歯は、自覚症状がなく治療しなければどんどん進行してしまいます。歯と歯の間のあいてしまった大きな穴を、歯科の定期検診で指摘されたご経験のある方も多いのではないでしょうか。
歯の表面や歯と歯のあいだ、歯と歯ぐきのあいだに付着した歯垢(プラーク)は日々の歯みがきや歯間ブラシ、デンタルフロスを活用してきれいにすることができます。しかし、歯みがきだけではとりのぞくことができず、時間がたつと、口腔内のカルシウムやリンをとりこんで堅い歯石となり、そうなったら自分では除去することはできません。
歯石の中には歯周病菌が生息しています。歯周病菌は、お口の中に炎症を起こし、歯や歯ぐきを痛めるだけでなく、血液にのって全身にまわり、全身の重大な病気を引き起こす原因になることがあります。
血管の中にプラークを作り血管が狭くなることで、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気や、ご高齢者に多い誤謬性肺炎の原因ともなります。一方、歯周病治療で糖尿病が改善することもわかっています。歯周病菌の住処である歯垢や歯石をとりのぞくことは、全身のメインテナンスの大切な要素のひとつでもあるのです。
舌の状態からはいろいろなことがわかります。口腔がんは歯科の定期検診から早期発見することができます。早期発見・適切な治療でほぼ治癒すると言われていますが、進行がんになると治癒率は低下します。喫煙や飲酒、刺激の強い食べ物がお好きな方、合わない入れ歯による粘膜の損傷などに心当たりの方はご注意ください。
歯の機能をサポートするために人工的にとりいれたクラウンや詰め物、入れ歯は、時間がたつとずれたり痛んだりすることがあります。噛みあわせに支障がでるだけでなく、例えばあわない入れ歯が慢性的に口の中の粘膜を傷つけていると口腔がんの原因になったりもします。緊急に治療が必要か、もう少しもたせることができるか? そういった治療プランもご相談しましょう。
多忙でブラッシングがおろそかになりがちな大人の患者さまや、乳歯のお子さま、永久歯が生えたばかりのお子さまには歯の表面にフッ素を塗布することが予防につながります。お口の中は食事のたびに酸性に傾き、歯の表面のエナメル質が少しづ溶けだします。唾液によって溶けた成分をとりもどす作用を再石灰化といいます。フッ素はエナメル質の再石灰化を促し、初期のむし歯が修復できることもあります。
一生懸命歯みがきをしても、ご自分では気づかない、歯ブラシの届いていないところがあるかもしれません。また丁寧に治療したとしても、年月がたてばお口の中の状態がかわり、詰め物やブリッジ、入れ歯があわなくなっていることもあるかもしれません。お口の中の状態を診察しながら困っていることがおありでしたら解決していきます。
歯はものを食べるときに、食べ物を細かくかみ砕いて消化しやすくしてくれます。前歯は食べ物を噛みきり、先のとがった犬歯は食べ物を切り裂き、奥歯は食べ物をすりつぶします。こうして砕かれた食べ物は飲み込みやすくなり消化もたやすくなります。天然のミキサーを誰もが持っているんです。
ミキサーにはお手入れが必要です。食べ物を噛み砕いた後の歯のまわりには、食べ物のカスがくっついています。歯の表面や、歯と歯の間だけでなく、歯と歯ぐきの間にも残ってしまいます。そのままにしておくと、食後8時間ほどでむし歯菌(ミュータンス菌)がねばねばした物質を作り始め、膜のようにはりつきます。ここは温度も最適で食べ物もあり、細菌が繁殖しやすい住処となってしまいます。
これが、歯垢(プラーク)で、バイオフィルムともいいます。プラークは水にとけにくく、うがいなどでは落ちないため、歯ブラシや歯間ブラシ、フロスでしっかりおそうじしないととりのぞくことができません。
プラークには、たくさんの種類の細菌が住み着きます。わずか1/1000gのプラークに、1億個以上の善玉菌と悪玉菌が生息します。プラークが除去されず、時間がたつほど、悪玉菌が増えてしまいます。
代表的な悪玉菌が歯周病菌です。歯周病菌は歯ぐきの炎症を起こし、出血や膿の原因となり、歯の周りの骨を溶かす作用ももっています。しかも、プラークは、唾液や薬の抗菌成分にも抵抗力が強く、化膿止めといった薬も効きにくいのです。
通常、中性であるお口の中は、食べたり飲んだりしたあとは酸性に傾き、歯のカルシウムを溶かしはじめます。これを「脱灰」と言います。少しのことなら、唾液の助けなどにより歯は自然に修復します。これを「再石灰化」と言います。ところが、プラークが除去されないまま長時間たつと、再石灰化がまにあわず、歯に穴があくほどに進んでしまうことがあります。これがむし歯です。
さて、除去されなかったプラークはどうなるのでしょうか。プラークは、唾液や血液の中のカルシウムやリンと結びついて灰白色、黒褐色の石灰化した堅いかたまりとなり、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間に張り付きます。これが歯石です。
プラークや歯石は悪玉菌、特に歯周病菌の住処となり、炎症などのトラブルを起こします。歯周病は放っておくとどんどん進行します。痛みがないからといって放置していると、抜歯しなければならないほど歯や歯ぐきが痛んだり、歯周病菌が血液中にまわって重大な病気につながったりします。
小学校のころ、リトマス試験紙を使って液体のpHを調べる実験をされたことはありませんか? 赤くなったらアルカリ性、青くなったら酸性、変化がなければ中性です。pHはその液体が酸性・中性・アルカリ性のどちらに傾いているかを表す指数です。通常1~14までの値の中で、中性が真ん中の7、酸性に傾くと0に近くなり、アルカリ性に傾くと14に近くなります。
お口の中は、通常は「中性」に保たれています。それが、飲食をすると、多くの人のお口の中にいるむし歯菌(ミュータント菌)が糖質を餌として酸を作り出し、お口の中が酸性に傾きます。この状態が長く続いたり、酸性の度合いが強いと、歯のエナメル質が溶け出し、むし歯の原因となるんです。pHが、中性をあらわす7の数値から、5.5まで酸性に傾くと、危険信号です!
臨界pH以下の飲み物は、歯の表面を覆うエナメル質を溶かしてしまいます。健康のためにお酢を好まれる方もいらっしゃるかと思いますが、摂取の仕方によってはむし歯の原因になる場合もありますよ。
もちろん、なにか食べるたびにエナメル質が溶かされていたら、健康な歯の人はいなくなってしまいます。ここで唾液が働いてくれています。むし歯菌の作り出した酸を中和してくれたり、酸を洗い流したり、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す「再石灰化」という働きをしてくれます。そして約20分から1時間かけて、お口の中は徐々に中性へ戻っていきます。
歯に悪いから糖質もお酢もだめなんてことはもちろんありません。どちらもからだに必要な栄養素ですし、甘いものや酸っぱいものを楽しみたいときもあります。問題は食べ方です。再石灰化にかかる時間が20分から1時間、その間も、だらだらと間食をしたり、甘い飲み物をとっていると、お口の中は中性にもどるひまがありません。歯のエナメル質からカルシウムやリンがどんどん溶け出していきます。これを「脱灰」といいます。なにか食べている回数が多いと、脱灰の時間が長く、再石灰化の時間が短くなり、むし歯になりやすいのです。
お父さん、お母さん、気づいていますか? 口から入るすべてのものが、からだ作りやエネルギーになっています。食べることは、成長や健康にとても大切なことなんです。
1日の食事やおやつの時間や量、が決まっていることはよい習慣です。時間や量を決めずに、だらだらと食べたり、飲んだりすることは悪い習慣です。ごちそうは特別な時だから、価値があがり美味しさも倍増、お楽しみになります。子どもだけではなく、大人も、食体験を大切に、食生活のメリハリのために嗜好品を活用し、心の満足のためにだけむやみと飲み食いすることはやめましょう。
糖質は動物にとって重要なエネルギー源です。それは人間も同じです。糖質は炭水化物から多く摂取することができます。炭水化物は、たんぱく質、脂質とともに「エネルギー産生栄養素」と言われています。糖質は、私たちの日々の活動を支える重要な栄養素でもあるのです。
では糖質が、むし歯の原因になってしまうのはなぜなのでしょうか。
むし歯になる原因としては3つの大きな要素があります。
むし歯菌(ミュータンス菌)はほとんどの人のお口の中にいる、1/1000mmの球状の菌の塊です。むし歯菌は糖分を餌にして増殖し、菌の周辺にグルカンというねばねばしたノリのような物質を吐き出します。これが、歯の表面にとりつく歯垢(プラーク)の正体です。同時にむし歯菌は糖質から酸を作り出します。その酸が、歯の表面を形成しているエナメル質を溶かし、ついには穴があいて、むし歯となってしまうのです。
糖質は、むし歯菌が酸を作る餌となります。特に糖質の結晶である砂糖はだらだらととりすぎるのはよくありません。だらだらとお菓子を食べたり甘いキャンディーや飲料水をよくとる習慣のある人は、歯の表面が酸にさらされる時間が長くなり、むし歯になりやすい状態になってしまいます。糖質は人間の活動には不可欠なものであり、もちろん甘味料の砂糖だけではなく炭水化物などにも含まれています。問題は過剰な摂取と、そのとりかたなんです。
体質によりむし歯になりやすい人というのはいらっしゃいます。歯のエナメル質や象牙質の状況がむし歯になりやすいケースです。特に乳歯や永久歯が成長過程のお子さんは注意が必要です。
糖質は人間の活動のために必要な栄養素ですが、とりすぎはよくありません。口の中が酸性に傾いているとむし歯の原因にもなります。ではどれくらいなら適切な摂取量といえるのでしょうか。
世界保健機関(WHO)が2015年に発表したガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」では、成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすことを推奨しています。。また5%まで減らして、1日25g(4gの角砂糖6個ほど)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大するとしています。
ここで普段私たちがよく口にする飲料にどれくらい糖質が含まれているか考えてみましょう。写真は、2021年12月の木更津市1歳児半検診でご紹介したものです。市販の飲料に含まれる炭水化物を角砂糖におきかえると、4個から10個以上含まれています。口あたりのいい飲み物には意外と多くの砂糖が含まれていることに驚きます。
「歯固」は”はがため”と読みます。お正月の三が日に、長寿を祈って堅いものを食べる行事です。お正月の「歯固」で供される食物は地方によってさまざまです。鏡餅、大根やかぶ、ゆでて干した栗、串にさして干した柿、豆、昆布、片口鰯(田づくり)などです。おせち料理でもおなじみですね。
お正月に堅いものを食べて長寿を祈願する儀式は、平安時代から伝えられてきました。「歯固の儀」は奈良・平安時代の法典「延喜式」や、平安中期の「源氏物語」「枕草子」でもふれられています。宮中や公家の年中行事として、このころには定着していたんですね。
昔の人は、なぜ堅いものを食べることが長寿につながると考えたのでしょう。年齢の”齢”の字に歯の文字があるのは、歯の生え方で年のちがいがわかるからだそうです。そこから、歯を固めること、歯が丈夫なことは長寿につながると考えるようになったのだとか。
医療が発達していない時代でも、人々は経験的に、長生きしている人は歯が丈夫だと知っていたのかもしれません。
赤ちゃんの健やかな成長を願う「お食い初め」も同様の意味合いがあります。「お食い初め」は赤ちゃんが生まれてから100日目のころに行われる、一生に一度のお祝いの日で、「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれます。生まれて100日目くらいといえば、乳歯が生え始める時期。赤ちゃんが歯が生えるくらいに大きくなったことをお祝いし、健康と幸せを祈ります。赤ちゃんが「一生食べ物に困らないように」という願いも込められています。
お食い初めの重要アイテムが「歯固め石」です。歯固めの儀式は、赤ちゃんに丈夫な歯が生えることを願う儀式です。箸で歯固めの石に触れ、その箸で赤ちゃんのはぐきを優しく触ってあげます。歯固め石はお宮参りで神社からいただいたり、地域によっては、アワビや梅干しなどを代用することもあります。関西ではタコが演技のよい食べ物として代用されることもあります。
「歯固め石」は儀式のためのアイテムですが、「歯固め」のおもちゃも赤ちゃんの歯の健康を守ることに役立ちます。乳歯が生えてくるころの赤ちゃんは、歯がむずかゆくなってなんでも口にいれてしまいます。「歯固め」のおもちゃはこの歯ぐずりを予防してくれます。また噛む練習にもなり、お口のまわりの筋肉や骨の成長を促し、きれいな歯並びにも結び付いていきます。安全性の高いお米で作られた歯固めや、プラスチック製品に使用されている化学物質ビスフェノールAの含まれないBPAフリー製品なら安心ですね。