「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
食べること、会話をすること、笑顔で気持ちを表すこと、これらはどれもお口に関係しています。でも子どもたちの成長は千差万別。皆が同じように発達していくわけではありません。おっぱいの飲み方が上手だったりうまくいかなかったり、好き嫌いが激しかったり、言葉が早い子もなかなかしゃべり出さない子もいます。子育て中はなぜどうしてと思うことがたくさんありますよね。そのような時に歯科医が力になれることがあるかもしれません。
口腔機能の発達はお母さんのおなかの中にいる時から始まり、赤ちゃんのお誕生から、学童期まで続いていきます。
乳幼児期は食べる機能の基本を学ぶとても大切な時期です。食べるためには上手にお口が動き、噛むための歯が生えて食べ方を覚えていく必要があります。よく噛んで食べるためにはお口の動きの発達とともに噛むための歯が生えていてしっかり噛み合わせができていることが大切です。
幼児期の子どもの場合、おっぱいを飲んでいる時期の飲み方が残っていることがあります。舌を前の方に出して、上あごと下でおっぱいを挟み込む飲み込み方です。乳児型嚥下、舌突出型嚥下と言いますが、この飲み込み方がずっと続くと開咬(かいこう)といって、上下の前歯の間に隙間ができてしまう噛み合わせの問題となることがあります。早めに対応していくようにしましょう。
子どもは大人に比べて筋肉の力も弱いので薄っぺらくて筋のある食べ物は難しいかもしれません。無理に頑張って食べさせることが続いて、丸呑みの癖がついてしまうのはよくありません。また食事への集中力や食べ物の好み、食べる姿勢、動作などさまざまなことが関係しています。早食いは肥満や窒息などのリスクを高めるという側面もありますので、体重が減るといった心配なことがなければお子さまのペースを見守ってあげましょう。