木更津きらら歯科の歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

22年11月23日

噛む力

■弥生時代から現代まで、1食あたりの咀嚼回数の変化

弥生時代から現代まで、1回の食事で噛む回数は変わってきたのか? 面白いことを研究された方がいらっしゃいます。神奈川歯科大学元教授の齋藤滋先生と食文化史研究家の永山久夫先生です。学生さんが被験者となり、それぞれの時代の食事を食べてもらい測定したそうです。すると驚きの結果が・・・!

  • 弥生時代 3990回
  • 鎌倉時代 2654回
  • 江戸の前期 1465回
  • 昭和の初期 1420回
  • 現代 620回

引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書

現代の私たちは1回の食事につき600回程度しか噛んでいないのですね。数字としてあらわれると明確です。

■軟らかい食べ物が好まれる傾向

「噛む力」が弱くなる要因のひとつは、軟食化の傾向です。日本医師会が8月に1万人の方を対象に行った調査でも、現代人は硬い食べ物を避ける傾向にあると明らかです。

日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」2022年11月7日

全体の2人に1人が「硬い食べ物より柔らかい食べ物が好き」(47.0%)、4人に1人が「子どもの頃から硬い物を食べる習慣があまりなかった」(25.1%)と答えました。

■若い人の口腔機能

特に若い人の回答に少し驚きました。70代より、10代のほうが、「軟らかいものが好き」と回答した人が多かったのにはちょっとびっくりです。また10代の半数近くの方が、食べこぼしや滑舌の悪さなどの口腔機能の問題を経験しているのだそうだです。「硬い物を食べるときに噛み切れないことがある」のも10代が一番多いです。「食事で噛んでいると顎が疲れる」とおっしゃる方も半数以上いらっしゃるのです。

日本人のお口の中に何が起こっているのでしょうか? 若い人の口腔機能はもしかしたら私たちの思っている以上に未発達なのではないでしょうか。

■噛む力が弱くなると

「噛む力」の低下は、口のまわりの筋肉や顎の骨の未発達につながり、歯並びの乱れや顎関節症を起こすリスクとなってしまいます。食物繊維が多く含まれている歯ごたえのある食べ物や、肉などよく噛んで食べる必要があるどタンパク質を多く含んだ食べ物の摂取量の低下につながり、栄養の偏りやひいては運動機能の低下にもつながっていきます。

お口のまわりの基本的な機能がじゅうぶん発達しないまま年齢を重ねると、全身の衰え(フレイル)を感じる時期も早くなります。お口の機能が健やかに働いていることは、全身の健康だけでなく将来の健康にも大きく関わっているのです。


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