「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
高齢化が進むにつれて、多くの方が歯を失い、入れ歯を使用するようになっています。また、20代〜40代の若い方でも、さまざまな理由で歯を失って入れ歯を使用していることがあります。
入れ歯は、見た目の美しさや食事のしやすさを回復させる大切な装置ですが、その性能を長く維持するためには、毎日の手入れが欠かせません。「正しいお手入れ方法がわからない」「何に気をつければいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、入れ歯の基本的な仕組みから、日々のお手入れ方法や保管時の注意点、そして入れ歯を長持ちさせるためのポイントまで詳しく解説していきます。
目次
入れ歯とは、歯を失った場合に使用される人工の歯です。患者様ごとにオーダーメイドで製作され、口腔内に適合するよう細かく調整します。入れ歯には、一度にすべての歯を補う総入れ歯と、部分的に歯を補う部分入れ歯があります。
素材には、保険適用で使用できるプラスチックや、自由診療で使用できる金属やシリコンなどがあります。また、残っている歯にバネを引っかけて固定するタイプや、歯茎の粘膜に吸着させて固定するタイプ、インプラントによって固定するタイプなど、多くの種類があります。
患者様の口腔内や歯の本数、残っている歯の状態、希望する費用などによって、どの種類の入れ歯を選ぶのか決まります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、一人ひとりに合ったものを選ぶことが大切です。
入れ歯のお手入れを怠ると、様々な健康リスクが生じる可能性があります。ここでは、主なリスクについて解説します。
適切に入れ歯を洗浄しなければ、磨き残しの汚れが細菌によって分解され、刺激臭の原因となります。特に、プラークが蓄積して繁殖し、嫌なにおいの元となります。
口内の汚れによる口臭で歯磨きで改善できるのであれば問題ないかもしれませんが、入れ歯そのものから悪臭が発生する可能性もあります。入れ歯の装着自体が苦痛になるケースもあるでしょう。
お手入れ不足の状態で使用を続けると、入れ歯の表面に汚れが付着して素材が劣化する原因になります。特に、プラスチック製の入れ歯は熱や摩擦に弱く、長時間放置された汚れや雑菌により変形することもあります。
変形した入れ歯を使用すると、噛み合わせが悪くなったり、歯ぐきに不必要な圧力をかけたりするため、不快感や痛みの原因にもなります。
お手入れ不足による口腔内の健康問題は、全身の健康にも密接に関係しています。例えば、細菌が血流に入り込むと、心臓の病気や糖尿病の悪化、誤嚥性肺炎などを引き起こす可能性があります。
特に、高齢者では、嚥下機能の低下と合わせて誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、入れ歯のお手入れが全身の健康維持にも直結することを知っておきましょう。
入れ歯を清潔に保ち、快適に使用し続けるためには、毎日の正しいお手入れが非常に重要です。お手入れを怠ると、入れ歯の表面に細菌や食べかすがたまり、口臭や炎症の原因になります。
ここでは、入れ歯のお手入れ方法の基本を確認しておきましょう。
洗浄剤には、細菌・カビの繁殖を防ぐ抗菌タイプ、汚れや臭いを効果的に除去するタイプ、研磨効果に特化したタイプなどがあります。自分の目的に合ったものを選ぶことが大切です。
使用の際は、説明書に書かれている時間を守り、長時間浸けすぎないように気をつけましょう。また、洗浄後は必ず流水でよくすすぎ、洗浄剤の成分が口腔内に残らないようにしてください。
入れ歯の洗浄は、毎食後に行いましょう。食事の際に入れ歯に食べかすが付着するため、それを除去することが重要です。
入れ歯は柔らかい素材でできているため、落下の衝撃で割れたり欠けたりする可能性があります。入れ歯のお手入れをするときは、底の広い洗面器に水を張り、その上で洗浄しましょう。手が滑って落としてしまっても、水の中に入れば落下の衝撃を和らげられます。
誤った方法で洗浄したり、適さないものを使ったりすると、入れ歯の表面に傷がついたり、入れ歯が変形・破損したりする恐れがあります。以下に、入れ歯のお手入れをするときに使用してはいけないものをご紹介します。
通常の歯磨き粉は、微細な研磨剤が含まれており、義歯の表面に細かい傷をつけることがあります。義歯の表面に傷がつくと、汚れがたまりやすくなるでしょう。このような傷は入れ歯の寿命を短くするだけでなく、見た目にも影響を与えることがあります。
入れ歯専用の洗浄剤を使用すれば、表面のを守りながら効果的に汚れを除去することができます。
漂白剤や消毒剤を使用すると、入れ歯の素材が変質したり劣化したりする恐れがあります。金属部分の変色やレジンの劣化、においがつくことなどが懸念されるため、避けるようにしましょう。
汚れを落とそうとゴシゴシこすり洗いする方がいらっしゃいますが、入れ歯は非常にデリケートな構造です。強い力で洗うと、表面が細かく傷ついたり、部分的に変形したりするおそれがあります。
結果として、入れ歯のフィット感が悪くなったり、食事や会話の際に不快感や違和感を抱くことが増えたりしかねません。
義歯を洗浄するときに、熱湯を使用するのは避けてください。入れ歯はプラスチック製で、熱を加えると変形する恐れがあります。そのため、熱湯を使用して洗浄すると、入れ歯の形が変わって装着できなくなる恐れがあります。
入れ歯を洗浄するときは、水やぬるま湯を使用しましょう。「煮沸消毒をすれば清潔に保てるのでは」と考える方もいますが、目に見えない汚れや細菌が気になる場合は、入れ歯用の洗浄剤を使用するようにしてください。
入れ歯を清潔に保つためには、適切に道具を使用することも非常に重要です。ここでは、入れ歯のお手入れに使用する代表的な道具をご紹介していきます。
入れ歯のお手入れには、通常の歯ブラシではなく、入れ歯ブラシを使用するのが基本です。入れ歯用ブラシは毛先が広く、入れ歯の形状に合わせた設計になっているため、入れ歯の表面を傷つけずに汚れを落とすことができます。
入れ歯の汚れやニオイを除去するためには、入れ歯専用の洗浄剤を使用すると良いでしょう。入れ歯専用の洗浄剤には様々な種類がありますので、ご自身が使いやすいものを選んでください。
製品ごとに使用方法が違うため、しっかり確認して正しく使用しましょう。
入れ歯のお手入れを怠ると、口臭や歯ぐきの炎症などの口腔内トラブルを引き起こすだけでなく、入れ歯の劣化を早める原因になります。さらに、口腔内の細菌が全身に影響を及ぼし、心臓病や糖尿病の悪化、誤嚥性肺炎などのリスクを高めることもあります。
入れ歯を清潔に保ち、健康を維持するためには、毎日の洗浄が欠かせません。入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使用し、歯磨き粉や熱湯などの使用は避けるようにしてください。
入れ歯は毎日使用するものですので、清潔に扱うことを意識しましょう。お手入れ方法に不安がある場合は、歯科医師に相談してみてください。
入れ歯治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療などの一般歯科だけでなく、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療などの自由診療にも力を入れています。診療案内ページはこちら、無料相談・ご予約も受け付けておりますので、ぜひご覧ください。