「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
ワイヤー矯正は、歯に固定されたブラケットとワイヤーを用いて歯並びを整える治療法です。ご自身では取り外せないため、マウスピース矯正と比較して口腔内を清潔に保つのが難しいとされています。
そのため、ワイヤー矯正を行っている間は、通常の歯磨きだけでは不十分でしょう。矯正装置の間の食べかすやプラークを取り除くための特別なケアが必要です。
今回は、ワイヤー矯正中の歯磨きの際に使用すべき補助アイテムや、歯磨きの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
ワイヤー矯正にはいくつか種類がありますが、種類によって磨き残しやすい場所などが異なります。ワイヤー矯正の種類と、磨き残しが生じやすいポイントを確認しましょう。
表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを取り付ける矯正方法です。表側矯正は伝統的な矯正治療であり、幅広い歯並びの問題に効果的です。
矯正力をかけやすいため、同じ症例を治療する場合、マウスピース矯正に比べて治療期間を短縮できることが特徴でしょう。
表側矯正では、ワイヤーと歯の間やブラケットの周囲に食べかすが溜まりやすいです。
しかし、歯の表側で目立つため、補助アイテムを使って正しい方法で磨けば清潔に保てます。
裏側矯正は、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に取り付ける矯正方法です。表側矯正と比較すると治療できる症例が限られており、扱っている歯科医院も多くありません。
最大の特長は、装置が目立ちにくいことです。
表側矯正と同様に、ワイヤーと歯の間やブラケットの周囲に食べかすが溜まりやすいです。歯の裏側なので視認しにくく、磨き残すことも多いでしょう。
鏡を見ながら歯磨きするなど、工夫する必要があります。
ハーフリンガル矯正は、上顎の歯には裏側矯正を、下顎の歯には表側矯正を行う矯正方法です。上顎の装置が目立たないため、笑ったときや会話中に矯正装置が見えにくいことが大きなメリットでしょう。
裏側矯正に比べて治療期間が短縮される傾向にあり、治療費も抑えられます。
ただし、上顎は裏側、下顎は表側に装置があるため、歯磨きの際は上下で異なる磨き方をする必要があります。適した補助アイテムも上下で異なるため、日々のケアに手間がかかるでしょう。
ワイヤー矯正中でも口腔内を清潔に保つために、補助アイテムを用意するとよいでしょう。
主な補助アイテムをご紹介します。
通常の歯ブラシとは毛先の形状が異なるブラシです。小さいヘッドで小回りが利きやすい薄型のものを選ぶとよいでしょう。
毛先の硬さは、歯茎の状態で決めます。通常は普通の硬さで問題ありませんが、歯茎が炎症を起こしていて痛みがある場合は、柔らかめを選びましょう。
毛先の形状ごとの特徴をご紹介します。
歯ブラシの中央部分の毛先が短くなっているブラシです。ワイヤー周辺を磨く際に適しています。
中央の毛先だけが長く、山形になっているブラシです。ブラケットやワイヤーの狭いすき間をしっかり磨きたい場合に適しています。
ワンタフトブラシとは、毛先が1列の歯ブラシです。通常の3列の歯ブラシでは磨きにくい部分に使用します。
ワイヤーの下など、狭いすき間もスムーズに磨けるでしょう。
歯間ブラシは、歯と歯の間の磨き残しや食べかすを取り除く補助アイテムです。歯間のケアに特化したアイテムなので、効率よく汚れを落とせます。
デンタルフロスは、歯間ブラシが入らない歯と歯の間を清掃するアイテムです。歯茎に負担をかけないように、適切な力で使用しましょう。
歯科医院でも使用される、歯の裏側などを確認するための鏡です。小さな鏡に持ち手がついているので、通常の鏡では視認できない部分も確認できます。
特に、裏側矯正の場合は、磨きたくても矯正装置の周囲がよく見えません。デンタルミラーを使用すればしっかり確認しながら磨けるので、汚れを除去できるでしょう。
口腔内に入れて使う場合は曇ることが多いです。事前にぬるま湯に浸して温めるとよいでしょう。
飲食したあとは必ず歯磨きをするのが理想ですが、外出先などで歯磨きができないこともあります。虫歯や歯周病を防ぐ効果があるマウスウォッシュを持ち歩くとよいでしょう。口腔内の大まかな汚れを除去できます。
抗菌作用があるマウスウォッシュもあるので、適切に使用してください。
ワイヤー矯正中は、力をかけすぎずに、小刻みに歯ブラシを動かします。基本的な歯磨きの方法を確認しましょう。
矯正治療を受けている場合は、ご自宅でのセルフケアが非常に重要になります。歯並びは人によって異なるため、歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。ご自身に適したセルフケアの方法や使用するアイテムを学んでください。
また、定期的にプロフェッショナルクリーニングを受けることも大切です。ご自身では取り除けない歯垢や歯石を除去し、プラークの再付着も予防できます。
ワイヤー矯正は、マウスピース矯正と比較すると痛みを感じやすいです。歯や歯茎に大きな矯正力がかかること、食事中も装着するため咀嚼による負荷がかかることなどが原因でしょう。
ワイヤー矯正装置を装着した直後は、特に痛みを感じやすいです。
ワイヤー矯正中に痛みがあるときの注意点を確認しましょう。
ワイヤー矯正中に痛みがあると、歯磨きをしたくないと思うかもしれません。
しかし、口腔内を清潔に保つことは、痛みを悪化させないためにも非常に重要です。口腔内の衛生環境が悪化すると、虫歯や歯周病になって痛みが悪化するかもしれません。
柔らかめの歯ブラシを使用する、優しい力で磨くなど、工夫しながら適切に歯磨きを行いましょう。
ワイヤー矯正の装置は、ご自身では外せません。そのため、食事や歯磨きも装着したまま行います。
咀嚼する際に強い痛みを感じる方が多いですが、硬いものを避けて対応しましょう。特に痛みが出やすい矯正装置を初めて装着したときや、ワイヤーの調整後は、うどんなどの柔らかい食べ物を選んでください。
矯正用ワックスとは、口腔内を保護するために使用するワックスです。ブラケットやワイヤーが口腔内を刺激して痛む場合に、突出部分につけて使用します。
ブラケットやワイヤーが口腔内に触れて痛む場合は、非常に効果的です。歯科医院で購入できます。
日常生活に支障をきたすほど強い痛みがある場合や、痛みが長い間続く場合は、無理をせずに歯科医師に相談してください。痛みを和らげるためにワイヤーを調整する、鎮痛剤を処方するなど、適切に対処してもらえます。
ワイヤー矯正は、ブラケットやワイヤーを歯に固定して歯を移動させる矯正方法です。取り外し可能なマウスピース矯正とは異なり、歯磨きが難しく磨き残しが生じやすいです。
そのため、虫歯や歯周病のリスクが高まるとされています。仮に虫歯や歯周病が発生した場合、矯正治療を一時的に中断する可能性もあるでしょう。
計画どおりに治療を進めるために、歯科医師や歯科衛生士が推奨する補助アイテムを用いてしっかりと汚れを除去しましょう。ブラッシング指導を受けて歯磨きの質を向上させることも重要です。
矯正治療中に痛みや違和感が生じた場合は、速やかに歯科医師に相談しましょう。
ワイヤー矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。