「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
なんと、歯周病の人は、歯周病のない人より、年間で22,000円も多く医療費がかかっているのです!
自動車部品の世界的企業、デンソーが、自社の健康保険組合に加入している保険者の方々55,000人を対象とした調査結果です。
歯周病は全身の疾患に深い関係があるのです。脳、血管、関節に生殖器官まで置かされてしまうのです。なんと恐ろしいことでしょう・・・!
西野先生のご著書『スタンフォード式 最高の睡眠』『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』をお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。西野先生の提唱する“睡眠負債”という言葉は、流行語にもなりましたね。
睡眠•生体リズム研究所は世界最高峰の研究機関と言われています。今回のご講演、“スタンフォードにおける睡眠医学”では閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)をはじめとして、睡眠医学の歴史と現状や、歯科領域と関連する最新の話題をお聞きすることができました。
睡眠時無呼吸症候群は、歯科領域と関連が深い疾患です。1976年にスタンフォード大学で提唱されました。重症例は8年での死亡率は約4割ともなる非常に重篤な病気です。アジア人は生来気道が狭いので、性別・年齢を問わず小さなお子さんにも発症します。今回は、睡眠関連呼吸障害と歯科医療との関わり、特に口腔内装置の適応とその見極めについてお話しくださいました。
もうおひとり、日本大学 歯学部 口腔外科学講座 主任教授の外木 守雄 先生のご講演をお聞きできました。テーマは“OSAに対する歯科の役割そのイビキ、歯科で治るかもしれません!?”
外木先生は、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の病因病態学的な因子として、4つの要素をあげられました。
この4つの構成要素が、個々の方の体系や状況などと複雑に関連して睡眠時無呼吸症を発症しています。 口腔内の健康の観点から改善できる点は、・解剖学的上気道狭小化 ・上気道代償性低下 です。
いびきが治るという、目に見える効果があらわれるということですよ。
梅雨時、台風のときなどの気候の変化によっておこるめまいや頭痛、だるさ、うつ症状などは気のせいではありません。ぜんそくや関節痛、神経痛の症状があらわれたり、古い傷が痛んだりもすることもあります。
こういった症状は、「気象病」という名前がついているんですよ。
気圧の変化により体がストレスを感じると、それを整えようと自律神経が活性化されます。自律神経にはからだを興奮させる働きと、からだをリラックスさせる働きがあります。この調整がうまくいかないと、いろいろな不調の原因となるのです。
気象病の予防には、自律神経系のバランスを整えることが大切です。規則正しい生活をして、適度な運動をこころがけ、朝ご飯をしっかり食べましょう。
といっても、なかなかむずかしいですけれど。ご自分のからだの声に耳を傾けてあげてくださいね。
歯がしくしく痛むというのも気圧が関係している場合があります。気圧の変化にからだが対応できず、内側から圧力がかかり、傷んでいる歯や歯ぐきに痛みを感じるのです。
気づかなかったむし歯や歯周病が進行しているかもしれません!
むし歯菌は砂糖をエネルギーに変えて、歯をとかしてしまう酸を作ります。だからといって、甘いものを我慢しなくても、歯の健康を守ることはできるんです。
そのわけは・・・ お口の中の「健康時間帯」に秘密がありました!
食事のたびに、お口の環境は酸性に傾き、むし歯になりやすい状態になります。それを健康な環境にもどしてくれるのが唾液です。唾液は、口の中の細菌や酸を洗い流したり、酸を薄めたりして、歯の表面を中和してくれるんです。
では、歯が健康な状態にもどるまで、どれくらいの時間がかかるのでしょうか?
個人差はありますが、40分くらいかかると言われています。
ですから、甘いものを食べても、唾液に働いてもらう時間があれば、むし歯の危険性は低くなるというわけなんです。
一方、むし歯菌の大好きな環境は、「いつもお口の中に食べ物がはいっている状態」。
唾液が働くひまがなく、ずっとだらだらとお菓子を食べ続けている・・・ それって、むし歯菌の思うつぼなんです!
特に眠っているときは、唾液がほとんどでません。甘いものを食べて歯みがきをせずに寝てしまったら、むし歯が大活躍してしまいます。
平成の時代に、大きく変わったのは、なによりも「予防歯科」に対する考え方でした。昭和の時代の歯科医療は「修復」が中心だったのです。
また、口腔内の健康は全身の健康に大きくかかわっていることを裏付ける調査結果も各国で多数発表されています。「歯科衛生士」たちの活躍も、忘れることはできません。
30年の間に歯科医療の技術は著しく進化しました。木更津きらら歯科は最新技術・設備を積極的にとりいれています。昭和の時代のイメージで、治療に懸念をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
平成6年(1994年)、日本で初めて顕微鏡を使った歯科治療が行われました。顕微鏡(マイクロスコープ)を使うと、患部は30倍に拡大され、 根管治療の精度が格段にアップします。日本での導入率は、10%程度、木更津きらら歯科では、昨年、導入いたしました。
平成の時代、インプラント治療は、骨移植といった再生治療の進化と共に向上してきました。素材も進化し、機能面だけではなく審美的にも優れたものとなり、CTスキャンによって治療計画の精度も著しく向上しています。
歯科矯正といえばワイヤー矯正でしたが、そこにマウスピースを装着する矯正方法が登場しました。当院でご提供するのはアライン・テクノロジー社のインビザライン。日本では平成18年に治療が開始され、平成24年には口腔内スキャナー「iTero」が導入されました。
そして・・・ 平成は災害の時代でもありました。被災地でも歯科医師、歯科衛生士による口腔ケアは続けられています。最後に、東日本大震災で検死に携わった歯科医師の衝撃的なインタビューをご紹介します。
身元を確認するためには、歯の治療痕や歯型での確認が確実性が高く、歯科医師の力が求められます。ボーカルグループGReeeeNのリーダーのHIDEさんは福島県出身の歯科医師でもあり、ご遺体の検死に携わり、このときだけニュース番組の取材に応じています。
放射線物質を浴び、取り残されていた多くのご遺体を、防護服を着て検死したHIDEさん。土でいっぱいになったお口の中を、「早くご家族にあわせてあげたい」という一心で見させていただいたそうです。
春がやってきました! 桜の開花宣言が北上しています。
そしてまた、春は花粉症の季節でもあるのです。
花粉症のせいで、鼻水・鼻づまりでお悩みの方も多いのでは。
この症状は、歯科の視点から見ると、お口の中の健康に悪い影響を与えてしまうのです。
鼻水・鼻づまりの症状がひどくなると、鼻呼吸ができなくなり、お口をあけて口呼吸をすることになります。
お口をあけて呼吸していると、口腔内が乾燥し、雑菌が繁殖しやすくなります。
もし、プラークコントロールがきちんとされていなかったら・・・
プラークは雑菌の住み家となり、歯周病の原因となってしまうんです。
お口の健康のためには、唾液が健康に分泌され、お口の中が潤っていることがとても大切なのです。お口の中が乾燥しないように、こんなことをこころがけてみてください。
唾液のでてくる、つぼ、ではないですが、腺、がお顔のまわりにあります。
唾液腺マッサージをして、唾液の分泌を促しましょう。
市販のスプレーを使用してお口の中にうるおいを保ちましょう。
当院ではオーラルピースというスプレーをおすすめしています。
鼻には細菌やウィルス、花粉などの異物をキャッチする、鼻毛というフィルターがありますよね。お口には、そんなフィルターはありません。
お口をぽかんとあけていると、まして睡眠中に口をあけて呼吸していると、咽頭リンパ組織が乱れたり、鼻などの粘膜が萎縮したり、お口の中に雑菌が繁殖したりしてしまいます。
そのうえ、口をあけていることで口腔内が乾燥し、これまた細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。
健康のためには、口で呼吸するより鼻で呼吸する習慣のほうがずっといいのです。
鼻呼吸の習慣が身につくと・・・
健康のためには、いいことばかりなんです。
特に眠っているときにお口が開いている人は要注意。いびきやお口の乾燥でお悩みの方は、口閉じテープをお試しください。
専用テープも販売されていますが、とまればなんでもいいそうです。
毎日元気に過ごしたければ鼻呼吸を身につけたいですね。
口呼吸の原因は舌のたるみにあります。舌とお口の周りの筋肉を、お顔の体操で鍛えることができますよ。それが「あ・い・う・べ・体操」です。顔や首の血行がよくなり、お顔のリフトアップにも効果がありますよ。
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1から4を1セットとし、毎日30回できたら完璧です‼️ お風呂や就寝前に、ぜひやってみてくださいね。
よく噛むことはとっても大切。
昔に比べて日本人はよく噛む癖がなくなっているみたい!?
よく噛まないと内臓に負担がかかり消化に悪いんです。
よく噛んで食べると、いいことがたくさんあります。
歯は悪くなっても自分だけでは気づけません。
だから、歯医者さんで定期検診を受けましょう!
日本歯科医師会のホームページでも見ることができますよ。見てね!
公益社団法人 日本歯科医師会「いい歯は毎日を元気に」プロジェクト成人の日を迎えたばかりの年代の方たちの、ピカピカの歯はとても素敵です。でも長い人生、年をとると様々な理由から歯が失われていくことがあります。
『8020(ハチマルニイマル)運動』は「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
8020運動は、高齢の方のためにある運動ではありません。むし歯や歯周病から歯を守り、よい人生を送りましょうという運動です。20代の方も、30代の方も、シニア世代の方も、よい人生を送るために、歯の健康に心をくばっていただけたらと思います。
厚生労働省の調査で、20本以上の歯が残っていると、食事をおいしくいただけるか、また栄養状態にも差がでることが明らかになりました。
図14 「何でもかんで食べることができる」者と歯の保有状況(20歳以上、男女計・年齢階級別)
こちらは厚生労働省による平成29年「国民健康・栄養調査」の結果です。
折れ線グラフは、20 本以上の歯が残っている人の割合です。60 歳代以上になると急激に少なくなっています。そして「何でもかんで食べることができる」人の割合も、60 歳代から少なくなっていることがわかります。
図15 かんで食べるときの状態別、低栄養傾向の者(BMI≦20 kg/m2)の割合
(65歳以上、性・年齢階級別)
こちらのグラフでは、よく噛める人、噛めない人で栄養状態に差がでるのか明らかになっています。
65歳以上の方は、男女ともに、「一部かめない食べ物がある」、「かめない食べ物が多い」「かんで食べることはできない」と回答した方のほうが低栄養傾向(BMI≦20kg/m2)の割合が高いのです。「何でもかんで食べることができる」と答えた方のほうが、栄養状態がいいのですね。年をとっても自分の歯でよく噛んで食べることができたら、全身の健康にもよい影響があるのです。
平成29年「国民健康・栄養調査」の結果
~高齢者の健康づくりには、食事、身体活動に加えて、生活状況も踏まえた視点が重要~
お正月はいかがおすごしですか? 初夢に見ると縁起がよいと言われているものに、「一富士二鷹三茄子」があります。これには「四扇五煙草六座頭」という続きもあるんです。
「初夢」という言葉は鎌倉時代の歌集で初めて使われ、室町時代には、いい夢を見るために、宝船の絵を枕の下に忍ばせるという風習があったそうです。
現代の風物には通じない部分もありますが、言葉遊びのしゃれっ気や新年をすがすがしく迎える気持ちは、現代日本の人々の心の中にも息づいているのではないでしょうか。
ところで、夢に「歯」がでてきたら、それはどんな意味があると思いますか?
夢占いでの歯は、立ち向かう力を意味しています。
そして心身の健康状態を表すとも言われています。
歯が抜ける夢は直面するストレスから逃げ出したいと思っているからだとか。
また詰め物や差し歯がとれてしまう夢は、自分を支えてくれていたものを失ってしまうことを意味しているとか・・・。
また歯が抜けるという夢には、身内の不幸という解釈も古くからあります。
歯の夢にはあまりいい意味はないような気がしてきました。ところが、夢はあくまでも自分の潜在意識が見せてくれるもの。気持ちを切り替えて転機の夢とすることができるんです。
喉元で食べ物と空気がうまく分岐せず、肺へ続く気道の中に食べ物が誤ってはいってしまうことがあります。その中にお口の中にはびこる細菌が混じっていたらどうなるでしょうか。お口の中の細菌は、肺にはいって誤謬性肺炎を引き起こします。
肺炎は、日本人の死因としては第3位の病気で、特に高齢の方にとってはたいへん危険です。
肺炎の原因となる菌としては、肺炎球菌が最も多いのですが、口腔内細菌も10%以上を占めています。
菌血症は、本来なら無菌のはずの血液の中に、細菌が見つかる状態のことを言います。歯のまわりに、細菌の住み着くプラークが付着し、歯肉に炎症が起きる歯周病は、細菌が血液にはいりこむ絶好の機会を作ってしまいます。歯性菌血症は、動脈硬化、虚血性心疾患、感染性心疾患などの心臓の病気を引き起こします。
虚血性心疾患は、心臓をとりまく冠動脈が狭くなり、心臓の筋肉に血液が送られなくなる病気です。
血液にはいった歯周病菌は動脈硬化を促す物質をだすため、血管内にプラーク(沈着物)ができ、血管が細くなります。プラークがはがれて血の塊となり、血管をつまらせるのです。
歯周病菌は、冠動脈でもプラークを作り、心臓の機能にまで影響をおよぼすのです。
感染性心内膜炎は、心臓の内側のつるつるした膜に細菌の病巣ができる病気です。細菌の巣ははがれおちると、脳の血管に運ばれれば脳梗塞や脳動脈瘤の原因となり、他の場所の血管では感染症の原因となります。
これも、血液中の細菌から起こります。歯周病病菌は、心臓や脳の動力である、血管をつまらせるのです。
むし歯菌や歯周病菌は、傷んだ歯の根っこや、深くなった歯周ポケットから感染し、周囲に炎症を起こします。
親知らずのまわりや、歯を支える骨、骨を覆う膜、鼻とつながっている上あごの空洞部分に感染します。感染が広がって広範囲に炎症が起きることもあります。
骨転移のあるがんや、骨粗鬆症の治療に使用される骨の代謝抑制剤(ビスホスネート製剤やデノスマブ製剤)が、難治性の顎の骨の壊死を起こすことが、2003年に報告されました。
当初は発症のメカニズムなど不明な点が多かったのですが、現在では、口腔内の管理が十分に行われ、歯周組織や歯の根尖(こんせん)部分の異常をきちんと治療すれば予防に効果があるとされています。
参考:「歯科領域の細菌感染症」
横浜中央病院歯科口腔外科・日本大学医学部 相澤聡一先生
日本大学医学部 相澤(小峯)志保子先生
人間も動物も、口腔内の健康は全身の健康に関わります。
歯は、固形物をかみ砕いて、栄養を取り込みやすいように噛み切ったりすりつぶしたりすることで、栄養をからだにとりこみやすくする重要な役目を果たします。人間の1本の奥歯には60kgもの力がかかっているのです。
私たちの小さな口、小さな歯の1本1本は、精妙なバランスでたいへんな負荷のかかるその機能を支えています。
出っ歯だから矯正治療をお考えですか? 「出っ歯」のお悩みは、口元の美しさを損なうだけでなく、ものがよく噛めない、発音に障害がでるなどの弊害があります。
きれいな口元になりたいから審美歯科をお考えですか? そのご要望は、歯の自然な白さと共に歯並びや歯ぐきのバランスが関係ある場合もあります。
歯の治療はお口の中のバランス全体を考える必要があります。
当院ではコンピュータ断層撮影でお口の症状を解析し、プライベートなお悩みに個室のカウンセリングルームで患者さまとごいっしょに向き合います。
木更津きらら歯科では歯周病、顎咬合(咬み合わせ)、歯列矯正、インプラント、審美歯科、口臭、スポーツ歯科のスペシャリストが在籍し、総合的な包括歯科治療が可能です。
インプラントを希望されている患者さまの症状が、矯正で改善されることがあります。抜歯しなければならないようなケースでも、歯周病治療と矯正治療の組み合わせで、歯を残すことができる場合もあるのです。
歯の治療は、全身の健康を考え、10年、20年後を見据えて、お口の中全体の調和を整えることがとても大切なのです。
※厚生労働省平成25年介護保険事業報告書より、要介護4,5の人口が約130万人
内閣府の平成28年版高齢社会白書では、介護が必要になった主な原因について、1位「脳血管疾患」、2位「認知症」16.4%となっており、特に男性の「脳血管疾患」が26.3%と特に多くなっていると報告されています。
歯周病原因菌は、血液の流れに入り込んで血液の凝固を起こし、血液の流れを障害します。脳に到達し、血栓ができて脳梗塞が発症するのです。歯周病原因菌は、歯周病が重症になるほど血液の流れに入り込みやすくなります。
歯と歯を噛み合わせた時の刺激は、脳に伝わり、脳の感覚や運動、記憶や思考、意欲を司る部位の活性化を促します。自分の歯で食物を噛むことができれば、同時に脳を刺激するという事がわかっているのです。高齢者の歯の残存数と認知症との関係から、歯が少ないと、脳が刺激が少なくなり、脳の活動に影響があるということが、東北大学の研究により明らかになりました。残っている歯が少ないほど、記憶や学習能力に関わる海馬や、意志や思考の機能を司る前頭葉の容積などが少なくなっていた事がわかりました。
日本人は、70代で残っている歯は平均で16本程度。予防歯科の進んだスウェーデンでは21本以上です。高齢になって、歯の残っている数が多いほど、自分らしさを失わず、人生の終わりの時期を過ごすことができるのです。私たちは、脳血管疾患と認知症が歯の健康ととても関係が深いことをもう知っているのです。
口呼吸の原因は舌のたるみ。あいうべ体操は、下あごを支える舌筋とお口のまわりの表情筋肉をきたえてくれるんです。
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1~4を1セットとし、1日30セットを目安に毎日続ける
顎関節症の方やあごを開けると痛む場合は、無理をしないで「いー」「うー」のみをくり返してください。「べー」がうまくできなかったら、大きめのあめ玉をなめて、舌を運動させましょう。舌運動と甘味の刺激で、脳も活性化します。
もちろんあなたは、すぐ歯医者に行くことはありません。あなたが歯医者に行かない理由はたくさんあります。
あなたはとても忙しい方です。歯医者に行くような取るに足りないことよりも、重要なことがたくさんあるのです。今すぐ行かなくてもだいじょうぶ。誰かがあなたに、そうささやきます!
ではお口の中の異変を放置しておくとどんなことが起こるでしょうか。
1.虫歯を放置すると、歯がとけていきます。
虫歯を放置すると、歯を覆うエナメル質がとけていきます。エナメル質がとけて孔があくと、その下の象牙質もとけていきます。冷たいものや甘いものがしみることがあります。
2.痛みがひどくなります。
歯の神経(歯髄)まで虫歯が届くと、神経が炎症をおこし、ずきずきと強い痛みを感じます。
3.そのうち痛みもなくなります。
歯の上部は溶け、歯の原型はほとんどなくなり、神経が死んでしまったために痛みもなくなります。
4.他の歯に負担がかかってきます。
こうなっては、歯がなくなったのと変わりません。噛み合わせがおかしくなり、その部分をカバーしようとして他の歯に負担がかかり、他の歯にも悪い影響が出てきます。
5.顎の骨が炎症を起こします。
もっと虫歯を放置してみましょう。虫歯の原因となった菌が、顎の骨にまで到達し、顎の骨もとかします。顎の骨を切除しなければならないかもしれません。治療には外科手術が必要になってきます。
6.虫歯のせいで、死んでしまうことも。
顎の骨にまで到達した虫歯の原因菌は、血液を通してあなたのからだを流れていきます。脳や心臓に到達するし、炎症の原因ともなることもあるのです。脳卒中や心筋梗塞、基礎疾患のある方は死に至るきっかけとなってしまう場合があります。
想像してみてください。あなたの人生は、世界にたったひとつの長い物語のようです。あなたはいろいろな困難を乗り越え、出会いと別れをたくさん経験してきました。悲しいこともありましたが、充実感や達成感も感じています。80歳になったあなたは、どうしていますか? 家族や友人との交流を楽しみ、おいしいものを味わい、幸せな記憶を携えて自分に与えられた時間をすごしているかもしれません。
日本人には、65歳で会社を定年退職してから、女性で20年、男性で15年という時間が残されています。その20年間を、あなたはどうやって過ごしますか? これはあくまでも、日本人全体の平均寿命をあらわした数字のデータではあるのですが、医療や保険制度の充実している日本が長寿の国であることは間違いありません。
※日本人の平均寿命は女性86.99歳、男性80.75歳 平成27年厚生労働省調べ
年をとると、必要な栄養をきちんととりにくくなります。国立長寿医療研究センターの調査によると、在宅で介護を受けている方の36%が低栄養、33.8%が低栄養に近い状態になっているそうです。一番の原因は、噛む力、飲み込む力が低下してしまい、肉や野菜、果物が食べにくくなってしまうからなのです。
また噛むことは、脳に刺激を与え、認知症を予防します。息子さんの名前をなかなか思い出せなくなった認知症の方が、入れ歯を入れなんでも食べられるようになったら、すぐ思い出せるようになったという例も報告されています。噛むことは、自分らしさを保つことでもあるのです。
よく噛むと脳にある満腹中枢が働いて、私たちは満腹を感じます。 よく噛まずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太ります。 よく噛むことこそダイエットの基本です。
よく噛むと、食べもの本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。できるだけ薄味にし、よく噛んで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。
歯並びがよく、口をはっきり開けて話すと、きれいな発音ができます。よく噛むことは、口のまわりの筋肉を使いますから、表情がとても豊かになります。元気な顔、若々しい笑顔は、あなたのかけがえのない財産です。
よく噛む運動は脳細胞の動きを活発化します。顎を開けたり閉じたりすることで、 脳に酸素と栄養を送り、活性化するのです。子どもの知育を助け、 高齢者は認知症の予防に大いに役立ちます。
よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします(自浄作用)。この唾液の働きが、 虫歯になりかかった歯の表面をもとに戻したり(再石灰化)、細菌感染を防いだりして(唾液の中には多くの悪影響のある菌が存在しますが、一部の菌には抗菌作用を持つ菌が存在します。)、 虫歯や歯周病を防ぐのです。
唾液に含まれる酵素には、発がん物質の発がん作用を消す働きがあるといわれ、それには食物を30秒以上唾液に浸すのが効果的なのだとか。「ひと口で30回以上噛みましょう」 とよく言いますが、よく噛むことで、がんも防げるのです。
「歯丈夫、胃丈夫、大丈夫」と言われるように、よく噛むと消化酵素がたくさん出ますが、食べものがきちんと咀嚼されないと、胃腸障害や栄養の偏りの原因となりがちです。偏食なく、 なんでも食べることが、生活習慣病予防防にはいちばんです。
「ここ一番」力が必要なとき、ぐっと力を入れて噛みしめたいときに、丈夫な歯がなければ力が出ません。よく噛んで歯を食いしばることで、力がわき、 日常生活への自信も生まれます。
日本は先進国でも特に虫歯が多い国として知られています。30歳ぐらいまでには、虫歯になっている歯や虫歯等で治療したことのある歯が一人あたり平均10本もあります。45歳頃までには、半分近くの歯が虫歯になってしまい、さらに日本人の約8割は歯周病に感染していると言われています。
1960年代から1970年代の日本の歯科医療は、欧米に比べてたいへん遅れていました。良い歯医者さんとは、虫歯を修復し、入れ歯や冠(かぶせ物)によって歯の働きを補う技術の優れている歯科医のことでした。現在でも、「歯医者は歯が悪くなった時に行くところ」と考える方が多くいらっしゃるようです。定期的に歯科検診に通う人は、まだまだ限られているのが現状です。
近年、お口の中の健康は全身の病気と重要な関係があることがわかってきました。歯周病菌は、糖尿病、心臓病・肺炎・低体重児出産・骨粗しょう症との関連が注目されています。日本は長寿の国であるにも関わらず、健康的に暮らせる健康寿命はそれほど長くないと言われています。それは日本人の口腔内の状態と関係があるとも言えるのです。
歯科医療は、治療だけでなく予防が大切なのです。フィンランドは、21世紀の資本は「人間そのもの」という考えのもと教育や福祉に力を入れていますが、それと平行して「予防歯科」という意識を国全体に定着させました。身体全体の健康に大きな影響を与える歯を、悪くなる前に予防することに力を入れたのです。こうした政策をとりいれた結果、貧しかった国は、ドイツやフランスなどの先進国を追い越すほどに、国民一人ひとりの生産性を高めることに成功しました。
アメリカのビジネスマンは、どんなに忙しくても歯医者には通いますし、どれだけお酒を飲んでも歯だけはしっかり磨いて寝るそうです。自分の体調管理ができない人は尊敬されないからです。デンタルケアもそのひとつ。歯のケアに費やすお金は、日本人男性が1年間で平均6,000円なのに対して、アメリカ人男性は3万6,000円。実に6倍のお金と、そして時間を、歯のために投資しているのです。
歯科医療のありかたは大きく変わってきました。歯科医の役目は、虫歯の治療だけではなく、患者様の全身が健やかであるようにサポートすることです。歯は一度削ったり抜いたりしたら、二度ともとにはもどりません。木更津きらら歯科は、予防につとめ、歯のメインテナンスに心を配り、患者様の自然な歯が健全に機能する手助けをする歯医者でありたいと考えています。