「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
歯を失った時の治療法として、近年インプラント治療が注目を集めています。インプラント治療とは、失った歯の代わりに人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。
入れ歯とは異なり取り外しが不要なので、治療が成功すれば本物の歯のように咀嚼できます。
しかし、喫煙者の場合インプラント治療ができない可能性があります。治療の保証が使えない場合もあるため、喫煙者の方は注意が必要です。
本記事では、喫煙者がインプラント治療を受ける際の注意点と、喫煙がインプラント治療にどのような影響を及ぼすのかについて詳しく解説します。
インプラントは、失った歯を人工的に補う治療法の1つです。失った歯の代わりにチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せて歯を補います。従来の入れ歯やブリッジと比べて、見た目や機能が天然歯に近いことが特徴です。
インプラント治療は高度な技術を要し、治療期間は4〜6ヶ月かかります。人によっては1年近くかかることもあるでしょう。
長期間の治療ですが、成功すれば本物の歯のように咀嚼できるようになります。入れ歯のように外れてしまう心配もありません。
インプラントは保険適用外の治療法であり、自費診療なので治療費が高額です。インプラントの種類にもよりますが、1本あたり30〜60万円かかります。
費用も時間もかかる治療なので、始める際には慎重に検討しましょう。また、長持ちさせるためのメンテナンスやお手入れも欠かさずに行う必要があります。
結論か伝えると、一部の喫煙者はインプラント治療が受けられません。喫煙は、インプラント治療の成功率や長期的な安定性に悪影響を及ぼすためです。
一般的な喫煙者であればインプラント治療を受けられることがありますが、いわゆるヘビースモーカーは断られる可能性があります。1日21本以上タバコを吸う人は注意が必要です。
喫煙は口腔内の健康に悪影響を及ぼすと言われています。タバコの煙に含まれる有害物質は、口腔内の組織を直接的に傷つけ血液循環を悪化させるのです。インプラントが抜け落ちるリスクが高まり、治療の成功率が下がるでしょう。
近年では加熱式タバコや電子タバコが普及しています。従来のタバコと比較すると有害物質の量が少ないため、インプラント治療には問題ないと考えている方がいるかもしれません。
しかし、有害物質がゼロではない以上、口腔内の健康に悪影響を及ぼすことは変わらないでしょう。
インプラント治療中の電子タバコの安全性は、まだ十分に研究されていません。日本口腔インプラント学会からは、電子タバコや加熱式タバコの注意喚起がされています。余計なリスクを取り除くためにも、タバコの種類に限らずインプラント治療中は禁煙するべきです。
喫煙はインプラント治療に悪影響を及ぼします。タバコに含まれる有害物質の影響で、インプラントが抜け落ちる可能性が高まるでしょう。インプラント自体の寿命を縮めるため注意が必要です。
以下では、喫煙がインプラントに及ぼす主な悪影響について解説します。
タバコに含まれているニコチンにより、免疫機能が低下して炎症が起こりやすくなります。細菌から体を守る細胞である白血球の機能が低下するためです。
歯茎から細菌が侵入した際に炎症が悪化しやすくなる上に、手術でできた傷も治りにくくなります。特に、インプラント治療では、インプラントを固定している周辺の歯茎が炎症を起こししやすいです。
インプラント周囲炎と呼ばれますが、インプラントが安定せずに抜け落ちる原因にもなります。進行すると顎の骨まで溶かされるので、再治療が不可能になることもあるでしょう。
タバコに含まれる有害物質は炎症を進行させ、インプラントに加えて口腔内の健康にも悪影響を及ぼします。インプラント治療を受ける場合は、禁煙するのが理想です。
喫煙はインプラントの成功率を著しく低下させるという研究結果が出ています。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血流を悪化させます。当然口腔内の血行も悪化するので、インプラントを支える歯茎に酸素や栄養が行き渡らなくなるのです。
歯茎への酸素や栄養が不十分な場合、インプラントの土台である人工歯根と顎の骨の結合が阻害され、インプラントが安定しなくなります。インプラントが適切に固定されず、抜け落ちる離脱につながる可能性が高いです。
前述したとおり、喫煙によりインプラントの周辺が炎症を起こしたり、感染症を患うリスクがあります。これらが周辺の歯や歯茎に広がることがあるため、注意が必要です。
健康な歯の周りが歯周病になる、感染症が広がって重症化するなど、影響が広がる可能性も考えられます。インプラントによるトラブルは、口腔内全体に悪影響を及ぼします。
残存歯を健康に保つためにも、インプラント治療中の禁煙は必要不可欠です。
インプラント治療中は、インプラントの人工歯根と顎の骨の結合を阻害する上に、炎症を引き起こすため禁煙することが望まれます。一般的には、術前術後それぞれ2〜3週間は禁煙したほうがよいでしょう。
喫煙によるリスクはインプラント治療後も生じるため、注意が必要です。タバコを吸うと、口腔内に細菌が繁殖しやすくなります。唾液の分泌量が減り、殺菌作用が機能しないためです。
唾液が少ないと虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。同時にインプラント周囲炎のリスクも高まるため、インプラント治療から時間が経過した後も引き続き注意しなければなりません。
インプラント治療には長い時間と高額な費用がかかります。出来るだけ長持ちさせたいと考える方が多いでしょう。
長持ちさせるためには、禁煙が欠かせません。禁煙を検討している方は、まず以下のことから始めましょう。
ご自身でいきなり完全に禁煙するのは難しいです。本数を減らすことから始めて、時には医療機関の助けもかりると良いでしょう。
多くの場合、インプラント治療には保証がついています。
しかし、保証を受けるためには一定の条件を満たさなければなりません。その1つが禁煙することであり、喫煙者は保証の対象外になることが多いです。
実際、喫煙者は非喫煙者に比べてインプラントの失敗率が高いという研究結果もあります。骨とインプラントの土台が結合しづらい上に、虫歯や炎症が起こりやすいためです。
喫煙がインプラントの大きなトラブルの要因になっているため、喫煙者に対するインプラントの保証を制限している歯科医療機関も存在します。
喫煙者がインプラントの保証を受けるためには、禁煙する必要があるでしょう。また、喫煙者の方は、治療前に歯科医師と喫煙についてしっかりと話し、適切なケアを受けることも重要です。
保証を受けるための具体的な条件は歯科医院によって異なるため、事前に確認しましょう。
今回は、喫煙者でもインプラント治療が受けられるかどうかについて解説しました。インプラント治療とは、失った歯を人工的に補う治療法の1つです。
喫煙は、インプラント治療に悪影響を及ぼすため、治療を受ける場合は禁煙するのが理想です。どうしても禁煙が難しい場合は、歯科医院に相談し、リスクを十分に理解した上で治療を受けましょう。
喫煙者でもインプラント治療は受けられますが、喫煙はインプラント治療の成功率に影響を及ぼす可能性があります。
インプラント治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
歯痛の原因のほとんどは、むし歯か歯周病です。痛みがでてくるころにはかなり進行してしまっています。痛いと感じる前に、予防しましょう。
痛みを感じるころには、歯はもう損なわれているのだということをご理解ください。
むし歯は、口の中にいる細菌が、私達が食べたり飲んだりする糖分を餌にして作りだした酸によって、歯が溶けた状態のことを言います。専門用語でむし歯のことをカリエス(Caries)と言い、むし歯の進行具合を、頭文字をとってC0~C4までの5段階で表現します。
C0(シーオー)は脱灰といって歯の表面がとけはじめています。痛みは全くありません。フッ素塗布や歯みがき剤の力を借りて、再石灰化を促すという治療で改善されることがあります。
C1はエナメル質(歯の表面)に小さな穴があいた状態です。痛みはありません。再石灰化を促すことで治療できればいいのですが・・・。
C2の段階では、虫歯が象牙質まで浸食し、痛みがでてくることもあるでしょう。むし歯の部分を削って、つめものをしなくてはなりません。
C3の段階では、むし歯は神経に到達し、痛みを感じたり冷たいものが沁みたりします。神経を抜かなければならいことも多いのです。歯科医師はなるべく神経は温存したいのですが、手遅れかもしれません。
C4の段階になると、歯はもう失われているも同然です。エナメル質も象牙質もほとんど残っていない状態です。入れ歯、ブリッジ、インプラントで失われた歯を補うことを考えます。
つまり、痛みを感じるC2の段階で、歯はもう損なわれてしまっているのです。
歯周病は痛みを伴わず、自覚症状が現れた頃にはかなり進行しています。
初期のうちには、歯ぐきが赤くなったり腫れたりしますが、この段階ではほとんど痛みを感じません。さらに進行すると膿が出たり、歯がグラグラするという自覚症状が現れます。最後には歯を抜かなければならなくなるほど骨が溶けてしまいます。
それでも痛みを感じないこともあるのです。
歯周病の原因となるのは、歯に付着したプラークと呼ばれる細菌の固まりです。プラークにはびこっている細菌は、歯みがきが行き届かず残ってしまった食べかすを餌に増殖します。プラークは時間とともに増え続け、酸素を嫌う嫌気性菌が多くなります。
嫌気性菌は身体の中に侵入しようとし、身体は菌をやっつけて侵入を抑えようとします。歯肉がはれたり、赤くなったり出血したりします。歯ぐきから出血が起こるのは、白血球が歯周病菌と戦っている状態だからなんです。これが歯周病のはじまりです。
出血をそのままにしておくと、歯垢は歯周ポケットの中に潜り込み、どんどんと歯周組織を破壊していき炎症を繰り返します。
この間も、痛みがないんです!
お口の中で、静かに戦いが繰り広げられ、痛みなどの自覚症状が出てきたころには、もう勝負がついてしまっているのかもしれないんです。
その他にも、痛みを感じる原因は考えられます。
歯の表面のエナメル質が傷ついて象牙質が露出すると、外部からの刺激が伝わりやsyくなります。フッ素などでエナメル質を強化しながら、虫歯が発生・進行しないように注意が必要です。むし歯菌に侵されているわけではないので、むし歯とは違います。知覚過敏で感じる痛みは数秒程度で、持続するむし歯の痛みと異なります。
歯が破損したときにも同じ仕組みで痛みは起こります。むし歯などの歯のトラブルがすでにあり、細菌に感染すると内部に炎症が起きてズキズキと痛むようになります。
親知らずとは、前歯から数えて8番目の奥歯のことです。生えてくるのがとても遅いため、口の中に歯の生えてくるスペースがなく、傾斜したり歯肉の中に埋まったままになったりします。親知らずが原因で感じる痛みは、歯肉をつきやぶって生えてくるときの痛みだったり、プラークがたまって炎症を起こしたりしているときです。むし歯や歯周病のリスクも高く、どちらかといえば抜歯の選択をおすすめすることが多いです。
歯ではないからだのどこか他の場所に原因があって、痛みが生じることがあります。周辺の筋肉の疲労からくる痛み、神経障害を原因とする痛み、偏頭痛や心筋梗塞といった血管性のトラブルが原因となっている痛みなどがあります。鼻のまわりの空洞に炎症が起きても歯の痛みは起こりますし、精神疾患により痛みを感じるというケースもあるのです。
歯が痛いといっても、全身にかかわる病気が関係していることもありますので、注意が必要です。
急な痛みは、急に起こるわけではないとご理解いただけるでしょうか?
むし歯も歯周病も、長い年月をかけて、徐々に進行していきます。例えば、食事などでごく普通に歯にかかる圧力で、突然、歯が折れたり欠けたりすることをご経験された方もいらっしゃると思います。こういったことも、もともとその歯がむし歯などのトラブルを抱えてもろくなっていたというケースが多いんですよ。
歯の痛みは、急に起こるものではありません。原因があり、原因をとりのぞくことで予防できるものです。ご自身でできるセルフケアのコツや歯のためによい習慣をご紹介します。
ご自身で行うセルフケアは、むし歯や歯周病予防の大きな割合を占めています。歯周病の8割はセルフケアと歯科医院でのケアだけで治ると言われています。
セルフケアは、正しく行うだけでなく続けることが大切です。セルフケアの質をあげてくれるツールをご紹介します。
自分にあった歯ブラシや歯みがき剤がわからないときは、当院の歯科衛生士にご相談ください。
むし歯の原因菌は糖質を好みます。糖質を餌にして、むし歯の原因となる酸を吐き出します。 スポーツ飲料や炭水化物、糖分をよく摂取する方は、少し量を減らしてみてください。当院のおすすめ飲料は「水」です。糖質を控えることで、むし歯のリスクを抑えることができます。
食事をして酸性に傾いたお口の中は、唾液の働きによって中性にもどります。ずっとだらだらとなにか食べたり飲んだりしていると、お口の中が中性にもどるひまがなく、酸が歯の表面をとかしてむし歯の原因となってしまいます。食べるときはメリハリをつけましょう。
寝る前は口の中を糖質の含まれていない飲み物で軽く潤すことにとどめましょう。就寝の30分前には歯みがきやフロス、マウスウォッシュを使ってお口のケアを終えましょう。
初期のむし歯や歯周病は、自分ではわかりません。ぜひ定期的な医師の診療を受けてください。もしトラブルの芽となるようなところが見つかったら、早いうちに治してしまいましょう。
昭和の時代の歯科医療は「修復」が中心でした。現在では、歯科医療はむし歯を治すだけではありませんし、痛くなったらいくところでもありません。歯科医療が、昭和の時代から大きく変わったのは、なによりも「予防」に関する考え方です。歯を失うむし歯や歯周病は、予防していく時代です。
ではまず、「きれいな歯並び」を見てみましょう。
きれいな歯並びは、骨格が左右対称です。上下の前歯の真ん中が一致しています。そして上の歯に、下の歯の外側の山が咬みあっています。歯は、歯と歯の間に上の歯が収まるようにできています。ここがずれていると隙間が空いてしまうわけなんです。
「きれいな歯並び」はこのような状態のことを言います。
歯科医師が拝見すれば、歯並びはその人の個性であり、どなたでも少しはよくないと思える箇所があるものです。ただ日常生活に支障があったり、口腔内や全身の健康を損なうと考えられる場合、見た目的にコンプレックスになるような場合は、歯列矯正をしたほうがいいと考えられます。個性と、治療が必要な状態の見極めは必要です。
まっすぐに整った歯並びは大切ですが、もっと大切なのは咬み合わせです。前歯で食べ物をかみきり、奥歯でかみつぶす。おいしく食べて健康にすごすには咬み合わせが重要です。
正しい咬み合わせの歯並びとは・・・
ご紹介した画像では、3つの条件にあてはまっていますね。
まっすぐに整った歯並びは大切ですが、もっと大切なのは咬み合わせです。前歯で食べ物をかみきり、奥歯でかみつぶす。おいしく食べて健康にすごすには咬み合わせが重要です。
歯列矯正には、患者さまのお口の状態にあわせていろいろな方法があります。そのうちのひとつで、どういうふうに歯列が動いていくのか映像でシミュレーションできる画期的な機器がありますのでご紹介します。
複数のマウスピースを付け替えながら歯列を動かしていくマウスピース矯正という手法があるのですが、当院が採用しているインビザラインを使用した矯正治療において、お口の中の状況をより正確に、再現することのできる口腔内3DスキャナーがiTero Elementです。矯正治療後の状態をシミュレーションしたり、治療途中の歯の動きを確認したりすることも可能です。
動画でご覧ください。
iTero elementは、自分の歯並びや咬み合わせをモニター上で確認し、患者さまご自身がご自分のお口の状態を理解して、歯科医師の指摘や提案を検討することができるというものです。
現状のお口の状態だけではありません。iTero elementは、自動的に治療後に実現する歯並びをシミュレーションします。シュミレーターを搭載しており、スキャンした患者さまの口腔内のデータから、70~80%まで、口腔内の状態を可視化します。目標とするのは、きれいな歯並びと正しい咬み合わせなのです。
インビザラインは、取り外し可能なマウスピースを使用して歯並びを整える矯正治療です。
目立たず手軽なことから人気の治療ですが、インビザラインの治療期間が知りたい方も多いのではないでしょうか。インビザラインでは、治療期間に加えて歯並びが整った後に歯並びを固定させるための保定期間が必要です。
今回は、インビザラインの治療期間や保定期間の目安、インビザラインの治療期間を左右する要素について解説します。
インビザラインの治療期間は、1年半~3年が一般的です。
2週間に1回程度のペースで新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。1枚のマウスピースで動かせる歯の距離は最大0.25mmほどとごくわずかなため、長い治療期間が必要なのです。
動かす歯の本数が多い場合や、歯の移動距離が大きい場合、治療期間は長くなります。インビザラインの治療期間は、もともとの歯並びによって大きく変わると言えるでしょう。
矯正後は、きれいな歯並びを固定させるための保定期間が必要です。矯正が完了した直後は歯並びがまだ安定しておらず、歯にはもとの位置に戻ろうとする力が働くためです。
歯並びの後戻りを防ぐための保定期間は、一般的に矯正治療をしていた期間と同じ期間行うのが理想とされています。そのため、保定期間も1年半から3年程度必要でしょう。
インビザラインの治療期間は、以下の4つの要素によって左右されます。
それぞれ詳しく解説します。
インビザラインの治療期間は、もとの歯並びの状態によって大きく左右されます。
出っ歯や叢生(ガタガタの歯並び)の場合は、使用するマウスピースの枚数が増えるため治療期間が長くなるでしょう。歯並びの乱れが軽度な場合や、奥歯を動かす必要がなく部分矯正で対応できる場合は、1年程度で治療が完了するケースもあります。
矯正治療では、歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要なケースがあります。出っ歯で前歯を後ろに引っ込めたい場合や、顎が小さく歯が並ぶスペースが足りずに歯並びが悪くなっている場合、抜歯が必要でしょう。
抜歯でできたスペースを埋めるには歯を大きく移動させないといけないため、抜歯しない場合に比べて治療期間が長くなる傾向にあります。
歯は顎の骨に支えられているため、顎の骨の硬さによっても治療期間が左右されます。骨の密度や硬さには個人差があり、骨が硬い体質の方は歯が動きにくい傾向にあります。
同じようにインビザライン治療をしていても、歯の動きに違いがあるため治療期間に差が出る場合があるのです。
歯の移動距離が大きい場合、インビザラインとワイヤー矯正を併用するケースがあります。ワイヤー矯正で歯を大きく動かし、ある程度歯並びが整ってきた段階でインビザラインに切り替える方法です。
インビザライン治療の前にワイヤー矯正を行うため、治療期間が長くなる傾向にあります。
以下の場合、インビザラインの治療に時間がかかる可能性があります。
それぞれ詳しく解説します。
インビザラインは、1日20時間以上の装着が推奨されており、その装着時間を下回る場合は適切な効果を得られません。基本的に食事や歯磨きをする時間以外は装着する必要があるため、治療を行う前に自分のライフスタイルを確認しておきましょう。
マウスピースの装着時間を守れない日が続くと、当初の計画通りに治療が進みません。治療期間が長くなる可能性が高いです。
インビザライン治療中は、マウスピースを長時間装着するため虫歯や歯周病などのトラブルが起きやすくなります。矯正中に虫歯や歯周病になった場合は、インビザラインを中断する可能性があります。
虫歯治療の詰め物や被せ物によって歯の形が変わることがあるため、マウスピースの作り直しが必要な場合もあるでしょう。治療を中断すると歯の移動は進まず、マウスピースの作り直しには時間がかかるため、治療期間が長引く原因となります。
インビザラインは取り外しできることがメリットですが、外出先で外した際に紛失してしまうケースがあります。また、複数のマウスピースを自分で管理しなくてはいけないため、管理できずに紛失する可能性もあるでしょう。
マウスピースを紛失してしまうと、作り直しに数週間~1か月程度かかります。治療が計画通りに進まなくなるでしょう。
リファインメントとは、当初の治療計画と歯の動きにズレがある場合に、追加のマウスピースを作製することです。
治療が終わりに近づくにつれて噛み合わせのズレを治すために細かい微調整が必要になるケースが多く、インビザライン治療を受けている約8割の方がリファインメントを行っています。マウスピースが追加されるので、治療期間が長引くでしょう。
インビザライン矯正を計画どおりに終わらせるためのポイントは、以下の5つです。
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
インビザラインは、毎日20時間以上装着しなければなりません。取り外しが可能ですが、装着時間を守れないと計画通りに歯は動かないでしょう。
インビザライン矯正を計画どおりに終わらせるには、装着時間を守ることが重要です。
インビザラインは、2週間に1回程度のペースで新しいマウスピースに交換しながら歯を少しずつ動かします。交換時期を守らずに同じマウスピースを長く使い続けると、治療期間が長引きます。
また、早く歯を動かしたいからとマウスピースの交換時期を早めたり、順番を飛ばしたりすることも、計画どおりに治療が進まない原因の一つです。痛みが強く出ることもあるので、交換時期と順番は守りましょう。
インビザライン矯正の途中で虫歯や歯周病を発症した場合、治療が中断する可能性があるため、計画どおりに終わらない場合があります。
食事のあとに歯を磨かずにマウスピースを装着したり、マウスピースの洗浄を疎かにしたりしていると、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。計画どおりに治療を終わらせるためにも、日頃から丁寧な口腔ケアを心がけましょう。
インビザラインは、取り外しが可能なため紛失するリスクを伴います。外出先や自宅でインビザラインを外した際は、専用のケースで保管する習慣をつけましょう。
インビザラインは紛失すると作り直す必要があり、完成するまでに数週間から1か月ほどかかります。その間は歯の移動が進まないため、計画どおりに治療が終わらなくなるでしょう。
インビザラインを外した際の保管や取り扱いには十分注意してください。
インビザラインは、自分で新しいマウスピースに交換していくため通院頻度が低い治療です。それでも、3か月に1回程度は歯科医院を受診して、治療の進み具合をチェックする必要があります。
トラブルがないと受診を先延ばしにする方もいますが、定期的に受診することで虫歯や歯周病の早期発見につながるでしょう。インビザラインに問題があった場合にも早急に対応できるため、治療期間の延長を避けられます。
定期検診の際には歯のクリーニングも行うので、日頃のケアでは落としきれない汚れや歯石を除去できます。
また、歯並びが整ったあとも、歯並びを固定するための保定期間が数年必要です。インビザラインの治療期間は人それぞれ異なるため、詳しい治療期間が知りたい方は歯科医院で相談してみましょう。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
天然歯のような見た目で、ほかの歯と自然に馴染むインプラント。「インプラントって虫歯になるのかな?」と疑問に思ったことはありませんか?
虫歯になると痛みがでたり、治療にも時間がかかったりするため、インプラントが虫歯にならないか不安になる方もいるでしょう。
今回は、インプラントが虫歯になるのかどうかについて解説します。インプラント治療後に起こる可能性のあるトラブル、インプラントを長持ちさせるためにできることなどもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インプラントとは、虫歯や事故などで失った歯を補う治療方法の一つです。インプラント以外に歯を補う治療には、ブリッジや入れ歯などがあります。
インプラントは、ほかの治療方法に比べて審美性が高く、天然の歯と変わらない噛み心地を再現できる可能性が高いことが特徴です。
インプラントでは、外科手術を行って顎の骨に人工歯根を埋めこみます。しっかりと歯を支えることができるため、天然の歯のように噛めるようになるのです。
また、人工歯にはセラミックを使用するため、見た目の良さも兼ね備えています。
インプラントは、以下の3つのパーツで構成されています。
まずは、歯茎を切開してインプラント体を顎の骨に埋め込みます。インプラント体が歯の根っこの代わりとなって歯を支えます。
インプラント体は顎の骨に結合させる必要があるので、3〜6ヶ月ほど結合を待ちます。その後、人工歯を取り付けるための連結装置、アバットメントを取り付けます。
切開した歯茎の腫れが治まり、人工歯を製作するための型取りができる状態になった時点で、型取りをします。完成した人工歯を装着すれば、治療完了です。
インプラントは入れ歯やブリッジとは違い、外科手術を必要とする治療です。持病をお持ちの方や、骨の状態によっては治療できないこともあるでしょう。
そのため、持病を治療している病院の担当医と相談しながら、インプラント治療を進めていかなければならないケースもあります。
インプラントは虫歯になることはありません。そもそも虫歯とは、食事に含まれる糖分をエサに繁殖した虫歯菌が、酸を作り出して歯を溶かす病気です。
初期の虫歯では、天然の歯の一番外側に存在するエナメル質と呼ばれる部分が溶かされます。さらに虫歯が進行すると、エナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)や神経にまで虫歯が広がり、痛みがでるようになるでしょう。
しかし、インプラントのような人工歯にはエナメル質が存在しません。虫歯菌が作り出す酸によって人工歯が溶かされることがないため、インプラントが虫歯になることはないのです。
インプラント治療をした歯は虫歯にならないことがわかりました。
しかし、虫歯以外のトラブルは起こり得ます。インプラント治療後に起こる可能性のある虫歯以外のトラブルは、以下のとおりです。
一つひとつくわしく解説していきます。
インプラント周囲炎とは歯周病と同じ細菌感染の一種で、インプラント周囲の組織で炎症が起こる病気です。インプラント周囲炎になると歯茎が腫れる、出血するなどの症状が現れ、症状が進むとインプラントが抜け落ちることもあります。
インプラント周囲炎の主な原因はプラークです。プラークは歯垢とも呼ばれ、食べかすが歯の表面に残り続けることで細菌が繁殖し、プラーク(歯垢)となります。
磨き残しなどで口内が不衛生な状態だと、インプラント周囲炎の可能性が高まります。
インプラントは虫歯になりませんが、歯磨きを怠ったり磨き残しが多かったりすると、周囲の歯が虫歯になるリスクはあります。毎日のセルフケアがしっかりできていないことで歯を失っている場合、歯磨きの仕方や、頻度などを見直さなければならないでしょう。インプラント以外の歯も、再び失ってしまう可能性があります。
インプラントを使い続けていると、アバットメントが外れたり、人工歯が割れたりすることがあります。インプラントが外れる主な原因は、以下のとおりです。
インプラント体と人工歯の連結部品であるアバットメントの取り付けが不十分な場合は、しっかり付け直すことで解決できるでしょう。噛み合わせが悪かったり、人工歯が割れてしまったりした時は、人工歯を再製作することもあります。
また、インプラント周囲炎が重症化するとインプラントの周囲の顎の骨が溶かされます。インプラント治療を一からやり直さなければいけないケースも少なくありません。
インプラントは費用も高額で、治療期間も長い治療です。せっかく入れたインプラントが使えなくなってしまうことは避けたいと感じる方が多いでしょう。
最後に、インプラントを長持ちさせる方法をご紹介します。インプラントは入れ歯やブリッジなどの方法に比べ、使い方によっては10〜15年と長く使用できることもあります。
インプラントを長く使用するためには、以下のポイントに気をつけましょう。
詳しく解説していきます。
インプラント自体は虫歯になることはありませんが、歯磨きを怠ったり、磨き残しが多かったりするとインプラント周囲炎のリスクが高まります。予防のためには、毎日のセルフケアをしっかり行うことが重要です。
歯磨きを丁寧にすることに加え、歯間ブラシやフロスなどを使って歯と歯の間の汚れを取り除くことも大切です。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースを使うことで人工歯の破損などを予防できることがあります。
歯ぎしりや食いしばりは歯に大きなダメージを与えます。マウスピースを使用することでインプラントを長持ちさせられる可能性が高まるでしょう。
マウスピースは歯科クリニックで作成してもらえます。型取りをし、数週間程度で完成するでしょう。
インプラント治療後も、歯科クリニックで定期メンテナンスを受けることは、インプラントを長持ちさせるうえで重要です。歯科クリニックの定期メンテナンスでは、歯茎が腫れていないか、インプラントのグラつきがないか、噛み合わせの異常がないかなどを確認します。
患者様自身では、インプラント周囲炎になっていても初期の段階では気づかないことも多くあります。プロの目でチェックすることで、早い段階で処置を行うことができるでしょう。
また、定期メンテナンスでは、専用の機械を使って普段の歯磨きでは落としきれない汚れまで除去してもらえます。インプラント周囲炎や他の歯の虫歯予防の効果が期待できます。
磨き残しが多い部分や磨き方などをチェックして正しい磨き方を指導してもらえるので、普段のセルフケアに活かすこともできるでしょう。
虫歯とは、細菌が発生させる酸によって歯の表面にあるエナメル質が溶かされることです。インプラントのような人工歯にはエナメル質が存在しないため、虫歯になることはありません。
ただし、インプラント治療後には虫歯以外のトラブルが起こる可能性があります。インプラント周囲炎や、インプラントの脱落などが挙げられるでしょう。
このようなトラブルを防いでインプラントを長く使用するためには、定期メンテナンスや歯磨きをしっかり行うことが大切です。インプラントの平均寿命は10〜15年程度で、使い方によってはそれ以上使うこともできます。
正しいインプラントの使用方法を学び、快適に毎日過ごしましょう。
インプラントを検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
矯正と聞くとワイヤー矯正を思い浮かべる方は多いですが、気になるのは治療にかかる費用ではないでしょうか。ワイヤー矯正にはいくつか種類があり、矯正装置ごとに費用が異なります。また、装置だけではなく、検査や調整などにも費用がかかります。
ここでは、ワイヤー矯正の種類やプロセスごとの費用について解説します。保険適用、医療費控除についてもご紹介しているので、参考にしてください。
ワイヤー矯正とは、ブラケットと呼ばれる矯正器具とワイヤーを使用する矯正治療方法です。
ブラケットを歯の表面に接着し、そこにワイヤーを通します。ワイヤーで動かしたい方向に力を加え、徐々に歯を動かしていきます。
近年ではマウスピース矯正の人気が高まっていますが、ワイヤー矯正は対応できる症例が多いというメリットがあります。
マウスピース矯正に比べると目立ってしまいますが、裏側矯正やハーフリンガル矯正など目立ちにくい方法もあります。患者様の希望や歯の状態に合った矯正方法を選ぶことが可能です。
ワイヤー矯正には、表側矯正、裏側矯正、ハーフリンガル矯正の3種類があります。それぞれの特徴と費用について解説します。
表側矯正の費用相場は、部分矯正30~60万円、全体矯正60~130万円です。
表側矯正は、ワイヤー矯正の中でも最も歴史の長い矯正方法です。歯の表側にブラケットとワイヤーを装着し、歯並びを整えます。
歯の表側に矯正装置を固定するため、金属部分が目立ってしまうというデメリットがあります。歯の1本1本に力を加えることができ、効率よく矯正を行えることがメリットです。
他の矯正治療よりも、治療期間や費用を抑えられることも特徴でしょう。抜歯を伴う場合や、重度の叢生にも対応可能です。
裏側矯正の費用相場は、部分矯正40~70万円、全体矯正100~170万円です。歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する矯正方法です。
歯の裏側に矯正装置をつけるため、ワイヤー矯正でも目立ちにくいことが大きなメリットです。
ただし、表側矯正よりも治療に高い技術力が必要になります。そのため、表側矯正よりも費用が高くなることが多いです。
また、裏側に矯正装置があるので舌に当たりやすいです。活舌が悪くなったり、口内炎ができやすくなったりするなどのデメリットがあります。
裏側矯正はブラケット間の距離が短いため、歯に強い力が加わりやすいです。前に出ている歯を裏側から引き込みやすく、出っ歯の矯正に選択されることが多いです。
ハーフリンガル矯正の費用相場は、部分矯正30~70万円、全体矯正80~130万円です。
ハーフリンガル矯正は、表側矯正と裏側矯正を組みあわせた方法です。上の歯は裏側に、下の歯は表側に矯正装置を装着します。
表側矯正だけで矯正するよりも目立ちにくく、裏側矯正だけで矯正するよりも効率良く歯を整えられます。また、下の歯は表側矯正になるため舌に矯正装置が当たることがなく、滑舌が悪くなる心配がありません。
ワイヤー矯正では矯正装置に加え、調整や保定装置などプロセスごとにも費用が発生します。ワイヤー矯正の治療手順とともに、プロセスごとの費用を解説します。
費用相場は0~5,000円です。矯正治療を始める前に、カウンセリングで矯正に関する相談を行います。
カウンセリングで医師に歯の状態を確認してもらいます。どのような矯正治療が向いているのか、治療期間や費用見積もりなどを聞くことができます。
カウンセリングは無料の歯科医院もあれば、3,000~5,000円程度の費用がかかる場合もあります。
費用相場は3~5万円です。矯正治療を始めるには口腔内の状態を把握する必要があるため、精密検査を行います。
精密検査の内容は、レントゲンやCT撮影、口腔内や顔の写真、歯型の採取です。
費用相場は30~170万円です。精密検査後に治療計画が立てられ、虫歯や歯周病治療が必要ない場合は矯正治療を開始します。
ワイヤー矯正では、矯正方法ごとに費用相場が異なります。ワイヤー矯正では装置の素材も選ぶことができ、目立ちにくい白色や透明の装置を選ぶことも可能です。
ただし、この場合は追加で10~20万円ほどの費用がかかります。
費用相場は3,000~5,000円です。矯正期間中には、定期的に通院して装置の調整を行います。
通院頻度は月に一度ほどでしょう。歯の動きを確認し、状態に応じてワイヤーを調整します。
しっかり通院を行わなければ、計画通りに治療が進みません。治療期間が延びる恐れがあります。
調整料は通院ごとに支払う場合もありますが、初めに総額料金が提示されるトータルフィーシステムの場合は調整料が含まれている場合もあります。歯科医院ごとに料金システムが異なるため、カウンセリングの際に確認してください。
費用相場は1~6万円です。矯正治療の終了後には、矯正で整えた歯並びが後戻りしないようにリテーナーと呼ばれる保定装置をつける保定期間があります。
この期間にしっかりと保定装置をつけて対策をしなければ、矯正で整った歯並びが元に戻ってしまいます。保定装置は新たに作成されるため、矯正装置とは別に1~6万円ほどの費用がかかります。
費用相場は3,000~5,000円です。保定期間中も矯正期間中と同様に、定期的に通院して歯の状態を確認します。
保定観察料も通院ごとに支払う場合もありますが、トータルフィーシステムの場合は保定観察料も含まれることが多いです。
矯正治療は歯を整える治療になるため、ワイヤー矯正もマウスピース矯正も保険は適用されません。
自由診療の場合、料金は歯科医院ごとに自由に決められます。そのため、歯科医院ごとに治療費が異なり、費用相場にもばらつきが出ます。
ただし、何らかの機能的な問題があって矯正が必要だと歯科医師が判断した場合には、保険適用されることがあります。
年間で、税金を納める本人とその家族が支払った医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで医療費控除を受けられます。
歯科治療も医療費控除の対象になりますが、医療費控除には要件があります。健康や生活に支障をきたすような症状の治療費は医療費控除の対象になりますが、審美目的での治療費は医療控除が認められません。
つまり、咀嚼など機能的な問題があってワイヤー矯正をした場合は、医療費控除の対象になります。この場合、自分で確定申告の手続きを行う必要があります。
見た目の改善のためにワイヤー矯正をする場合は、医療費控除の対象外になります。
ワイヤー矯正は表側矯正や裏側矯正など、矯正方法の種類で費用が異なります。矯正だけならば30~170万円ほどの費用ですが、矯正期間中の通院費用や保定装置などの費用が発生することも考慮しなければなりません。
矯正費用がトータルでどれくらいの費用が必要になるかは歯科医院によっても異なります。費用についてはカウンセリングの際に聞いてみてください。
保険適用や医療費控除は機能性に問題がある場合に対象になります。ご自身が対象になるのかどうか知りたい場合は、歯科医師に確認してもらいましょう。
ワイヤー矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
乳歯のさらに奥に、新しく生えてくる永久歯は、大人になってもずっとおつきあいすることになる大事な歯です。生え変わることはありません。これを第一大臼歯といいます。
第一大臼歯は乳歯から永久歯への生え変わりの軸となる重要な歯で、永久歯の中で最も大きく、最も噛む力の大きな歯です。歯並びや咬み合せの中心ともなります。一生おつきあいしていく歯が6歳の頃に生えてくるんですね。6歳ごろに生えてくるので、6歳臼歯と呼ばれています。早い子では、4歳半ころから生え始め、6歳のお子さまの約半数が生えています。
歯は唾液の中のカルシウムなどを吸収して徐々に強くなっていきます。しかし、生えたばかりの歯の表面は未完成で弱いため虫歯の進行も早いのです。
6歳臼歯は、生えるスピードがゆっくりなので、乳歯より一段低いため、歯ブラシが届きにくいのです。また乳歯にくらべて噛み合わせの面の凹凸が大きく、磨き残してしまうことがおこりがちです。
生えてきたばかりのこの奥歯は、噛める高さになるまでは 1 年程かかります。生えたての歯は歯質が未熟なため2~4年間が最もむし歯になりやすい時期になります。
この溝の部分埋める処置(シーラント)をするとかなりの確率でむし歯を予防することができます。
新しく生えてきた大人の歯、6歳臼歯は、生えて間もない時期には石灰化が不十分で歯自体が柔らかかったり、高さがそろわず歯みがきがしにくい特徴があります。また6歳臼歯には乳歯にはない深い溝があります。ここは食べかすや菌がたまりやすく、歯ブラシが届かないとむし歯になってしまうのです。
シーラント処置は、虫歯になりやすい奥歯の溝を、接着力のあるプラスチックの樹脂で埋めてしまう方法です。シーラントの中にはフッ素が入っていて、徐々に歯の中に浸透する様な仕組みになっています。シーラントは歯を削る治療ではないため、痛みがありません。フッ素塗布と並んで、お子さまのむし歯予防に選択されることの多い方法です。
エッチングという酸処理を行います。リン酸という酸でエナメル質や象牙質をざらざらにして、歯質の表面にシーラント剤をしっかりと接着させることが目的です。
歯を削るの!? とびっくりされてしまうかもしれませんが、数時間から数日で、再石灰化により回復できる範囲の処置ですのでご安心ください。
細いノズルを使用して、シーラント剤を慎重に塗布していきます。
足りなくてもいけませんが、溝の外にあふれてしまうようでは噛んだときに咬み合わせがおかしくなるので、多すぎてもいけません。あふれてしまった場合は固まる前にしっかりふき取ります。
シーラント剤を塗布したらすぐに、光照射を行いシーラントを硬化させます。光を当てたあとは、短い針のような器具を使ってシーラントがしっかり固まっているかチェックをします。
しっかりついていなかったり、はがれてしまっていたら、再度シーラントを塗布して光を照射します。またシーラント剤が多すぎたりした場合は、ていねいに削り落として調整します。
これでシーラント処置は完了です!
言葉でご説明するとたいへんなことのようですが、むし歯の治療のように歯を削るわけではないので痛みもなく、お子さまでも負担にならない短時間で処置は完了いたします。
歯の溝が滑らかになり、歯垢や食べ物がつきにくくなり、歯磨きが容易にできるようになります。溝に食べかすなどが付着するのを防ぐことで、むし歯の発生を予防できます。むし歯の発生率を60%程度まで減少させてくれると報告されています。
またシーラントにはフッ素が含まれているため、歯の表面を強化してくれる効果もあります。
シーラントは、破損などがなければ数年は持つことが多いです。しかし、シーラントそのものは強固なわけではないので、奥歯で硬い物を噛んだ時に割れてしまうこともあります。シーラントが取れてしまった場合は放置しないで、すぐに新しいシーラント処置をさせていただきたいです。中途半端に残っていると反対に虫歯になりやすくなることがあるからです。
シーラント処置は保険の範囲内で行える予防処置です。乳歯にも適用できます。
お子さまの口腔内の状態によって、シーラントをすすめしたい場合も、必要がない場合もありますが、時期としては、歯が生えてきた頃に処置をするのをご検討ください。
乳歯が生えてくる3~4歳頃、今回ご紹介した6歳臼歯、奥歯の永久歯が生えてくる5~6歳頃、むし歯になりやすい12歳臼歯が生えてくる12歳頃を目安としてみてください。
一生つきあう永久歯が生えてきたころには、積極的な予防をおすすめします。むし歯が進行してしまうと、歯を削ることになってしまうことがほとんどです。シーラント処置で、お子さまのまだやわらかい歯をむし歯から守ることができます。
ただ注意していただきたいのは、シーラントをしたからといって虫歯にならないわけではないという点です。シーラントをしても、毎日のブラッシングは、とても重要です。お子さまの歯みがきの仕上げ磨きや、きちんと歯ブラシの毛先が奥歯まで届いているか、見てあげてくださいね。
また、定期検診を受けることを習慣としていただきたいのです。シーラントした部分の歯の表面は見えにくく、むし歯になってしまうと見た目だけでは気づかず、むし歯が進行してしまうということもあり得るのです。
シーラント治療は樹脂を流して固めているだけなので、通常の詰め物より取れやすくなっています。粘着性の高いガムやキャラメルを食べた際や、強く噛んだり、歯ぎしりでも外れてしまう事があります。その場合は、あらためてシーラント処置をすることをおすすめします。中途半端にとれてしまうと、その隙間に食べかすがつきやすくくなりむし歯の原因になってしまうかもしれませんから。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インビザラインは、透明に近いマウスピースを装着することで歯に力をかけて歯を動かす矯正方法です。
しかし、特に新しいマウスピースを使用する時、歯にフィットせず浮くと感じることがあります。なぜ、マウスピースが浮いてしまうのでしょうか。また、浮いたままで治療を続けた場合、どのような弊害があるのでしょうか。
今回は、マウスピースが浮いてしまう理由と、そのまま放置してはいけない理由を解説します。マウスピースが浮く時の対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとは、アメリカに本社があるアライン・テクノロジー社が開発した歯並びを改善する矯正治療方法です。矯正治療は大きく、固定式のワイヤー矯正と取り外しができるマウスピース矯正に分けられますが、インビザラインはマウスピース矯正にあたります。
インビザラインのマウスピースは透明に近いため、装着していても目立ちにくいです。軽く薄いため、違和感や痛みが少ない点もメリットです。
食事や歯磨きの際は取り外せるため、治療中でも口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクも低いといえます。
インビザライン治療を行う際は、まず患者さまの歯並びの型取りを行い、治療計画に従ってマウスピースを作成します。マウスピースの枚数は、お口の状態や患者さまのご希望によって異なります。
歯茎の中にある歯を支える骨(歯槽骨)と歯根は、歯根膜で覆われています。歯根膜は、歯にかかる力を吸収するクッションの役割を果たしています。
歯根膜には、一定の厚みを保とうとする性質があります。マウスピースと歯がしっかりとフィットしていると、歯が引っ張られるので歯根膜の一方が縮み、一方が伸びます。
縮んだ歯根膜は、厚みを元に戻すために顎の骨を減らそうと働きます。伸びた歯根膜は、縮むために顎の骨を作ろうと働きます。
骨の再生と吸収が繰り返されることで、次第に歯が動くのです。1枚のマウスピースで動かせる距離は約0.25mmとされており、2週間に1回程度交換して理想の歯列を目指します。
インビザラインのマウスピースは、患者さまの歯型に合わせて作製されています。そのため、本来は歯にぴったりフィットします。
しかし、以下のような理由から浮いてしまうことがあります。
マウスピースは定期的に交換する必要がありますが、新しいマウスピースを装着した直後は浮いているように感じることがあります。
歯を動かすために若干の隙間が設けられていることが原因なので、歯が移動すれば徐々に改善されます。交換後、2~3日たっても浮いている場合は、歯科医師に相談してください。
インビザラインのマウスピースは、毎日20~22時間装着しなければなりません。装着時間が短いと治療計画どおりに歯が動ないので、マウスピースがフィットしなくなってしまうケースがあります。
インビザラインのマウスピースは、弾力のある柔らかいシリコン製です。不用意に何度も着脱を繰り返すと、変形してしまいフィットしなくなる可能性があります。
インビザラインでは、矯正力を強めるためにゴムかけを行うことがあります。マウスピースの切れ込みや、歯に装着した突起物にゴムをかけて、矯正力を調整するのです。
使用するゴムの太さや長さはさまざまですが、適切でないものを使用するとマウスピースが浮いてしまうことがあります。
治療計画の想定とは異なり、歯が大きく移動したり、逆に動かなかったりする場合があります。治療計画と実際の歯の動きにズレがある場合、マウスピースが浮くことがあります。
新しいマウスピースを装着する際は浮きやすいですが、それを軽減するために用いるのがチューイ―です。マウスピースを装着した後、シリコン製で弾力のあるチューイ―を噛んで歯と密着させましょう。
マウスピースが浮いたまま治療を続けてしまうと、さまざまな弊害が起こります。
まず、歯に矯正力がかからなくなるため、治療計画どおりに歯が動かなくなります。治療期間が延長され、新たにマウスピースを作製することになり、その分費用が増えるでしょう。
また、歯が動かないだけではなく、一部分だけが動いたり、動かなかったりすることでかえって歯列が乱れてしまうことも考えられます。そうなると、再治療が必要となるでしょう。
マウスピースがぴったりと歯にフィットしていないと、縁の部分が粘膜にあたるなどして傷つくこともあります。
マウスピースが浮いている時の対処法は、以下のとおりです。
まずは、装着時間と装着方法を確認しましょう。インビザラインでは、1日20~22時間以上、マウスピースを装着しなければなりません。装着時間が短い場合、マウスピースが浮く可能性があります。
正しい方法で装着することも重要です。装着方法は歯科医院で指導してもらえるので、改めて確認すると良いでしょう。
指だけでうまくマウスピースを装着できない場合や、浮いてしまう場合は、チューイ―を噛むようにしましょう。
マウスピースの装着後、全体的に噛んでください。次に、浮いてしまう箇所に集中して噛みます。
新しいマウスピースに交換した後2~3日は、15分程度噛むようにしましょう。
新しいマウスピースに交換した結果、馴染むまでしばらく浮いてしまうことがあります。2~3日たってもフィットしない場合、新しいマウスピースを交換する段階まで歯が動いていない可能性があるでしょう。
予定している位置に歯が動くまで、1つ前のマウスピースを使用するよう指示されることがあります。自己判断でマウスピースの装着期間を延ばすとリスクがあるので、必ず歯科医師に相談してください。
マウスピースが浮いてしまう箇所は、十分に歯が移動していないかもしれません。その部分だけに強い矯正力をかけるために、ゴムかけを行うことがあります。
作成済みのマウスピースが浮いてしまい、このままでは治療を進められないと判断される場合もあるでしょう。治療計画を修正して、新たにマウスピースを作製する必要があります。
新たなマウスピースが手元に届くまで、1ヶ月ほどかかるのが一般的です。治療期間が延びることは理解しましょう。
新たなマウスピース作製のために、費用が追加でかかることもあります。
インビザライン治療では、複数のマウスピースを定期的に交換しながら装着することで歯を動かします。
マウスピースが歯にぴったりとフィットしないと、矯正力が十分にかかりません。治療計画通りに歯が移動しないだけではなく、歯列が乱れてしまうこともあり得ます。
マウスピースが浮く原因は、装着時間が短いことや、チューイ―を噛まなかったことなどがあげられます。特に、新しいマウスピースを装着した際は浮きが生じやすいので、チューイ―を噛むようにしましょう。
マウスピースが浮いてしまった際の対処法として、ゴムかけや以前のマウスピースを使用することが挙げられます。場合によっては、治療計画を修正して新たなマウスピースを作製することもあります。
治療期間が延び、費用が追加で必要になることもあるので、マウスピースが浮いてしまった際は歯科医師に相談してください。
インビザライン矯正を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
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こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
インプラント治療とは、歯を失った顎の骨に人工歯根を埋入し、人工歯を被せて口腔機能を回復する治療です。ご自身の歯のようにしっかり噛めること、見た目が自然であることなど、メリットの多い治療です。
しかし、稀に治療がうまくいかない、すぐにインプラントが破損した、抜け落ちたという例もあります。
今回は、インプラント治療で失敗しないために、失敗例や原因、成功させるための対策を解説します。インプラント治療を検討している人は、参考にしてください。
インプラント治療における主な失敗例を、原因とともに解説します。
インプラントは、歯を失った部分に人工歯根(インプラント体)を埋入して顎の骨と結合させ、人工歯を被せる治療です。そのため、骨としっかり結合しないと、インプラント体が抜け落ちます。
インプラント体の素材は、人間の身体になじみやすいチタンかチタン合金です。基本的には、骨と問題なく結合します。
しかし、以下のような要因がある場合、骨との結合が妨げられ、インプラント治療の失敗につながることがあるでしょう。
ごく稀ですが、インプラントを使っているうちに破損することがあります。破損の原因としてまず挙げられるのは、使用しているインプラント体が細い・薄いことでしょう。
インプラント体は国内外さまざまなメーカーが製作しており、形状や大きさ、素材が異なります。インプラント体が細い・薄いと、限られたスペースにも埋入しやすいというメリットがあります。
しかし、適したインプラント体を選択しないと、インプラント体の破損につながるのです。どのようなインプラント体を用いるかは歯科医師が判断するので、歯科医師の経験や知識が重要といえるでしょう。
また、インプラント体と人工歯をつなぐアバットメントが、歯ぎしりや食いしばりによって緩むことがあります。インプラント体の破損の原因になるので、アバットメントの状態も定期的に確認しなければなりません。
インプラント治療は、手術が終われば終わりではありません。インプラント体も人工歯も人工物なので虫歯になりませんが、インプラント周囲の組織に炎症が起こることがあります。
インプラントの歯周病ともよばれる、インプラント周囲炎を発症することがあるのです。
インプラント体は天然の歯根よりも細菌に弱く、一度感染すると治療が困難で急速に進行します。そのため、天然歯以上にしっかりとメンテナンスする必要があります。
インプラント治療が失敗した際の再手術の条件として、定期メンテナンスを受けていることを挙げる歯科医院も多いです。
入れ歯やブリッジと比較して目立たず、天然歯のように見えることがインプラント治療のメリットの一つです。
しかし、骨や歯肉を大幅に失っている人の場合、インプラントの人工歯が大きく露出しているため、長く見えて目立つことがあります。健康的で美しい歯を期待していた場合は、失敗したと感じるかもしれません。
インプラント治療は、患者さまにとってメリットが多く、満足度の高い治療といえます。費用が高額で手術も必要なので、失敗を防ぎたいと思う人が多いでしょう。
インプラント治療を成功させるための対策は、以下のとおりです。
インプラント治療が可能なのかを判断し、インプラント体や人工歯の選択、治療計画の作成、インプラントの埋入手術、術後のメンテナンスを行うのは歯科医師です。最後まで安心して任せられる歯科医院を選びましょう。
自由診療であるため歯科医院によって費用が異なりますが、費用だけで判断するのは推奨できません。インプラント治療の実績や知識が十分にあり、検査や手術のための設備が整っている歯科医院を選んでください。術後のメンテナンスも任せられることが重要です。
また、何かあった際にすぐに相談できる雰囲気の歯科医院であれば、安心して治療を受けられるでしょう。
日本口腔インプラント学会は、禁煙宣言をしています。喫煙によるインプラントへの悪影響は大きく、寿命を縮める大きな原因であるためです。
費用と時間をかけたインプラントを失わないために、喫煙者の人はできる限り禁煙しましょう。
インプラントだけではなく、歯ぎしりや食いしばりで大きな力がかかり続けると天然歯もダメージを受けます。特にインプラントの場合、クッションの役割を果たす歯根膜がないため、余計に大きな力がかかるでしょう。
癖である歯ぎしりや食いしばりを改善するのは困難です。そのため、歯ぎしりや食いしばりがある人がインプラント治療を受けた際は、ナイトガードを装着しましょう。
インプラント周囲炎からインプラントを守るために、食後は丁寧に歯磨きしてください。歯科医院を定期的に受診し、インプラントの状態を確認してもらうことも重要です。
定期検診の際はクリーニングも受けて、歯ブラシでは届かない部分もきれいにしてもらってください。日頃の歯磨きに関する疑問がある場合は、ブラッシング指導を受けてアドバイスをもらうとよいでしょう。
治療前のカウンセリングの際に、インプラント治療を避けるべきと判断されることがあります。
骨粗しょう症を患っている人の場合、主治医と連携しながらインプラント治療が可能かを判断する必要があります。処方されている薬によっては、顎の骨が壊死する、骨とインプラントがうまく結合しないなどのリスクが生じるからです。
糖尿病や心臓病、肝臓病、高血圧などを患っている人で、血糖値が十分にコントロールできていない場合は、インプラント治療を受けられないことがあります。手術部位が細菌に感染しやすく、傷の治りが悪くなるリスクがあるからです。
妊娠中の人の場合、体調が不安定になりやすいのでインプラント治療は避けたほうがよいでしょう。出産後か、安定期に入ってから治療を受けるよう勧められることがあります。
成長期のお子さまや、定期的な通院が難しい高齢の人も、インプラント治療は難しいでしょう。
喫煙していてもインプラント治療はできますが、長持ちさせることを考えると推奨できません。禁煙できない人は、インプラント治療は不向きといえるでしょう。
インプラント治療は外科手術を伴うため、外科手術を受けられない人はインプラント治療を受けられません。外科手術に対して強い恐怖心がある場合は、静脈内鎮静法によってリラックスした状態で手術を受けられる歯科医院もあります。
インプラント治療の成功率は90%以上といわれており、10年以上インプラントを使い続けられる人が少なくありません。事前に精密検査を行い、無理のない治療計画を立案し、経験のある歯科医師が治療にあたれば、長く使い続けられるでしょう。
しかし、費用は高額で外科手術が必要であるため、患者さま自身もどのようなリスクがあるのかを知る必要があります。対策を講じることも大切です。
特に、骨粗しょう症の人、糖尿病などの全身疾患がある人については、治療が行えるのか主治医と連携しながら判断しなければなりません。持病がある人は、歯科医師に相談してください。
また、インプラントを長く快適に使い続けるためには、治療後のメンテナンスが欠かせません。インプラントや人工歯は人工物ですが、歯ぎしりや食いしばりによる負荷や、インプラント周囲炎によって破損・脱落するリスクがあります。
毎日の歯磨きや定期検診で、インプラントやほかの歯も守りましょう。
インプラント治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。
歯の表面のエナメル質は、人体の中でも最も堅い組織ですが、それでも欠けてしまうことがあるんです。健康な歯は、食事などで堅いものを食べたからと言って折れたり欠けたりすつることはありません。折れたり、欠けたりした歯にはなにか問題が起こっていた可能性があります。
むし歯とは、むし歯の原因菌によってエナメル質や象牙質が溶かされる病気です。象牙質のほうが歯の表面のエナメル質より柔らかいため、先に溶けてしまいます。中が空洞になった歯は、もろくなり、欠けやすくなります。歯がしみていたというような前兆はありませんでしたか?
歯は酸に弱いのです。スポーツドリンクやコーラ、炭酸水といった酸を含む飲料を間をおかず飲み続けるようなことでも傷んでしまいます。酸蝕症とは、むし歯と同様に歯のエナメル質がとけてしまう症状ですが、むし歯と異なるのはそれが歯全体に起こる点なんです。エナメル質が溶けて薄くなり、象牙質がすけてみえるようになったときには、知覚過敏やむし歯のリスクが高くなり、歯そのものももろくなって欠けやすい状態になっています。
エナメル質は人体で最も硬い組織ですが、それでも強い衝撃を受けたら欠けたり折れたりしてしまいます。スポーツ中の事故なら、そのままにしておくと欠けた箇所がお口の中を傷つけることもあります。転倒やスポーツ中の事故などによって強い衝撃を受けると、歯が欠けたり破折したりすることがあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖は歯が欠ける原因になります。特に神経の治療を受けた歯は、健康な歯よりもろくなっているため、歯の根っこから割れてしまうこともあります。集中しているときなどに無意識に上下の歯が接触する癖がある場合も、歯に負担がかかっています。
残念ながら、歯が欠けたり折れたりしてしまったら、新しい歯が生えてくるということはないのです。だからといって、痛みがないからと欠けた歯や折れた歯を放置しておくのはよくありません。表面のエナメル質が損なわれ、象牙質が露出するとそこからむし歯にかかりやすくなります。象牙質は熱や振動に敏感なため、触れただけで痛みを感じるようになるでしょう。欠けた箇所を舌でさわったり押したりしないでください。雑菌がはいって、歯の神経が感染するかもしれません。できるだけ早く歯医者に行きましょう。
損傷の程度によりふさわしい治療法があります。
事故などで、健全な歯が完全に抜けてしまった場合は、道路に落ちても自分で洗ったりせずに牛乳に入れて持ってきてください。もどせるかもしれません。時間との勝負で、30分以内なら成功率が高いです。歯を乾燥させないようにしてください。歯は骨から直接生えているわけではなく、歯根膜という線維性の組織によって支えられているのですが、歯根膜の断裂などにより歯が抜け落ちるのを脱臼といいます。歯をもどせるかどうかは、抜けてからの時間が短いことと、歯根膜という膜がどれだけ残っているかどうかがポイントになります。
欠けた部分が小さければ、プラスチック製の素材で補填することができます。コンポジットレジンは、紫外線照射によって固まる素材でいろいろな症例で使用されます。カラーが豊富で、重ね合わせて使用することで自然な仕上がりに近くなるように調整できます。コンポジットレジンを使用して修復する治療法をコンポジットレジン充填と言います。保険診療の範囲内での治療が可能です。
歯に模した薄い剥片を付け爪のように装着するラミネートべニアという治療法を選択できる場合もあります。歯の表面を薄く削る必要があります。歯の表面に装着する素材はセラミック製で、シェルと呼ばれ、装着した歯が透けてみえるほど薄いものです。自然な白さを実現するために、接着剤の色や、元の歯の色を消すシェルを重ねづけするなど、繊細な調整を施していきます。自費診療で行います。
損傷がもう少し大きい場合は、修復物を作製します。詰め物や被せ物の型取りが必要です。保険診療では銀歯やプラスチック素材を使用します。自費診療の選択が可能なら、審美性や強度にすぐれたセラミック素材をおすすめします。特に目立ちやすい前歯や強い力がかかる奥歯には、セラミック素材の修復物が適しています。
残った歯を削り、土台をはめ込み、その上に人工の歯、クラウンを被せます。歯は折れてしまったが根が残せる場合に選択できる治療法です。前歯などの目に見える範囲の歯は、自然の歯の色に近い素材が多くの患者さまに選ばれます。
神経や根の損傷が著しく、抜歯しなくてはいけない場合もあります。そんな場合の選択肢のひとつとして「ブリッジ」という治療があります。失われた歯の両隣の歯を削って支台とし、支台と欠損部を連結したクラウンを橋のように渡します。違和感は少ないのですが、両隣の歯を削る必要があるため、力の関係上、両隣の歯の負担が大きくなります。また汚れがたまりやすいという面もあります。
部分義歯と総義歯があります。部分義歯は、人工床に人工の歯をとりつけ、金具で両隣の歯に固定するものです。入れ歯は保険診療で費用を抑えて作製することができる点がメリットですが、不便さもあります。自分の歯と比較すると、噛む力が20~30%ほどになるため、硬い食べ物が食べにくくなってしまいます。また、部分入れ歯では入れ歯を支えるために「クラスプ」と呼ばれる留め具を自身の歯に引っ掛けますが、これが歯ぐきや歯に相当な負担をかけてしまうのです。自由診療では、ばねのない部分義歯を作製することも可能です。
顎の骨にチタン製のねじ状の歯根を埋め込み、そのうえに人工歯を被せる治療法です。チタンは骨と結合する性質を持っており、比較的体に負担をかけません。埋め込まれた人工歯根は顎の骨にしっかり固定されるので、自分の歯のように違和感を覚えず咀嚼することができるようになります。
インプラント治療は平均して約3~6ヶ月の時間が必要です。例として二回法の治療の流れをご紹介します。インプラントを埋め込む手術の後、上顎でしたら6か月、下顎でしたら3か月程度の定着期間を置いて、歯ぐきを開き、人工歯の接合部分を取り付ける治療を行います。インプラントを埋め込んだ歯肉部分が十分治癒するまでの時間を設けるので、感染のリスクが低くなる方法です。二回法はほとんどの方に適応できる手術です。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
「ワイヤー矯正の器具が外れたらどうしたらいいの?」「放置したらどのような問題がある?」など、気になる方がいるのではないでしょうか。
ワイヤー矯正の器具が外れた際は、放置してはいけません。ワイヤーやブラケットなどは、精密に調整された力で歯を動かしており、装置が機能しないと治療の進行に支障をきたす可能性があるためです。
外れた装置を放置すると、治療期間が延長になる場合や、すでに動いた歯が元の位置に戻る場合があります。
今回は、ワイヤー矯正の器具が外れる原因や放置してはいけない理由、対処法について詳しく解説します。ワイヤー矯正を検討されている方やワイヤー矯正中の方は、ぜひ参考にしてください。
ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を専用の接着剤で貼り付け、ワイヤーを通して歯を徐々に正しい位置へ動かす歯列矯正です。従来は金属製のブラケットが使用されていたため、見た目を気にする患者さんには敬遠されることがありました。
しかし、最近では、セラミックやプラスチック製の透明なブラケットを使用することで、目立ちにくい矯正歯科治療が可能になり、見た目が気になる患者さんでも、矯正治療を受けやすくなっているのです。
透明なブラケットは、歯の自然な色に溶け込むため、日常生活において矯正装置が目立たないというメリットがあります。
ワイヤー矯正の器具が外れる原因は主に、取り扱いの不注意です。矯正装置に強い衝撃が加わるような動作は避けなければなりません。
ワイヤー矯正の器具が外れる原因を、以下に詳しく解説します。
矯正装置は、専用の接着剤で歯に装着され、完全に固定されるまでには約24時間かかるとされています。装着直後は特に注意しましょう。
時間が経過したら、すべての食べ物を食べてよいわけではありません。特に、せんべいやナッツ類、粘着性のあるガムなどは避けましょう。
装置を装着してすぐは違和感があり、自然とこれらの食品を避ける傾向にありますが、慣れてくると何でも食べたくなることがあります。慣れてきたときこそ、装置へのダメージを避けるために、食事内容に注意を払うことが重要なのです。
しかし、指や舌で装置を触る習慣があると、気付かないうちにワイヤーが曲がり、結果として装置が外れることがあるのです。
さらに、装置を継続して触っていると金属疲労を引き起こし、ワイヤーが折れやすくなります。食事中に何かが装置に挟まった場合は、歯ブラシを使用して取り除きましょう。
矯正治療を始めた当初、歯並びの凸凹(叢生)が多い場合、引っ張られる力も大きくなるため、装置が外れやすい状態になることがあります。
食事をしていないときでも装置が外れることが稀にありますが、この凸凹がある程度解消されるまでは、装置の付け直しを何度か行う必要があるでしょう。一般的に、凸凹は3か月〜半年程度で改善されることが多いため、その期間の辛抱が求められます。
電動歯ブラシの振動によって装置が外れることがあります。そのため、矯正中は通常の歯ブラシを使用しましょう。矯正治療中に電動歯ブラシを使用する場合は、歯に軽く押し当てる程度に留めてください。
また、歯間ブラシやタフトブラシを使用することで、磨き残しを軽減できます。
ワイヤー矯正の装置は、歯並びが整ったら取り外すことを想定して装着されており、強力に固定されているわけではありません。
また、外れた装置をそのまま放置すると、装置が歯や歯茎に当たって痛みを引き起こすことがあります。治療の進行にも影響を及ぼすため、装置が外れたら速やかに歯科医師に相談しましょう。
外見上は問題ないように見えても、矯正装置は非常に精密な力加減で歯を動かしています。装置が正しく機能していない場合、目指す歯並びになるまで時間がかかることがあるのです。また、すでに動き始めていた歯が元の位置に戻る可能性もあります。
矯正装置が外れたら、自己判断で放置せず、必ず歯科医師に相談しましょう。矯正治療は緻密な計画と管理が求められるもので、治療を成功させるためには装置が正しく機能していることが重要です。何か問題が発生した場合は、早急に歯科医院に連絡してください。
ワイヤー矯正の器具が外れたらどうしたらよいのでしょうか。外れた装置によって対処法は異なります。
ワイヤー矯正の器具が外れたときの対処法は、以下のとおりです。
矯正治療中のワイヤーは、無理な力が加わるとブラケットから外れることや、飛び出すことがあります。ワイヤーがブラケットから外れた場合、可能であれば元の位置に戻しましょう。
ワイヤーが戻らないときはワックスを使ってブラケットに固定してください。ワックスで固定できないときには、飛び出たワイヤーを切断して口内を傷つけないようにしましょう。
ワイヤーを切断するときは、爪切りやニッパーを使って切断してください。切断したワイヤーを誤って飲み込まないように注意しましょう。
ブラケットとメインワイヤーを結合する部分をリガチャーワイヤーといいます。リガチャーワイヤーが外れた場合、ようじや割り箸を使って、リガチャーワイヤーをブラケットの横の結び目に戻しましょう。
戻らない場合は、速やかに歯科医院を受診してください。
ブラケットは矯正治療に欠かせない器具ですが、硬いものを噛んだ際に外れることがあります。外れたブラケットが歯の上で動いてしまった場合は、歯科医師からもらったワックスを使ってワイヤーに固定し直しましょう。
特に奥歯のブラケットが外れると、ワイヤーも外れる可能性があります。ワイヤーが外れた場合は、ワイヤーの先端を折り曲げて固定してください。
しかし、ご自身でワイヤーを繰り返し折り曲げると、折れるリスクがあります。頻繁にブラケットが外れる場合は、歯科医師に相談してください。
万が一、ブラケットが完全に歯から外れたら、清掃して保管しましょう。状況によっては、外れたブラケットを再利用できる可能性があります。
矯正治療中、奥歯に装着されているバンドが外れた場合、ご自身で元の位置に戻すのは難しいです。外れたバンドをそのままにすると、矯正効果が得られなくなるだけでなく、バンドと奥歯の間に虫歯が生じるリスクも高まります。
そのため、バンドが外れた場合や取れかかっている場合は、速やかに歯科医師に相談しましょう。
パワーチェーンが外れた場合は、ハサミを用いて切れた部分を切断しましょう。パワーチェーンはゴム製のため比較的簡単に切断できますが、口内を傷つけないように注意してください。
パワーチェーンは通常、約2週間ごとに交換する器具なので、装着後2週間以上経過している場合は、外れても問題ありません。
しかし、装着から2週間以内にパワーチェーンが外れた場合は、矯正効果が低下する恐れがあるため、速やかに歯科医師に相談しましょう。
セパレーターは、歯と歯の間に差し込むゴム製の装置です。セパレーターを使用する目的は、歯と歯の間にすき間を作ることです。矯正治療が順調に進むと、歯間にすき間が生まれ、その結果、セパレーターが自然と外れることがあります。
セパレーターが外れた場合、次の診察日が4~5日以内であれば、そのまま放置しても問題ありません。
しかし、次回の診察まで10日以上の時間がある場合は、できた歯と歯の間のすき間が閉じてしまう可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
今回は、ワイヤー矯正の器具が外れる原因や放置してはいけない理由、対処法について詳しく解説しました。
ワイヤー矯正の器具が外れたら放置せず、適切に対処しなければなりません。外れた装置を放置すると、治療期間の延長や後戻りなど、望ましくない結果を招くことがあるのです。
また、日常生活においては、矯正装置に無理な力を加えないように注意し、食品選びや口腔ケアにも気を配る必要があります。ワイヤー矯正は長期にわたる治療のため、装置は慎重に取り扱いましょう。
矯正治療を検討されている方は、千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」にお気軽にご相談ください。