木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

木更津きらら歯科ブログ

23年02月14日

大人のむし歯

歯は一度むし歯になると、二度と元の歯にはもどりません。私たちは、治療した歯が再びむし歯になる「むし歯リスク」をずっと背負わなくてはならないのです。


大人のむし歯には「二次う蝕(しょく)」と「根面う蝕(しょく)」があります。「二次う蝕」はむし歯を治療したつめものやクラウンのまわりにプラークがたまり再びむし歯になってしまうことです。「根面う蝕」は歯の根元に発生するむし歯です。様々な理由から、あらわになってしまった歯の根っこの部分にプラークがたまり、むし歯を引き起こすものです。

■二次う蝕

二次カリエスとも言います。人のむし歯の80%は二次う蝕、特に40代、50代の人のむし歯は2次う蝕が大幅に増えます※。治療後のつめ物やかぶせたクラウンと歯の間の隙間は、プラークが付きやすく、むし歯が再発しやすいからです。

※歯科先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学による

■根面う蝕(しょく)

「歯の根むし歯」と言ったらイメージしていただけますでしょうか? 根面う蝕は、なんらかの理由で歯ぐきがさがり象牙質が露出したときに起こりやすくなります。象牙質は、表面の固いエナメル質より酸に弱く、表面がざらざらして汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。

歯周病にかかっていたり、加齢により歯ぐきがさがることで象牙質は露出してしまいます。間違ったブラッシングで歯根が露出する場合もあります。大人がかかりやすいむし歯というのはそういうわけなんです。

■根むし歯の原因

むし歯は、酸によって歯のエナメル質が溶かされてしまう状態からはじまります。歯を溶かす酸は、歯に付着したプラークの中でむし歯の原因菌、ミュータンス菌によって発生します。ミュータンス菌は食べ物の中に含まれる糖質(特に砂糖)を餌にして酸をつくるのです。そしてプラークをつくるのもこのミュータンス菌なのです。

■予防のポイント

プラークの除去

大人のむし歯の予防は、まずはプラークの除去です。毎日の歯磨きでプラークをしっかり取り除くことが大切。ところが磨いたつもりでも、磨き残しが意外に多いのです。定期健診で、磨けているかどうかチェックしてもらいましょう。

エナメル質の強化

歯の表面を覆うエナメル質。人体の中で一番硬い組織ですが、酸には弱いのです。むし歯菌の出す酸に負けない強い歯にするためにはフッ素塗布が有効です。定期検診の後に塗布してもらうといいですね。

痛くないから、忙しいからと言わずに、ぜひ3ヶ月に一度の定期的な検診を活用してください。大人のむし歯は、とりかえしのつかないことになります。抜歯しなければならないほど進行していたら、患者さんはショックを受けるでしょうが歯科医師もすごくショックなんですよ! ご来院をお待ちしています。


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23年02月11日

欠損治療―インプラント

失われた歯を修復する治療法としてインプラント治療があります。あごの骨に自然の骨と親和性のあるチタンの人工歯根を埋め込み、人工歯根に人工の歯を固定するというものです。


■インプラントという選択

インプラント治療では、多くの場合、隣の歯の支えを必要とせず、修復する歯を独立して治療することが可能なため、残っている健康な歯に負担をかけずに済みます。またインプラント治療は、自然の歯に近い機能や見た目の自然な美しさをとりもどすことができます。

懸案事項となるのが、外科手術が必要な点と、費用の面です。骨とインプラント体を結合させるという、他の歯科治療とは異なるアプローチの治療のため、全身の健康状態が関わってきますし、治療の時間もかかります。

インプラント治療の症例や治療法について詳しくは こちら でご紹介しています

■欠損治療の比較

それぞれの治療法について、メリット、デメリットを理解し適切な治療法を考えていきましょう。

ブリッジ

メリット
  • 両隣の歯に固定され、違和感があまりない
  • 治療が比較的短期間でできる
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、天然の歯に似た修復ができる
デメリット
  • ブリッジを支え固定するために、健康な両隣の歯を削る必要がある
  • 支えとする両隣の歯の負担が大きく、しかも削っているため、将来的に歯を失うことになるリスクがある
  • 歯肉との間の部分に食べ物カスがつまりやすく、口の中が不衛生になりやすい

入れ歯

メリット
  • 多くの歯を失った方など、ほとんどの症例に対応できる
  • バネをかける両隣の歯を削らなくてはならないが、削る部分はブリッジより少なくてすむ
  • バネをかける歯が健康なら、治療期間が短くてすむ場合が多い
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、見た目や装着感の快適さを求めることもできる
デメリット
  • 装着したときに違和感を感じやすい
  • ガタついて噛みにくい場合がある
  • バネによる隣の歯への負担が大きい
  • バネが見えてしまうことがある
  • 取り外して手入れをする必要がある
  • 食べ物が挟まって口の中が不衛生になりやすい

インプラント

メリット
  • 顎の骨に固定するので、違和感がなく堅いものでも噛むことができる
  • 隣の歯を削る必要がなく、他の歯に負担をかけない
  • 見た目を天然歯に近くすることができる
デメリット
  • 外科手術が必要
  • 手術のリスク(腫れ、痺れ、出血その他)がある
  • 骨の状態によっては付帯手術が必要になる
  • 全身の健康状態によりインプラント治療が適さない場合がある
  • 治療期間が長くかかる( 3~ 6ヶ月程度)
  • 保険の適応外なので治療費が高額

失った歯を修復するのは本当にたいへんです。それでもそのまま放置していてはよくありません。ごいっしょに、がんばって治療していきましょう! そして歯を失う原因の多くをしめる歯周病やむし歯は予防できるのです。定期的に歯科でチェックをして、歯の健康を守ってください!


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23年02月09日

欠損治療ー部分入れ歯

部分入れ歯(部分義歯)は、人工の歯にバネをつけて両隣の歯にひっかけて支えるものです。

■部分入れ歯のメリット

  • 歯を失った方の、ほとんどの症例に対応できます。
  • 保険診療の範囲で作製するなら、安価で、比較的短期間で作ることができます。
  • 手入れが簡単です。取り外せるので手入れが簡単にできます。
  • 支えとする健康な歯の削る分がブリッジより少なくてすみます。ブリッジ同様、支えとなる両隣の歯を削らなければなりませんが、バネがかかる分だけでよいので、ブリッジを装着する場合よりも削る部分は少なくてすみます。
  • 支えとする健康な歯の負担がブリッジより少ないです。また補った歯にかかる力を、両隣の歯だけではなく歯ぐきでも支えてくれるので、ブリッジよりも健康な歯にかかる負担は少なくなります。

■部分入れ歯のデメリット

まず違和感はあると思います。金属のバネが見えるのが受け入れがたい方もいます。自費診療なら金属の目立つバネを使わない、柔らかい義歯(入れ歯)もありますが、入れ歯は入れ歯と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。入れ歯の見た目や、歯を削ることに抵抗がある方にインプラント治療をおすすめします。

■保険適用範囲で作成できる入れ歯

保険で作る部分入れ歯は、

  • 歯ぐきと似た色の土台(床)
  • 人工歯
  • クラスプ(両隣の歯に固定するための針金のバネ)
で構成されます。土台の部分をプラスチック(レジン)で作製するので厚みがありお口の中に装着したときに違和感を感じる場合があります。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。


安価に短期間で作製できること、ほとんどの方の症例に対応できることが特徴です。支えとなる歯は、むし歯や歯周病の兆候があればしっかり治療することが大切です。

■自由診療で作製するノンクラスプ+シリコーンの入れ歯


クラスプというのは針金、金属製のバネのことです。ノンクラスプの入れ歯は、金属のバネを使いません。金属のバネを使用しないので、入れ歯のようには見えにくいです。ソフトな感触で安定しており、お口の中に装着したときに痛くなくよく噛むことができます。 シリコーンのバネをつかった部分入れ歯は、自由診療となります。

■自由診療で作製するインプラントで支える部分入れ歯

*ロケーターで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントにロケーターというパーツで入れ歯を固定します。インプラント側のロケーターは凸凹でいえば凸側、入れ歯側には凸凹の凹側のキャップを装着します。ロケーターアバットメントと入れ歯側のキャップがパチッとはまり、入れ歯はしっかりと固定されます。

*マグネットで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントに、磁石にくっつく性質を持つ持つ金属を組み込みます。入れ歯側には磁石を装着します。インプラントと入れ歯は、磁石の作用で磁石の作用でくっつく様にします。インプラント体そのものには、磁石にくっつく性質はありません。歯ぐきがやせてきてもはずれにくく、お身体に不自由がある方でも扱いやすいのが特徴です。

お口の中の感覚は、髪の毛一本はいっただけでもわずらわしく感じるほど繊細です。人工的な義歯(入れ歯)を装着するのは、違和感があり抵抗をお感じの方もいらっしゃるかもしれません。木更津きらら歯科では、患者さまのお口にあった入れ歯でお口の機能をとりもどすお手伝いをいたします。


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23年02月06日

欠損治療ーブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って支台とし、橋のように渡す形で人工的な歯を被せる治療法です。外科手術が不要な、比較的シンプルな治療法です。


■ブリッジ治療のメリット

*自分の歯と同じように噛むことができる

失った歯が1本や2本で、両サイドに健康な歯が残っていたら、その健康な歯を削り被せものをして人工歯を支える支柱とします。失われた歯の部分は人工歯で補われ、両隣の歯にしっかりと固定されます。ガタついたりすることが少なく、自分の歯があったときと同じように違和感なく噛むことが可能です。

※インレーブリッジ
前歯、犬歯より後ろの歯でブリッジをしたい場合、失った歯の両隣に被せものをして支台とするのでなく、インレー(一般的に“詰め物”といったりします)を支台とすることがあります。歯を削る部分が少なくてすむメリットがある反面、接着面が小さくなるため離脱のリスクがやや高くなるというデメリットがあります。治療を必要とする場所やお口の中の状態により最適な治療法を選択します。

*自分の歯のように自然な見た目を再現できる

歯ぐきが健康であれば、見た目的にも自分の元の歯に近い自然な歯並びに修復することができます。

*保険の適用範囲内の治療が可能

ブリッジ治療には保険が適用されます。費用を抑えて必要な処置を受けることができます保険診療の治療は、奥歯には銀歯を、前歯には銀歯の前側にだけプラスチックを貼り付けた前装冠を使用します。自費診療であれば、セラミックやジルコニア素材を選択することもできます。

■ブリッジ治療のデメリット

*健康な歯を削る必要がある

ブリッジ治療のデメリットは、両隣の健康な歯を削らなければならない点です。歯は一度削ってしまうと元にはもどりません。歯の寿命を短くしてしまうリスクもあります。

*両隣の歯に負担がかかる

ブリッジは2本の歯で3本分の歯にかかる力を支えることになります。負担のかかった歯が根の方で折れてしまうと抜歯するしかなくなります。そうなるとまた1本歯がなくなって・・・ と負の連鎖となってしまうリスクがあります。

*むし歯や歯周病の原因となる場合がある

ブリッジは、健康な歯にクラウンを被せるような形になるため、若干の隙間ができます。そこに食べかすなどがたまりやすいのです。お口の中の清潔が保てないと、むし歯や歯周病の原因となる可能性があります。

*隣接する歯の状態による

支台となる隣の歯の状態により、ブリッジという選択ができない場合があります。

■審美性を求める場合

自費診療では、強度があり審美的に美しい素材を選ぶことができます。ジルコニアとセラミックの2種類があります。奥歯には強度のあるフルジルコニアクラウン、前歯にはオールセラミックス(ガラス系、ジルコニア系)が適しています。

失った歯を補うために、ブリッジ、入れ歯、インプラントといった治療法があります。隣接する歯、歯ぐきの状態、残された歯にかかる負担や、審美性、費用などを考慮してふさわしい治療法をご提案いたします。欠損した部分をそのままにしていると、噛み合わせや歯並び、長い間には発声や全身の健康に影響をおよぼします。ごいっしょに適切な治療法を検討しましょう。


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23年01月24日

むし歯になりやすい人、なりにくい人

むし歯になりやすい人、なりにくい人というのは、歯並びや唾液の性質により本当にいます。一生懸命歯みがきをしても体質的にむし歯になりやすい人がいる一方、生活習慣がむし歯のリスクを高めている場合もあります(ちなみに歯周病は全員かかります!)。


■体質的にむし歯になりやすい人

*歯並び

歯並びが整っていないと、歯ブラシが届かず、磨き残しができてしまいむし歯になりやすいということはあります。

【対策】

歯列矯正で歯並びを整えることはむし歯のリスクを減らすことにもつながります。歯列矯正は、見た目や食生活を改善するだけでなく、歯の健康を守ることでもあるのです。

*歯の性質

歯ができる過程で、表面の固いエナメル質が弱い歯を形成されてしまうことがあります。これが「歯の質が弱い」という状態です。子供の乳歯も歯の質は決して強くはありません。

【対策】

歯みがき剤にフッ素入りのものを使ったり、定期検診の際にフッ素塗布をすることをおすすめします。フッ素には、溶かされた歯の修復を促したり、歯そのものを溶かされにくい強いものにかえる働きがあります。お子さんがフッ素入り歯みがきを使う場合は、年齢により種類や使える量が変わってきますので、歯科医師にご相談ください。

*唾液が少ない

唾液には酸性に傾いたお口の中を中性にもどそうとしたり、カルシウムやリンの溶け出した歯の表面のエナメル質を修復したり、抗菌作用もあります。唾液の量が少ない人はむし歯になりやすいと言えます。

【対策】

よく噛んで食べることが唾液の分泌を促します。また口呼吸ではなく鼻呼吸を心掛けましょう。口呼吸はお口の中が乾いてしまい、唾液の働きが弱くなってしまいます。適度に水分をとることも大切です。そして緊張をほどいてリラックスしていただけたらなと思います。

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■むし歯のリスクの高い生活習慣の人

*食事・間食の回数が多い

歯の表面は「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しています。「脱灰」は、食事で口腔内が酸性に傾き、歯のエナメル質のカルシウムやリンが溶け出す状態のことです。「再石灰化」は、唾液の働きによって、口腔内が戻り溶けた歯の表面がもとにもどることです。食事や間食の多い方は、口腔内が中性にもどるひまがないので、むし歯になりやすいのです。

【対策】

食事と食事の間の時間をあけましょう。食事の後に歯をみがきましょう。

*よく飲む飲料

ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンクは糖分が多く含まれており、酸っぱいものを好む方はお口の中が常に酸性に傾いています。そのため、歯の表面が溶け出しやすく、また修復されにくいため、むし歯になりやすい状態が続いてしまうのです。

【対策】

水分補給に歯科医がおすすめする飲み物は、「水」です。適度に水分を補給することは唾液の分泌を促すことにもつながります。

*歯みがきの習慣が間違っている

歯みがきはプラークのもととなる食べかすを掃除し、お口の中を中性にもどす役割を果たしています。歯ブラシが届かない箇所をそのままにしたり、寝る前の歯みがきを怠ったりするとむし歯になりやすくなります。特に就寝中は唾液の分泌が少なくなり、むし歯の原因菌や歯周病菌の活動が活発になるため、寝る前に歯をみがかないことがたびたびあると、むし歯になりやすくなるのです。

【対策】

歯ブラシの届かない場所には、歯間ブラシやデンタルフロスを使ってみましょう。仕上げに口内洗浄液でうがいをすることも有効です。就寝前の歯みがきは丁寧に。歯科定期検診で、歯科衛生士が正しい歯みがき方法をお教えします。

むし歯になりやすい気がする、むし歯になりやすい習慣があるようだ、と心当たりがある方はぜひ気をつけてみてください。そして「歯周病」は間違いなく全員がかかります。ぜひ歯科定期検診を活用して、お口と歯の健康を守ってください!


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23年01月21日

インフルエンザ予防と歯周病菌


インフルエンザの予防には歯みがきが効果的です。千葉県では、2022年12月28日に、国が目安としている数値を上回ったとしてインフルエンザの流行シーズン入りを発表しました。かかってしまう前に、予防しましょう。





インフルエンザは、子供から高齢者まで幅広い世代で発症し、またたくまに拡散するほど感染力が強いのです。普通の風邪に比べて、突然の高熱、頭痛、関節痛などの全身症状が強く、気管支炎や肺炎などを合併し重症化することがあります。体力のないご高齢者や小さなお子さんには、特に注意が必要です。

■歯みがきでインフルエンザ予防

かかってしまう前にまず予防。皆さんはどんな方法でインフルエンザの予防をしていますか?

  • うがい
  • 緑茶を飲む
  • 加湿
  • 手洗い
  • マスク

そして・・・

  • 歯みがき

効果的なインフルエンザの予防法があります。うがいも大事ですが歯みがきはもっと大事なんです。お口が汚いとインフルエンザにかかりやすいのです。動画では大阪大学大学院歯学研究科の天野敦雄先生がお話してくださっています。

■キーワードは「ウイルス」

なぜ歯みがきとインフルエンザ感染が関係あるのでしょうか? キーワードは「ウイルス」です。

一般的に風邪は細菌かウイルスのどちらかが原因で発症します。細菌とウイルスでは、感染のメカニズムが大きく違うのです。

細菌感染の場合は粘膜に付着するだけで炎症を起こし喉が痛くなったり熱が出たりします。一方ウイルス感染は粘膜に付着しただけでは発症しません。細胞の中へ入り込むことで発症するんです。

■細胞の中にウイルスがはいりこむ

ウイルスが細胞の中にはりこむときに、重要な役目をしている酵素があるのです。インフルエンザウイルスの表面には鍵とハサミのような働きをする2種類の酵素があります。

  1. インフルエンザウイルスが喉などの粘膜にくっつく。
  2. ひとつの酵素が鍵を差し込んで細胞膜をこじあける。
  3. 細胞の中でウイルスが大増殖する。
  4. もうひとつの酵素がハサミをもって隣の細胞へウイルスを放出。

こうして感染が拡大していきます。

■口腔細菌界の魔王、「歯周病菌」

そしてなんとこの酵素を活発にする細菌があるんです。特に気をつけなければいけないのが歯周病菌です。細菌の中でも最強なのが口腔細菌界の魔王、「歯周病菌」。

歯周病菌がウイルスの酵素を活発化させるんです。歯周病菌に感染していると、インフルエンザウイルスの酵素の活動が活発になり、ウイルスが細胞の中に入りやすくなって、インフルエンザが発症してしまいます。

プラークに住み着く歯周病菌は抗生物質などの薬で撃退したり除去することはできません。人間の体の免疫細胞でも撃退できないのですね。だから歯周病菌はプラークごと歯磨きで除去するしかないんです。

■口腔ケアをしていたご高齢者、していなかったご高齢者

介護施設で歯科衛生士から口腔健康管理を受けていた場合、ご高齢者のインフルエンザの発症率は大幅に減少していたという報告があります。特に寝たきりの方肺炎を防ぐためにも、口腔内を清潔に保つことが大切なんです。

ぜひ、ふだんのお口のケアを見直してみてください。日頃からお口の中を綺麗にしていくことが一番大事です。歯科クリニックでの定期検診や、歯みがき指導も活用してください。

コロナウイルスの感染経路はインフルエンザと同じと言われています。新型コロナウイルスの感染症法上における位置付けの見直しが検討されている折でもあります。私たちもあらためて、感染症対策をしっかり行っていきましょう。


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23年01月19日

木更津市の1歳6か月児健康診査

1月18日(水)は、木更津市の1歳6か月児健康診査が木更津市役所朝日庁舎で行われ、木更津きらら歯科からも医師がうかがいました。歯科健診では、お子さまの生えてきている歯の数やむし歯の有無などをチェックします。


■1歳半頃の咀嚼機能

この頃のお子さまは、一人で歩けるようになり、ことばが出始めるなど心身ともに大きく成長します。食に関しても、離乳食から幼児食にうつっていきます。でもまだまだ、大人と同じ食事を、というわけにはいかないですね。

■離乳の完了~幼児期前半の歯食べ期

1歳~3歳頃は、乳臼歯が生えてくる時期です。本格的に噛んで食べることができるようになりますが、噛む力はまだ発達途上。硬めのものを嚙み切ったり噛み砕いたりすることができない子どもも多いのです。

本格的に噛んで食べることができるようになるのは、乳歯の奥歯(乳臼歯)の生えるころです。この時期には、食べ物の感触や噛み具合、飲み込み具合、堅さの感覚をたくさん体験することで、ふさわしい食べ方を身に着けていきます。

離乳食は少し弾力があって簡単にかみ切れるのが基本です。堅すぎると、味が嫌いなわけではないのに、食べられないということになってしまい、好き嫌いにつながってしまうこともあります。

十分に噛むことができるようになるのは、第2乳臼歯が生えそろい乳歯列が完成する、2、3歳ころ。それまでは左右1対の乳臼歯しかありませんので、充分にかむことはできないのです。


■咀嚼機能の発達を促す

歯の生えてくる段階によって、食べ方も変わってきます。この時期のお子さまは様々な体験を吸収していきます。いろいろな食材を体験させてあげたいところです。

*咀嚼機能発達の支援

  • 上下の前歯が生えてきたら、前歯を使って噛み取らせてみる
  • 上下の奥歯が生えてきたら、硬い・繊維に富んだ食物を食べさせ始める
  • 早食い・過食にならないように、ゆっくり噛んで、満足感が得られるような食べさせ方をする

*食べ方の支援

  • 手づかみ食べで、いろいろな色や形、温度、かたさ、味、におい、食感の食材を体験させる
  • スプーン・フォークを使い始めてみよう
  • 唇を閉じたままの咀嚼を促そう

1歳半くらいのお子さまは、成長・発達が著しくいろんなことができるようになります。健診は、お子さんの心身の健康状態や成長・発達を確認する大切な機会です。1歳半健診では、小児科・歯科医師がお子さまの健康状態を診察し、保健師・栄養士・歯科衛生士がお子さの成長に関するご相談に応じます。ぜひ受診してください。


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23年01月15日

欠損治療

本来あるはずの歯が、むし歯や歯周病、ケガなどによって失われた状態のことを「歯が欠損している」といいます。失われた歯を放置していてはいけません。ただ食べるときに不便なだけではなく、コミュニケーションや脳の健康にまでよくない影響が出てしまうのです。


■欠損治療が必要なわけ

  1. 歯並びが悪くなる

    1本の歯がなくなると、残っているとなりの歯は、空いたスペースに傾いてきます。上下でも同じです。なくなった歯の反対側の歯は、対合する歯の刺激がなくなり伸びてきてしまいます。そのような状態が長期間続くと、歯列全体がおかしくなってきます。

  2. 噛み合わせが悪くことによる弊害

    歯並びが悪くなると、噛み合わせがおかしくなり、別の歯や顎の関節、筋肉に負担がかかります。噛み合わせが悪くなると・・・

    • 食物をしっかり噛むことができなくなり、咀嚼の機能が落ちてきます。
    • 咀嚼機能が落ちると口腔内の健康を守ってくれる唾液の分泌が減り、お口の中の状態はさらに悪くなるという悪循環に。
    • お口の周りの筋肉の動きから脳へ伝わる刺激が減り、認知症のリスクが高まる報告がされています。

    •  
  3. コミュニケーションの問題

    前歯が欠損した場合、発音に大きな影響があり話す言葉が聞き取りづらいものになってしまう場合があります。また顔の皮膚を内側から支えている歯が失われると、お顔のたるみやしわにもつながります。歯がないことで自信を無くしてしまい、積極的にコミュニケーションをとる気持ちが減ってしまうかもしれません。

歯は食べることにもコミュニケーションにも脳の機能にさえ関係してくるのです。お口の状態にふさわしい治療をしていきましょう。

■欠損治療の種類

歯を失った場合、人工歯を装着して失われた歯を補う治療を行います。患者さまのお口の状態により、メリットが多くデメリットの少ないものを選択しご提案します。

*ブリッジ治療

両となりの歯を支えとして、橋のようにクラウンを渡す手法です。とりはずさなくてもよいので、義歯という違和感はあまり感じません。それでも、両隣の歯を支台とするために少し削る必要があり、また支えとなる歯に負担がかかります。歯を失った箇所の両隣の歯を削って支台とし、連結した支台と欠損部を連結した形でのクラウンを橋のように渡す形で被せます。失った歯が1~数本の場合、ブリッジ治療がデメリットがありながらもメリットを感じられる選択になります。

*義歯(入れ歯)

入れ歯は、残っている歯をけずることなく、人口の歯をお口の中にとりつけるという治療法です。外科手術の必要がなく、修理が可能で、ほとんどの方のお口の状態にあわせて作製することができます。しかし違和感やお手入れに慣れていただく必要があります。部分義歯(部分入れ歯)と総義歯(総入れ歯)があります。

*インプラント義歯(自由診療)

失われた歯の根のかわりに人工の歯根を埋め込み、人工の歯を被せる治療法です。自分の歯のような感覚をとりもどせると同時に、見た目的に自然な歯の美しさがあり、自分の歯を削る必要もありません。ただ外科手術が必要ですので、患者さまのおからだの状態によっては施術できない場合があります。日本では自由診療の治療となりますので費用がかさんでしまう点もあります。

インプラントについて詳しくはこちら

歯科治療の知見や素材は近年のうちにめざましく発展しています。ご自身やご家族のお口の状態に不安がありましたら、ぜひご相談ください。新しい技術や素材について知り、いきいきとした暮らしのためによりより治療法を選択していきましょう。


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23年01月13日

総入れ歯(総義歯)

総入れ歯は、歯ぐきで支える義床に人工歯をとりつけるもので、人口の歯ぐきがご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付き、失った歯の代わりとなって働いてくれます。入れ歯にはいろいろな種類があります。


■金属床義歯

歯ぐきに触れる部分が金属で作られている入れ歯です。コバルトやチタンといった、強度のある、体に優しい素材を使います。金属床の部分はごく薄く、違和感が少なく安定してよく噛むことができます。入れ歯を薄くすることができるため違和感も少なく、発生も自然なものになります。食べ物の温度がよく伝わり、温かい食事を温かく、冷たい食事をひんやりと楽しめます。

自費診療による入れ歯です。

*メリット
  • 安定して噛みやすい
  • 発声がしやすい
  • 食べ物の温度が伝わるため、食事をおいしく感じる
*デメリット
  • 保険適用外のため費用がかかる

■ノンクラスプ・デンチャー/ノンクラスプ+シリコーン

クラスプは、入れ歯を安定させるために、針金のような留め具で残っている歯にひっかける留め具です。この金属の留め具を使わずに入れ歯を安定させることもできます

歯ぐきにふれる部分を弾力性のある特殊素材で作り、目立たないばねで固定します。金属を使用しないので、笑ったときにも目立ちません。装着感が優しく、快適に使用していただけます。金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。ただ、修理がむずかしく、適する症例が限られる面があります。汚れがつきやすいので、お手入れも大切です。

シリコーンを使用することにより、より安定してよく噛めると感じられる入れ歯もあります。

※自由診療による部分入れ歯です。

*メリット
  • 歯と歯ぐきで支えてくれるため、歯にかかる負担が少ない
  • 装着感が優しく快適
  • 金具がないので審美的
*デメリット
  • 修理がむずかしい
  • 保険適用外のため費用がかかる

プラスチックとシリコーンで作るコンフォートデンチャー、ばねのかわりに磁石で固定するマグネットデンチャーも、違和感が少なく、ソフトな装着感でよく噛むことのできる入れ歯です。どちらも自由診療での製作となります。

■レジン床義歯

歯ぐきに触れる部分がレジン(プラスチック)で作られた保険適用の入れ歯です。食べ物の熱さや冷たさに対する熱伝導が悪く、強度を保つために厚く大きめに作らなければならないので、違和感がある、しゃべりにくい、という難点があります

しかし、保険適用なので安価、ほとんどの症例で使用できて修理しやすい、といったメリットがあります。

強化プラスチックを使う場合もあります。従来の保険適用内の入れ歯で使用するプラスチックより汚れにくく強度があります。ただ、アルコールや熱に弱い面があります。

※保険適用による入れ歯です。

*メリット
  • 大きくて厚い入れ歯になる
  • 違和感を感じやすい
  • 発声がしにくい
  • 食べ物の温度が伝わりにくい

いかがでしょうか。精巧な入れ歯はおからだの一部となり、食生活やコミュニケーションを助けます。お口の状態やご予算に応じて、ふさわしい入れ歯をご提案します。おいしく食べることをあきらめてはいけません!


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23年01月06日

「入れ歯」の今昔

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします! 今年の大河ドラマは徳川家康が主人公ですね。徳川家康といえば、歯科医的には「入れ歯」です。


■江戸時代の入れ歯

徳川家康が入れ歯を使っていたことはよく知られています。江戸時代の入れ歯は木製で、ツゲの木を使っていたそうです。ツゲの木には抗菌作用があり、固さもある程度あって加工しやすかったようです。

製作手順は、基本的にはなんと現代とかわりません。蜜蝋を主成分とした素材で型どりをし、木製の入れ歯をおおまかに作り、強くあたるところをマーキングして調整していたそうです。奥歯にはくぎを打って強度を増し、前歯は審美性を考え人や動物の歯を使っていたのだとか。

現代の歯科技工士に相当する仕事をしていたのは、仏師(仏様を彫る彫刻師)でした。現代と同じように、優れた技工士が最先端の知見をもって制作にあたっていたのです。

■現代の入れ歯

時代はかわって現代です。現代の入れ歯は、プラスチック製や薄い金属、磁石や特殊な弾力性のある素材を組み合わせて作られます。

入れ歯は歯の部分(人工歯)と、歯ぐきの部分(床)からできています。入れ歯には部分入れ歯(部分義歯)と、総入れ歯(総義歯)があります。保険診療の範囲で選択可能な素材と、自費診療で選択できる素材があります。

*総入れ歯(総義歯)

すべての歯を失ってしまった場合に使う入れ歯です。顎の内側を覆うような、大きな入れ歯で、歯ぐきで支える義床に、人工歯をとりつけます。人工の歯ぐきが、ご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付くことで入れ歯が固定されます。患者さまのご要望にに応じて、入れ歯の素材を選ぶことができます。

*部分入れ歯(部分義歯)

部分義歯は、失われた歯を補うものです。歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯を製作し、残っている歯に金具を引っ掛けて固定する仕組みです。残っている歯の部位や本数により、ふさわしいタイプの入れ歯をご提案します。

人工床に人工歯をとりつけた歯を、金具で両隣の歯に固定します。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。

現代の入れ歯は、機能的にも審美的にも進化を続け、歯を失った方の食べるという行為をサポートし、患者さまの健康に大きく寄与しています。


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22年12月30日

なぜお正月にお餅を食べるのか

木更津きらら歯科は、お正月も休まず年中無休で診療しています。お困りのことがありましたらご連絡ください。

★木更津きらら歯科
千葉県木更津市築地1-4 イオンモール木更津2階
TEL:0438-37-6487(みなむしばなし)
12月30日〜1月3日までの5日間
9:00-17:00


■お正月休み中に、詰め物がとれてしまったら・・・

さて、お正月といえばお餅です。なぜお正月にお餅を食べるのでしょうか? と言いますのも、お正月休み中に、つめものがお餅にくっついて取れてしまう方が時折いらっしゃるのです。お正月早々、あせりますよね。もしお正月休み中に、つめものがとれてしまったら、次のことに注意してお過ごしください。そして放置せずなるべく早く歯科医を受診してください。

*硬い食べ物を避けましょう

不便ですが、できるだけ詰め物が取れた歯を使わないで食事をしてください。他の歯に負担がかかり、他の歯も欠けたり割れたりすることになってはいけません。なるべく軟らかいものを食べるようにしましょう。

*熱いもの、冷たいものを避けましょう

熱いものや冷たいものは、しみることがあります。

*自分でくっつけようとしない

無理におしこんだり、接着剤でくっつけようとしないでください。歯や歯ぐきを傷めたり炎症の原因になりかねません。

*詰め物は捨てないで

詰め物はとっておいて、受診時にお持ちください。再度装着できるかもしれません。

*放置しないでください

詰め物がとれてしまったところを放置していると、熱いものや冷たいものといった刺激で痛みを感じたり、神経や周辺の組織を傷めたりします。放っておかず、すぐ歯科医を受診してください。

■なぜお正月にお餅を食べるのか

お正月にお餅を食べる風習が、いつからはじまったのかは、さかのぼるとあまりよくわかっていないそうです。

ただ平安時代には、正月に、1年の健康を祈って堅いものを食べる儀式「歯固めの儀」があったと伝えられています。鏡餅、栗、かや、大根、串柿、かぶ、するめ、昆布などを食べたそうです。堅いものを食べることができる歯が、健康につながると、平安時代の人も経験的に知っていたのかもしれません。

■「歯」の夢は転機を表す

お正月早々、歯でお悩みになることになってしまった方、2023年はよい年になりそうですよ。初夢占いでは、「歯」の夢は転機を表すのだとか。詰め物がとれてしまうのはそれまでのやり方があわなくなってきたことを意味するのだそうです。きちんと治療して、新しい年を始めましょうね。

皆さま、2023年は、定期検診に通い、悪いところはきちんと治療し、歯みがきで普段のケアをしっかりと、歯周病を予防して、よい年にいたしましょう。本年中はお世話になりました。 来年もどうぞよろしくお願いいたします。


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22年12月29日

寝落ち危険

歯みがきしないで寝落ちするなんてありえません! 年末年始、ご自宅で楽しくお酒を飲んで、いつのまにかこたつで寝落ち・・・ 風邪をひきますよ・・・ そればかりではなく、口腔衛生的にも寝落ちはたいへん危険なんです。


■寝る前の歯みがきの重要性

就寝中は唾液の分泌が減るのです。

唾液にはさまざまな働きがあります。抗菌作用があり、うるおいを保つことによって乾燥による細菌感染からお口の中を守ってくれます。酸性に傾いたお口の中のphバランスを中性にもどし、歯のエナメル質の再石灰化を促し、むし歯のリスクを軽減します。

ところが、眠っている間はこの唾液の分泌が減少するのです。お口の中を健康に保つ、唾液の助けを得ることができなくなります。夜寝る前の歯みがきを怠ると、むし歯や歯周病が発症しやすく、進行も一気に早くなるのです。

■歯みがきをしなかった翌朝

口の中の細菌は食後3時間後から急激に増え、約8時間後には最も多くなると言われています。歯みがきしないで寝落ちしてしまった夜、お口の中は細菌の運動会のような状態です。

朝起きたら口臭がして、お口の中がねばねばしているかもしれません。そのまま水を飲んだり食事をしてしまうと口腔内の細菌がそのまま体内に流れ込み、からだの不調の原因ともなります。肌荒れや、便秘、口内炎や風邪につながってしまう場合もあります。もし歯みがきをしないで寝てしまったら、朝起きたときに、まず歯みがきをしてください。

■寝る前の歯みがきは丁寧に

就寝前の歯みがきは、1日の中で1番丁寧にみがくきましょう。歯間ブラシやフロスを使って、しっかりプラークをとりのぞきましょう。虫歯や歯周病、口臭の原因となる細菌の繁殖を抑制する洗口剤を使用することもいいですね。当院では、薬用マウスウォッシュ「コンクールF」をおすすめしています。

■歯みがきで感染症対策

歯科医療の立場からは、口腔ケアがウイルス感染予防に役立つと考えられているんです。インフルエンザのように、ウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜にふれることが感染経路となるウイルスの場合、口腔ケアが感染予防になることがわかっています。手を洗うのと同じように、歯みがきの大切さも意識してみてください。

■TOOTH & PEACE

当院開発の歯みがき剤”TOOTH&PEACE”もぜひどうぞ。CBD(カンナビジオール)オイルを配合しています。リラックスやリフレッシュ、眠りの質をよいものにしてくれる効果が期待される成分です。院内で販売している他、オンラインでもお取り扱いしております。

歯科医がこだわりぬいた歯みがき TOOTH & PEACE


お正月は、おいしいおせち料理やお酒を楽しみ、ゆっくりできるといいですね。歯みがきも忘れずにお願いいたします。


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22年12月28日

Instagramと歯周病

30代の後半くらいから、歯周ポケットが4mm以上の歯のある人がめだってきます。30代の8割もの人が、歯科クリニックでの定期検診や治療を「早くやっとけば良かった…!!」と後悔しているんです。ぜひクイズでご自身を振り返ってみてください。

日本歯科医師会制作「歯の学校」No.75 よりご紹介いたします。

■30代でInstagramをやっている人と、30代で歯周病にかかっている人、どちらが多いと思いますか?



はい、歯周病にかかっている方のほうがずっと多いんです。

30代の実に56%の方がInstagramを利用しているというSNS時代なのですが、歯周病にかかっている30代はなんと約70%!

歯周病は、歯と歯ぐきの境目の歯周組織に炎症が起こる細菌感染症です。歯と歯ぐきの境目の、がんこな歯垢(プラーク)が原因です。進行すると、やがて歯が抜けてしまうこともあります。

■ではその”プラーク”とは? 歯と歯の境目にこびりついた食べかすのことでしょうか、それとも細菌を指すのでしょうか?



歯垢(プラーク)は、ねばねばした細菌のかたまりです。細菌にとって快適な環境のため、歯周病菌もどんどん増殖してしまいます。プラークが唾液の中のカルシウムやリンと結びつくと、石灰化し堅い歯石となります。歯石の上にはまたプラークがつきやすくなります。口腔内の健康を保つためには、歯と歯ぐきのすき間のプラークを、歯石となる前にきちんととりのぞくことが大切です。

■大切な歯が失われる原因は? 虫歯でしょうか、歯周病でしょうか。



日本人が歯を失う原因で最も多いのは、「歯周病」です。歯周病とは、歯と歯ぐきの周りにこびりついた細菌の塊が、歯の周りの組織を破壊していきます。炎症の範囲が歯ぐきだけなら「歯肉炎」、炎症が歯根膜や歯槽骨まで及ぶと「歯周炎」となります。重症化すると歯槽膿漏とも言われ、歯を失うことにまで進行してしまうんです。

歯周病は、自覚症状がなく静かに進行していきます。ぜひ歯科の定期検診を活用し、お口の中の健康に関心をもってください。


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22年12月27日

知覚過敏

むし歯でもないのに痛みを感じる知覚過敏、ほおっておいてもだいじょうぶなんでしょうか?


白く輝くきれいな歯を、真珠のような歯、と言ったりしますが、真珠のように美しいのは、歯の一番外側を覆うエナメル質です。このエナメル質は痛みを感じないんです。なにか食べたりかみ切ったりするたびに痛みを感じたらたいへんです。エナメル質でおおわれているのが象牙質です。根っこの部分は象牙質がむきだしになっています。象牙質は、刺激を痛みとして神経に伝達します。つまり痛みを感じるのは象牙質なんです。

■知覚過敏の原因

なんらかの理由で象牙質がむきだしになると、痛みを感じることがあります。

*歯ぐきがさがり象牙質が露出する

加齢によって歯ぐきがさがると、エナメル質でおおわれていない歯の根っこの象牙質が露出し、痛みを噛んじることがあります。ただ加齢により、刺激を痛みとして伝達する象牙質の中の無数の小さな管が塞がってくることもあり、そうすると痛みは感じにくくなりますね。

*歯が溶ける

歯を覆うエナメル質は、お口の中が酸性に傾くと溶け始めます。酸性の飲み物や食べ物を、だらだら口にし続けたり、歯みがきを怠ると、お口の中が中性にもどることができず、エナメル質を傷めます。歯(の表面を覆うエナメル質)は意外に簡単に溶けてしまうんですよ。エナメル質が損なわれ、象牙質がむき出しになると、知覚過敏が起こりやすくなります。

*歯の破折

事故などで歯が破損して象牙質がむき出しになると、痛みを感じることがあります。これはむし歯の痛みとは異なるものです。

*歯がすり減る

長い間働いてくれる歯は、わずかではありますが少しづつすり減ってきます。エナメル質がなくなって象牙質が露出するということもあります。

■知覚過敏の治療

*脱灰と再石灰化

食事でお口の中が酸性に傾き、歯の成分が溶け出してしまうことを脱灰と言います。そのままだと歯が溶けてむし歯になってしまうのですが、唾液が、溶け出してしまったカルシウムイオンやリン酸イオンを歯にもどし修復してくれます。再石灰化は、お口の中で常に起こっている働きです。歯みがきをきちんとして再石灰化を促すことで、エナメル質が修復され、知覚過敏が改善されることも多いのです。

*エナメル質のかわりになるものを塗布する

刺激を遮ってくれるエナメル質のかわりになる歯と同じような成分の結晶を塗布して、歯の神経へ刺激が伝わらないようにすることで知覚過敏を改善します。歯みがき剤もありますが、歯科クリニックで治療する方が効果が高く即効性もあります。

*コンポジットレジンで修復する

象牙質を物理的に樹脂の素材(コンポジットレジン)などでコーティングして刺激から守ります。

*レーザー治療

露出した象牙質にレーザーを照射し、象牙質に伝わる刺激を抑制し、歯の神経への刺激を遮断して知覚過敏の症状を改善します。

知覚過敏は露出した象牙質を、守ることで治療できることが多くあります。ただ原因を考えてみましょう。プラークの付着や、酸性に傾いた口腔内が、エナメル質を傷めているのなら、歯みがき方法や食生活を見直してみましょう。歯科定期健診でご相談ください。


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22年12月26日

妊娠と歯周病

歯周病治療を必要とする妊婦さんのお話をご紹介します。総合医療センターの産婦人科を舞台にした「コウノドリ」というマンガのエピソードです。



妊娠中の白鳥さんは、不安なことばかり。からだを冷やしてはいけないと脱水症状を起こすほど着込んだり、迷信に惑わされたり、そのたびに担当の四宮先生に叱られます。

一見冷たいけれど、患者さんをよく見ている四宮先生、テレビドラマでは星野 源さんが演じられていたのを覚えておいでの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ある日、白鳥さんは四宮先生に訴えます。

「あの 四宮先生・・・・」
「まだ何か?」
「歯が痛いんです」
「歯?」
「はい奥歯が・・・ 全体的に歯が浮いてる感じなんです」
「白鳥さん ここ産科 歯が痛いなら歯医者に行ってください」
「でも…妊娠中は歯の治療なんてできませんよね?」

「逆ですよ
妊娠中こそきちんとした歯の治療やケアが必要です」

「でも薬とか麻酔ってだめですよね?」

妊娠中に歯の治療に行くべきか迷うのはそこですよね。

「妊娠中でも使用できる薬・・・
痛み止めや抗生物質もあります
局所麻酔も通常料の使用なら影響はないです
汗をかきながら白湯を飲むのもけっこうですが・・・
最優先はまず歯の治療でしょ」

「・・・」

そう言われても、妊娠中に歯の治療をしていいものか、不安そうな白鳥さん。自宅で夫さんと話します。

「でも産科の医者が行けって言うなら歯医者に行けば?」
「でもやっぱり薬とか麻酔とかイヤだな~ 何かあったらこわいもん」
「まあ・・・ それもわかるけどさ」
「さっきお婆ちゃんに電話したら 歯にこれ塗ればだいじょうぶだって!」
ガサゴソ
「どれどれ やめとけって塩は・・・」

白鳥さんは、どうしても歯医者に行く気持ちになれません。ついに病院の廊下で、頬を腫れあがらせてうずくまってしまいます。そしてまた四宮先生に叱られることに・・・。

「なんで行かなかったんです? 歯医者・・・」
「・・・」
「さらに頬っぺたがパンパンですよ」
「さらに・・・ やっぱり塩でマッサージすればよかったんですかね?」
「歯医者に行けばよかったんですよ」
「妊娠中はやっぱり赤ちゃんのために治療はしたくないんです」

ご不安な気持ちはわかります。そういうときは、ぜひ医師の意見も聞いてみてください。

「赤ちゃんのためでもあるんですけどね・・・
歯周病により早産や低出生体重児が増えるというデータがあります」

「え?」

「歯周病を治療したからそれらの確率が減るとは断言できませんが・・・ 治療はしたほうがいいに決まっています」
「でもこんなの歯の状態は・・・ 妊娠してからなんです」

クールに熱く、歯周病の危険性について語る四宮先生。

「まず妊娠中は唾液の分泌が減ります 
つわりのときなどは歯磨きもままならないコトもあります
口腔内は酸性になり 虫歯も進行しやすい 
女性ホルモンの増加により・・・ 
歯周病原細菌が増殖しやすくなるんです
妊娠前の歯の治療は当然ですが
妊娠中こそ定期的な検診を受けてください
治療は妊娠初期や出産間近は避けた15週から32週
遅くても35週までには受けた方がいいです
歯周病原細菌は腫れた歯肉から容易に血管に侵入し・・・・
全身疾患につながることもあります
ですから歯の状態に緊急性があれば・・・
週数を問わす治療することも必要です」

そんなたいへんなことなんだ・・・ 白鳥さんは観念して歯医者に行く決心をします。

「それじゃあ明日 歯医者に・・・」
「今日行ってください」
「イヤ 今日はちょっと・・・」

ピクピク 怒りで震える四宮先生

「もちろん今日でしょ・・・」
「それと白鳥さん」
「はっ はい・・・」
「歯医者での仰向けの姿勢は・・・・ 気分が悪くなるかもしれないのでお気をつけて」
「・・・・」

妊娠中の方に起こるリスクを描いた白鳥さんのエピソードでした。妊娠中の方が必要以上にご不安になることのないように、少しコミカルに描かれています。

もちろん、患者さまと赤ちゃんの状態は患者さまおひとりおひとり異なります。できたら妊娠がわかる前に治療しておいたほうがいいですよ。妊娠中でも歯周病治療を急いだほうがいい場合もあるのです。妊娠中の方は、どうかおからだを大切に、歯の治療のことも頭にいれておいていただけると嬉しいです。

木更津市では、妊婦歯科健康診査を無料で受けることができます。木更津きらら歯科は妊婦歯科検診の指定医療機関です。妊娠がわかったら妊婦歯科検診を受けましょう。母子健康手帳別冊に、受診票がはいっていますので予約のうえぜひ活用してください。



コウノドリ 鈴ノ木ユウ先生
出版社:講談社
2016年、第40回講談社漫画賞・一般部門受賞
白鳥さんのエピソードは11巻に収録!


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22年12月19日

りんごをかじると、歯ぐきから血が出ませんか?

歯みがきのときに歯肉から出血するのは、典型的な歯肉炎の症状です。歯肉炎は、歯周病の前段階です。その症状を、「りんごをかじると、歯ぐきから血が出ませんか?」という印象的なフレーズで伝えたのは、昭和40年代の歯みがき会社のCMです。


昭和50年代にはいって、現在のような歯周病治療が行われるようになりましたが、それも大学病院や限られた歯科医療機関のみでのこと。この歯みがきのCMは当時かなり画期的だったと言えそうです。

歯みがきの際に、軽く出血が見られる程度なら、フロスや歯間ブラシを使ってきちんと歯みがきすることで、歯ぐきがひきしまり基本的には健康な状態にもどっていきます。歯と歯ぐきの境目にプラークがたまっていないか、たまっていたらきれいにとりのぞくために、歯科定期検診をぜひご活用ください。

■りんごのお話

今日は歯周病ではなくりんごのお話です。“An apple a day keeps the doctor away.” イギリスには「1日1個のりんごを食べていれば医者にかからなくて済む」ということわざがあるそうなんですよ。

*風邪をひいたとき

りんごのほとんどの成分は、水分です。そして角砂糖14個分ほどの糖質を含みます。風邪をひいて熱があるときには、食欲がなくなり、小さい子供さんは低血糖の状態になりやすくなります。りんごの水分と糖質は、エネルギーの補給源として役に立つのです。

*整腸作用

りんごには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。腸の働きを整え、便の排出を助けます。お通じがよくなるんですね。食物繊維は善玉菌の増殖を促すため、腸内環境の改善も期待できます。すりおろしたりんごは赤ちゃんにも優しく作用してくれます。

*高血圧の予防に

りんごに多く入っているカリウムには、ナトリウム(塩分)を体外に排出する作用があり、この働きが血圧の上昇を防いでくれます。また、りんご繊維の一つであるペクチンも同じような働きをします。

*貧血の予防に

りんごに含まれているビタミンC等は、鉄分の吸収を高めます。ジュースにしたリンゴは胃液の分泌を促し、鉄分の吸収を助けてくれます。また、リンゴ酸をはじめとする有機酸は、貧血の予防に効果があります。

*りんごポリフェノール

りんごには、ポリフェノール成分が多く含まれています。りんごポリフェノールは、動脈硬化を抑制する作用、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える作用、むし歯の原因となる歯垢形成酵素の働きを阻止する作用、肌を白くする作用などが知られています。皮に近いところにも多く含まれていますよ。

今では一年中おいしいりんごが食べられますが、りんごの旬は11月から2月頃。今がりんごのおいしい季節です。季節の食物をおいしくいただいて、健康なからだを作りましょう。


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22年11月29日

インプラント治療の流れ(2回法)

インプラント治療の流れを、2回法を例としてご説明します。



45歳男性の症例です。歯根破折により他院で抜歯され、インプラント治療をご希望で来院されました。

■インプラント治療「2回法」

2回法は、1回目にインプラントを埋め込む手術を行い、インプラントと骨がしっかり結合したのち、歯ぐきを開いて人工歯のコネクター部分(アバットメント)をとりつける2回目の手術を行う治療法です。骨とインプラントがしっかり結合する時間を設けるためインプラントの離脱のリスクが低くなり、また術式がシンプルで感染のリスクも少なく、全身疾患のある方を含めほとんどの方に適応できる手術です。2回の手術が患者さまの負担になってしまう点、治療にかかる時間が長くなる点がデメリットです。

1. 精密検査と治療計画

検査とカウンセリングに基づき、治療計画を決定します。

*ノーベル・バイオケア社のソリューション

木更津きらら歯科では、ノーベル・バイオケア社のソリューションを採用しています。スウェーデンに本社を置く同社は、世界で最多の実績をもつインプラント治療ソリューションを提供するメーカーです。


ノーベル・バイオケア社のガイドソリューション、ガイディッドサージェリーによって、膨大な実績からつくられた標本を活用し、患者さまのお口の中や周囲の構造と人工歯などの状況を解析。それぞれの患者さまにふさわしい治療方法を導きだします。


*3Dレントゲン撮影対応 歯科用CT

3D画像で撮影可能な最新CTです。1回の放射線量が従来のCTと比較すると非常に少なく、患者さまへ負担の少ない治療が行えます。

●骨造成

インプラントを埋め込む手術には、顎の骨がじゅうぶんな量と幅が必要です。骨量が不十分な場合、骨造成のご提案も可能です。骨量の足りない部分を、自分の骨や人工骨、骨補填材で補う治療です。

2.1次手術

歯ぐきを切開して顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、歯肉を縫い合わせます。1~3時間程度を要します。インプラントの材料には生体と親和性の高いチタンを使用します。チタンは骨と結合し人体の一部として馴染む性質があります。歯を失い歯根が損なわれている場合でも、自然な自分の歯に近いものをとりもどすことができます。当院では完全個室のオぺ室があり入院の必要はありません。

3.定着期間

チタン製のインプラントが顎の骨としっかり結合して定着するまで、上顎で2~6か月程度、下顎で2~3か月程度の時間が必要です。

4.2次手術

2次手術では歯肉を開き、歯冠部分と歯根部分を連結する支台(アバットメント)を装着する治療を行います。

5.人工歯の装着

いよいよ人工歯を被せる段階です。骨とインプラントの結合を確認し、型取りをして技工士と相談しながら、患者さまの口元や他の歯の状態になじむように、人工歯を作成します。最終的に人工歯をかぶせてインプラント治療は完了です。

●メインテナンス

インプラントは、ご自分の歯と同様、歯のまわりの歯肉が健康であることがとても重要です。埋め込んだインプラントの周囲の歯ぐきが傷んだり、やせてしまったり、炎症を起こしたりすると、ものがうまく噛めなくなったり、最悪の場合はインプラントが脱落する可能性もあります。インプラントを長期的にご使用いただくために、患者さまご自身による歯みがきやデンタルフロスでのケアはかかせません。当院でも定期的なケアをしていきます。3か月に一度程度、ご来院ください。

インプラント治療は手術を伴いますし、時間もかかります。それでも自分の歯で噛める喜びはなにものにもかえがたいのです。ご不安なことや不明なことがありましたらご遠慮なくご相談ください。


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22年11月28日

インプラント治療「2回法」「1回法」「フラップレス」

インプラント治療の「2回法」「1回法」「フラップレス」についてご説明します。インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込み、骨と結合するのを待って人工歯を被せる治療です。患者さまのお口の状態により、治療の過程は様々です。

■2回法

2回法は手術を2回行うことからそう呼ばれます。インプラントと骨がしっかりと結合するのを待つ時間を設けることにより、インプラントの脱落のリスクが低くなるメリットがあります。一回の手術で行う治療がシンプルなため感染症のリスクを抑えることができ、全身疾患をお持ちの方を含め、ほどんとの方に適応できる手術です。デメリットとしては、2度の手術は患者さまのご負担が大きくなり、治療期間が長くなるという点があります。


*1回目の手術

1回目の手術では、歯肉を切開し、顎の骨にドリルでインプラントをいれるスペースを作ります。インプラントを埋め入れたら歯肉を被せて縫合し、完全に埋め込みます。そしてインプラントと骨がしっかり結合するのを待って、次の段階にすすむのです。インプラントと骨が結合するまで、3ヶ月~6か月ほどかかります。

*2回目の手術

インプラントが顎の骨と結合したら、上部構造をセットするための2次手術を行います。歯ぐきを開いてインプラントの頭を出し、人工歯と結合するコネクター部分(アバットメントといいます)を装着する治療を行います。

*人工歯の装着

いよいよ人工歯を被せる段階になりました。型を取って、技工士と相談しながら患者さまの口元や他の歯の状態になじむように人工歯を作成します。人工歯をアバットメントにセットしてインプラント治療は完了です。

■1回法

1回法では、インプラント体とアバットメントが一体化したパーツを使います。歯肉を切り開いて、または小さな穴をあけてインプラントを埋め込んだら、アバットメントを装着します。アバットメント部分は大きなキャップのようなもので、歯肉の上に露出した状態のままにします。この状態で、インプラントと顎の骨が結合するのを待ちます。インプラントと骨が結合したら、そのまま仕上げの治療にはいれます。型をとって人工歯を作製します。

1回法のメリットは、手術が1回ですむので患者さまのご負担が2回法より軽くなること、2回法に比べて治療期間を短縮できることです。インプラントを埋め込む顎の骨がしっかりとあることが条件です。

■フラップレスインプラント

立体CTスキャンやコンピュータのシュミレーションプログラムで、口腔内のガイドを作成し、ガイドに従って歯肉を切ることなくインプラントを埋め込みます。手術は1回だけで、腫れも少なく術後も痛みが少ないのが特徴です。目視をせずにガイドに従って手術を行うことになるので、太い舌動脈に隣接する下あごの手術には十分な検討と高度な技術が必要です。

木更津きらら歯科では最新の設備を備えておりフラップレスにも対応いたします。

木更津きらら歯科は、日本口腔インプラント学会認定の専門医、ICOI(International Congress of Oral Implantologists)の認定医師が在籍し、院内にオペ室が完備されております。インプラント治療をご検討でしたらぜひご相談ください。


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22年11月26日

インプラントの構造と骨造成

歯科医療のインプラントは、欠損した歯のかわりに顎の骨に人工の歯根を埋め込み、それを土台としてセラミックなどの人工歯をとりつけるものです。ここではインプラントの構造と、なんらかの理由で顎の骨が足りない場合、骨を造成する手法をご紹介します。

■全インプラントの構造

インプラントは基本的には3つのパーツからできています。


*歯根部(インプラント体)

歯の根のかわりとして、顎の骨の中に埋め込まれるねじのような金属体です。ひとつの歯を支えるものですから、大きさは直径が3~5mm、長さ6~18mmほどの小さなパーツです。材質はチタンまたはチタン合金。チタンは生体親和性の高い材料で、骨と結合する特徴があり、長期間、体の中で安定することが分かっています。

*支台部(アバットメント)

インプラント体の上にとりつけるパーツです。インプラント体と上部構造を接合する小さな部品で、コネクターの役割を果たします。人工歯をとりつけると、治療後は隠れて見えなくなります。

*人工歯(クラウン)

クラウンはまさに「歯」の部分であり、強度や機能だけでなく自然な美しさも求められるます。インプラントのクラウンで使用される「ジルコニア」は人工ダイヤモンドとも呼ばれる、強度と美しさをあわせもつ素材です。噛むという強い力に耐える優れた材料です。アバットメントとクラウンをあわせて上部構造と呼ぶこともあります。

■骨造成

インプラントは顎の骨にチタン製のインプラント体(人工歯根)を埋め込む治療です。そのため顎の骨がしっかりしていることが大切です。何らかの理由で顎の骨が足りない場合は、骨を補う必要があります。「骨造成」は足りない骨を補う技術です。

*骨再生誘導法(GBR法)

骨移植は骨造成が必要な個所を特殊な薄い膜でおおって空間を確保し、自分の骨や人工骨で補い、歯肉を被せ縫い合わせる手法です。自分の骨を使う場合、下顎の中央部や親知らずの奥の部分の骨を採取することが多いです。採取した個所は自然に復元します。移植した骨は、下顎で3か月、上顎で6か月程度で結合されます。足りなかった顎の骨が造成されたところでインプラント手術に進むことができます。

*上顎洞底挙上法(サイナスリフト)

サイナスとは鼻の周り、目の下にある空洞です。上顎洞、じょうがくどうとも言います。この空洞にまでインプラントがつきぬけてしまうほど、骨が薄い場合は、サイナスの一部分に骨をつくる手術をします。頬側の歯肉をはがして骨を一部とりのぞき、空洞の外側の膜を持ち上げて隙間を作ります。その隙間に骨や骨補填材を移植します。骨がつくられるまでに6ヶ月程度の時間を要します。上顎洞底の粘膜をインプラント体1本分持ち上げる、ソケットリフトという手法もあります。

GBR法もサイナスリフトも1980年代に発表された治療法で、現在までにたくさんの知見が蓄積されています。木更津きらら歯科では世界最大のインプラントソリューションを提供するノーベル・バイオケア社のシステムを採用し、同社の膨大な実績をもとにした標本から患者さまに最適な治療方法をご提案いたします。


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22年11月25日

インプラント治療の条件

インプラントは顎の骨にチタン製のパーツを埋め込んで、骨と結合させ、その上に人工の歯を被せるという患者様のおからだに直接働きかける治療です。そのため、患者さまのおからだのいろいろな部分が関係してきます。


■年齢

成長中のお子さんはインプラント治療の対象となりません。インプラントはチタンの骨と結合する性質を利用しているため、顎の骨が発育している段階だとインプラント体が骨に埋没してしまうのです。

若い人の場合は20歳前後くらいから検討できます。20代の方で事故で歯を失ってインプラント治療を選択される方もいらっしゃいます。失った歯を補う治療ですので、20代〜70代まで、患者さまの年齢層は幅広いものとなっています。

ただ外科手術が必要な治療ですので、中高年齢の方の場合、患者さまの健康状態も重要になってきます。

■全身の健康状態

外科手術が伴うため、患者さまの健康の状態も重要です。全身疾患がコントロールされていない方、服用されているお薬によってはインプラント治療はできません。また妊娠中の方にもおすすめいたしません。

*高血圧症

高血圧症の方は、外科手術時に動脈硬化が進行して脳や、心臓、腎臓などに合併症が起こるリスクがあります。お薬によって適切な値にコントロールされていることが必要です。

*心疾患

心筋梗塞を発症した方は、心筋梗塞の治療から6ヶ月以上たって、健康状態が良好であればインプラント治療を受けることができます。狭心症は、お薬で良好な状態がコントロールにコントロールできていることが必要です。血栓症の発症を抑制する治療を受けていらっしゃる場合、外科手術での出血時のリスクが高くなることがあります。心疾患のある方は、事前にかかりつけの医師とよくご相談ください。

*糖尿病

高血糖は血液中の感染を防ぐ機能を低下させ、術後の感染のリスクが高くなったり、傷がなおりにくくなったりします。高血糖の状態は、インプラント体と顎の骨の結合が阻害される可能性があります。また患者様自身の免疫機能が落ちているため、術後の歯周病や周囲炎にもかかりやすいのです。糖尿病の方は、、手術中のリスクと、手術後のインプラント体と骨の結合に対するリスクの二種類のリスクがあります。

*骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨密度の低下や骨質の劣化が起こる病気です。インプラント体が安定して骨の中で結合することが出来ないという大きな問題の原因となります。骨粗鬆症等の骨疾患の治療薬ビスホスホネート(BP)は、骨量と骨の安定性を維持するために使用されますが、インプラントの外科手術を行った場合、細菌が歯槽骨に侵入して炎症を起こす可能性が問題となっています。骨粗鬆症の治療中の方は、担当の先生とよくご相談ください。

■金属アレルギー

インプラント体に使用されるチタンは、生体との親和性が高い素材ですが、まれにアレルギーをお持ちの方もいらっしゃいます。金属アレルギーのある方は、チタンに対してアレルギーがないか、パッチテストや血液による検査をおすすめする場合があります。

インプラントは、外科手術を伴うたいへん繊細で高度な治療です。木更津きらら歯科では日本口腔インプラント学会認定の専門医、国際的な学会ICOI(International Congress of Oral Implantologists)の認定医師が治療にあたります。インプラント治療ができない場合でも、代わりとなる最良の治療をご提供できるよう、カウンセリングをいたします。安心してご相談ください。


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