木更津きらら歯科ブログ

「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。

木更津きらら歯科ブログ

23年03月21日

職場での歯科検診

木更津きらら歯科では、企業様に出張して従業員様の口腔状態を診させていただく、企業歯科検診を行っています。歯科医師、歯科衛生士が、都内、千葉県下、神奈川県下の事業所にうかがいます。


■企業歯科検診のメリット

企業歯科検診の実施は、従業員様の健康を守り、業務のパフォーマンスをあげるだけでなく、身だしなみについて意識を啓発し、企業イメージの向上にも貢献します。全従業員様を検診の対象とすることで、福利厚生費として扱われ、費用は全額損金として計上できます。

■企業歯科検診の有効性

歯科検診の導入により従業員の方々の口腔ケアが向上し、お口の中のの健康状態が改善する調査結果が発表されています。また口腔健康状態の変化が全身健康の変化と関連することも推察されます。

こちらの調査結果は、歯みがき剤などで知られるライオン株式会社が、年間1万人以上の従業員に対して人間ドックを実施している日立健康管理センタと協同で、職域において口腔と全身健康状態とが関連しているか研究してきた報告です。

■従業員の口腔ケアが向上

歯科検診導入後4年間で、従業員のオーラルケア行動(1日の歯みがき回数、フロス使用率、歯科通院率)の実施頻度が増加しています。


■口腔健康状態は全身の健康状態と関連している

この調査では、歯ぐきの健康状態(唾液中の白血球値)と、全身健康の指標となるCRP、HbA1cの関連性を解析しています。

CRPは炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するタンパク質のことです。HbA1cは糖化ヘモグロビンがどのくらいの割合で存在しているかをパーセント(%)で表したもので、血糖コントロールの程度を判断するのに重要な数値です。

歯ぐきの健康状態が悪い(白血球値が高め)群では、全身の炎症状態を示すCRP値、及び検査前1~2ヶ月間の血糖値を反映するHbA1c値が高かったそうです。

一方、2回目の受診時に唾液中の白血球値が改善されている場合、CRP、HbA1cの数値の悪化がくいとめられていました。

つまり、口腔健康状態の変化は全身健康の変化と関連していると考えられるのです。

出典:
日本総合検診医学会 2023年1月 第51回大会
「歯科検診導入による口腔環境と全身健康の関連について」
株式会社日立製作所日立健康管理センタ/ライオン株式会社/大阪大学大学院歯学研究科による発表

従業員様の健康とパフォーマンス向上、御社の将来のために、定期的な歯科検診を企業としてとりいれることをご検討ください。


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23年03月20日

ランチタイムの歯みがき

みなさん、お昼ご飯のあとに歯みがきしてますか? 歯みがきは、食べたら行うのが一番いいのです。食事のあとだけでなく、おやつや夜食、甘い飲み物などをお口に含む度に、歯みがきするのがベストです。


■脱灰と再石灰化

お口の中に残った食べカス。虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、水には溶けないネバネバしたプラークと呼ばれる物質をつくり、食ベカスの糖分を分解して酸を作り出します。その酸によって歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すことを「脱灰」と言います。

お口の中で唾液が正常に働いていれば、唾液の中のリンやカルシウムは歯の表面のエナメル質に戻ります。これを「再石灰化」と言います。酸性に傾いたお口の中が、唾液の緩衝作用によって徐々にもとにもどっていくのです。

■食べカスが大問題なのです

お口の中に残っている食べカスは、歯を溶かす酸を作り出すミュータンス菌の餌になります。歯を守るためには、まずは食べカスを取り除くことが大切なんです。食後すぐに歯みがきをすれば、汚れも落ちやすいのです。

毎食後、食べたら歯みがき、がおすすめです。

■オフィスでの昼歯みがきをおススメするわけ

お仕事中、ランチの後に「昼歯みがき」をすると、歯の健康のためだけではなく、リフレッシュ効果やコミュニケーションにもよい影響が現れます。「昼歯みがきを実践してどうでしたか?」歯みがき剤で知られるライオン株式会社の調査によせられた声をご紹介します。

  • リフレッシュできる、気持ちよく仕事ができる!
  • リフレッシュでき、午後の仕事を頑張れました
  • 仕事に集中できます!
  • 午後の仕事にスイッチが入りました
  • 安心して人と話せる、笑える!
  • 人と話すのが気にならなくなりました
  • 会話に自信が持てるようになった!
  • 歯がきれいだと安心して笑顔が作れます!
  • 美意識が上がった!
  • 口の中がさっぱりすると、その後何かを食べるのに抵
  • 抗があり、午後の間食が減りました!
  • 美意識が全体的に上がりました
  • いつも爪楊枝で汚れを取り除いていたけれど、昼歯みがきでその必要もなくなりました(笑)

歯の健康にはもちろん、リフレッシュや眠気対策、口臭対策によりコミュニケーションに積極的になれるなど、働くうえでのメリットを実感しているようです。さらに、間食が減った、美意識が向上したという声もありました。

■昼歯みがき実践派は4割強

ライオンの調査によると、「昼歯みがき」を習慣化していたのは4割強の方々。6割近い方がお昼ご飯のあとに歯を磨くことはしていません。多忙、面倒、歯みがきをする場所がない・・・ など理由は様々です。「やる気はあるけれど、なかなか実行できない」「以前はしていたけれど、挫折してしまった」という声もありました。心当たりの方も多いのではないでしょうか。


ライオン株式会社 2020年12月~2021年1月アンケート

■食べたら磨く

本当は、食事のあとだけではなく、なにか食べたら磨くのが一番いいのです。とりわけ、甘いおやつには砂糖が多く含まれているので、むし歯のリスクも高くなるのです。

時間をかけて歯みがきするのは一日1回としても、食後に軽く磨くだけでも効果はあります。ぜひマイ歯ブラシをご用意ください! それもハードルが高いようでしたらうがいをするだけでもしないよりはずっといいですよ!

オフィスで歯みがきを行う際は、飛沫が飛び散らないよう工夫したり、洗面所が込み合わないように、洗面所を使用する時間をずらすなどの配慮をしましょう。お互い気を配りながら、昼歯みがきを実践していきましょう。


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23年02月19日

大人気のオフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングが大人気です。歯のホワイトニングは、2000年頃に「美白」が大ブームになった頃、注目されるようになりました。現在のホワイトニングには質の高い健康的な美しさのための施術として定着しました。

■オフィスホワイトニングとは

歯の表面を削ったり溶かしたりすして白くするのではなく、歯そのものの色を明るくする治療法です。過酸化水素という薬剤を塗布することで、着色物質を分解します。オフィスホワイトニングでは、ホワイトニング剤を塗布した歯をライトで照射して、着色物質のたまった歯の内側まで浸透させるため、1回の治療から白さを実感することが期待できます。木更津きらら歯科のオフィスホワイトニングで使用する「ビヨンドライト」は、日本人の歯質(エナメル質が薄いという特徴)に配慮され、発熱がなく、紫外線も完全にカットされており安心です。



木更津きらら歯科の患者さまの症例です

■オフィスホワイトニングの特徴

短期間で効果を実感できる

オフィスホワイトニングの人気の秘密は、短期間で白さを感じることができる点です。効果の現れ方に個人差はありますが、ご自身でマウスピースを装着するホームホワイトニングなら2,3週間かかるところ、ご来院いただくことで治療後すぐ白さを実感できます。木更津きらら歯科では60分から90分の施術を2回以上受けることをおすすめしています。

歯の美しさだけでなく健康につながります

歯科医院で行うのが大きなメリットです。まずPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)を行います。これ歯科医師、歯科衛生士というプロフェッショナルによる徹底的な歯のお掃除です。歯石を除去し、むし歯予防や口腔内環境を改善することにもつながるのです。

本来の歯の白さをひきだす

着色汚れを分解し明度をあげる施術なので、自然な白さになります。

歯を損うことがありません

歯を削ったり色を塗ったりするわけではないのです。ご自身の歯の本来の美しさをとりもどす施術です。

■オフィスホワイトニングの注意点

個人差がある

歯の特徴により仕上がりが均一にならなかったり想定した白さにならない場合があります。その場合でも、施術を繰り返すことで解消されていきます。

色戻りがある

ホワイトニングの効果は永久的なものではありません。、徐々に色戻りをします。効果の継続は3~6か月程度とお考え下さい。

歯への影響がある

一時的に歯の表面があれますので、24時間程度、酸性の食品や飲料を避ける必要があります。着色しやすい食材や飲料も同様です。

また薬剤を使うので知覚過敏になりやすいとも言われています。数か月ほどで回復する場合が多いようです。

メインテナンスが必要

白さをキープするためには、メインテナンス(タッチアップ)が必要です。歯の色がもどってきたなと感じられたらご相談ください。

ホワイトニングができない方もいる

妊娠中、授乳中の方はホワイトニング治療はできません。

マスクをはずしてもいいのでは? という声も聞こえてきました。そろそろ、あなたの口もとの美しさを思い出してみてはいががでしょうか。


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23年02月16日

歯の構造

歯は、中核をなす神経(歯髄)、それを囲む乳白色の象牙質、そして象牙質を覆う水晶のように固いエナメル質という3層構造になっています。歯根部の表面を被っている組織がセメント質です。


■歯髄

歯の神経があるところを「歯髄」といいます。神経は痛みを感じ、大きな問題を未然に防ぐSOSを発してくれます。歯髄には神経だけでなく、たくさんの血管も通っています。歯髄の血管は、象牙質に栄養を送ったり、免疫細胞を作ったりする役割を担っています。

むし歯治療で神経(歯髄)を抜いてしまうということは、栄養の供給がストップし、免疫機能が働かなくなることを意味します。歯は再生能力を失い、もろく、欠けたり折れたりといったことが起こりやすくなります。

■象牙質

象牙質は歯の大部分を構成します。エナメル質よりは柔らかく、セメント質よりは硬いという組織で、黄色味をおびていて、エナメル質やセメント質に覆われており普段は見えません。象牙質が露出してしまうと、すりへりやすくなりむし歯のリスクが高くなります。冷たいものや熱いものがしみてしまうのも、象牙質がむき出しになっていることが原因である場合が多くあります。

■エナメル質

歯の外側を覆っているのがエナメル質です。きれいなエナメル質は、半透明で、その下の乳白色の象牙質が透けて見えます。白い歯の色合いが奥行きがあり美しいのは、この半透明のエナメル質によるものなんです。エナメル質は水晶と同じくらいの硬度を持っていて、人体の中で一番硬いと言われています。2~3ミリほどの厚さで、歯にかかる様々な力から歯の神経を守ります。

エナメル質は硬くて美しいのですが、けっこう繊細です。お口の中が酸性に傾くと表面のミネラルが溶け出してしまいます。これを「脱灰(だっかい)」といいます。傷んだエナメル質は唾液の働きによって修復されます。これを「再石灰化」といいます。目に見えるほどの痛みは修復できず元の状態にはもどりません。

■歯を守る

お口の中は、食事のたびに酸性に傾き、唾液の働きで中性にもどります。歯を守るにはお口の中を中性に保つことが大切なんです。だらだらなにか食べたり甘い飲み物を飲んだりしていると、お口の中が中性にもどるひまがありません。食事やおやつはめりはりをつけて、水分補給は糖分のはいっていないものを、食事の後には歯みがきをして唾液の働きを助けましょう。

お口の中ではいろんなことが起こっていますね! ご自分の歯を長く大切にしてくださいね。3ヶ月に1度は定期検診に来てください!


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23年02月14日

大人のむし歯

歯は一度むし歯になると、二度と元の歯にはもどりません。私たちは、治療した歯が再びむし歯になる「むし歯リスク」をずっと背負わなくてはならないのです。


大人のむし歯には「二次う蝕(しょく)」と「根面う蝕(しょく)」があります。「二次う蝕」はむし歯を治療したつめものやクラウンのまわりにプラークがたまり再びむし歯になってしまうことです。「根面う蝕」は歯の根元に発生するむし歯です。様々な理由から、あらわになってしまった歯の根っこの部分にプラークがたまり、むし歯を引き起こすものです。

■二次う蝕

二次カリエスとも言います。人のむし歯の80%は二次う蝕、特に40代、50代の人のむし歯は2次う蝕が大幅に増えます※。治療後のつめ物やかぶせたクラウンと歯の間の隙間は、プラークが付きやすく、むし歯が再発しやすいからです。

※歯科先進国であるスウェーデンのイエテボリ大学による

■根面う蝕(しょく)

「歯の根むし歯」と言ったらイメージしていただけますでしょうか? 根面う蝕は、なんらかの理由で歯ぐきがさがり象牙質が露出したときに起こりやすくなります。象牙質は、表面の固いエナメル質より酸に弱く、表面がざらざらして汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。

歯周病にかかっていたり、加齢により歯ぐきがさがることで象牙質は露出してしまいます。間違ったブラッシングで歯根が露出する場合もあります。大人がかかりやすいむし歯というのはそういうわけなんです。

■根むし歯の原因

むし歯は、酸によって歯のエナメル質が溶かされてしまう状態からはじまります。歯を溶かす酸は、歯に付着したプラークの中でむし歯の原因菌、ミュータンス菌によって発生します。ミュータンス菌は食べ物の中に含まれる糖質(特に砂糖)を餌にして酸をつくるのです。そしてプラークをつくるのもこのミュータンス菌なのです。

■予防のポイント

プラークの除去

大人のむし歯の予防は、まずはプラークの除去です。毎日の歯磨きでプラークをしっかり取り除くことが大切。ところが磨いたつもりでも、磨き残しが意外に多いのです。定期健診で、磨けているかどうかチェックしてもらいましょう。

エナメル質の強化

歯の表面を覆うエナメル質。人体の中で一番硬い組織ですが、酸には弱いのです。むし歯菌の出す酸に負けない強い歯にするためにはフッ素塗布が有効です。定期検診の後に塗布してもらうといいですね。

痛くないから、忙しいからと言わずに、ぜひ3ヶ月に一度の定期的な検診を活用してください。大人のむし歯は、とりかえしのつかないことになります。抜歯しなければならないほど進行していたら、患者さんはショックを受けるでしょうが歯科医師もすごくショックなんですよ! ご来院をお待ちしています。


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23年02月11日

欠損治療―インプラント

失われた歯を修復する治療法としてインプラント治療があります。あごの骨に自然の骨と親和性のあるチタンの人工歯根を埋め込み、人工歯根に人工の歯を固定するというものです。


■インプラントという選択

インプラント治療では、多くの場合、隣の歯の支えを必要とせず、修復する歯を独立して治療することが可能なため、残っている健康な歯に負担をかけずに済みます。またインプラント治療は、自然の歯に近い機能や見た目の自然な美しさをとりもどすことができます。

懸案事項となるのが、外科手術が必要な点と、費用の面です。骨とインプラント体を結合させるという、他の歯科治療とは異なるアプローチの治療のため、全身の健康状態が関わってきますし、治療の時間もかかります。

インプラント治療の症例や治療法について詳しくは こちら でご紹介しています

■欠損治療の比較

それぞれの治療法について、メリット、デメリットを理解し適切な治療法を考えていきましょう。

ブリッジ

メリット
  • 両隣の歯に固定され、違和感があまりない
  • 治療が比較的短期間でできる
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、天然の歯に似た修復ができる
デメリット
  • ブリッジを支え固定するために、健康な両隣の歯を削る必要がある
  • 支えとする両隣の歯の負担が大きく、しかも削っているため、将来的に歯を失うことになるリスクがある
  • 歯肉との間の部分に食べ物カスがつまりやすく、口の中が不衛生になりやすい

入れ歯

メリット
  • 多くの歯を失った方など、ほとんどの症例に対応できる
  • バネをかける両隣の歯を削らなくてはならないが、削る部分はブリッジより少なくてすむ
  • バネをかける歯が健康なら、治療期間が短くてすむ場合が多い
  • 保険適応の範囲内なら費用を抑えることができる
  • 自費診療となるが高品質な素材を選択することで、見た目や装着感の快適さを求めることもできる
デメリット
  • 装着したときに違和感を感じやすい
  • ガタついて噛みにくい場合がある
  • バネによる隣の歯への負担が大きい
  • バネが見えてしまうことがある
  • 取り外して手入れをする必要がある
  • 食べ物が挟まって口の中が不衛生になりやすい

インプラント

メリット
  • 顎の骨に固定するので、違和感がなく堅いものでも噛むことができる
  • 隣の歯を削る必要がなく、他の歯に負担をかけない
  • 見た目を天然歯に近くすることができる
デメリット
  • 外科手術が必要
  • 手術のリスク(腫れ、痺れ、出血その他)がある
  • 骨の状態によっては付帯手術が必要になる
  • 全身の健康状態によりインプラント治療が適さない場合がある
  • 治療期間が長くかかる( 3~ 6ヶ月程度)
  • 保険の適応外なので治療費が高額

失った歯を修復するのは本当にたいへんです。それでもそのまま放置していてはよくありません。ごいっしょに、がんばって治療していきましょう! そして歯を失う原因の多くをしめる歯周病やむし歯は予防できるのです。定期的に歯科でチェックをして、歯の健康を守ってください!


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23年02月09日

欠損治療ー部分入れ歯

部分入れ歯(部分義歯)は、人工の歯にバネをつけて両隣の歯にひっかけて支えるものです。

■部分入れ歯のメリット

  • 歯を失った方の、ほとんどの症例に対応できます。
  • 保険診療の範囲で作製するなら、安価で、比較的短期間で作ることができます。
  • 手入れが簡単です。取り外せるので手入れが簡単にできます。
  • 支えとする健康な歯の削る分がブリッジより少なくてすみます。ブリッジ同様、支えとなる両隣の歯を削らなければなりませんが、バネがかかる分だけでよいので、ブリッジを装着する場合よりも削る部分は少なくてすみます。
  • 支えとする健康な歯の負担がブリッジより少ないです。また補った歯にかかる力を、両隣の歯だけではなく歯ぐきでも支えてくれるので、ブリッジよりも健康な歯にかかる負担は少なくなります。

■部分入れ歯のデメリット

まず違和感はあると思います。金属のバネが見えるのが受け入れがたい方もいます。自費診療なら金属の目立つバネを使わない、柔らかい義歯(入れ歯)もありますが、入れ歯は入れ歯と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。入れ歯の見た目や、歯を削ることに抵抗がある方にインプラント治療をおすすめします。

■保険適用範囲で作成できる入れ歯

保険で作る部分入れ歯は、

  • 歯ぐきと似た色の土台(床)
  • 人工歯
  • クラスプ(両隣の歯に固定するための針金のバネ)
で構成されます。土台の部分をプラスチック(レジン)で作製するので厚みがありお口の中に装着したときに違和感を感じる場合があります。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。


安価に短期間で作製できること、ほとんどの方の症例に対応できることが特徴です。支えとなる歯は、むし歯や歯周病の兆候があればしっかり治療することが大切です。

■自由診療で作製するノンクラスプ+シリコーンの入れ歯


クラスプというのは針金、金属製のバネのことです。ノンクラスプの入れ歯は、金属のバネを使いません。金属のバネを使用しないので、入れ歯のようには見えにくいです。ソフトな感触で安定しており、お口の中に装着したときに痛くなくよく噛むことができます。 シリコーンのバネをつかった部分入れ歯は、自由診療となります。

■自由診療で作製するインプラントで支える部分入れ歯

*ロケーターで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントにロケーターというパーツで入れ歯を固定します。インプラント側のロケーターは凸凹でいえば凸側、入れ歯側には凸凹の凹側のキャップを装着します。ロケーターアバットメントと入れ歯側のキャップがパチッとはまり、入れ歯はしっかりと固定されます。

*マグネットで入れ歯を装着する

あごの骨に埋め込んだインプラントに、磁石にくっつく性質を持つ持つ金属を組み込みます。入れ歯側には磁石を装着します。インプラントと入れ歯は、磁石の作用で磁石の作用でくっつく様にします。インプラント体そのものには、磁石にくっつく性質はありません。歯ぐきがやせてきてもはずれにくく、お身体に不自由がある方でも扱いやすいのが特徴です。

お口の中の感覚は、髪の毛一本はいっただけでもわずらわしく感じるほど繊細です。人工的な義歯(入れ歯)を装着するのは、違和感があり抵抗をお感じの方もいらっしゃるかもしれません。木更津きらら歯科では、患者さまのお口にあった入れ歯でお口の機能をとりもどすお手伝いをいたします。


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23年02月06日

欠損治療ーブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削って支台とし、橋のように渡す形で人工的な歯を被せる治療法です。外科手術が不要な、比較的シンプルな治療法です。


■ブリッジ治療のメリット

*自分の歯と同じように噛むことができる

失った歯が1本や2本で、両サイドに健康な歯が残っていたら、その健康な歯を削り被せものをして人工歯を支える支柱とします。失われた歯の部分は人工歯で補われ、両隣の歯にしっかりと固定されます。ガタついたりすることが少なく、自分の歯があったときと同じように違和感なく噛むことが可能です。

※インレーブリッジ
前歯、犬歯より後ろの歯でブリッジをしたい場合、失った歯の両隣に被せものをして支台とするのでなく、インレー(一般的に“詰め物”といったりします)を支台とすることがあります。歯を削る部分が少なくてすむメリットがある反面、接着面が小さくなるため離脱のリスクがやや高くなるというデメリットがあります。治療を必要とする場所やお口の中の状態により最適な治療法を選択します。

*自分の歯のように自然な見た目を再現できる

歯ぐきが健康であれば、見た目的にも自分の元の歯に近い自然な歯並びに修復することができます。

*保険の適用範囲内の治療が可能

ブリッジ治療には保険が適用されます。費用を抑えて必要な処置を受けることができます保険診療の治療は、奥歯には銀歯を、前歯には銀歯の前側にだけプラスチックを貼り付けた前装冠を使用します。自費診療であれば、セラミックやジルコニア素材を選択することもできます。

■ブリッジ治療のデメリット

*健康な歯を削る必要がある

ブリッジ治療のデメリットは、両隣の健康な歯を削らなければならない点です。歯は一度削ってしまうと元にはもどりません。歯の寿命を短くしてしまうリスクもあります。

*両隣の歯に負担がかかる

ブリッジは2本の歯で3本分の歯にかかる力を支えることになります。負担のかかった歯が根の方で折れてしまうと抜歯するしかなくなります。そうなるとまた1本歯がなくなって・・・ と負の連鎖となってしまうリスクがあります。

*むし歯や歯周病の原因となる場合がある

ブリッジは、健康な歯にクラウンを被せるような形になるため、若干の隙間ができます。そこに食べかすなどがたまりやすいのです。お口の中の清潔が保てないと、むし歯や歯周病の原因となる可能性があります。

*隣接する歯の状態による

支台となる隣の歯の状態により、ブリッジという選択ができない場合があります。

■審美性を求める場合

自費診療では、強度があり審美的に美しい素材を選ぶことができます。ジルコニアとセラミックの2種類があります。奥歯には強度のあるフルジルコニアクラウン、前歯にはオールセラミックス(ガラス系、ジルコニア系)が適しています。

失った歯を補うために、ブリッジ、入れ歯、インプラントといった治療法があります。隣接する歯、歯ぐきの状態、残された歯にかかる負担や、審美性、費用などを考慮してふさわしい治療法をご提案いたします。欠損した部分をそのままにしていると、噛み合わせや歯並び、長い間には発声や全身の健康に影響をおよぼします。ごいっしょに適切な治療法を検討しましょう。


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23年01月24日

むし歯になりやすい人、なりにくい人

むし歯になりやすい人、なりにくい人というのは、歯並びや唾液の性質により本当にいます。一生懸命歯みがきをしても体質的にむし歯になりやすい人がいる一方、生活習慣がむし歯のリスクを高めている場合もあります(ちなみに歯周病は全員かかります!)。


■体質的にむし歯になりやすい人

*歯並び

歯並びが整っていないと、歯ブラシが届かず、磨き残しができてしまいむし歯になりやすいということはあります。

【対策】

歯列矯正で歯並びを整えることはむし歯のリスクを減らすことにもつながります。歯列矯正は、見た目や食生活を改善するだけでなく、歯の健康を守ることでもあるのです。

*歯の性質

歯ができる過程で、表面の固いエナメル質が弱い歯を形成されてしまうことがあります。これが「歯の質が弱い」という状態です。子供の乳歯も歯の質は決して強くはありません。

【対策】

歯みがき剤にフッ素入りのものを使ったり、定期検診の際にフッ素塗布をすることをおすすめします。フッ素には、溶かされた歯の修復を促したり、歯そのものを溶かされにくい強いものにかえる働きがあります。お子さんがフッ素入り歯みがきを使う場合は、年齢により種類や使える量が変わってきますので、歯科医師にご相談ください。

*唾液が少ない

唾液には酸性に傾いたお口の中を中性にもどそうとしたり、カルシウムやリンの溶け出した歯の表面のエナメル質を修復したり、抗菌作用もあります。唾液の量が少ない人はむし歯になりやすいと言えます。

【対策】

よく噛んで食べることが唾液の分泌を促します。また口呼吸ではなく鼻呼吸を心掛けましょう。口呼吸はお口の中が乾いてしまい、唾液の働きが弱くなってしまいます。適度に水分をとることも大切です。そして緊張をほどいてリラックスしていただけたらなと思います。

※当院開発の歯みがきTooth&Peaceはカンナビジオール(CBD)オイル配合でリラックス効果も期待できます!

カンナビジオール(CBD)配合の歯みがきTooth&Peaceについて詳しくはこちら

■むし歯のリスクの高い生活習慣の人

*食事・間食の回数が多い

歯の表面は「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しています。「脱灰」は、食事で口腔内が酸性に傾き、歯のエナメル質のカルシウムやリンが溶け出す状態のことです。「再石灰化」は、唾液の働きによって、口腔内が戻り溶けた歯の表面がもとにもどることです。食事や間食の多い方は、口腔内が中性にもどるひまがないので、むし歯になりやすいのです。

【対策】

食事と食事の間の時間をあけましょう。食事の後に歯をみがきましょう。

*よく飲む飲料

ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンクは糖分が多く含まれており、酸っぱいものを好む方はお口の中が常に酸性に傾いています。そのため、歯の表面が溶け出しやすく、また修復されにくいため、むし歯になりやすい状態が続いてしまうのです。

【対策】

水分補給に歯科医がおすすめする飲み物は、「水」です。適度に水分を補給することは唾液の分泌を促すことにもつながります。

*歯みがきの習慣が間違っている

歯みがきはプラークのもととなる食べかすを掃除し、お口の中を中性にもどす役割を果たしています。歯ブラシが届かない箇所をそのままにしたり、寝る前の歯みがきを怠ったりするとむし歯になりやすくなります。特に就寝中は唾液の分泌が少なくなり、むし歯の原因菌や歯周病菌の活動が活発になるため、寝る前に歯をみがかないことがたびたびあると、むし歯になりやすくなるのです。

【対策】

歯ブラシの届かない場所には、歯間ブラシやデンタルフロスを使ってみましょう。仕上げに口内洗浄液でうがいをすることも有効です。就寝前の歯みがきは丁寧に。歯科定期検診で、歯科衛生士が正しい歯みがき方法をお教えします。

むし歯になりやすい気がする、むし歯になりやすい習慣があるようだ、と心当たりがある方はぜひ気をつけてみてください。そして「歯周病」は間違いなく全員がかかります。ぜひ歯科定期検診を活用して、お口と歯の健康を守ってください!


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23年01月21日

インフルエンザ予防と歯周病菌


インフルエンザの予防には歯みがきが効果的です。千葉県では、2022年12月28日に、国が目安としている数値を上回ったとしてインフルエンザの流行シーズン入りを発表しました。かかってしまう前に、予防しましょう。





インフルエンザは、子供から高齢者まで幅広い世代で発症し、またたくまに拡散するほど感染力が強いのです。普通の風邪に比べて、突然の高熱、頭痛、関節痛などの全身症状が強く、気管支炎や肺炎などを合併し重症化することがあります。体力のないご高齢者や小さなお子さんには、特に注意が必要です。

■歯みがきでインフルエンザ予防

かかってしまう前にまず予防。皆さんはどんな方法でインフルエンザの予防をしていますか?

  • うがい
  • 緑茶を飲む
  • 加湿
  • 手洗い
  • マスク

そして・・・

  • 歯みがき

効果的なインフルエンザの予防法があります。うがいも大事ですが歯みがきはもっと大事なんです。お口が汚いとインフルエンザにかかりやすいのです。動画では大阪大学大学院歯学研究科の天野敦雄先生がお話してくださっています。

■キーワードは「ウイルス」

なぜ歯みがきとインフルエンザ感染が関係あるのでしょうか? キーワードは「ウイルス」です。

一般的に風邪は細菌かウイルスのどちらかが原因で発症します。細菌とウイルスでは、感染のメカニズムが大きく違うのです。

細菌感染の場合は粘膜に付着するだけで炎症を起こし喉が痛くなったり熱が出たりします。一方ウイルス感染は粘膜に付着しただけでは発症しません。細胞の中へ入り込むことで発症するんです。

■細胞の中にウイルスがはいりこむ

ウイルスが細胞の中にはりこむときに、重要な役目をしている酵素があるのです。インフルエンザウイルスの表面には鍵とハサミのような働きをする2種類の酵素があります。

  1. インフルエンザウイルスが喉などの粘膜にくっつく。
  2. ひとつの酵素が鍵を差し込んで細胞膜をこじあける。
  3. 細胞の中でウイルスが大増殖する。
  4. もうひとつの酵素がハサミをもって隣の細胞へウイルスを放出。

こうして感染が拡大していきます。

■口腔細菌界の魔王、「歯周病菌」

そしてなんとこの酵素を活発にする細菌があるんです。特に気をつけなければいけないのが歯周病菌です。細菌の中でも最強なのが口腔細菌界の魔王、「歯周病菌」。

歯周病菌がウイルスの酵素を活発化させるんです。歯周病菌に感染していると、インフルエンザウイルスの酵素の活動が活発になり、ウイルスが細胞の中に入りやすくなって、インフルエンザが発症してしまいます。

プラークに住み着く歯周病菌は抗生物質などの薬で撃退したり除去することはできません。人間の体の免疫細胞でも撃退できないのですね。だから歯周病菌はプラークごと歯磨きで除去するしかないんです。

■口腔ケアをしていたご高齢者、していなかったご高齢者

介護施設で歯科衛生士から口腔健康管理を受けていた場合、ご高齢者のインフルエンザの発症率は大幅に減少していたという報告があります。特に寝たきりの方肺炎を防ぐためにも、口腔内を清潔に保つことが大切なんです。

ぜひ、ふだんのお口のケアを見直してみてください。日頃からお口の中を綺麗にしていくことが一番大事です。歯科クリニックでの定期検診や、歯みがき指導も活用してください。

コロナウイルスの感染経路はインフルエンザと同じと言われています。新型コロナウイルスの感染症法上における位置付けの見直しが検討されている折でもあります。私たちもあらためて、感染症対策をしっかり行っていきましょう。


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23年01月19日

木更津市の1歳6か月児健康診査

1月18日(水)は、木更津市の1歳6か月児健康診査が木更津市役所朝日庁舎で行われ、木更津きらら歯科からも医師がうかがいました。歯科健診では、お子さまの生えてきている歯の数やむし歯の有無などをチェックします。


■1歳半頃の咀嚼機能

この頃のお子さまは、一人で歩けるようになり、ことばが出始めるなど心身ともに大きく成長します。食に関しても、離乳食から幼児食にうつっていきます。でもまだまだ、大人と同じ食事を、というわけにはいかないですね。

■離乳の完了~幼児期前半の歯食べ期

1歳~3歳頃は、乳臼歯が生えてくる時期です。本格的に噛んで食べることができるようになりますが、噛む力はまだ発達途上。硬めのものを嚙み切ったり噛み砕いたりすることができない子どもも多いのです。

本格的に噛んで食べることができるようになるのは、乳歯の奥歯(乳臼歯)の生えるころです。この時期には、食べ物の感触や噛み具合、飲み込み具合、堅さの感覚をたくさん体験することで、ふさわしい食べ方を身に着けていきます。

離乳食は少し弾力があって簡単にかみ切れるのが基本です。堅すぎると、味が嫌いなわけではないのに、食べられないということになってしまい、好き嫌いにつながってしまうこともあります。

十分に噛むことができるようになるのは、第2乳臼歯が生えそろい乳歯列が完成する、2、3歳ころ。それまでは左右1対の乳臼歯しかありませんので、充分にかむことはできないのです。


■咀嚼機能の発達を促す

歯の生えてくる段階によって、食べ方も変わってきます。この時期のお子さまは様々な体験を吸収していきます。いろいろな食材を体験させてあげたいところです。

*咀嚼機能発達の支援

  • 上下の前歯が生えてきたら、前歯を使って噛み取らせてみる
  • 上下の奥歯が生えてきたら、硬い・繊維に富んだ食物を食べさせ始める
  • 早食い・過食にならないように、ゆっくり噛んで、満足感が得られるような食べさせ方をする

*食べ方の支援

  • 手づかみ食べで、いろいろな色や形、温度、かたさ、味、におい、食感の食材を体験させる
  • スプーン・フォークを使い始めてみよう
  • 唇を閉じたままの咀嚼を促そう

1歳半くらいのお子さまは、成長・発達が著しくいろんなことができるようになります。健診は、お子さんの心身の健康状態や成長・発達を確認する大切な機会です。1歳半健診では、小児科・歯科医師がお子さまの健康状態を診察し、保健師・栄養士・歯科衛生士がお子さの成長に関するご相談に応じます。ぜひ受診してください。


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23年01月15日

欠損治療

本来あるはずの歯が、むし歯や歯周病、ケガなどによって失われた状態のことを「歯が欠損している」といいます。失われた歯を放置していてはいけません。ただ食べるときに不便なだけではなく、コミュニケーションや脳の健康にまでよくない影響が出てしまうのです。


■欠損治療が必要なわけ

  1. 歯並びが悪くなる

    1本の歯がなくなると、残っているとなりの歯は、空いたスペースに傾いてきます。上下でも同じです。なくなった歯の反対側の歯は、対合する歯の刺激がなくなり伸びてきてしまいます。そのような状態が長期間続くと、歯列全体がおかしくなってきます。

  2. 噛み合わせが悪くことによる弊害

    歯並びが悪くなると、噛み合わせがおかしくなり、別の歯や顎の関節、筋肉に負担がかかります。噛み合わせが悪くなると・・・

    • 食物をしっかり噛むことができなくなり、咀嚼の機能が落ちてきます。
    • 咀嚼機能が落ちると口腔内の健康を守ってくれる唾液の分泌が減り、お口の中の状態はさらに悪くなるという悪循環に。
    • お口の周りの筋肉の動きから脳へ伝わる刺激が減り、認知症のリスクが高まる報告がされています。

    •  
  3. コミュニケーションの問題

    前歯が欠損した場合、発音に大きな影響があり話す言葉が聞き取りづらいものになってしまう場合があります。また顔の皮膚を内側から支えている歯が失われると、お顔のたるみやしわにもつながります。歯がないことで自信を無くしてしまい、積極的にコミュニケーションをとる気持ちが減ってしまうかもしれません。

歯は食べることにもコミュニケーションにも脳の機能にさえ関係してくるのです。お口の状態にふさわしい治療をしていきましょう。

■欠損治療の種類

歯を失った場合、人工歯を装着して失われた歯を補う治療を行います。患者さまのお口の状態により、メリットが多くデメリットの少ないものを選択しご提案します。

*ブリッジ治療

両となりの歯を支えとして、橋のようにクラウンを渡す手法です。とりはずさなくてもよいので、義歯という違和感はあまり感じません。それでも、両隣の歯を支台とするために少し削る必要があり、また支えとなる歯に負担がかかります。歯を失った箇所の両隣の歯を削って支台とし、連結した支台と欠損部を連結した形でのクラウンを橋のように渡す形で被せます。失った歯が1~数本の場合、ブリッジ治療がデメリットがありながらもメリットを感じられる選択になります。

*義歯(入れ歯)

入れ歯は、残っている歯をけずることなく、人口の歯をお口の中にとりつけるという治療法です。外科手術の必要がなく、修理が可能で、ほとんどの方のお口の状態にあわせて作製することができます。しかし違和感やお手入れに慣れていただく必要があります。部分義歯(部分入れ歯)と総義歯(総入れ歯)があります。

*インプラント義歯(自由診療)

失われた歯の根のかわりに人工の歯根を埋め込み、人工の歯を被せる治療法です。自分の歯のような感覚をとりもどせると同時に、見た目的に自然な歯の美しさがあり、自分の歯を削る必要もありません。ただ外科手術が必要ですので、患者さまのおからだの状態によっては施術できない場合があります。日本では自由診療の治療となりますので費用がかさんでしまう点もあります。

インプラントについて詳しくはこちら

歯科治療の知見や素材は近年のうちにめざましく発展しています。ご自身やご家族のお口の状態に不安がありましたら、ぜひご相談ください。新しい技術や素材について知り、いきいきとした暮らしのためによりより治療法を選択していきましょう。


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23年01月13日

総入れ歯(総義歯)

総入れ歯は、歯ぐきで支える義床に人工歯をとりつけるもので、人口の歯ぐきがご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付き、失った歯の代わりとなって働いてくれます。入れ歯にはいろいろな種類があります。


■金属床義歯

歯ぐきに触れる部分が金属で作られている入れ歯です。コバルトやチタンといった、強度のある、体に優しい素材を使います。金属床の部分はごく薄く、違和感が少なく安定してよく噛むことができます。入れ歯を薄くすることができるため違和感も少なく、発生も自然なものになります。食べ物の温度がよく伝わり、温かい食事を温かく、冷たい食事をひんやりと楽しめます。

自費診療による入れ歯です。

*メリット
  • 安定して噛みやすい
  • 発声がしやすい
  • 食べ物の温度が伝わるため、食事をおいしく感じる
*デメリット
  • 保険適用外のため費用がかかる

■ノンクラスプ・デンチャー/ノンクラスプ+シリコーン

クラスプは、入れ歯を安定させるために、針金のような留め具で残っている歯にひっかける留め具です。この金属の留め具を使わずに入れ歯を安定させることもできます

歯ぐきにふれる部分を弾力性のある特殊素材で作り、目立たないばねで固定します。金属を使用しないので、笑ったときにも目立ちません。装着感が優しく、快適に使用していただけます。金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。ただ、修理がむずかしく、適する症例が限られる面があります。汚れがつきやすいので、お手入れも大切です。

シリコーンを使用することにより、より安定してよく噛めると感じられる入れ歯もあります。

※自由診療による部分入れ歯です。

*メリット
  • 歯と歯ぐきで支えてくれるため、歯にかかる負担が少ない
  • 装着感が優しく快適
  • 金具がないので審美的
*デメリット
  • 修理がむずかしい
  • 保険適用外のため費用がかかる

プラスチックとシリコーンで作るコンフォートデンチャー、ばねのかわりに磁石で固定するマグネットデンチャーも、違和感が少なく、ソフトな装着感でよく噛むことのできる入れ歯です。どちらも自由診療での製作となります。

■レジン床義歯

歯ぐきに触れる部分がレジン(プラスチック)で作られた保険適用の入れ歯です。食べ物の熱さや冷たさに対する熱伝導が悪く、強度を保つために厚く大きめに作らなければならないので、違和感がある、しゃべりにくい、という難点があります

しかし、保険適用なので安価、ほとんどの症例で使用できて修理しやすい、といったメリットがあります。

強化プラスチックを使う場合もあります。従来の保険適用内の入れ歯で使用するプラスチックより汚れにくく強度があります。ただ、アルコールや熱に弱い面があります。

※保険適用による入れ歯です。

*メリット
  • 大きくて厚い入れ歯になる
  • 違和感を感じやすい
  • 発声がしにくい
  • 食べ物の温度が伝わりにくい

いかがでしょうか。精巧な入れ歯はおからだの一部となり、食生活やコミュニケーションを助けます。お口の状態やご予算に応じて、ふさわしい入れ歯をご提案します。おいしく食べることをあきらめてはいけません!


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23年01月06日

「入れ歯」の今昔

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします! 今年の大河ドラマは徳川家康が主人公ですね。徳川家康といえば、歯科医的には「入れ歯」です。


■江戸時代の入れ歯

徳川家康が入れ歯を使っていたことはよく知られています。江戸時代の入れ歯は木製で、ツゲの木を使っていたそうです。ツゲの木には抗菌作用があり、固さもある程度あって加工しやすかったようです。

製作手順は、基本的にはなんと現代とかわりません。蜜蝋を主成分とした素材で型どりをし、木製の入れ歯をおおまかに作り、強くあたるところをマーキングして調整していたそうです。奥歯にはくぎを打って強度を増し、前歯は審美性を考え人や動物の歯を使っていたのだとか。

現代の歯科技工士に相当する仕事をしていたのは、仏師(仏様を彫る彫刻師)でした。現代と同じように、優れた技工士が最先端の知見をもって制作にあたっていたのです。

■現代の入れ歯

時代はかわって現代です。現代の入れ歯は、プラスチック製や薄い金属、磁石や特殊な弾力性のある素材を組み合わせて作られます。

入れ歯は歯の部分(人工歯)と、歯ぐきの部分(床)からできています。入れ歯には部分入れ歯(部分義歯)と、総入れ歯(総義歯)があります。保険診療の範囲で選択可能な素材と、自費診療で選択できる素材があります。

*総入れ歯(総義歯)

すべての歯を失ってしまった場合に使う入れ歯です。顎の内側を覆うような、大きな入れ歯で、歯ぐきで支える義床に、人工歯をとりつけます。人工の歯ぐきが、ご自身の歯ぐきに吸盤のように吸い付くことで入れ歯が固定されます。患者さまのご要望にに応じて、入れ歯の素材を選ぶことができます。

*部分入れ歯(部分義歯)

部分義歯は、失われた歯を補うものです。歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯を製作し、残っている歯に金具を引っ掛けて固定する仕組みです。残っている歯の部位や本数により、ふさわしいタイプの入れ歯をご提案します。

人工床に人工歯をとりつけた歯を、金具で両隣の歯に固定します。保険適用範囲では、樹脂床を針金で取り付けるものとなります。

現代の入れ歯は、機能的にも審美的にも進化を続け、歯を失った方の食べるという行為をサポートし、患者さまの健康に大きく寄与しています。


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