「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
診療・施術は日本口腔インプラント学会に認定された専門医、国際的なインプラント学会であるICOI(International Congress of Oral Implantologists)で認定された医師が行います。完全個室のオペ室、3Dレントゲンを完備し、世界No.1と称される歯科用インプラント技術のノーベルバイオケア社のソリューションを採用し治療にあたります。お悩みのことがありましたらぜひご相談ください。
英語のimplant は「植えつける」、「しっかり差し込む」「移植する」という意味を持ちます。医療的には、体内に埋め込まれる器具を表す言葉です。人工関節や心臓のペースメーカー、体内に埋め込むシリコン材料等はどれも「インプラント」です。
歯科医療では失われた歯の根のかわりに人工の歯根を埋め込む治療法を指します。インプラント手術は高度な外科手術であり、歯科医師には、患者さまのお口の中の状態や全身の状態のすべてを考慮したうえで適切な施術をご提案、実施できる高い知識と技術が求められます。
インプラントは失った歯を補うため人工の歯を装着する治療です。第2の永久歯ともいわれ、患者さまがもともとお持ちだったご自身の歯に近い歯をとりもどすことができるのです。人工の歯根と顎の骨が結合され、天然の歯とほぼ同等の噛む力をとりもどすことができます。
歯を失い「入れ歯」を使用する場合、どうしても違和感があり、噛む力がしっかり発揮できないと感じることがあります。インプラントなら、自分の歯のようにしっかり噛むことができます。インプラントの材料に使われることの多いチタンという素材は、骨と結合しやすく劣化しにくいという特徴があり、噛むという強い力に耐えることができるのです。
インプラントに使用する人工歯には、強度と美しさを兼ね備えたセラミックやジルコニアを採用し、口元から見える歯が自然な美しさをとりもどします。入れ歯の金具を気にせずに、よく食べ朗らかに笑うことができるようになります。
インプラントで補った歯は、ほかの歯に悪い影響を与えません。ブリッジや入れ歯の場合、隣の歯を削る必要があり、健康な歯に負担をかけてしまいます。インプラントなら多くの場合、その1本を独立した歯として治療することができるので、他の歯に負担をかけずにすみます。お口の中全体の歯列を少しでも健康に保つことを考えたとき、インプラントが最適な場合が考えられます。
自分の歯でしっかり噛めるというのはありがたいことです。噛むことは必要な栄養を取り入れるために必要なだけでなく、脳の活性化にも関係が関係があるのです。食べものを噛んだとき、歯根膜に沈みこんだ歯はその下の血管を圧縮し、ポンプのように血液を送り出します。ひと噛みで3.5ml、おしょうゆ一指しぶんくらいの血液が、噛むたびに脳に送り込まれたら、脳の刺激となり活性化につながるというイメージをしていただけると思います。
インプラントを選択した場合のデメリットについて考えていきましょう。
インプラントは高度な外科手術を必要とするため、患者さまの全身の健康状態を考慮して治療をすすめる必要があります。妊娠中の方、服薬中の方はご相談ください。また抜歯や経過観察、インプラントが骨と結合するまでに2ヶ月~6か月ほど時間がかかることを考えると、保険診療の範囲で治療したときより通院回数も治療期間も長くなります。そして保険適用外のため、治療費がかさんでしまうということ。治療後のメインテナンスも必要です。おからだに人工的なパーツを装着するわけですから、患者さまと医師が協力して乗り越えていきましょう。
弥生時代から現代まで、1回の食事で噛む回数は変わってきたのか? 面白いことを研究された方がいらっしゃいます。神奈川歯科大学元教授の齋藤滋先生と食文化史研究家の永山久夫先生です。学生さんが被験者となり、それぞれの時代の食事を食べてもらい測定したそうです。すると驚きの結果が・・・!
引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書
現代の私たちは1回の食事につき600回程度しか噛んでいないのですね。数字としてあらわれると明確です。
「噛む力」が弱くなる要因のひとつは、軟食化の傾向です。日本医師会が8月に1万人の方を対象に行った調査でも、現代人は硬い食べ物を避ける傾向にあると明らかです。
日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」2022年11月7日
全体の2人に1人が「硬い食べ物より柔らかい食べ物が好き」(47.0%)、4人に1人が「子どもの頃から硬い物を食べる習慣があまりなかった」(25.1%)と答えました。
特に若い人の回答に少し驚きました。70代より、10代のほうが、「軟らかいものが好き」と回答した人が多かったのにはちょっとびっくりです。また10代の半数近くの方が、食べこぼしや滑舌の悪さなどの口腔機能の問題を経験しているのだそうだです。「硬い物を食べるときに噛み切れないことがある」のも10代が一番多いです。「食事で噛んでいると顎が疲れる」とおっしゃる方も半数以上いらっしゃるのです。
日本人のお口の中に何が起こっているのでしょうか? 若い人の口腔機能はもしかしたら私たちの思っている以上に未発達なのではないでしょうか。
「噛む力」の低下は、口のまわりの筋肉や顎の骨の未発達につながり、歯並びの乱れや顎関節症を起こすリスクとなってしまいます。食物繊維が多く含まれている歯ごたえのある食べ物や、肉などよく噛んで食べる必要があるどタンパク質を多く含んだ食べ物の摂取量の低下につながり、栄養の偏りやひいては運動機能の低下にもつながっていきます。
マスクをしているとなんとなく息苦しくて、いつのまにか「口呼吸」になっていませんか。口を開けて呼吸していると、口腔内が乾燥し唾液が減少します。抗菌力がありウイルスの侵入を防いでくれる唾液が減ると、免疫機能が低下してしまいます。
唾液には、抗菌作用があり、食べかすを洗い流してくれるといった自浄作用があります。口呼吸でお口の中が乾燥していると、汚れが着きやすくなり、プラークが付着しやすくなります。そのうえ唾液の機能が低下し、むし歯や歯周病の温床となってしまうのです。
口呼吸により常に口を開けている状態は、唇の筋肉の衰えの原因となります。お口のまわりの筋肉が衰えると、が歯並びや噛み合わが乱れを招きます。口が常に開いている状態だと、舌が下に下がり唇と舌のバランスが崩れ、出っ歯や乱ぐい歯、開咬といった不正咬合の原因となります。
子供たちは、マスクをつけるのが当たり前の世の中で成長している世代です。マスク生活による口呼吸が歯並びの乱れにつながったり、表情筋の衰えが将来のお顔の見た目に影響がでてくるかもしれません。
口呼吸ではなく鼻呼吸の習慣を身に着け、お口のまわりの筋肉を鍛えるにはどうすればいいのでしょうか?
意外にもよく噛んで食べることを心掛けるだけでいいのです。マスク生活の中では、お口まわりの筋肉や表情筋が衰えて、お口が開きっぱなしになったり、どんより老け顔になったりしがちです。お口のまわりの筋肉を鍛えましょう。
「あいうべ体操」もおすすめです。「あー」「いー」「うー」「べー」とそれぞれお口を大きくあけて、30回。お顔のストレッチのつもりでやってみませんか。
今日の記事や画像は、株式会社ロッテさんのアンケート調査を参考・引用させていただきました。歯科医療的にもうなずけるところがたくさんありました。
お口の中のがんの発生頻度は、がん全体のなかでは1~3%程度で、決して「よくある」ということではありません。しかも初期のうちに治療すれば、5年生存率は90%以上という報告もされています。しかし、あまり知られていないため、発見が遅れると舌やあごの骨を切除しなければならなくなったり、死にいたることもあるのです。
痛みやしこりが感じられるようになったらすでに進行しているかもしれません。舌や歯ぐきが盛り上がって変形していたり、しこりのようなものを感じたら要注意です。なかなかなおらない口内炎もちょっと心配ですね。
口口腔がんは、早期に発見できれば「なおる」、とも言われています。対策は簡単です。歯科医院の定期検診に来ていただければいいのです。行政が行っている検診もありますので、活用してください。
お口の中の異変は、自分の目で見て気づくことができます。40代以上のかたは、月に1回、お口の中もセルフチェックをしましょう。
健康なお口の中の粘膜はピンク色ですが、前がん病変という粘膜の病気にかかると白く斑な部分ができたり、赤かったり黒かったりする部分ができたりします。ほおっておくと、「がん」にまで進行する可能性の高い病変です。そうなる前に、からだがサインをだしていたら、見逃さないようにしましょう。
マウスピース型矯正装置は透明で目立たず、装着していることが外見上ほとんどわかりません。治療計画にそって、少しづづ目的の歯並びに近いづいていくマウスピースをお渡しするので、通院の回数も少なくてすみます。ただし患者さまが、ご自分で毎日の装着時間を守っていただくなどの自己管理が必要になります。
患者さまの歯並びやお口の中の状態はそれぞれ異なりますので、「こういうときにはこれ」と一概には申し上げにくいのですが、おおまかに、前歯のみの矯正がしたいケース、歯並び全体の矯正が必要なケースに、大きくわけることができます。
前歯のみ矯正したい場合で、比較的容易な症例のときにインビザラインGoが適しています。前歯から1番め~5番目の歯を動かします。抜歯はありません。乱ぐい歯やすきっ歯、口を閉じたときに、前歯の上の歯が下の歯の内側にあるいわゆる受け口の状態、前歯が咬み合わない状態を矯正したい場合、インビザラインGoの選択が考えられます。
歯科インプラントの代表的なリーディングカンパニー、ストローマン社のグループ会社が提供しているシステムです。前歯から1番め~7番目の歯を動かします。抜歯はありません。歯肉の2mm程度までを包むように設計されていて、矯正力が強いというのがセールスポイントです。
上記で対応できないような、乱れた歯並びの際に検討します。抜歯を検討する場合も、抜歯の必要がない場合もあります。
マウスピース矯正では効果を見込めない場合もあります。ワイヤー矯正は適用範囲が広く、過去の知見の蓄積も豊富で確実な結果を得られる可能性が高いです。当院では目立ちにくいプラスチックやセラミックのブラケットを推奨しています。
食べること、会話をすること、笑顔で気持ちを表すこと、これらはどれもお口に関係しています。でも子どもたちの成長は千差万別。皆が同じように発達していくわけではありません。おっぱいの飲み方が上手だったりうまくいかなかったり、好き嫌いが激しかったり、言葉が早い子もなかなかしゃべり出さない子もいます。子育て中はなぜどうしてと思うことがたくさんありますよね。そのような時に歯科医が力になれることがあるかもしれません。
口腔機能の発達はお母さんのおなかの中にいる時から始まり、赤ちゃんのお誕生から、学童期まで続いていきます。
乳幼児期は食べる機能の基本を学ぶとても大切な時期です。食べるためには上手にお口が動き、噛むための歯が生えて食べ方を覚えていく必要があります。よく噛んで食べるためにはお口の動きの発達とともに噛むための歯が生えていてしっかり噛み合わせができていることが大切です。
幼児期の子どもの場合、おっぱいを飲んでいる時期の飲み方が残っていることがあります。舌を前の方に出して、上あごと下でおっぱいを挟み込む飲み込み方です。乳児型嚥下、舌突出型嚥下と言いますが、この飲み込み方がずっと続くと開咬(かいこう)といって、上下の前歯の間に隙間ができてしまう噛み合わせの問題となることがあります。早めに対応していくようにしましょう。
子どもは大人に比べて筋肉の力も弱いので薄っぺらくて筋のある食べ物は難しいかもしれません。無理に頑張って食べさせることが続いて、丸呑みの癖がついてしまうのはよくありません。また食事への集中力や食べ物の好み、食べる姿勢、動作などさまざまなことが関係しています。早食いは肥満や窒息などのリスクを高めるという側面もありますので、体重が減るといった心配なことがなければお子さまのペースを見守ってあげましょう。
日本歯科医師会が1万人の方を対象とした「歯科医療に関する一般生活者意識調査について」という調査結果を発表しました。
「歯科医療に関する一般生活者意識調査について」
90%以上の方が、全身の健康維持とお口や歯の健康は関係あると認識していらっしゃるのに、具体的にどういうことなのかいまひとつ明確な知識をお持ちでないという結果が明らかになっています。
ひとつまえの記事では「循環器」「感染症」「認知症」についてご紹介しました。今日は、「糖尿病」「唾液」「自分の歯」のお話です。
糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病になると糖尿病になりやすいのです。歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
糖尿病は、『インスリンの作用不足が慢性高血糖の状態をおこし、特有の合併症や動脈硬化を進行させる病気』です。糖尿病の合併症としては、目の病気、神経の障害、腎臓の病気、動脈硬化、心筋梗塞や脳卒中がよく知られていますが、歯周病は「第6の合併症」とも言われており、糖尿病の方は歯周病の進行が著しく早くなるのです。
一方で、歯周病が糖尿病のリスクを高めることもわかっています。歯周病に感染し毒素が体内に侵入しやすい状態になっていると、からだが毒素を排除しようとしてインスリンの作用を妨げる悪玉物質を作ってしまうのです。
逆に、歯周病をきちんと治療すると糖尿病も改善するケースがあることが明らかになってきました。
全身の健康に大きく関係のあるお口の中の働きものが、「唾液」です。唾液には多くの成分が含まれています。食事で酸性に傾いたお口の中を中性にもどしたり、歯の脱灰を修復したり、病原菌の感染や侵入を防ぐ抗菌作用もあります唾液には様々な機能があります。
唾液は健康的な唾液はとてもさわやかですよ。
20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。
高齢になり20本の歯を保てなかったとしても、お口の中の状態を大切にして、自分にあった義歯(入れ歯)などを使用しすることで20本あるのと同程度の効果が得られます。高齢社会においては、健康寿命を延ばすためにお口の健康はとても大切なんです。
日本歯科医師会が1万人の方に行った調査によると、ほとんどの方が、歯やお口の健康は全身の健康維持と関係があると認識していらっしゃいます。ですが、具体的にどう関係あるかということになると、ぴんときていらっしゃらない方が多いようなんです。
調査の設問のキーワードとなる言葉のうち、「循環器」「感染症」「認知症」についてご説明します。
歯を磨いていて歯ぐきから出血したことがありますか? 血がでるということは血管が壊れているということ。細菌はそこから血液にはいりこみ、血流にのって、数秒で心臓に届くと言われています。
むし歯の原因菌のなかには、歯に強力に付着してプラークを形成するものがありますが、この菌は臓器に対しても付着してしまうのです。血管内の細胞に付着したプラークが血管を狭めたり、心臓弁膜症の治療中の方の人工弁や、関節リウマチを治療中の方の人工関節にくっついて細菌の巣となってしまいます。口の中の細菌が、循環器、呼吸器、消化器などに慢性炎症の原因となってしまうことがあるのです。
舌磨きなど口腔内を清潔にすることで、インフルエンザへの感染リスクを下げることができます。口腔内を清潔にすることで、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを軽減できる可能性も考えられています。特に危険なのは歯周病です。細菌の温床となり、ウイルス感染のリスクが高くなってしまうのです。
よく噛むことは脳の働きを活発にすることがわかっています。よく噛み、脳血流量を増やすことで、認知症の予防につながることが期待されています。逆に、重度の認知症の方はお口の中の状態が悪く、自分で噛むことができない状態が目立つのです。また歯を失う大きな要因である歯周病菌が、アルツハイマー型認知症の原因となることもわかってきました。介護の現場では、歯がない人は認知症の進行が速いようだと認識されていると言っていいのではないでしょうか。歯の本数が多い人ほど認知症になるリスクが少ないという調査結果もあるのです。
子供の乳歯が抜けて永久歯に生え変わる時期は、あごの成長の度合いなどにより個人差があります。乳歯が抜けるころには、大人の歯が顔をだそうともう準備しています。乳歯の下に埋まっている永久歯の準備ができて、自然に出ようとすると、乳歯の歯根が溶け始めます。
グラグラしている段階では、乳歯の歯根があごの骨(歯槽骨)の中でまだ一部つながっているので、無理に抜こうとしないでください。乳歯が途中で折れると永久歯の生えるスペースがなくなり、横から生えてきたりして歯並びに影響を及ぼします。お子さまはつい舌でさわってしまうかもしれません。「さわらないで、大事にね」と教えてあげてください。
生え変わる準備ができると、乳歯は食べ物を噛んだり歯みがきをしているときに自然とぽろっと抜けます。自分の歯がぽろっと抜けて、血がでたりもするので、お子さんはびっくりするかもしれません。
乳歯が抜けない、永久歯が生えてこないといったときには、なにか理由があるのかもしれません。お子さまの将来のお口の健康のためになにができるか見ていきましょう。
一般的な歯の生え変わりの時期を過ぎても乳歯が抜けない状態を、「大人乳歯」と呼びます。永久歯が作られていない可能性も考えられます。歯科で検査を受け医師に相談してみましょう。
乳歯が抜けていないのに永久歯が生えてくることがあります。こちらも歯科にご相談することをおすすめします。永久歯の生え方に影響し、歯並びが悪くなる可能性があります。
乳歯が抜けてからあまりにも長い間永久歯が生えてこなかったり、反対側の歯は生えているのに、というような症状は、もともと永久歯がもともとない、ということも考えられます。永久歯が生えるまでには3ヶ月〜1年ぐらいかかる場合もありますが、放っておかずに医師に相談されることをおすすめします。
女優の菅野美穂さんが、ずっと残っている乳歯をお持ちで100歳まで大事にしたいとおっしゃっていたことがあります。個人差があり様々なケースがありますので、お子様の歯の状態に不安があったら歯科医師にご相談ください。
赤ちゃんが夜中に目を覚まし、原因があるわけでもないようなのに泣き続けることを夜泣きといいますね。消化に関する腹痛が原因となっているのではという見方があります。お腹がふくらんで緊張し、足をまげてお腹につけている姿が見られませんか? 背中をとんとんしてあげると少し落ち着くのは、排ガスによる効果かもしれません。
夜泣きの原因は、腸内細菌叢(さいきんそう)、腸内フローラのアンバランスではないかという研究が海外を中心に進んでいます。夜泣きの対策として、腸内フローラのバランスを誘導するサプリメントが効果があるという報告がされています。
写真は2017年に開催された第64回日本小児保健協会学術集会の、兵庫医科大学小児科学講座 服部益治先生の発表より引用させていただきました。
夜泣き(コリック・乳児臍疝痛)をする赤ちゃんに、腸内フローラを整える乳酸菌の中でも、ロイテリ菌のサプリメントを与えたところ,28日後に泣いている時間が74%減少したことが報告されたそうです。その後も,様々な臨床研究でもロイテリ菌の効果が報告されているということ。また,便秘の改善においてもロイテリ菌の効果があるということです。さらに口腔内菌質の改善(歯肉炎)や口臭対策,ピロリ菌の除菌・制菌とその効果は幅広く確認されています。
ロイテリ菌は本来母乳に含まれている菌なのですが,現代のお母さんの母乳内で減少している可能性があり、このサプリメントが栄養補助食品としても評価が上がっているそうです。
腸管では、からだの免疫組織の実に50%以上が働いています。免疫力アップに重要なのは、腸内細菌の状態なんです。腸の壁には、菌の花畑のように身体の調子を健やかに整える善玉菌、身体全体に悪い影響をおよぼしてしまう悪玉菌、善玉菌になったり悪玉菌になったりする日和見菌といった菌が、何百兆も生息しています。この菌の花畑が、善玉菌がよく働き悪玉菌が働きをひそめる、そのバランスが免疫機能、ひいては健康や美容にとても大切なのです。免疫機能がきちんと働いていれば歯周病予防にもなりますよ。
当院では、トローチ錠のサプリでロイテリ菌をとりいれることのできる、大人向け「L.ロイテリ菌プロデンティス株」、お子様向け「Bio Gaia チャイルドヘルス30錠」を取り扱っております。ご興味のある方はぜひご来院の際にお声掛けください。
年をとってくると、歯がのびたように見えることがありませんか? それは、歯が伸びたのではなく、歯ぐきが下がったんです。その歯の根元にできる「歯の根むし歯」をほおっておくと、健康にとってとても重大な事態を引き起こします。
歯の根むし歯のスペシャリスト、愛知学院大学歯学部 保存修復学講座 特殊診療科教授 冨士谷 盛興(もりおき)先生にお話しをうかがいました。
※情報や出演者の肩書きは撮影時のものです。
歯ぐきは年をとると誰でもさがっていきます。30代でさがりはじめて、40代で8割以上、60代になると100%の方が歯ぐきが下がっています。毎日少しづつ下がっていくので、気づいていない人も多いと思いかもしれません
歯の根むし歯をおほっておくと、複数の歯がむし歯になって、歯を失う原因になり、口の機能が低下し、ご高齢者の場合は要介護に至る危険性もあります。また全身の病気に関連する歯周病を引き起こす原因にもなるんです。
歯の根むし歯は、治療がむずかしいところがあります。重症化しやすいのに進行が遅いため、気づきにくいという特徴があるからです。
歯は歯ぐきから上の部分はからだの中で最も堅い組織、エナメル質でできていて、そのエナメル質で守られているのが象牙質です。歯ぐきがさがると、この象牙質が露出してしまいます。象牙質は酸に弱くて溶けやすく、表面がざらざらしていて汚れが付きやすいためめ、虫歯になりやすいんです。
食べかすを歯の間に残さないことが重要です。食事の余韻を楽しまず、食後5分以内に口をゆすぐことが効果的です。大切なのは、歯の間にモノが挟まっていると気持ちが悪いという感覚を持つことです。
口をゆすぐときにはぶくぶくうがい。頬をふくらませて勢いよく歯と歯の間を洗い流します。また食後の歯みがきは二段階磨きで行います。普段通りに歯をみがいたあと、歯と歯ぐきの境目を意識してみがきましょう。
歯みがきで絶対にやってはいけないことが、力をいれてゴシゴシ磨きをすること。歯ぐきを傷つけ、歯ぐきががる原因にもなります。軽く当てて、小さく動かすだけでも汚れはとれます。
電動歯ブラシもおすすめです。力をいれずに毛先を軽くあてるだけできれいになります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って、歯の間の食べかすをとることも効果的です。歯みがき粉はフッ素配合で濃度が高いものを使うと、歯の表面を保護する効果が高まります。
歯ぐきがさがったら、元に戻す方法はありません。だから、歯ぐきが下がっていることに気づいた時からケアをすることが大切なんです。歯医者の定期検診にいって歯垢や歯石をとりのぞいてもらい、自分にあった歯みがきの仕方を教えてもらいましょう。また歯の根元がしみるなど症状がある方はすぐに歯医者で受診を。
初期の歯周病なら、歯のまわりをきれいにお掃除して、その状態を保つ歯みがきや歯のお手入れを継続することで改善されます。しかし、歯周ポケットが深かったり、歯肉に隠れた部分が汚れていて器具を使ったスケーリングだけでは歯石をとりきれない場合、メスやレーザーで腫れてしまった歯ぐきを切除します。細菌の住処となっている歯石をとりのぞく必要があるのです。
お掃除を徹底的にして正しい歯みがきを実践しても歯周ポケットの深さが改善されない場合は、腫れてしまった歯ぐきをメスやレーザーで切除します。
歯の根っこの部分の表面にこびりついた汚れや、歯周ポケットの内側の細菌に感染した部分を掻き出す治療です。麻酔をして行います。歯の根の部分が清潔になり歯と歯肉が密着すれば、汚れがたまりにくくなります。
歯ぐきを切り開いて歯の根のまわりをきれいにする手術を選択する場合もあります。1週間程度で抜糸となります。
歯周病の基本は歯周病原因菌を除去することで、そのために菌の住処となるプラークをコントロールすることにあります。さらに、重度の歯周病の場合は損なわれた組織を回復する必要があります。
歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。この手術の際に、歯周組織の再生を誘導する薬剤を使用します。当院ではエムドゲインという歯周組織再生用材料を使用します。エムドゲインの主成分はタンパク質の1種で、歯が生えてくるときに重要な働きをする成分です。歯肉を切開し、歯の表面をお掃除をして、エムドゲインゲルを塗布して縫合します。数か月から1年程度で歯周組織の再生が見込まれます。
歯周病治療は、歯を残すための治療です。しかしどうしても抜歯を検討しなければならない場合もあります。根の先まで大量の歯石がついており歯周病菌に侵されているケースや、周りの骨まで溶けてしまっているケースなどです。治療後のことを考えたとき、人工の歯を入れる可能性も考慮すると抜歯をおすすめすることもあります。抜歯は本当に最後の手段です。歯科医師は、歯を残す治療をしたいのです。他の医院で抜歯をすすめられた患者さまのセカンドオピニオンも受け付けています。
歯がぐらつく、口臭がするといったお口の中の違和感を放置しないでください。歯みがきでとりきれなかった歯と歯肉の間の汚れ。そこに細菌が住み着くとプラーク(歯垢)となり、歯にこびりつく歯石となると、炎症が引き起こされます。これが歯周病のはじまりです。歯周病には自覚症状がなく、自分で早期発見することはできません。歯がぐらぐらするほどになって初めて気づくのです。
歯周病は、気づくのが早ければ歯についた汚れの掃除と歯みがきで治すことができます。それぞれの段階で治療法が異なりますので、適切な治療計画をご提案させていただきます。
歯と歯肉との間の隙間を歯周ポケットといいます。この隙間ができるのが歯周病の症状です。針状の器具やレントゲンで深さを確認します。3㎜以上なら治療が必要です。
歯にこびりついている歯石を先端のとがった器具でとりのぞいていきます。歯石は、プラーク中の細菌が唾液の中の成分と結びついて固くなり歯にこびりついている状態です。それほど進行していなければ、歯石をとりのぞき歯みがきの習慣を見直すことで改善されます。
スケーリング・ルートプレーニングは、特殊な器具で歯肉の奥までお掃除し、歯の表面をなめらかにする治療です。きれいになった歯の表面に、再びプラークや歯石が付着しないようにすることが目的です。
そしてこれがとても重要なのですが、歯科医で歯をきれいにしたら、日々の食事で汚れがたまらないように、歯みがきの方法を見直していただきたいのです。1本1本の歯に対して、歯の前側、後ろ側、わき、隣の歯と接しているところ、つけねに歯ブラシがあたるように子心がけてください。
ポイントは、「磨きのこしがないように」。
こちらは2018年に財団法人8020推進財団が発表したデータです。赤い部分が歯周病で歯を失った方の部分です。40代前半という年代の1/4の方が、歯周病で抜歯しなければならなくなっています。50代後半になると、二人に一人の方が歯周病で歯を失っているのです。
歯が生え始めたばかりの赤ちゃんに歯周病菌はいません。大人の歯周病菌が、噛み与えや食器の共用などから感染してしまうんです。唾液感染が、感染ルートでは一番多く、キスや箸・スプーンの共用が考えられます。人間の歯周病菌と同じ菌が犬の口から発見された報告もあります。かわいいペットと歯周病を移しあっては悲しすぎます。動物とキスをするのはやめましょう。
歯周病は歯のまわりにたまったプラークが原因です。プラークは細菌の塊。プラークの中の細菌がからだに入り込もうとするのを阻止しようとして、歯ぐきのまわりに炎症が起こります。炎症性物質は、口腔内の血管から全身にまわり、様々な重大な病気の原因となります。
どれも血管の病気です。全身にまわった歯周病菌は血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)をつくり、血管の壁面からはがれたプラークは血液の通り道を狭くします。狭心症・心筋梗塞は心筋に血液の供給がなくなり死に至る場合もあります。脳梗塞は脳血管がつまる病気です。歯周病の人は、そうでない人より脳梗塞になるリスクが2.8倍も高いのです。
歯周病と糖尿病は相互に悪化させあいます。逆に、糖尿病の患者さんが歯周病を治療すると、血液中のTNF-α濃度が低下し、HbA1c値も改善するという報告がされています。血糖値がさがり血糖値をコントロールする機能が回復するということです。
妊娠している女性が歯周病にかかっていると、低体重児の出産と早産のリスクが高くなることが明らかになっています。喫煙や飲酒、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。
誤嚥性肺炎は細菌が気管から肺の中にはいることによって起こります。免疫力の低下しているご高齢者や、脳血管障害のある方は注意が必要です。お口の中の細菌が命に関わることもあるのです。
お口の中の炎症物資が血液中にはいりこみ、関節炎や糸球体腎炎を起こすことがあります。歯周病は口腔内が常に炎症しており危険な細菌が常駐しているような状態のため、様々な病気の原因となります。
※情報や出演者の肩書きは撮影時のものです。
実は、現在、青少年が前歯を失う理由の多くは、むし歯よりスポーツ中の転倒などで起こる前歯の怪我なのです。特にサッカーや野球、バスケットボール、バレーボール、ラグビーなどで歯を折る怪我が多くなっています。
それ以外にも、歯が抜け落ちたり、歯ぐきにめりこんだり、口の中を切ったりと、様々な怪我が起こります。
高校ラグビーの全国大会で、試合前に選手がマウスガードをつけているかチェックしているのをご存じですか? 他にも、装着が義務化されている競技にはアメリカンフットボール、ボクシング、アイスホッケーや女子のラクロスなどがあり、ほかの競技への普及も急がれています。
また、歯並びが悪いと出っ張った歯がぶつかりやすく怪我のリスクが高まります。そのような場合には歯列矯正などの治療が必要になってきます。
木更津きらら歯科では、アスリートのためのマウスピース作製を行っています。選手の方々の安全を守り、実力を発揮できるよう、心をこめて作製にあたっています。
上野先生によると、試合のときに急にお口の中のトラブルが発症するケースがすごく多いのだそうです。ブラジルまで遠征したあるロードレーサーの方が、予選から奥歯のあたりが腫れてきて、決勝当日にはヘルメットが装着できないほど腫れがひどくなり、出場を断念して帰国しなければならなくなったということがありました。どれほど無念だったでしょうか・・・。
代表的な口のトラブルはむし歯や歯肉炎、親知らずの炎症です。スポーツ選手の口の中は、とてもむし歯になりやすい環境です。スポーツ選手は体つくりや体力維持のために一日の食事の回数や食べる量が多く、食べ物が口の中にある時間は通常の人の2倍と言われています。そして水分やエネルギー補給のために、糖分が含まれるスポーツドリンクをよく飲む。
食事と食事のあいだには、お口の中で、唾液によってむし歯菌のだす酸が中和されたり、酸で溶けた部分を修復する歯の再石灰化が行われているのですが、食事やスポーツドリンクをとる回数が多く間隔が短いとそれができずむし歯になりやすくなってしまうんです。
歯や口の疾患は痛みで集中力の低下を招くだけでなく、噛み合わせやバランスが変わったりすると、それによって筋肉が力を出し切れなくなり、スポーツパフォーマンスの低下を招くことになります。多くのアスリートにとって、歯科の役割はますます重要になってきていると思います。
親知らずとは、前歯から数えて8番目の奥歯のことを言います。正式には第三大臼歯と呼ばれ、智歯(ちし)とも言います。
親知らずが顎の骨の中で形ができてくるのは、10歳のころ。お口の中に生えてくるのが20歳頃です。お子さんの最初の永久歯が生えてくるのが6歳頃、15歳くらいで多くの場合すべて永久歯に生え変わることを考えると、親知らずは生えてくるのがとても遅いのです。そのせいで、生えてくる場所がなく傾斜したり歯肉の中に埋まったままになったりします。
長い人の歴史で考えれば、食生活の変化により、現代人の口の中が小さくなっていることが原因なのかもしれません。
まっすぐ生えていて、上下がきちんと嚙みあっているのなら抜く必要はありません。他の歯に悪影響を与えたり、口腔内を傷つける可能性がある生え方なら抜いたほうがいいかもしれません。親知らずがどう生えているのか、レントゲンで確認して判断します。抜いたほうがいいケースとして、こんなことが考えられます。
親知らずは最奥にあるため、歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病にかかりやすいのです。同じ理由から、治療してもまた再発することが考えられます。しかも手前の歯にまでむし歯や歯周病が広がるリスクが大きいのです。
親知らずの周囲の歯ぐきが、唾液中の細菌に感染して炎症を起こすことを智歯周囲炎と言います。歯ぐきが腫れ痛みがあります。1週間くらいでいったん症状が落ち着いても、疲れなどでからだの免疫機能の力が弱まったり、歯みがきが行き届かず細菌が増えてくるとまた腫れてきます。炎症が広がると、顎の骨や筋肉の中にも膿がたまり、喉のあたりまで強い痛みを感じたり、口が開かなくなるほど腫れる場合もあります。このような症状が起きたら抜歯を検討するべきです。
親知らずが傾斜したり横向きに生えていると、手前の歯を押して歯並びに悪い影響をおよぼすことがあります。手前の歯の根っこが弱ってしまうこともあります。歯みがきの難しさは言うまでもありません。うまくケアできなかったらむし歯や歯周病の原因となってしまいます。
上下のどちらかの親知らずだけが生えていると、歯は噛みあう相方がなく余白に伸びていきます。噛みあう歯がない状態で不必要に伸びた歯は、お口の中を傷つける可能性があるのです。むし歯や歯周病、炎症がなくても、抜歯を検討したほうがいいケースです。
親知らずは含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)といった嚢胞や腫瘍の原因になることがあります。嚢胞とは、分泌物が袋状に溜る病気の状態で、痛みはないのですが、骨を溶かしてゆっくりと大きくなり続けます。良性腫瘍の1種ですので、このような場合は抜歯をすることになります。
※インビザライン完成物は薬機法対象外であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
インビザラインは、マウスピース型矯正装置を装着する歯科矯正システムです。マウスピースは透明で、矯正歯科治療中気であることが周囲の方にも気づかれにくいのが特徴です。
治療計画のそれぞれの段階に適するマウスピースがあらかじめ制作され、患者さまご自身の管理により装着していただくことで、通院回数を減らすことができます。1~2か月に1回程度の通院で、矯正専門の歯科医師が進行具合を確認します。
患者さまのお口の中の状態、歯並び、ご要望は様々です。歯科矯正といっても、歯並び全体ではなく前歯のみの矯正が求められることも多くあります。インビザラインGOは、治療していく歯列を奥の歯をのぞく20本と限定するため、費用や治療期間を抑えることができます。
インビザラインGOシステムで矯正できるのは、前歯部(第一小臼歯から第一小臼歯)です。前歯だけの矯正で治療の効果があがるのか、歯並び全体の矯正治療のほうが適しているのか、600万の豊富な症例から判定します。インビザラインGOが適するケースは、以下のような歯列です。
前歯が斜めになってるのが気になると来院された患者さまの症例です。
インビザラインGOによる矯正治療を行いました。
前歯の歯並びを矯正ご希望で来院された患者さまです。
全体の歯列を動かす必要はなかったので、インビザラインGOによる矯正治療を行いました。
インビザラインGOは、歯並び全体の矯正よりも短時間で効果をあげることができます。患者さまにより異なりますが2~3カ月程度で効果が見込まれることが多いのです。また歯列全体の矯正と比較すると、費用は半分以下に。矯正後におこりがちな「後戻り」も、iGOアライナーで歯並びを整えなおすことができます。
※インビザライン完成物は薬機法対象外であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
透明な素材で作られたマウスピースを使用する矯正方法は、ブラケットを装着する方法に比べて目立ちにくいのが特徴です。
マウスピース矯正の中でも、歯列の変化に伴いその都度かたどりをするシステムと、最初にプランを明確にしあらかじめそれぞれの段階のマウスピースを製作するシステムがあり、インビザラインは後者となります。どちらにもメリット・デメリットがあります。
最も特徴的な点は、矯正装置が目立たず、装着していてもほどんど人に気づかれない点です。マウスピースは、透明に近い、薄い医療用プラスチックです。矯正治療中の見た目が気になる方、大勢の人の前に出る機会の多い方、人と会うお仕事の方におすすめです。
食事の際にはマウスピースをとりはずし、普段通りに食事を楽しむことができます。ブラケットやワイヤーに食べかすが挟まることがありません。食事のあと、いつものように歯みがきをして洗ったマウスピースを装着すれば、お口の中を清潔に保つこともたやすくなります。
歯科矯正では、治療前の患者さまの歯並びを正確に把握したうえで、高い精度で治療後のイメージをシミュレーションし、患者さまにご納得いただいたうえで治療にあたることがとても重要です。木更津きらら歯科では、お口の中の状況をより正確に負担なく再現できる、世界標準の口腔内3Dスキャナー「iTero Element」を導入しています。矯正治療後の状態をシミュレーションしたり、治療途中の歯の動きを確認したりすることも可能です。
治療の段階ごとにマウスピースを変えて歯列を動かしていくのがマウスピース矯正です。インビザラインシステムでは、一度に数段階分のマウスピース(アライナー)をお渡しします。患者さまの自己管理が重要な反面、通院の回数をおさえるメリットがあります。
マウスピース型矯正装置は金属を使用していません。また段階的に歯を動かしていくため、従来の矯正方法より痛みが少ないようです。矯正期間中に装置がはずれてしまい、緊急に歯科に出向かなければならないということも起こりません。また、十分ご注意いただきたいものの、むし歯になってしまった場合でも治療が行いやすい面があります。
患者さまの歯の状態や治療計画によりますが、治療期間は他の矯正方法とあまり変わらないと報告されています。
通院が少なくてすむ代わりに、患者さまの自己管理が非常に重要な治療法です。治療計画通りに装着時間を守っていただけないと、治療の効果があがりません。不正咬合やがたつきが重度の場合、他の矯正方法を提案させていただく場合がございます。
むし歯がないのに、歯の表面が広く傷んでいる患者さまが時折いらっしゃいます。お聞きしてみると、コーラや炭酸水を好んで飲まれていたり、晩酌でレモンサワーやハイボールを飲む習慣がある方でした。コーラや炭酸飲料、レモンに含まれている「酸」が、歯の表面を溶かしていたのです。
歯は皆さんが思っている以上に酸に弱く、「酸っぱい」と感じる程度の酸性度の飲食物でも、長く触れていると簡単に溶けてしまうのです。
酸蝕症にかかった歯は、むし歯とは違う特徴があります。酸で歯のエナメル質が溶けるという現象自体は同じなのですが、それが歯全体に起こったらどうなるか想像してみてください。
食生活が変化し、お口の中が酸性に傾きやすい傾向があるようです。その原因のひとつとして、スポーツ飲料や清涼飲料水の過剰な摂取が言われています。暑い日の水分補給のためにはナトリウムなどを含むスポーツ飲料が助けになりますが、過剰な摂取もまたよくないという、なかなか悩ましい問題でもあるのです。
酸性の食べ物をとってはいけない、ということではありません。梅干しをおやつがわりに一日何個も食べるとか、グレープフルーツばかり食べるといった、極端な食べ方、飲み方をするのはやめましょう。食後のうがいや歯みがき、だらだら食いをしない、お口の中を中性にもどしてくれる唾液の働きを意識するといったことで、お口の中の健康を守りましょう。
私たちはまず目の前のものが食べ物か認識します。そして一口で噛んで飲み込めるかどうか判断します。食べ物をお口の中にいれると歯の力が噛み砕いたりすりつぶしたりしてやわらかくしてくれます。やわらかくなった食物は舌によって喉の入り口まで運ばれます。鼻との交通を遮断したり、気道を守るといった複雑な動きが起こりへんなところにはいってしまわないように防ぎながら、食べ物は食道を通り胃へと送り込まれるのです。
自分の力で食べ物を噛んで飲み込むためには、様々な機能が健康的に働いているのです。ではそれは、どんな機能でしょうか?
これをロボットで再現しようとしたらたいへんなことになりそうですね!
さて、一方、食べ物が誤って気管や肺に入ってしまったらどうなるでしょうか。口腔内の様々な機能が正常なら、激しく咳き込んで、誤嚥物を吐き出そうとします。ところが年をとってお口の中の筋肉や機能が衰えてくると、むせたり吐き出したりといったことができなくなります。そうなると、見た目では、誤嚥しているかどうかわかりません。
誤嚥がこわいのは、細菌もいっしょに肺にはいってしまうことが多いからなのです。誤嚥性肺炎は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような外部から侵入する細菌ではなく、元から口腔内や鼻腔に存在している常在菌による肺炎です。熱やせき、濃い色の痰などの症状がみられますが、倦怠感や食欲不振といった形で現れることもあります。重症化すると命の危険にかかわることもあります。
誤嚥性肺炎は、お口の中の機能が低下している可能性のある、ご高齢者や、神経疾患を抱えている方に多くみられます。また口腔内の常在菌が原因であることが多いため、お口の中を清潔に保つことがとても大事なんです。
肺炎と歯医者が関係あるの? とお思いですか? 歯医者の仕事は、むし歯や歯周病を治すだけではありません。お口の中の機能をトレーニングしたり、お口の中を清潔に保つお手伝いをすることが、ご高齢者の誤嚥性肺炎の予防につながる面もあるのです。
木更津きらら歯科の歯科衛生士は日本摂食支援協会の実習を修了し、ご高齢者のお口のトレーニングや、口腔内の衛生のための支援を行うことができます。ご高齢者のご自宅へうかがう訪問歯科も行っています。