「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
子供たちに大人気の「おしごと年鑑」。いろいろな職業が紹介されています。歯医者のページでは、まずお口の健康が全身の健康に大きく関わっていることを伝えています。
お口の中が清潔でないと、ウイルス感染しやすくなります。インフルエンザはウイルスが付着した手で、口や鼻、目などの粘膜を触れることで感染しますが、口の中にはいっただけでは感染しません。細胞の中にはいりこむことで感染するのです。口の中に歯周病菌などの悪い菌がいると、感染を手助けしてしまいます。
お口の中が清潔でないと、菌のバランスが崩れます。口の中にいる様々な菌の中には、からだを守る細菌もいます。しかし、悪い細菌が増えると、全身の粘膜に存在するIgAという抗体が負けてしまうのです。腸内にたどりついた悪い細菌は、腸内細菌のバランスを崩し全身の免疫力を低下させることにつながってしまうのです。
口腔内の健康は、全身の健康に大きく関わっていることがわかってきました。現代の歯医者は、全身の健康を視野に入れてお口の中の健康を守ることをミッションとしています。
歯周病が重大な病気のリスクを高くすることはご存じですよね。血管にはいりこんだ歯周病原因菌などの刺激は、血管内にプラーク(ねばねばした沈着物)を作りだし、血液の通り道を塞いでしまいます。血管内のプラークが剥がれ落ちて血管がつまると、心臓疾患や脳血管疾患といった重大な病気を引き起こすのです。
子供さん向けの「おしごと年鑑2022」では、・歯と歯ぐきの病気を治す ・お口の機能を守る・歯と歯ぐきの病気の予防の3つをあげています。むし歯治療は、歯医者の仕事のその一環なのです。
アスリートを助ける「スポーツデンティスト」についても紹介しています。激しい接触のあるスポーツには口の中を守るマウスガードが必須。ワールドカップからオリンピックまで、名勝負が繰り広げられる陰には歯医者の活躍もあるんですよ。木更津きらら歯科では、多くのアスリートのマウスガード制作に携わらせてもらっています!
「免疫」は身体の調子全体を整えるという働きをあらわす医学用語です。体内に侵入してきたウイルスや細菌を病原体と判断して排除したり、不要な細胞を処分したり、傷ついた細胞を修復したりします。
ところで、「免疫力」は数値として図ることはできません。「免疫力」という言葉は医学的に定義されている言葉ではなく指標もないのです。一般的に「異物からからだを守る抵抗力の強さ」といった意味で使われています。免疫機能が頼もしく働いてくれているイメージを思い浮かべてください。
免疫機能は「自然免疫」と「獲得免疫」の大きく2つに分けられます。自然免疫は体内に異物が侵入してきたらすぐに働いてくれる免疫システムで、獲得免疫は自然免疫で対処しきれなかった場合にはたらきます。獲得免疫は体内に侵入してきた異物を記憶する特徴があり、症状が現れる前に異物をとりのぞいてくれます。一度かかった病気にかかりづらくなることを「免疫がついた」と言ったりしますね。
「免疫力」を医学的に測定することはできませんが、免疫機能がうまく働かず抵抗力が落ちてしまい、感染症にかかりやすくなるということは実際に起こります。免疫機能がおちる原因は生活習慣の乱れにある場合が多くあります。肥満、過度のダイエット、食習慣の乱れ、喫煙やアルコールの摂り過ぎ、睡眠不足、運動不足、ストレスなども免疫機能を低下させるといわれています。加齢や先天的な病気、免疫抑制剤の使用が影響することもあります。
「免疫機能は、活動している日中に高まります。決まった時間に起きる、バランスのよい食事をとる、しっかりからだを動かすといった生活のリズムを保つことが大切です。
これを食べれば免疫力がアップする、という食材はありません。タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよくとりましょう。また腸内環境と免疫機能の関係が注目されています。腸内環境を整えるには食物繊維や、善玉菌を含むヨーグルトなどがおすすめです。
テレワークや外出自粛の日々が続いたため、運動不足になっていませんか。有酸素運動は筋肉を収縮させるときのエネルギーに酸素を使う運動です。一定の時間が経過するとエネルギー源として脂肪を消費します。基礎代謝をあげ、血圧の安定に効果があり、心肺機能を向上させます。ジョギングや水泳、エアロビクス、サイクリング、ウォーキングが代表的な有酸素運動です。あまりハードな運動は逆に免疫力を下げてしまいますので、無理なく楽しくできる範囲でかまわないのです。
睡眠不足や精神的ストレスも、免疫力を落とす大きな要因のひとつです。睡眠不足により風邪をひきやすくなったことはありませんか。過度なプレッシャーにさらされると唾液中の抗体(IgA:免疫グロブリンという抗体の一種)の分泌が低くなるという研究結果も発表されています。適度に運動し、しっかり休養してください。るには食物繊維や、善玉菌を含むヨーグルトなどがおすすめです。
むし歯や歯周病も原因菌があります。免疫機能がうまく働いていれば、口腔内の健康を守ることもできるのです。わかってはいるけど、なかなかむずかしいよ・・・ とお思いですよね!しかし、ご自分のからだのことです。意識して心がけていきましょう!
「義務化」という言葉に抵抗をお感じの方もいらっしゃるかもしれませんが、歯科医の立場からは、国民のみなさまが定期的に歯科健診を受けるようになったら、歯の状態、高齢者の健康、歯周病や歯周病によってリスクの高まる脳卒中などの重大な病気に対して、素晴らしい効果をあげるだろうと確信しています。
日本では、「歯医者は痛くなったら行くところ」という意識が強くあります。保険制度が充実していることも関係あるかもしれません。その結果、80歳の方の持っている自分の歯は13本程度です。ほとんどの方が入れ歯などの技工物を利用して食物を食べているのです。
一方、予防歯科先進国と言われるフィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった北欧の国々では、80歳の高齢者でも自分の歯が平均20本以上あり、自分の歯で食物を噛んで食べることができます。子供達はほとんど虫歯がありません。
日本では、予防のための歯科受診率は5%程度。北欧では9割前後の方たちが受診します。ほとんど全国民が歯科定期健診を受けているといってもいいと思います。日本人の歯科における予防意識は、先進諸外国と比較すると、まだまだ低いのです。
65歳以上になると、ご自分の歯が多く残っているほど、健康を保ち、入院回数が少ないことが明らかになっています。逆に、歯周病は、心筋梗塞と脳血管疾患の原因となることもわかっています。糖尿病の合併症など重大な病気にもつながるリスクがあるのです。
口腔内の健康は全身の健康に大きく関係があり、高齢になってからの暮らしにも大きな影響を与えます。健康であれば医療費も少なくてすみます。歯科医療に携わる者のこの思いがひとりでも多くの方に伝わることを願っています。
「国民皆歯科健診」という考えはやっと検討の議題になったというところであり、様々な課題やいろいろな意見があることと思います。例えば、職場の健康診断で唾液を提出してもらい、歯周病などの可能性がある人に受診を促すといったアイディアがあるようです。
どういった形になるにせよ、予防歯科で健康を守るという考え方のもと、検討がはじめられることを心から歓迎します。皆様もぜひこの機会に、「予防歯科」について考えてみてください!
小学校のころ、リトマス試験紙を使って液体のpHを調べる実験をされたことはありませんか? 赤くなったらアルカリ性、青くなったら酸性、変化がなければ中性です。pHはその液体が酸性・中性・アルカリ性のどちらに傾いているかを表す指数です。通常1~14までの値の中で、中性が真ん中の7、酸性に傾くと0に近くなり、アルカリ性に傾くと14に近くなります。
お口の中は、通常は「中性」に保たれています。それが、飲食をすると、多くの人のお口の中にいるむし歯菌(ミュータント菌)が糖質を餌として酸を作り出し、お口の中が酸性に傾きます。この状態が長く続いたり、酸性の度合いが強いと、歯のエナメル質が溶け出し、むし歯の原因となるんです。pHが、中性をあらわす7の数値から、5.5まで酸性に傾くと、危険信号です!
臨界pH以下の飲み物は、歯の表面を覆うエナメル質を溶かしてしまいます。健康のためにお酢を好まれる方もいらっしゃるかと思いますが、摂取の仕方によってはむし歯の原因になる場合もありますよ。
もちろん、なにか食べるたびにエナメル質が溶かされていたら、健康な歯の人はいなくなってしまいます。ここで唾液が働いてくれています。むし歯菌の作り出した酸を中和してくれたり、酸を洗い流したり、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す「再石灰化」という働きをしてくれます。そして約20分から1時間かけて、お口の中は徐々に中性へ戻っていきます。
歯に悪いから糖質もお酢もだめなんてことはもちろんありません。どちらもからだに必要な栄養素ですし、甘いものや酸っぱいものを楽しみたいときもあります。問題は食べ方です。再石灰化にかかる時間が20分から1時間、その間も、だらだらと間食をしたり、甘い飲み物をとっていると、お口の中は中性にもどるひまがありません。歯のエナメル質からカルシウムやリンがどんどん溶け出していきます。これを「脱灰」といいます。なにか食べている回数が多いと、脱灰の時間が長く、再石灰化の時間が短くなり、むし歯になりやすいのです。
お父さん、お母さん、気づいていますか? 口から入るすべてのものが、からだ作りやエネルギーになっています。食べることは、成長や健康にとても大切なことなんです。
1日の食事やおやつの時間や量、が決まっていることはよい習慣です。時間や量を決めずに、だらだらと食べたり、飲んだりすることは悪い習慣です。ごちそうは特別な時だから、価値があがり美味しさも倍増、お楽しみになります。子どもだけではなく、大人も、食体験を大切に、食生活のメリハリのために嗜好品を活用し、心の満足のためにだけむやみと飲み食いすることはやめましょう。
糖質は動物にとって重要なエネルギー源です。それは人間も同じです。糖質は炭水化物から多く摂取することができます。炭水化物は、たんぱく質、脂質とともに「エネルギー産生栄養素」と言われています。糖質は、私たちの日々の活動を支える重要な栄養素でもあるのです。
では糖質が、むし歯の原因になってしまうのはなぜなのでしょうか。
むし歯になる原因としては3つの大きな要素があります。
むし歯菌(ミュータンス菌)はほとんどの人のお口の中にいる、1/1000mmの球状の菌の塊です。むし歯菌は糖分を餌にして増殖し、菌の周辺にグルカンというねばねばしたノリのような物質を吐き出します。これが、歯の表面にとりつく歯垢(プラーク)の正体です。同時にむし歯菌は糖質から酸を作り出します。その酸が、歯の表面を形成しているエナメル質を溶かし、ついには穴があいて、むし歯となってしまうのです。
糖質は、むし歯菌が酸を作る餌となります。特に糖質の結晶である砂糖はだらだらととりすぎるのはよくありません。だらだらとお菓子を食べたり甘いキャンディーや飲料水をよくとる習慣のある人は、歯の表面が酸にさらされる時間が長くなり、むし歯になりやすい状態になってしまいます。糖質は人間の活動には不可欠なものであり、もちろん甘味料の砂糖だけではなく炭水化物などにも含まれています。問題は過剰な摂取と、そのとりかたなんです。
体質によりむし歯になりやすい人というのはいらっしゃいます。歯のエナメル質や象牙質の状況がむし歯になりやすいケースです。特に乳歯や永久歯が成長過程のお子さんは注意が必要です。
糖質は人間の活動のために必要な栄養素ですが、とりすぎはよくありません。口の中が酸性に傾いているとむし歯の原因にもなります。ではどれくらいなら適切な摂取量といえるのでしょうか。
世界保健機関(WHO)が2015年に発表したガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」では、成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすことを推奨しています。。また5%まで減らして、1日25g(4gの角砂糖6個ほど)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大するとしています。
ここで普段私たちがよく口にする飲料にどれくらい糖質が含まれているか考えてみましょう。写真は、2021年12月の木更津市1歳児半検診でご紹介したものです。市販の飲料に含まれる炭水化物を角砂糖におきかえると、4個から10個以上含まれています。口あたりのいい飲み物には意外と多くの砂糖が含まれていることに驚きます。
「歯固」は”はがため”と読みます。お正月の三が日に、長寿を祈って堅いものを食べる行事です。お正月の「歯固」で供される食物は地方によってさまざまです。鏡餅、大根やかぶ、ゆでて干した栗、串にさして干した柿、豆、昆布、片口鰯(田づくり)などです。おせち料理でもおなじみですね。
お正月に堅いものを食べて長寿を祈願する儀式は、平安時代から伝えられてきました。「歯固の儀」は奈良・平安時代の法典「延喜式」や、平安中期の「源氏物語」「枕草子」でもふれられています。宮中や公家の年中行事として、このころには定着していたんですね。
昔の人は、なぜ堅いものを食べることが長寿につながると考えたのでしょう。年齢の”齢”の字に歯の文字があるのは、歯の生え方で年のちがいがわかるからだそうです。そこから、歯を固めること、歯が丈夫なことは長寿につながると考えるようになったのだとか。
医療が発達していない時代でも、人々は経験的に、長生きしている人は歯が丈夫だと知っていたのかもしれません。
赤ちゃんの健やかな成長を願う「お食い初め」も同様の意味合いがあります。「お食い初め」は赤ちゃんが生まれてから100日目のころに行われる、一生に一度のお祝いの日で、「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれます。生まれて100日目くらいといえば、乳歯が生え始める時期。赤ちゃんが歯が生えるくらいに大きくなったことをお祝いし、健康と幸せを祈ります。赤ちゃんが「一生食べ物に困らないように」という願いも込められています。
お食い初めの重要アイテムが「歯固め石」です。歯固めの儀式は、赤ちゃんに丈夫な歯が生えることを願う儀式です。箸で歯固めの石に触れ、その箸で赤ちゃんのはぐきを優しく触ってあげます。歯固め石はお宮参りで神社からいただいたり、地域によっては、アワビや梅干しなどを代用することもあります。関西ではタコが演技のよい食べ物として代用されることもあります。
「歯固め石」は儀式のためのアイテムですが、「歯固め」のおもちゃも赤ちゃんの歯の健康を守ることに役立ちます。乳歯が生えてくるころの赤ちゃんは、歯がむずかゆくなってなんでも口にいれてしまいます。「歯固め」のおもちゃはこの歯ぐずりを予防してくれます。また噛む練習にもなり、お口のまわりの筋肉や骨の成長を促し、きれいな歯並びにも結び付いていきます。安全性の高いお米で作られた歯固めや、プラスチック製品に使用されている化学物質ビスフェノールAの含まれないBPAフリー製品なら安心ですね。
ビタミンCは、コラーゲン線維の合成を促し、歯茎を健康に整えます。歯や骨の成長にかかせない栄養素のひとつがタンパク質、特にコラーゲンです。繊維性のタンパク質であるコラーゲンに、カルシウムが付着し、じょうぶな歯を作ります。歯周病の原因となる細菌は、このコラーゲン繊維を分解してしまい、歯茎の弱体化につながってしまうのです。そしてコラーゲンの合成に必ず必要な栄養素がビタミンCなのです。
またビタミンCは、免疫力をあげる、炎症をおさえる、抗酸化作用といった効果もあり、歯周病原因菌の感染予防や炎症の改善に役立ちます。
ビタミンEは血行をよくし、免疫力の低下を防ぎます。歯ぐきの血行が悪いと、免疫力がおおはばに低下して、歯周病菌の増加を許してしまいます。酸素から変化した過活性酸素が過剰になりすぎて細胞を痛めることのないように、抑制してくれる効果もあります。
ビタミンAは、歯のエナメル質を作る効能があります。エナメル質は人体で一番硬い組織で、歯の一番外側を覆っています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、歯の石灰化の調整をします。骨にカルシウムが付着するのを助ける接着剤のような役割で、強い骨や歯の形成を促します。ビタミンDが不足していると、いくら乳製品や魚や大豆を食べてもカルシウムを体内に取り込むことはできません。カルシウムは吸収の効率が悪く、からだに取り込むために助けが必要な栄養素でもあるんです。カルシウムを多く取り入れたい場合は、ビタミンDが豊富に含まれている食物も食べましょう。
*エナメル質形成不全とは
歯のエナメル質が、様々な理由からうまく形成されないことがあります。歯の表面のエナメル質がくぼんだり欠けたりして、その下の層の象牙質がむきだしになり変色したりします。乳歯のときのむし歯や外傷いった局所的なことが原因の場合と、病気や栄養障害といった全身の障害が関係している場合があります。カルシウムの吸収を助ける、ビタミンD不足が関係していることも多いのです。むし歯になりやすいので、丁寧な歯みがき、フッ素塗布で予防します。
人間のからだは15~20%がタンパク質でできています。人体の60%が水分であることを考えれば、半分近くをしめています。タンパク質は20種類のアミノ酸の様々な組み合わせによって、異なる働きを担っています。
カルシウムが丈夫な歯や骨に必要なことはよく知られていますが、カルシウムは、タンパク質であるコラーゲンを中心とする軸に付着することによって、はじめて骨として作られていくのです。
タンパク質には動物性タンパク質と植物性タンパク質があります。それぞれ、含まれているアミノ酸が異なります。
肉や魚、卵、乳製品などに含まれている、動物由来のタンパク質です。9種類の必須アミノ酸が含まれていることが多いのも特徴です。
動物性タンパク質の多く含まれている食品
*牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類(アジやあさりなど)、卵、牛乳、チーズ
豆類を代表とする植物に由来するタンパク質です。9種類の必須アミノ酸が不足している食品もありますが、動物性タンパク質では足りないビタミンを補うことができます。
植物性タンパク質の多く含まれている食品
*豆類、野菜類(ジャガイモ、アスパラガス、ブロッコリー、芽キャベツなど)、穀類(白米や小麦粉、とうもろこし、そばなど)、果実類(バナナ、アボカドなど)
タンパク質を構成する約20種類のアミノ酸のうち、体内で作り出すことができず、食品から摂取する必要のある9種類のアミノ酸のことです。アミノ酸の働きは必須アミノ酸の不足しているレベルにあわせられてしまうので、ひとつでも足りないと健康を維持できなくなります。
アミノ酸スコアの高い食品
アミノ酸スコアは、「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」が食べ物の中にバランス良く含まれているかを表す指標です。アミノ酸スコアが100に近いほど、消化によく栄養素の働きのよい良質なタンパク質の含まれている食品ということになります。アミノ酸スコアが100を満たしている食品として、鶏肉、豚肉、牛肉、大豆、牛乳などがあります。
カルシウムは、骨や歯を構成する主要な成分です。特にカルシウムがたくさん含まれている乳製品は、歯を丈夫にしてくれます。子供のころから、牛乳、小魚をたくさんとるように促されて育った方も多いのではないでしょうか。カルシウムが多く含まれている食品には次のようなものがあります。
牛乳や乳製品は最も効率よくカルシウムをとりいれることができ、歯の成長のためにはかかせません。牛乳を飲むとおなかがごろごろしてしまう方も、チーズならとりいれやすいかもしれませんね。脂質のとりすぎがご心配なら低脂肪乳を利用したり、牛乳のくさみが苦手なら料理にいれるなど工夫してみましょう。
カルシウムの多く含まれている乳製品
*牛乳、スキムミルク、牛乳を原料とするチーズ、無糖ヨーグルト、アイスクリームなど
牛乳200CCなら約243mgのカルシウムが含まれています。
カルシウムは、骨や殻ごと食べられる小魚や小エビ、うなぎや貝類に多く含まれています。さばやさけの缶詰なども骨までやわらかくなっているためお子さんやご高齢の方でも食べやすいですね。
カルシウムの多く含まれている魚介類
*わかさぎ、ししゃも、いわし、うなぎ、ちりめんじゃこ、干しエビ、乾燥ひじき、にぼし、かつおぶし、さけやさば・いわしの缶詰など
乾燥ひじき(6g)には約60mgのカルシウムが含まれています。
牛乳や小魚でなければカルシウムがとりいれられないということではありません。おすすめなのは豆腐や油揚げ、納豆などの大豆製品です。大豆を原料とする食品は、タンパク質も多く含まれているのです。
カルシウムの多く含まれている大豆製品
*木綿豆腐、絹ごし豆腐、こおり豆腐、納豆、油揚げ、がんもどき、おから、味噌など
木綿豆腐1丁には約65mgのカルシウムが含まれています。
野菜や海藻は、カルシウムの吸収率は高くないものの、他の栄養素とのバランスを考えたときにはとりいれたい食品です。ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素が含まれているからです。いろいろな食品をバランスよくとることが大切です。
カルシウムの多く含まれている野菜・海藻類
*モロヘイヤ、小松菜、水菜、昆布
小松菜1/3束には約136gのカルシウムが含まれています。
参考までに、厚生労働省が発表している、1日当たりのカルシウムの推奨量です。
男性
年齢(歳) | 推奨量(mg/日) |
---|---|
1~2 | 428 |
3~5 | 587 |
6~7 | 585 |
8~9 | 645 |
10~11 | 708 |
12~14 | 991 |
15~17 | 804 |
18~29 | 789 |
30~49 | 738 |
50~64 | 737 |
65~74 | 769 |
75 以上 | 720 |
女性
年齢(歳) | 推奨量(mg/日) |
---|---|
1~2 | 415 |
3~5 | 532 |
6~7 | 538 |
8~9 | 750 |
10~11 | 732 |
12~14 | 812 |
15~17 | 673 |
18~29 | 661 |
30~49 | 660 |
50~64 | 667 |
65~74 | 652 |
75 以上 | 620 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」より
pH値は酸性~アルカリ性の度合いをあらわす水素イオン指数です。1から14までの値で表され、pH7より小さければ「酸性」、大きければ「アルカリ性」。
お口の中のpH値が酸性に傾くと、細菌の活動が活発になり虫歯になりやすくなるのです。
虫歯になりやすい飲み物は、コーラやなどのジュース類や梅酒、スポーツドリンクなど、pH値の低い「酸性の飲み物」です。酸性の飲料は、歯を溶かしやすく、虫歯になるリスクが高まります。
水は糖分を含まず、虫歯予防には最適です。そのほかにも、水がお口の中を健康に保つ理由があるのです。
この映像の、ゆるーい悪い歯ちゃんを見てください。もう共感しかないっ。わかります、忙しかったり、時間や心の余裕がなくてお口のケアがおろそかになってしまうこと、ありますよね涙
でもそこで「お口の健康を大切に!」とお伝えし続けるのが私たちのお仕事です。
ここでは、長く続くマスク生活でおこりがちな、口呼吸についてお話しています。口で呼吸していると、お口の中が乾燥し・・・
- 唾液減少
- 細菌増加
- 免疫力低下
- ウイルス感染
- むし歯
- 歯周病
- 口臭
といいことありません。
お口の中の健康が保たれていれば、感染症対策にもなるんですよ。インフルエンザが流行する季節でもあり、大切なことですね!
コロナ禍で自粛生活が長引き、いろんな面で生活に不調がでてきているかもしれません。
足腰が弱くなったり、会話が減るため滑舌が悪くなったり、経済的な困窮や孤立、ご高齢者の場合は認知機能に陰りがでてくることも考えられます。
こういった心身の衰えをフレイル(虚弱)といい、特に口腔機能の衰えをオーラルフレイルと呼びます。口腔機能が低下すると、心身機能も低下します。
栄養のあるものをよく噛んで食べましょう。自分では気づきにくいので、歯科の定期健診もご活用ください。
アルツハイマー病は、認知症の原因の70%を占めています。
「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が脳に蓄積され、神経細胞を壊すことが原因とされています。
この新薬は、病気の原因となる「アミロイドβ」をとりのぞき、アルツハイマー病の進行を抑えることができると期待されているんです。
ところで、歯みがきが認知症予防になることをご存知ですか?
歯周病を治療し、予防することで、認知症の予防にもつながるんです。
歯周病菌のせいで、「アミロイドβ」が脳に増加し、記憶障害が発生する研究結果が発表されたのは去年のこと。こちらも驚きのニュースでした。お口の健康は脳の働きにも関係しているんですね!
大人の歯が元々ない方がたまにいらっしゃいます。通常は、乳歯が抜けて大人の歯が生えるのですが、その大人の歯が一部ないことがあるんです。
菅野さんは、子供のころに歯医者さんに「60歳までもったら良いね」と言われたそうなんですが、100歳まで使えるように、歯ブラシとフロスと歯間ブラシでお手入れしているそうですよ。
菅野さん出演の『キシリトールガム』CMは、フィンランドのキシリトール習慣を紹介しています。キシリトールは口の中で酸をつくらないため、フィンランドでは保育園でも食後の習慣にしているんだとか。木更津きらら歯科では、キシリトール入りのガムやキャンデー、チョコを販売しています。
日本歯科医師会の調査では、いつもマスクをしているせいで、「人と話すことが減った」と感じる人が6割を超えるそうです。
人との会話がへり、口を動かす機会がへる・・・ 表情も乏しくなる・・・
それって、寂しいだけではなく、健康にも大きく関係があるんです。
口の周りの筋肉の衰えは、心身の老化につながり、ご高齢者の場合は、食べることにも支障がでてくることがあるんです。
自分でよく噛んで食べて呑み込むことができにくくなってきたら、健康に大きな影響がでてくるのは、自明のことですよね。
ご紹介するのは日本歯科医師会で推奨しているお口のまわりの筋肉をきたえるトレーニング。といっても簡単です。
引用:日本歯科医師会 オーラルフレイル予防のための口腔体操
歯医者は患者さまの全身の健康のために戦います。それはすなわち、歯周病との戦いです。歯周病は、歯周病菌が引き起こす「菌感染症」です。心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病のリスクを高める深刻な病気なんです。
体内の菌質を改善する方法はとてもシンプル。質の良い菌、善玉菌をとりいれればいいんです。
よい菌の代表が、乳酸菌なのですが、乳酸菌は多くの場合、人に必要な常在菌まで抑制してしまいます。ここで母乳・口腔由来の乳酸菌、「L,ロイテリ菌」の登場です!
「L,ロイテリ菌」はほとんどの哺乳類で確認され、母体から赤ちゃんに受け継がれて来た自然な乳酸菌。お口から大腸まで、ヒトの全ての消化管に定着できることが確認されています。
木更津きらら歯科でおすすめしているのが、舌のうえで転がすトローチタイプの乳酸菌。スウェーデンのバイオガイア社「L.ロイテリ菌プロデンティス株」です。
Bio Gaia プロデンティス30錠
3,300円 (税込) ※1錠108円
お口の中の口腔内細菌の「菌質」を天然プロバイオティクスで改善し、むし歯や歯周病だけではなく、心疾患や生活習慣病(糖尿病・高血圧等)の予防にも。口腔内の細菌をよくすることで、歯石や歯垢、口臭改善にも役立ちます。
お口の中の状態は、感染症や免疫の機能と大きな関係があります。
鰻はこんなに栄養が豊富なんです。
夏の疲れがたまってきた頃に、鰻を食べるのは理にかなっていることなんです。
ところで”土用の丑の日”とはなんなのか? 毎年、検索して調べても忘れてしまうのであらためて・・・。
丑は「子・丑・寅・・・」の丑(うし)。十二支です。昔の暦では、十二月を干支で呼んでいました。のちには年や日、時間、方角にもあてはめるようになりました。ここでは日にちを表しています。
立夏・立秋・立冬・立春の日の、直前の約18日間を指す言葉。季節の変わり目の期間です。
ということは、夏だけでなく、立秋や立冬、立春の前にも土用の丑の日はあるわけなんです。
土用の丑の日は年に何度もめぐってくるのに、なぜ夏だけ鰻を食べようということになったんでしょうか。
江戸時代の蘭学者、平賀源内が、鰻やの宣伝のために考えたキャッチコピーから来るのだとか。なぜ丑なのかはわかりません。土用の子(ね)の日とか土用の寅(とら)の日でもよかったんじゃ!?
ところが、広告コピーにのせられた! っていう話でもないんです。季節の変わり目で疲れてきたからだに、栄養価の高い鰻を食べるのはとても合理的なんですね。平賀源内先生、さすがです!
唾液には様々な効能がありますが、そのなかでも抗菌作用は特別に強いのです。唾液に含まれる「IgA(免疫グロブリンA)」という抗体の一種は、様々な異物を取り込む口腔内において、バリア機能の中心的な役割を担っています。この「IgA」、感染症予防効果はとても大きいのです。IgAの値が低い人は、かぜやインフルエンザにもかかりやすいということが明らかになっているんです。
唾液の抗菌作用は、新型コロナウイルスに対しても、有効だということが十分に考えられるんですね。新型コロナウイルスの味覚障害の症状は、味覚を感知する器官にウイルスが取り付きやすいことを表しています。バリア機能の高い唾液がふんだんに分泌されていれば、ウイルスの力を弱め、感染を防ぐことにつながる可能性が高いんです。唾液がさまざまな機能を持ち、体を守ってくれていることは明らかになっています。
神経をとらなければならなかった歯、根っこに悪いところが残っている歯を、抜かなければならなくなることが多いのです。しかも、奥歯から失われていく傾向があります。奥歯を失うと、噛みあわせが悪くなり、他の歯にも悪い影響をおよぼしていきます・・・
一方、歯が多く残っている人は、歯を失った人に比べて医療費もかからないんですよ。歯の数が少ない人は全身の健康状態がよくないこと、特に循環器疾患や認知症が多いという研究結果が多数報告されています。 また歯を失う原因の第1位である歯周病が、糖尿病など生活習慣病を悪化させることもわかってきています。
歯を健康に保つことが、生活習慣病などによる医療費の負担軽減に役立つのです。それも、80代の方より40代の方のほうが、歯がある人と少ない人の医療費の差が大きいのです。