「お口のコンサルタント(当院の歯科医師)」による、生涯安心して健康な歯で暮らしていくためのマメ知識をご紹介いたします。
こんにちは。千葉県木更津市にある歯医者「木更津きらら歯科」です。
ご自分の食べるもの、飲むものについて、健康を意識しない方はいらっしゃらないでしょう。この記事では歯とお口の健康の点からからだによい食生活をご紹介します。
歯は食べ物を噛み砕いたり、すりつぶしたりしてからだに取り込みやすくする役目を担っており、人間のからだで一番硬い組織です。いつも変わらずお口の中に存在しているように見えますが、実は毎日、変化を繰り返しています。
食べ物や飲み物には「糖質」が含まれています。食べたり飲んだりすると、ミュータンス菌などのむし歯菌が糖質から酸を作り出します。食事のあと、お口の中は「酸性」に傾いてくるのです。酸は、歯の表面のエナメル質から、カルシウムやリン酸を溶かしてしまいます。歯からカルシウムが溶け出すことを「脱灰」といいます。
このままでは歯がどんどん溶けていってしまいそうですが、健康なお口の中は絶妙なバランスでカルシウムやリンの溶けだした歯の表面を修復します。唾液の中に豊富に含まれるリン酸イオンやカルシウムイオンがエナメル質の中に浸透して、損なわれた部分を修復するのです。これを「再石灰化」といいます。再石灰化には20分から1時間ほどかかります。
お口の中では、なにか飲んだり食べたりするたびに、「脱灰」と「再石灰化」が繰り返され、歯の表面のカルシウムは出たり、戻ったりを繰り返しているのです。なにか食べてお口の中が酸性に傾き、歯の表面の成分が溶け出している「脱灰」の状態で、だらだらとお菓子を食べたり甘い飲み物を飲んだりを続けていると、「再石灰化」しているときがありません。歯からカルシウムはどんどん溶け出していきます。その状態が進行して、歯に穴が開くまでになってしまった状態が「むし歯」です。
からだの健康のために食生活を意識するのなら、歯やお口の健康についても考えてみましょう。
砂糖はむし歯の大きな原因の一つです。口腔内の細菌は砂糖をエネルギー源として利用し、酸を作り出します。この酸が歯のエナメル質を溶かし、むし歯の原因となるのです。ジュースや炭酸飲料が、どれだけ砂糖を含んでいるかびっくりするほどです。木更津きらら歯科のおすすめの飲み物は「水」です!
酸性の食品や飲み物は直接歯の表面を脱灰させます。むし歯でもないのに、歯の表面が傷んでいる患者さんに食生活を聞いてみると、コーラや炭酸水がお好きだったり、晩酌でレモンサワーやハイボールを飲む習慣がある方でした。酸によって歯の表面の脱灰がすすむとむし歯のリスクが高くなります。あまり極端な食べ方・飲み方はしないで、食べたあとには歯をみがきましょう。
健康的な「脱灰」「再石灰化」のサイクルは、食事のタイミングで整えることができます。 食事やおやつは、だらだらと食べるのではなく、3食+おやつの時間といった風に、食べるとき・食べないときのメリハリをつけましょう。お口の中に、再石灰化の時間を与えてあげて下さい。
これだけ食べれば歯を強くするという食べものはありません。様々な栄養をバランスよく摂ることが大切ですが、その中でも関係の強いものをご紹介します。
歯の健康のために重要なミネラルはカルシウム。歯のエナメル質を強化し、むし歯の予防に役立ちます。チーズ、牛乳などの乳製品、骨や殻ごと食べられる小魚や小エビ、うなぎや貝類などです。野菜ではモロヘイヤ、小松菜、水菜、昆布にカルシウムが多く含まれています。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けてくれます。ビタミンD は、野菜や穀物、豆、イモ類にはほとんど含まれていません。多く含まれているのは、魚類やきのこ類です。とくに魚はカルシウムも多いので、歯の健康のためにもおすすめです。
ビタミンAは歯のエナメル質を強化します。豚、牛、鶏のレバーや、うなぎのかば焼きはいかがでしょうか。ビタミンAは肉類、魚介類、乳類、卵類、油脂類、藻類、野菜類などに多く含まれています。
ビタミンCは歯の象牙質の形成を支えます。果物や野菜、いも類に多く含まれており、バランスのよい食事を心がけていれば不足はしないでしょう。野菜ジュースやサプリメントから摂取されるビタミンCは、排せつまでの時間が非常に短いため、頼りすぎることなく様々な食材を食べることを楽しんでいただきたいです。
アルカリ性の食品です。酸性に傾いたお口の中を中性に整えてくれます。ヒジキ、わかめ、昆布、海苔などの海藻類はph数値が高くお口の健康をサポートしてくれます。
繊維質の多いニンジン、ごぼう、レタス、セロリ等は、咀嚼することで歯や粘膜の表面を清掃する効果があります。直接清掃性食品とも呼ばれています。よく噛むことで、唾液の分泌を促し、再石灰化の助けともなります。
お茶に含まれているポリフェノールは、抗菌作用に優れています。日本茶はカテキン(ポリフェノール)やフッ素等の働きによりむし歯を予防する効果が期待できます。ウーロン茶は独時のの苦みがありますが、この苦味成分はプラークの発生を抑えると言われています。
言われてみれば当たり前のことかもしれませんが、いつもの習慣も「へえこれもむし歯予防になっているのか」と発見があるかもしれません。
正しい姿勢で食べるとよく噛むことができます。⾜の裏をしっかり床につけてください。小さいお⼦さんは⾜元がぶらぶらしないように、台を置いて⾜を台にしっかりつけることができるようにしてあげてください。
食事は急がず、ゆっくりよく噛んで食べましょう。唾液の分泌がよくなり、再石灰化や消化を助けてくれます。唾液には食べかすやプラークを洗い流す自浄効果もあります。よく噛むことは満腹中枢を刺激しますので、食べすぎの防止にもつながります。
食べていない間は、唾液が歯を補修する再石灰化の時間です。だらだら食べ続けるのではなく、ある程度、食事や間食の時間を決めて、めりはりのある食生活をしましょう。お子さまの食事時間は、大人がコントロールしてあげる必要があります。
そして、食べたら歯をみがきましょう。
ランチタイム後に歯みがきはしていますか? 1日3回食事のあとに、間食のあと、甘い飲み物を飲んだあと、歯をみがくのが一番いいのです。むずかしい場合にはぶくぶくうがいで食べかすを洗い流すだけでも効果があります。
補助器具を使って歯と歯のあいだ、歯と歯ぐきの境目のプラークを予防しましょう。使い方や自分にあった器具がわからないときは、歯科衛生士にご相談ください。
歯だけを強くする食べ物はありませんが、歯の健康を考えた食生活は全身の健康につながり、全身の健康を考えたバランスのよい食生活は歯もじょうぶにしてくれます。毎日を大切に、健やかにおすごしください!
人間のからだに住み着いている菌は、植物の叢(くさむら)のように集団を作って互いに影響をおよぼしながら生息しています。このような微生物を常在菌と呼びます。
アクネ菌という菌の名前を聞いたことがありますか? この菌は脂質を好み、ニキビを悪化させる面もありますが、皮膚の表面を弱酸性に保ち有害菌が皮膚へ定着しないように防いでくれる働きがあり、人のからだと共生する常在菌です。常在菌は、腸をはじめとして、口や鼻、皮膚や目など、からだの外に通じる器官に生息し、病原菌の侵入を防いだり、消化を助けるなど人体にとって有益な働きをしてくれるのです。
健康な人の場合、脳や心臓、腎臓などの臓器には微生物は入り込めず、細菌も存在しません。人のからだは微生物と共存する所と微生物の存在させない場所をはっきり分けることで、微生物と共存しているのです。
このような菌の集団はフローラ(花畑)と呼ばれています。口腔フローラ、皮膚フローラ、腸内フローラが人のからだに存在する三大フローラとして知られています。細菌というとコレラ菌や赤痢菌などの病気を引き起こす悪いものをイメージしてしまいがちですが、実際は人間のからだの中で、人間と共生する豊かな微生物の花畑なんですね。
さてお口の中の細菌はどんな働きがあるのでしょう。口腔内には700種類、 1000億個以上の細菌が生息すると言われています。お口の健康によい働きをする、悪さをすることが多い、優勢な菌に味方するというどっちつかずの働きをする、という特徴によって、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と分けて考えることがあります。
からだに良い働きをする菌を善玉菌と考えてみてください。悪玉菌の増殖を抑えたり、対外からはいってくる病原体(細菌、ウイルス、毒素など)を防いだり、免疫を高める、アレルギーを抑制するといった働きがあります。善玉菌と呼ばれる菌も、からだに悪い作用を持つことがあります。
口腔内の悪玉菌で恐ろしいのは、むし歯の原因となるミュータンス菌、歯周病の原因となるジンジバリス菌・フォーサイセンシス菌・デンティコーラ菌・インターメディア菌などです。大腸菌(悪株)、真菌(カビ)なども見られます。増加しすぎるとむし歯や歯周病が発生します。お口の中で悪玉菌はプラークの中で増殖するため、プラークコントトールが大切です。
善玉菌、悪玉菌のうち優勢な菌と同じ働きをし、免疫が低下すると悪玉菌に加勢してからだに悪影響を及ぼします。からだの状態によっては有害な細菌となってしまうんです。日和見感染なんていう言葉もあるんですよ。日和見感染症として口腔カンジダ症がよく知られています。
便宜的に「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と言う言葉が使われますが、この口腔フローラ、悪玉菌がゼロになると善玉菌がうまく働かなくなることがあるという、不思議なバランスがあるんです。つまり、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」のバランスが大切なんです。理想的な口腔内フローラの状態は、「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の比率が「2:7:1」とされています。
フローラのバランスが乱れると、外部病原体を防ぐバリア機能が低下したり、、感染や炎症、アレルギー反応が強くでやすくなるなどさまざまな影響が現われます。
口腔内フローラのバランスを整えることが健康を守ることにつながるんですね。
お口の衛生状態がよくないと腸にも影響がでてきます。口腔内フローラのバランスが乱れると、腸内フローラのバランスに影響することが考えられるのです。食べ物も水分も、口から摂取され、胃、小腸、大腸と通過していきます。唾液だけでも一日1~1.5Lも飲み込んでいるんですよ。そのような毎日で、口腔フローラのバランスが乱れ、悪玉菌が増えていたら・・・ 例えば、口腔内で歯周病菌が増えすぎると、一部が大腸まで達します。大腸に定着せず通過するだけでも、腸内フローラのバランスを大きく乱す可能性があるのです。
口腔フローラの中で悪玉菌が優勢だと、むし歯や免疫の低下が起こりますが、ここで歯周病原因菌が優勢だったらどうなるのか見直してみましょう。
悪玉菌の代表格である歯周病原因菌は歯のまわりにたまったプラークの中で増殖します。プラークが歯のまわりに貼りついていると、口腔フローラのバランスは悪いほうに大きく傾きます。するとプラークの中の細菌がからだに入り込もうとするのを阻止しようとして、歯ぐきのまわりに炎症が起こります。炎症性物質は、口腔内の血管から全身にまわり、様々な重大な病気の原因となります。
全身にまわった歯周病菌は血管内にプラークをつくり、血管の壁面からはがれたプラークは血液の通り道を狭くします。狭心症・心筋梗塞は心筋に血液の供給がなくなることで死に至ることもある重大な病気です。脳梗塞は脳血管がつまって起こります。歯周病の人は、そうでない人より脳梗塞になるリスクが2.8倍も高いのです。
歯周病と糖尿病は相互に悪化させあうということがわかってきました。逆に、糖尿病の患者さんが歯周病を治療すると、血糖値をコントロールする機能が回復し、血糖値がさがります。
妊娠している女性が歯周病にかかっていると、低体重児の出産と早産のリスクが高くなることが明らかになっています。喫煙や飲酒、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。
お誤嚥性肺炎は細菌が気管から肺の中にはいることによって起こります。免疫力の低下しているご高齢者や、脳血管障害のある方は注意が必要です。お口の中の細菌が命に関わることもあるのです。
お口の中の炎症物資が血液中にはいりこみ、関節炎や糸球体腎炎を起こすことがあります。歯周病は口腔内が常に炎症しており危険な細菌が常駐しているような状態のため、様々な病気の原因となります。
口の中の粘膜にある「口腔フローラ」は、お口の健康だけでなく全身の健康に大きな影響があるのです。
口腔内フローラのバランスの乱れは、セルフケアがうまくいっていないことで起こります。乾燥や栄養の偏り、糖質の取りすぎや、生活習慣の乱れ、ストレスもよくありません。まずは歯みがき、デンタルフロスや歯間ブラシの使用で食べかすを除去し、プラークをコントロールすることで、口腔バランスをよいバランスで保つことができます。
お口の中でなにが起こっているのか、詳しく見てみましょう。
歯みがきの目的は、食べかすとプラーク(歯垢)をとりのぞくことです。食べかすとプラークがむし歯の原因となってしまうからです。
むし歯の原因菌である細菌(ミュータンス菌)は、食べかすに含まれる糖分を分解して歯をとかす酸を作り出します。これが、むし歯です。
ミュータンス菌は、歯に強力に張りつき、このプラーク、むし歯菌の巣窟を作り出します。プラークは細菌と代謝物のかたまり。歯の表面にくっついている白や黄白色のネバネバした物質です。1mgに1億個以上の細菌が存在すると言われています。これはむし歯のリスクのかたまりと言ってもいいでしょう。
歯みがきで食べかすとプラークをとりのぞくことは、むし歯予防に効果的なんです。
野生の動物が食べる食物、草食動物の食べる植物や、肉食動物が食べる動物の肉には糖分はほとんどはいっていないので、野生の動物は歯をみがかなくてもむし歯になることはありません。人類も縄文時代までは、虫歯や歯周病は少なかったそうですよ。
むし歯菌は、お口の中に残っている糖分を餌にして繁殖します。むし歯の原因となるミュータンス菌が糖分を分解して酸を作り、その酸が歯のエナメル質を溶かしていきます
問題なのは、糖分なのです。
お口の中は、通常、「中性」に保たれています。なにか食べると酸性に傾き、唾液の働きにより中性にもどることを繰り返しています。これを脱灰と再石灰化といいます。
お口の中は、。食事をすると、ミュータンス菌が、糖分を分解して酸を作り、の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。これが脱灰です。
お口の中が健康なら、脱灰の状態は長くは続きません。唾液の働きにより、むし歯菌の作り出した酸が中和されるのです。唾液には「再石灰化」を促す働きもあります。歯の表面についた酸を洗い流し、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻してくれるのです。
お口の中に糖分を含んだ食べかすが残っていると、ミュータンス菌が活発になり、再石灰化の働きが間に合わなくなってしまいます。
食事のあと、甘いものを食べたあと、甘い飲料を飲んだあとに、歯みがきが必要なのはこういうわけなんです。食後の歯みがきは、むし歯の原因菌のかたまりであるプラークを取り除くとともに、その餌となる食べかすを取り除きます。
歯に食べかすやプラークがついたままの状態はよくありません。ミュータンス菌はすぐに活動しはじめます。食後なるべく早く歯みがきすることをおすすめします。
唾液の働きにより、お口の中が中性にもどるまで20分から30分かかるので、歯みがきはそのあとの方がいいのでは? という説もあるのですが、あまり考えすぎず、食べたらみがくと思っていれば間違いありません。
ランチタイムのあとに歯みがきはされていますか? 出先だったり、多忙だったりで、難しい面もありますが、ライオンの調査によると半数近くの方はお昼ご飯の後にも歯みがきをしているそうです。食後に軽くみがくだけ、むずかしいようならうがいだけでも、食べたままの状態よりはずっといいですよ。
就寝前の歯みがきには、プラークや食べかすをとりのぞくほかにも意味があります。眠っている間は、活動中と比べてお口の中が乾燥しやすく、むし歯菌が繁殖しやすいのです。そのため、汚れたお口のまま就寝してしまうとむし歯のリスクが一気に高まります。一日の中で最も大切なのが就寝前の歯みがきです。汚れた歯のまま寝落ちしないでください。一日の中でも念入りに時間をかけてみがきましょう。
歯みがきで大切なことは、汚れを残さないみがき方ができているかどうかです。1本ずづ、前、後ろ、側面、歯と歯の隙間に歯ブラシの毛先が触るように意識してください。歯ブラシはわしづかみにするのではなく鉛筆のような持ち方で、力をいれず、小刻みに動かしましょう。歯ブラシの毛先が届くのが大切なんですよ。力をいれてごしごしこするのではなく、一本一本の汚れを落としてあげてください。
歯みがき剤には、むし歯予防効果のあるフッ素(フッ化物)や、歯周病予防効果のある殺菌剤などの薬用成分が配合されているものがあります。自分の症状や目的に合った薬用成分が配合されている歯みがき剤を使用することで、効果をあげることができます。
歯周病が心配な方、むし歯になりやすい方、インプラントを挿入している方、お口の状態はその方によって異なります。歯科医院で、ご自分にあった歯みがき剤の選び方やおすすめ歯みがき剤を相談してみてください。
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、汚れが残ってしまいがちです。デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃器具を併用しましょう。
歯と歯の間のプラークは、歯ブラシによるブラッシングだけではなかなか取り切れません。デンタルフロスは、歯と歯のあいだに糸をとおし食べかすをからめとるようにして除去するアイテムです。フロスを前後に動かし、汚れをかきだします。デンタルフロスを初めて使った人が、フロスに血がついてきたり痛みを感じてびっくりすることがあります。これは歯ぐきに炎症が起こっているからなんです。正しくフロスを使うと、細菌数が劇的に減少し、痛みや炎症は2週間くらいでおさまってきます。
歯と歯の間のすきまが大きい場合は、歯間ブラシを使うと良いでしょう。歯間ブラシにはいろいろなサイズがあります。初めて使う方、狭くはあるが歯間ブラシがはいるくらいの隙間があるなら一番細いものから始めてみましょう。隙間が大きいなら少し太いものを使ってみましょう。ブリッジのかかっているような部位は太目のものがあうかもしれません。適切な歯間ブラシがわからなければ、歯科衛生士に相談してください。
みがき方によっては歯の表面や歯ぐきを傷めることがあります。力がはいりすぎていたり、歯みがき時間が長すぎるのはよくありません。歯の表面のエナメル質が傷ついてしまいます。また歯ぐきはとてもデリケートです。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシをあてることは大切ですが、力をいれずで優しくみがきましょう。
外出先や仕事中に歯みがきする時間が取れないときもあります。そんなときでもお口の汚れを洗い流すことを意識してみてください。
うがいをして口内の食べかすを洗い落としますでお口の中全体、歯と歯の間や歯ぐきと頬の間にも水を含んで、勢いをつけてしっかりゆすぎます。
食後にお茶や水を飲むことでお口の中をさっぱりさせることもできます。緑茶や烏龍茶にはポリフェノールが含まれていて、ミュータンス菌の繁殖を抑制したりプラーク形成の抑制効果があると言われています。
唾液の分泌を促します。キシリトールは細菌が酸をつくらない甘味料です。
人の永久歯は、親知らず4本を含めると32本。親知らずは人によって抜いたり生えない場合もあるので、健康な状態なら28本から32本備わっています。いろいろな理由から歯は失われていき、75歳以上の後期高齢者と呼ばれる年代になると16本弱となり、半数の人が総入れ歯を使っています。
30代のうちには28本の歯が機能していますが、どうして歯は失われていくのでしょう?
歯を失う理由の第1位は歯周病で、37.1%を示しています。第2位はう蝕(むし歯)で29.2%、第3位は歯の破折で17.8%となっています。年代別に見ると、40代からは、歯周病の数字が年々増えています。
歯医者は痛くなったら行くところ。そうお考えなら、むし歯のほうが身近かもしれませんね。大人のむし歯は、歯の根のむし歯、治療後の詰め物や被せものの隙間から再発するむし歯、子供と同様のむし歯に分けられます。大人には、子どものむし歯予防とはまた異なる注意が必要なのです。
歯を失う原因の筆頭は「歯周病」です。2018年に、8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査」によると、37.1%を示しています。30代で3分の2の方が歯周病の兆候があり、60代ともなれば半数以上の人が歯周病で歯を失うリスクを抱えているのです。
では年代別に注意しなければならないお口の状態を見ていきましょう。
20代の方は、お口の状態がよければ平均して28本の歯を持っています。それでも、むし歯の経験のない方はほとんどいないでしょう。
20歳くらいになれば、「むし歯の経験は全くない」という人は少ないでしょう。20歳以上の9割以上の方はむし歯になったことがあります。また、20歳以上の3割の方のお口には、治療していないむし歯があるのです。
厚生労働省の調査結果をご覧ください。20代の方の4分の3が、出血や歯石の沈着が認められ、4分の1の方が歯周ポケットが4㎜以上ある歯があるという、歯周病の兆候をしめしています。歯科の定期検診で、奥歯の歯周ポケットが深くなっていたり、その範囲が大きくなっていると指摘されたら要注意です。
健康な歯ぐきはピンク色をしていますが、赤くはれている場合は歯肉炎や歯周病の症状かもしれません。歯ぐきがぶよぶよしていたり、出血や痛みを感じることもあります。これは「歯肉炎」という歯周病の前段階です。この段階なら適切な治療で健康なお口の状態をとりもどすこともできます。
40代の方は、平均で27本の歯を保っています。歯を失うのはこの年代から急激に増加していきます。
むし歯の治療をした歯は平均で13本となり、20代の約2倍。治療していない歯も1本ぐらいはあるでしょう。40歳以上になると約4割はむし歯が原因で抜歯しなければならなくなっています。
歯肉炎から歯周炎と進行し、8割以上の人が歯周病の兆候を示しており、割合もどんどん増えていくのがこの年代の特徴です。
歯周病の前段階である歯周炎は、20代では約20%であったのが40代になると2倍の40%以上になってきます。
歯周病になると歯肉炎の症状が悪化していきます。歯ぐきが腫れて赤くなり、歯みがきの際に出血することが珍しくありません。悪化すると、膿が歯周ポケットにたまってきます。ここまで進行すると、歯の周辺の組織が侵されていき重症化します。しかしまだ、適切な治療すれば歯周病の進行を食い止めることができる可能性があります。
しかし、歯を支えている骨が侵され、歯の動揺を招き、抜歯にまで至る場合もあるのです。失われた歯はブリッジやインプラントなどで補っていかなければなりません。
60代となると残っている歯は24本から20本と減っていきます。
残っている歯のうち、平均10本以上、むし歯の治療をしたことがあります。治療せず放置されている歯もあります。この年代の人の特徴としては、むし歯の治療のために金属の被せものをしている方が多く見受けられる点です。
60代の半分以上の方々が、歯周ポケットが4㎜以上の歯があり、歯周病の危険性を示しています。60代の人の歯の数は1人平均20本。その中でも歯周炎にかかっている割合は約60%で40代の1.5倍以上となります。
適切な歯周病の治療を受けなかった人は40代の歯周炎の症状がさらに進行してしまいます。歯ぐきが赤く腫れた状態がなかなか治らず、歯周ポケットから膿や出血がでるようになります。歯がぐらぐらと動揺し、よく噛めなくなることや痛みが出ることもあります。口臭もかなり強くなってしまうでしょう。重症化して治療の効果が期待できない場合は抜歯しなければなりません。歯がない部位にはブリッジ、インプラント、部分入れ歯で補う必要があります。
そして加齢によって歯ならびに変化が起こります。歯が長くなったように見えることはありませんか? 歯が長くなったのではありません、歯ぐきが下がって歯が根のほうまで露出してきたのです。またむし歯の治療や欠損治療を繰り返し、歯並びも悪くなってきます。このような状態では、ブリッジやインプラント、入れ歯で欠損した歯を補うのは、食べるために噛むという目的のほかにも、発音や見た目を整える社会的生活のためにも必要になってきます。
80代の方の歯の平均の数は12本です。8020運動の働きかけが成功し20本以上の歯が残っている方は2割程度いらっしゃるようです。
残っている歯も平均5本はむし歯の治療をしています。治療されていない歯もお持ちのようです。
80代では歯周病にかかっている人の割合は40%と60代と比べると低くなります。これは多くは歯周病が原因で抜歯を選択し、そもそも歯の本数がすくなってしまったからなんです。歯が1本もない人も60代と比べると7倍近くになります。ご高齢者は、部分入れ歯、総入れ歯、ブリッジでお口の機能を補っている割合が高いのですが、完全に治療していない人もかなり多いのが特徴です。
木更津きらら歯科では、お口の健康からご高齢者の暮らしをサポートする、訪問歯科の体制も充実しています。
いつまでもおいしいものを食べ続けるための元気な歯は、日々の手入れから。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。そのため、「生涯、自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。ぜひ「8020」を目指してください。
仮に8020を達成できなかった方も、しっかりと噛み合い、きちんと噛むことができる義歯(入れ歯)などを入れて口の中の状態を良好に保つことで、20本あるのと同程度の効果が得られます。義歯を含めた歯で食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。
だらだら間食をとるのを、ちょっとストップしてみませんか。ここでお口の中でなにが起こっているかお話しましょう。
お口の中は、通常、「中性」に保たれています。食事をすると、お口の中のむし歯原因菌(ミュータンス菌)が、糖質を餌として酸を作り出します。この酸が、歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。この状態が長く続くと、むし歯の原因になります。これを脱灰と言います。
お口の中が健康なら、脱灰の状態は長くは続きません。ここで活躍するのは「唾液」です。唾液は、むし歯菌の作り出した酸を中和してくれる働きがあるんです。そればかりでなく、歯の表面についた酸を洗い流し、溶け出したカルシウムやリンを歯の表面に戻す「再石灰化」を働きかけます。すると、約20分から1時間かけて、お口の中は徐々に中性へ戻っていきます。
つまり、間食や甘いジュースを控えると、お口の中が中性にもどる時間ができるため、お口の中の健康が保たれるというわけなんです。
間食を控えると、ダイエットに効果がある場合もありますし、腸内環境が整うといったメリットもあります。メリハリをつけた食生活で食事をおいしくいただきましょう。
糖分がむし歯菌(ミュータンス菌)のエサとなることをご理解いただけたでしょうか。砂糖入りの飲み物を1日に何度も飲む習慣がある方は要注意です。口あたりのいい飲み物には多くの砂糖が含まれているのです。写真は市販の飲料に含まれる炭水化物を角砂糖におきかえて視覚化したものです。驚くほど砂糖が多く含まれていますね。
ちなみに木更津きらら歯科では、ふだんの飲み物は水を推奨いたします! 砂糖入りの飴やガムなどを食べることが多い、という人もちょっと見直してみてください。おいしいスイーツを我慢する必要はありません。ここでもメリハリが大切ですね!
現代人はやわらかい食べ物を好みます。1回の食事で600回しか噛まないそうですよ。昭和の初期には1回の食事に1420回噛んだそうですから、そのころから比べても半分以下ですね。※ ところが、よく噛んで食べることにはいろいろな効用があるのです。
※引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書
これはすぐご想像がつくでしょう。食べ物を細かく嚙み砕き、また唾液中の消化酵素が活発に働くので、胃腸の負担が軽くなり消化によいのです。
よく噛んで食べると唾液の分泌が盛んになります。唾液のパワーは偉大です。抗菌作用があり、むし歯や歯周病、口臭予防につながります。酸性に傾いたお口の中を中性にもどし、歯の表面から溶けだしたカルシウムやリンを補ってくれます。
食べ物を飲み込むときにはお口のまわりの様々な筋肉が複雑に動いています。よく噛んで食べることは、お口のまわりの筋肉を鍛え、年をとっても自分の力でおいしく食べて飲み込むことができるでしょう。また言葉の発音が明瞭になり、表情が豊かになるという効果もあるんですよ。
睡眠中は、唾液の分泌が大幅に減少します。歯を守る大切な働きをする唾液の効果が少なくなるのです。歯みがきでも100%汚れをとりきるということはできないわけですから、寝る直前になにか食べるのはやめましょう。寝落ちなんてもっての他です!
お口の中の健康にとっては、食事のあとに、お口の中に食べカスが残っているのが大問題なのです。お口の中の食べかすは、むし歯菌(ミュータンス菌)の餌となります。むし歯菌は、歯の表面のエナメルを溶かす酸を作り出します。歯の健康のためには、第一に食べカスを取り除くことが重要です。食後すぐに歯みがきをすれば、汚れも落ちやすいため、毎食後、食べたら歯みがき、がおすすめです。夜はフロスや歯間ブラシを使って丁寧に、外出先のランチタイムでも、さっとでもいいですから歯みがきしましょう。歯みがきができなかったらうがいだけでも。
歯みがきで気を付けていただだきたいのは、力をいれてごしごし磨かないこと。歯ブラシは鉛筆をもつように持ちかたが基本です。わしづかみにすると力がはいりすぎて、歯を傷めてしまいます。鉛筆をもつように歯ブラシを持ったら、ブラシの毛先がきちんと歯と歯ぐきの境目や、歯の表面にあたるように意識してみてください。歯と歯のあいだの隙間や、凸凹している箇所、裏側にも毛先が当たるように、歯ブラシの向きを変えたり、小刻みに動かしたりしてみましょう。1日1度は、デンタルフロスや歯間ブラシを使うといいですね。
こういった生活習慣は、昔から言われていることです。だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。
だらだら間食をしない、よく噛んで食べる、甘いものをとりすぎない、寝る前は食べない、食べたら歯を磨く。こういった生活習慣は、昔から言われていることです。この機会に、その理由をぜひ考えてみていただきたいと思います。
喫煙により歯周病のリスクは5.4倍以上高くなることがわかっています。。ヘビースモーカー、長年吸っている人ほどそのリスクは高くなります。禁煙すると、歯を支える組織の状態が良くなるため、歯周病のリスクが下がり、治療効果が上がります。
口呼吸は口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすくなります。健康のためには鼻呼吸が基本なのです。鼻つまりなどの症状があるなら耳鼻科の治療を受けましょう。また、癖で口呼吸になっている方は、お口の周りの筋肉に力が入っていないことも考えられます。「あいうべ体操」などのトレーニングもお試しください。
健康な歯と身体を守るために、ご自身の毎日の口腔ケアだけでなく、プロフェッショナルによるケアを3ヶ月に1度程度、受けることをお勧めします。セルフケアでは落としきれない歯の汚れを徹底的にお掃除することで、むし歯・歯周病を予防します。また病気の早期発見のためにも重要です。歯周病は痛みがなく進行し、自覚症状がありません。放置しておくと、知らないうちに抜歯しなければならないほど進行していることもあるのです。歯科での定期検診により早期に発見し治療すれば、改善できる病気なのです。むし歯も同じです。初期のうちに発見できれば、治療期間も費用も少なくてすみます。それには定期的に歯科医師がチェックする必要があるのです。
からだに必要な五大栄養素といえば、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5つ。このうち、カラダを動かす熱やチカラのもとになるのが炭水化物や脂質です。人間のからだを作っているのはタンパク質、ビタミン、ミネラルです。
人間は雑食動物です。草食動物のような臼歯をもち、肉食動物のような犬歯があり、草食動物と肉食動物の中間の長さの消化器官をもっています。いろいろな栄養素をバランスよくとることが大切なんですね。考え方や宗教的な理由により、食生活の捉え方も多彩にあります。まず基本の栄養素をおさらいしていきましょう。
さて歯のお話にもどりますよ。歯はいつ頃作られるのでしょうか。実は、人間の歯は、お母さんのお腹にいるころから作られ始めています。乳歯の芽である歯胚は妊娠7週目頃からつくられ、妊娠4か月頃からは、歯胚にカルシウムやリンなどが沈着し、少しづつ硬い組織になっていき、歯の形ができてきます。一部の永久歯の芽も妊娠中から作られ始めます。赤ちゃんやお母さんの健康に必要な栄養と同じように、歯の発育にもバランスのよい栄養が必要です。お母さんの食事が、赤ちゃんの歯の質に大きく影響してくるんですね。
ではじょうぶな歯をつくるための栄養素とはどんなものでしょうか? 歯の構造を見ながら見ていきましょう。
もちろんこれを摂取すればいいというわけではなく、様々な食品からいろいろな栄養素をとりいれることが大切です。一つの目安として、タンパク質、ビタミン、カルシウムと覚えておいてくださいね!
それでは、栄養素をひとつひとつ見ていきましょう。赤ちゃんの歯の形成期に栄養が大切なのはもちろんですが、大人の歯も食事でなにか変わるでしょうか。そんなところもご説明します。
タンパク質は、皮膚や筋肉、内臓や骨などを構成する主要な成分です。身体の組織と同様に、歯のまわりの、歯肉・歯根膜歯槽骨といった歯周組織にとっても大事な構成成分です。また象牙質やセメント質にも、コラーゲンという繊維状のタンパク質が含まれるため、歯の基盤をつくるためタンパク質は必要不可欠です。
タンパク質の代謝には特徴があります。歯周組織のコラーゲンは5日から6日くらいで活発に代謝します。歯根膜はたった1日と短いことが分かっています。つまり、日々の食生活でタンパク質が足りないと、歯周組織は栄養不足に陥りやすいのです。3食きちんと食べれば必要なタンパク質をとることができるとも言われていますよ。日々の食事でタンパク質をとることを心掛けてみてください。
食事に意識の高い方なら聞いたことがあるかもしれません。タンパク質の栄養価を示す指標が「アミノ酸スコア」です。タンパク質を構成するアミノ酸には、必須アミノ酸と非必須アミノ酸にわけられます。人間が体内で作ることができず、必ず食事でとる必要があるアミノ酸を「必須アミノ酸」と言い、この9種のアミノ酸がバランスよく含まれている食品をアミノ酸スコアで確認することができます。
ビタミンAは、歯のエナメル質を作る効能があります。エナメル質は人体で一番硬い組織で、歯の一番外側を覆っています。ビタミンAは抗酸化作用があり、各組織のタンパク質と結合しそれらの組織を保護します。歯の表面を覆うエナメル質を強化する性質があるため、虫歯予防にも効果があります。
ビタミンCは、歯の象牙質をつくる栄養素の1つであり、カルシウムと同じく強い歯の基礎となるものです。
また歯周組織に含まれるタンパク質、コラーゲンの合成を促し、歯をささえる土台を健康に整えます。コラーゲンにカルシウムが付着することによってじょうぶな歯が作られるのですが、コラーゲンの合成に必須の栄養素がビタミンCなのです。
歯周病の原因となる細菌は、このコラーゲン繊維を分解してしまい、歯茎の弱体化につながってしまうのです。ビタミンCには、免疫力をあげる、炎症をおさえる、抗酸化作用といった効果もあり、歯周病原因菌の感染予防や炎症の改善に役立ちます。
ビタミンDは、骨にカルシウムが付着するのを助ける接着剤のような役割があり、強い骨や歯の形成を促します。ビタミンDが足りなければ、いくら乳製品や魚や大豆を食べてもカルシウムを体内に取り込むことはできません。カルシウムはからだに取り込むために助けが必要な栄養素でもあるんです。カルシウムを多く取り入れたい場合は、ビタミンDが豊富に含まれている食物も同時に食べる必要があります。
歯のエナメル質が、様々な理由からうまく形成されないことがあります。歯の表面のエナメル質が欠けたりくぼんだりして、その下の象牙質がむきだしになり変色したりします。乳歯のときのむし歯や外傷いった局所的なことが原因の場合と、病気や栄養障害といった全身の障害が関係している場合があります。カルシウムの吸収を助ける、ビタミンD不足が関係していることも多くあります。
カルシウムは、骨や歯を構成する主要な成分です。歯の象牙質は、そのほとんどがカルシウムで形成されています。歯の表面を覆うエナメル質の再石灰化のためにも、欠かせない栄養素です。
再石灰化とは、食事でお口の中が酸性に傾き、エナメル質が溶けたときに、強い歯に修復してくれる働きです。カルシウムはこの再石灰化を助けてくれるのです。逆に、カルシウムが足りず再石灰化がうまくすすまないと、溶けたエナメル質が修復されず虫歯リスクが高まることになります。
カルシウムを取り込むためには、同時にビタミンDの多く含まれた食品をとりいれることをお忘れなく。
日本人の食事はカルシウムが不足がちな傾向にあります。丈夫な歯をつくるためには、カルシウムやリンなどのミネラルのほかに、良質のタンパク質やビタミンA、C、Dなども必要です。
食事はいろいろな食品を組み合わせて、バランスの取れたものにしましょう。また噛みごたえのあるものをメニューにとりいれることを考えてみてください。よく噛んで唾液の分泌が活発になればお口の中の衛生に役立ちますし、顎の骨をじょうぶにしたり、脳に刺激を与えて認知症予防にもなるんですよ。
歯みがきは、プラークをとりのぞくことが大切です。プラークは食べカスによって繁殖する、むし歯菌と歯周病菌のかたまりです。プラークによってつくられた酸は、歯の表面をとかし、むし歯のもととなります。
歯周病は、歯ぐきが炎症を起こしてはれたり出血を起こすものです。ほおっておくと、歯を支える骨までこわして、最後には歯が抜けてしまいます。また歯周病は、お口の中だけでなく、糖尿病や肺炎、心疾患など全身の健康に影響をおよぼすこわい病気です。
歯みがきは、お口の健康を守るためにとても大切です。歯みがきをおこたると、お口の中に汚れが溜まります。たまった汚れは悪い細菌の住みかとなります。悪い細菌が繁殖すると、生ゴミのような口臭の元となり、むし歯や歯周病になってしまいます。歯周病が進行すると全身の病気にも繋がります。そうならないように、ぜひ、しっかり歯みがきをしていきましょう。
ごしごしと力をいれてみがいても、磨き残しができたり、歯をいためたりしてしまいます。力をいれず、歯ブラシの毛先がきちんと、歯と歯ぐきの境目や、歯の表面にあたるようにやってみてください。
歯ブラシは、えんぴつを持つような持ち方をします。えんぴつを持つような持ち方は、よけいな力がはいらず、歯ブラシを小刻みに動かすことができるので、歯ブラシの毛先は歯の隙間にまで届きます。
歯ブラシは、歯の表面に、毛先を垂直にあてるのが基本。そして、軽く小刻みにふるわせながら1本1本、細かくみがくようにしましょう。
歯周病対策で重要な歯と歯ぐきの境目には、歯ブラシを45度にあててみましょう。歯並びが悪くでこぼこしている部分は、歯ブラシをたてにあててみがくなど工夫をしてみましょう。
下の前歯の裏も、プラークのたまりやすい場所。歯ブラシをたてて、歯ブラシの先のほうや、かかとと言われる部分を上手につかって、プラークをかきだすようにみがきます。
歯ブラシがあたるたびに歯ぐきが痛い、出血がある、という場合も、プラークをしっかり落とすことが大切です。
炎症で歯ぐきに痛みがある場合は、ブラシの毛がやわらかめの歯ブラシを使います。そして歯ぐきのつけねから、ほうきで履くように磨いていきます。多少出血がある場合でも、プラークがきれいにおちていれば1,2週間程度で炎症がおさまり、出血しなくなってきます。
歯ぐきのいたみがおさまったら、普通の固さの歯ブラシにかえて、徐々に小刻みにふるわせる磨き方にしていきましょう。
歯ブラシをなんとなく選んでいませんか? お口にあわない歯ブラシでごしごし強く磨いても、歯や歯ぐきをいためたり、磨き残しができたりしてしまいます。自分にあった歯ブラシを探してみましょう。
歯並びがでこぼこしていたり、磨き残しが気になる場合は、小さめのヘッドがおすすめです。すみずみまで丁寧に磨くことができます。女性は小さめサイズがあうことが多いようです。ヘッドの横幅が広いものは、歯の面をしっかりとらえてみがくことができます。ご自分のお口の状態や使いやすさで選びましょう。
当院では、予防歯科先進国スウェーデンのテペ歯ブラシをおすすめします。ヘッドが大きく、先のほうが小さいので、奥までよく磨くことができます。
ドラッグストアでは、「ふつう」「硬め」「軟らかめ」といった歯ブラシがならんでいますね。口の中が健康なときは、ふつうのものを選びましょう。
軟らかめのものは、歯ぐきにやさしいため、歯ぐきに炎症が起きているときに適しています。ただし、プラークをおとす力は少し弱くなりますので、時間をかけて磨きましょう。
汚れを落とす力が一番強いのは、硬めのものです。ですが、硬い毛の歯ブラシは、力をいれすぎると、歯や歯茎を傷つけるので注意が必要です。歯みがきは力をいれてごしごし磨く必要はありません。歯ブラシの毛先が、歯の表面や歯とはぐきの境目に触れるように、小刻みに優しく動かしてあげるのがこつです。
電動歯ブラシは、歯ブラシ部分が細かく振動してプラークを除去してくれるものです。木更津きらら歯科では、超高速振動でお口の中に水流を起こす音波水流タイプの電動歯ブラシをおすすめします。
プラークを落とす効果は手で磨く歯みがきの10倍にもなり歯周病対策にも適しています。インプラントや、治療した歯、歯ぐきの弱い方にもおすすめできます。
どんな歯ブラシが自分にあっているかわからないときは、ご相談ください。歯科医師、歯科衛生士が、患者さまのお口にふさわしい道具と歯みがき方法をお伝えいたします。
みなさんはどんな歯みがきを使っていますか? ドラッグストアでは様々な歯みがき剤が並んでいます。お気に入りの歯みがき剤で丁寧にブラッシングすることによってプラークがとりのぞかれ、つきにくくなり、むし歯や歯周病予防にとても効果があるんです。
また、色素沈着物をとりのぞいて歯の本来の白さを守ってくれたり、口臭を予防するという効果もあるんですよ。大切なのはブラッシングです。今日は、当院のおすすめ歯みがき剤をご紹介します。
こちらは木更津きらら歯科が監修した歯みがき、TOOTH & PEACEです。
TOOTH & PEACEは、からだに優しいオーガニックな成分を中心にして開発しました。敏感な粘膜でおおわれたお口の中にいれても、刺激が少なく、丁寧なブラッシングを気持ちよく行うことができます。
リラックス効果や、質のよい眠りに効果が期待される、カンナビジオールオイルを配合され。またからだによい植物由来の成分、そして菌のバランスを整える乳酸菌も含まれています。ほんのりとした優しい香りも特徴です。
刺激の強い成分のはいった歯みがき剤で、なんとなく磨いたような気になってしまうのではなく、丁寧なブラッシングの歯みがきタイムをぜひ楽しんでください。
TOOTH & PEACEのご購入はこちら
リナメルホームケアペーストは、プラークやステインをつきにくくしたいと考える方におすすめしたい歯みがきです。
リナメルホームケアペーストには、薬用成分のナノ粒子薬用ハイドロキシアパタイトが、配合されています。ハイドロキシアパタイトの効果は大きくわけると3つあります。
ひとつめは、歯の表面についた歯垢をとりのぞく効果。ふたつめは、歯の表面の細かい傷を修復し、なめらかにする効果。歯の表面が滑らかになると、プラークやステインがつきにくくなります。みっつめは、歯から溶けだしたミネラルを補う効果。再石灰化を促し、健康な歯をつくります。
リナメルホームケアペーストの、ハイドロキシアパタイトの修復作用による滑らかさは、歯の美しさにもつながります。きれいな歯を保ちたい方にもおすすめです。
高い殺菌力で、むし歯・歯周病の原因となる細菌を殺菌してくれる歯みがき剤が、ジェルコートFです。ジェル状の歯みがき剤で、発泡剤は含まれていません。泡立てて磨いたような気持ちになるのではなく、磨いている部位を確認しながら、ていねいにブラッシングをすることができます。
またジェル状のため、歯のすみずみまで、フッ素でコーティングされることになり、むし歯や歯周病予防にも効果が期待できます。うがいができる方なら、お子さまやご高齢者にも安心してお使いいただけます。
コンクールFはジェルコートFと同じ、高い殺菌力のある薬用成分が配合されたマウスウォッシュです。むし歯の発生や進行、歯肉炎の予防し、口臭予防にも効果が期待できます。水で薄めてぶくぶくうがいをするタイプのマウスウォッシュで、コスト的にもお得です。
歯みがきは、ただ磨くのではなく、プラークをとりのぞき、きちんと磨けているかが大切です。きちんとプラークをとりのぞくことで、歯周病はかなり予防できるんですよ。
お口の中は、歯の数や大きさ、強さ、歯並びなどひとそれぞれです。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
アートと医療の関係というと、闘病中の患者さまの心の癒しにつながる作品の掲示や、患者さまご自身の芸術体験を治療につなげるセラピー的な治療技法が思い浮かびます。実は、アートと医療の関係はそれだけにとどまらず、世界的に多彩な広がりを見せているんです。
2018年、カナダの美術館と医師会が提携し、治療の一環として美術館訪問を処方するという試みが行われました。2019年には台湾の博物館が台湾市立連合病院を連携し、認知症の方と介護にあたられている方に「博物館処方箋」の発行をはじめました。日本では東京都美術館が認知症の方を対象にした鑑賞プログラムを行っています。
東京都美術館のアート・コミュニケーション事業
「Creative Ageing ずっとび」
英国では、政府の戦略の元に、医療の場で美術・音楽・演劇や工芸・写真などの様々なアート活動がArts in Healthという概念で行われています。歴史的には、第2次大戦後に負傷者の慰安のために行われた楽器演奏を率いたプロジェクトが最も古いArts in Healthの活動と言われています。その後、病院内の壁画や美術作品の掲示、ダンスや音楽を用いたアート活動が広がり、その効果の検証も行われています。
大学の付属病院では、病院であると同時に研究・教育機関でもあるからか、アートをとりいれる事例が多くみられます。
子供たちが長い通路を歩いて不安を感じないように、ストーリー性のある壁画をとりいれています。
子供たちが苦手なCTスキャナ検査室を、海底探検に見立てて緊張感を解きほぐすデザインで設えています。
病室に閉じこもりがちなご高齢の患者さまが、病室から出るきっかけとなったのは自然の風景の大絵画でした。
学生による展覧会や舞踊公演、患者のための造形ワークショップ、壁画制作、患者と職員のコミュニケーションの可視化など、幅広いアート活動を展開しています。
このように、世界的に医療の場にアートをとりいれる研究が進んでいます。毎日の生活にとりいれることもできます。美しくお気に入りのアートを一つ置くことで、そのまわりを自然ときれいにしたり、お部屋を居心地よく整えたりしたくなります。気持ちの持ち方や、身だしなみ、食生活が変化していく人もいます。自分と、自分の暮らしを大切にする意識が高まり、ご自身の健康にも注意が行き届くようになります。
その結果、歯みがきやむし歯・歯周病予防の意識も高くなるというわけなんです!
画家の金子國義氏に師事後、1998 年から画家としての活動を開始。キャラクターデザインや空間美術、 各企業とのコラボレーションなど多方面で活躍しながらも、画家として描き続ける姿勢は、「画狂人・葛飾北斎」にも近いと言われている。
京都名刹妙光寺の襖絵、河口浅間神社で奉納式が行われた「富士山龍神降臨図」を製作。三谷幸喜脚本 連続人形活劇「新・三銃士」(NHK)でキャラクターデザインを担当し、放送文化基金美術個人部門賞受賞。
口の中がかわいて、ネバネバした感じがします。舌が張りつくように感じたり、唇がくっついて開けにくくなったりします。ドライマウスの状態になっていると、乾いたものが食べにくい、話しにくい、口内炎ができやすくなる、口臭が強くなるなど、生活にも不便さを感じるようになります。
健康なお口の中は、唾液で潤っています。唾液にはいろいろな役割があります。
唾液にはこんなに様々な働きがあるのです。ドライマウスの状態は、むし歯を防ぎ、消化を助け、免疫機能をもつ唾液が働かなくなるということなんです。
ではドライマウスはどんな不調を引き起こすのでしょうか。
口が乾くというだけでなく、細菌の繁殖によりむし歯や口臭、誤嚥性肺炎のリスクまで高くなってしまうのです。
年をとると口が乾きがちになることが多いのですが、生活習慣も関係しています。過剰なストレスや喫煙は唾液の分泌を低下させます。服用されているお薬の副作用も考えられます。口呼吸をしているとお口の中が乾いてしまうのはご想像いただけますよね。糖尿病や腎不全といったご病気はドライマウスを起こしやすくなります。またずっとパソコンやスマホに向かっていて、会話をする機会が極端に少ないと唾液がでにくくなったりもするんですよ。
生活習慣に起因するドライマウスでしたら、ご自身で改善することができます。
木更津きらら歯科では、訪問診療の際に、唾液腺や歯ぐきのマッサージ、口の筋肉や舌の運動といったことをお教えしています。また口腔内の菌質を整える「L,ロイテリ菌」タブレット、Bio Gaia プロデンティスをご紹介しています。
口の周りの筋肉が衰えると、免疫系がうまく働かなくなったりお顔がどんよりしたり、いいことありません。お口のまわりの筋肉を鍛えるとどんな効果があるのでしょうか?
口呼吸をしてしまうのは、舌やお口のまわりの筋肉がたるんでいることが原因です。口をあけて呼吸する習慣は、免疫異常をもたらし口臭が強くなりやすいのです。のどや鼻の粘膜に負担がかかり口腔内に雑菌が繁殖し、免疫系の働きが阻害されます。お口のまわりの筋肉を鍛えることで、鼻呼吸が楽にできるようになってきます。
お口のまわりの筋肉を鍛えることで、表情が明るくなりますよ。引き締め効果やリフトアップ効果が得られます。顔や首の血行が促進されるため、むくみの解消にもつながるんです。
舌の筋肉には、脳に直接つながっているものがあります。舌を動かすことは脳を刺激することになるのです。脳の血流をアップさせ脳を刺激し、活性化します。
「かみしめ」や「食いしばり」までいかなくても、お口のまわりに不自然に力がはいって上の歯と下の歯が接触する癖のある方がいらっしゃいます。この癖を”Tooth Contacting Habit”(歯列接触癖)、TCHといいます。顎関節へ負担がかかって、知覚過敏や、歯や被せものの破損につながりかねません。あいうべ体操は、お口のまわりの筋肉を鍛えると同時に、筋肉をリラックスさせてくれる効果もあるのです。
お口の周りの筋肉を効果的に鍛えるストレッチをご紹介しましょう。
(1)~(4)を1セット、これを1日30セットやってみましょう。大きく口を動かし、ゆっくりと行うのがポイントです。痛みのある方はできる範囲でかまいません。お風呂にはいったときでもお試しください!
くしゃみや鼻水が止まらなくなったり、目や肌がかゆくてたまらなくなったりする花粉症。それだけでもつらいのに、花粉症の症状と同時に、歯の痛みを感じる方も、実は少なくないのです。それは鼻の周りの空間、副鼻腔の炎症が関係しているのです。
鼻の穴の中のことを「鼻腔(びくう)」といいます。鼻腔のまわりには、骨で囲まれた空洞部分が左右それぞれ4個ずつ、合計8個あり、鼻腔とつながっています。 この空洞部分を「副鼻腔」といいます。
鼻腔では、粘膜のひだによって、吸い込んだ空気を温めたり加湿したり、ほこりを取り除くといった役割を担っています。
副鼻腔は、顔、頭の骨の強度と形を維持しながら骨の重量を軽減しています。顔面への衝撃をやわらげたり、鼻粘膜の乾燥予防や空気ろ過に関わっていると言われています。副鼻腔の粘膜の線毛はウイルスやホコリを除去して外へ追い出す働きを行っています。
副鼻腔炎は、この鼻腔に細菌が感染して炎症が起きている状態です。花粉症で鼻の炎症が起きると、上顎に近い副鼻腔の粘膜が腫れることがあります。
炎症を起こした副鼻腔の粘膜が腫れて、上の奥歯などを圧迫して痛みを感じることがあります。これが花粉症による歯の痛みの正体です。むし歯とは原因が異なる痛みです。
副鼻腔炎が原因で歯痛を感じ場合、むし歯や歯周病とは異なる特徴があります。
その痛みがむし歯によるものなのか、副鼻腔炎によるものなのかは、レントゲンやCTの撮影で診断します。もしむし歯で痛みが出ているのなら、神経を抜くような治療(根管治療)が必要なくらいまで進行していることが考えられます。
原因が副鼻腔炎なら、抗生物質の服用で炎症が治まれば改善されることが多くあります。原因が特定されれば耳鼻咽喉科の診察を受けるなどの対策をたてることができます。
お口の中に残った食べカス。虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、水には溶けないネバネバしたプラークと呼ばれる物質をつくり、食ベカスの糖分を分解して酸を作り出します。その酸によって歯のエナメル質からリンやカルシウムが溶け出すことを「脱灰」と言います。
お口の中で唾液が正常に働いていれば、唾液の中のリンやカルシウムは歯の表面のエナメル質に戻ります。これを「再石灰化」と言います。酸性に傾いたお口の中が、唾液の緩衝作用によって徐々にもとにもどっていくのです。
お口の中に残っている食べカスは、歯を溶かす酸を作り出すミュータンス菌の餌になります。歯を守るためには、まずは食べカスを取り除くことが大切なんです。食後すぐに歯みがきをすれば、汚れも落ちやすいのです。
毎食後、食べたら歯みがき、がおすすめです。
お仕事中、ランチの後に「昼歯みがき」をすると、歯の健康のためだけではなく、リフレッシュ効果やコミュニケーションにもよい影響が現れます。「昼歯みがきを実践してどうでしたか?」歯みがき剤で知られるライオン株式会社の調査によせられた声をご紹介します。
歯の健康にはもちろん、リフレッシュや眠気対策、口臭対策によりコミュニケーションに積極的になれるなど、働くうえでのメリットを実感しているようです。さらに、間食が減った、美意識が向上したという声もありました。
ライオンの調査によると、「昼歯みがき」を習慣化していたのは4割強の方々。6割近い方がお昼ご飯のあとに歯を磨くことはしていません。多忙、面倒、歯みがきをする場所がない・・・ など理由は様々です。「やる気はあるけれど、なかなか実行できない」「以前はしていたけれど、挫折してしまった」という声もありました。心当たりの方も多いのではないでしょうか。
本当は、食事のあとだけではなく、なにか食べたら磨くのが一番いいのです。とりわけ、甘いおやつには砂糖が多く含まれているので、むし歯のリスクも高くなるのです。
時間をかけて歯みがきするのは一日1回としても、食後に軽く磨くだけでも効果はあります。ぜひマイ歯ブラシをご用意ください! それもハードルが高いようでしたらうがいをするだけでもしないよりはずっといいですよ!
★木更津きらら歯科
千葉県木更津市築地1-4 イオンモール木更津2階
TEL:0438-37-6487(みなむしばなし)
12月30日〜1月3日までの5日間
9:00-17:00
さて、お正月といえばお餅です。なぜお正月にお餅を食べるのでしょうか? と言いますのも、お正月休み中に、つめものがお餅にくっついて取れてしまう方が時折いらっしゃるのです。お正月早々、あせりますよね。もしお正月休み中に、つめものがとれてしまったら、次のことに注意してお過ごしください。そして放置せずなるべく早く歯科医を受診してください。
不便ですが、できるだけ詰め物が取れた歯を使わないで食事をしてください。他の歯に負担がかかり、他の歯も欠けたり割れたりすることになってはいけません。なるべく軟らかいものを食べるようにしましょう。
熱いものや冷たいものは、しみることがあります。
無理におしこんだり、接着剤でくっつけようとしないでください。歯や歯ぐきを傷めたり炎症の原因になりかねません。
詰め物はとっておいて、受診時にお持ちください。再度装着できるかもしれません。
詰め物がとれてしまったところを放置していると、熱いものや冷たいものといった刺激で痛みを感じたり、神経や周辺の組織を傷めたりします。放っておかず、すぐ歯科医を受診してください。
お正月にお餅を食べる風習が、いつからはじまったのかは、さかのぼるとあまりよくわかっていないそうです。
ただ平安時代には、正月に、1年の健康を祈って堅いものを食べる儀式「歯固めの儀」があったと伝えられています。鏡餅、栗、かや、大根、串柿、かぶ、するめ、昆布などを食べたそうです。堅いものを食べることができる歯が、健康につながると、平安時代の人も経験的に知っていたのかもしれません。
お正月早々、歯でお悩みになることになってしまった方、2023年はよい年になりそうですよ。初夢占いでは、「歯」の夢は転機を表すのだとか。詰め物がとれてしまうのはそれまでのやり方があわなくなってきたことを意味するのだそうです。きちんと治療して、新しい年を始めましょうね。
昭和50年代にはいって、現在のような歯周病治療が行われるようになりましたが、それも大学病院や限られた歯科医療機関のみでのこと。この歯みがきのCMは当時かなり画期的だったと言えそうです。
歯みがきの際に、軽く出血が見られる程度なら、フロスや歯間ブラシを使ってきちんと歯みがきすることで、歯ぐきがひきしまり基本的には健康な状態にもどっていきます。歯と歯ぐきの境目にプラークがたまっていないか、たまっていたらきれいにとりのぞくために、歯科定期検診をぜひご活用ください。
今日は歯周病ではなくりんごのお話です。“An apple a day keeps the doctor away.” イギリスには「1日1個のりんごを食べていれば医者にかからなくて済む」ということわざがあるそうなんですよ。
りんごのほとんどの成分は、水分です。そして角砂糖14個分ほどの糖質を含みます。風邪をひいて熱があるときには、食欲がなくなり、小さい子供さんは低血糖の状態になりやすくなります。りんごの水分と糖質は、エネルギーの補給源として役に立つのです。
りんごには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。腸の働きを整え、便の排出を助けます。お通じがよくなるんですね。食物繊維は善玉菌の増殖を促すため、腸内環境の改善も期待できます。すりおろしたりんごは赤ちゃんにも優しく作用してくれます。
りんごに多く入っているカリウムには、ナトリウム(塩分)を体外に排出する作用があり、この働きが血圧の上昇を防いでくれます。また、りんご繊維の一つであるペクチンも同じような働きをします。
りんごに含まれているビタミンC等は、鉄分の吸収を高めます。ジュースにしたリンゴは胃液の分泌を促し、鉄分の吸収を助けてくれます。また、リンゴ酸をはじめとする有機酸は、貧血の予防に効果があります。
りんごには、ポリフェノール成分が多く含まれています。りんごポリフェノールは、動脈硬化を抑制する作用、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を抑える作用、むし歯の原因となる歯垢形成酵素の働きを阻止する作用、肌を白くする作用などが知られています。皮に近いところにも多く含まれていますよ。
弥生時代から現代まで、1回の食事で噛む回数は変わってきたのか? 面白いことを研究された方がいらっしゃいます。神奈川歯科大学元教授の齋藤滋先生と食文化史研究家の永山久夫先生です。学生さんが被験者となり、それぞれの時代の食事を食べてもらい測定したそうです。すると驚きの結果が・・・!
引用:『よく噛んで食べる 忘れられた究極の健康法』齋藤滋、生活人新書
現代の私たちは1回の食事につき600回程度しか噛んでいないのですね。数字としてあらわれると明確です。
「噛む力」が弱くなる要因のひとつは、軟食化の傾向です。日本医師会が8月に1万人の方を対象に行った調査でも、現代人は硬い食べ物を避ける傾向にあると明らかです。
日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」2022年11月7日
全体の2人に1人が「硬い食べ物より柔らかい食べ物が好き」(47.0%)、4人に1人が「子どもの頃から硬い物を食べる習慣があまりなかった」(25.1%)と答えました。
特に若い人の回答に少し驚きました。70代より、10代のほうが、「軟らかいものが好き」と回答した人が多かったのにはちょっとびっくりです。また10代の半数近くの方が、食べこぼしや滑舌の悪さなどの口腔機能の問題を経験しているのだそうだです。「硬い物を食べるときに噛み切れないことがある」のも10代が一番多いです。「食事で噛んでいると顎が疲れる」とおっしゃる方も半数以上いらっしゃるのです。
日本人のお口の中に何が起こっているのでしょうか? 若い人の口腔機能はもしかしたら私たちの思っている以上に未発達なのではないでしょうか。
「噛む力」の低下は、口のまわりの筋肉や顎の骨の未発達につながり、歯並びの乱れや顎関節症を起こすリスクとなってしまいます。食物繊維が多く含まれている歯ごたえのある食べ物や、肉などよく噛んで食べる必要があるどタンパク質を多く含んだ食べ物の摂取量の低下につながり、栄養の偏りやひいては運動機能の低下にもつながっていきます。
日本歯科医師会が1万人の方を対象とした「歯科医療に関する一般生活者意識調査について」という調査結果を発表しました。
「歯科医療に関する一般生活者意識調査について」
90%以上の方が、全身の健康維持とお口や歯の健康は関係あると認識していらっしゃるのに、具体的にどういうことなのかいまひとつ明確な知識をお持ちでないという結果が明らかになっています。
ひとつまえの記事では「循環器」「感染症」「認知症」についてご紹介しました。今日は、「糖尿病」「唾液」「自分の歯」のお話です。
糖尿病になると歯周病になりやすく、歯周病になると糖尿病になりやすいのです。歯周病の治療をすると血糖コントロールが改善するという研究成果も数多く報告されています。
糖尿病は、『インスリンの作用不足が慢性高血糖の状態をおこし、特有の合併症や動脈硬化を進行させる病気』です。糖尿病の合併症としては、目の病気、神経の障害、腎臓の病気、動脈硬化、心筋梗塞や脳卒中がよく知られていますが、歯周病は「第6の合併症」とも言われており、糖尿病の方は歯周病の進行が著しく早くなるのです。
一方で、歯周病が糖尿病のリスクを高めることもわかっています。歯周病に感染し毒素が体内に侵入しやすい状態になっていると、からだが毒素を排除しようとしてインスリンの作用を妨げる悪玉物質を作ってしまうのです。
逆に、歯周病をきちんと治療すると糖尿病も改善するケースがあることが明らかになってきました。
全身の健康に大きく関係のあるお口の中の働きものが、「唾液」です。唾液には多くの成分が含まれています。食事で酸性に傾いたお口の中を中性にもどしたり、歯の脱灰を修復したり、病原菌の感染や侵入を防ぐ抗菌作用もあります唾液には様々な機能があります。
唾液は健康的な唾液はとてもさわやかですよ。
20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。食べ物をしっかり噛むことができれば全身の栄養状態も良好になりますし、よく噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減するという調査結果も出ています。
高齢になり20本の歯を保てなかったとしても、お口の中の状態を大切にして、自分にあった義歯(入れ歯)などを使用しすることで20本あるのと同程度の効果が得られます。高齢社会においては、健康寿命を延ばすためにお口の健康はとても大切なんです。
日本歯科医師会が1万人の方に行った調査によると、ほとんどの方が、歯やお口の健康は全身の健康維持と関係があると認識していらっしゃいます。ですが、具体的にどう関係あるかということになると、ぴんときていらっしゃらない方が多いようなんです。
調査の設問のキーワードとなる言葉のうち、「循環器」「感染症」「認知症」についてご説明します。
歯を磨いていて歯ぐきから出血したことがありますか? 血がでるということは血管が壊れているということ。細菌はそこから血液にはいりこみ、血流にのって、数秒で心臓に届くと言われています。
むし歯の原因菌のなかには、歯に強力に付着してプラークを形成するものがありますが、この菌は臓器に対しても付着してしまうのです。血管内の細胞に付着したプラークが血管を狭めたり、心臓弁膜症の治療中の方の人工弁や、関節リウマチを治療中の方の人工関節にくっついて細菌の巣となってしまいます。口の中の細菌が、循環器、呼吸器、消化器などに慢性炎症の原因となってしまうことがあるのです。
舌磨きなど口腔内を清潔にすることで、インフルエンザへの感染リスクを下げることができます。口腔内を清潔にすることで、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを軽減できる可能性も考えられています。特に危険なのは歯周病です。細菌の温床となり、ウイルス感染のリスクが高くなってしまうのです。
よく噛むことは脳の働きを活発にすることがわかっています。よく噛み、脳血流量を増やすことで、認知症の予防につながることが期待されています。逆に、重度の認知症の方はお口の中の状態が悪く、自分で噛むことができない状態が目立つのです。また歯を失う大きな要因である歯周病菌が、アルツハイマー型認知症の原因となることもわかってきました。介護の現場では、歯がない人は認知症の進行が速いようだと認識されていると言っていいのではないでしょうか。歯の本数が多い人ほど認知症になるリスクが少ないという調査結果もあるのです。
むし歯がないのに、歯の表面が広く傷んでいる患者さまが時折いらっしゃいます。お聞きしてみると、コーラや炭酸水を好んで飲まれていたり、晩酌でレモンサワーやハイボールを飲む習慣がある方でした。コーラや炭酸飲料、レモンに含まれている「酸」が、歯の表面を溶かしていたのです。
歯は皆さんが思っている以上に酸に弱く、「酸っぱい」と感じる程度の酸性度の飲食物でも、長く触れていると簡単に溶けてしまうのです。
酸蝕症にかかった歯は、むし歯とは違う特徴があります。酸で歯のエナメル質が溶けるという現象自体は同じなのですが、それが歯全体に起こったらどうなるか想像してみてください。
食生活が変化し、お口の中が酸性に傾きやすい傾向があるようです。その原因のひとつとして、スポーツ飲料や清涼飲料水の過剰な摂取が言われています。暑い日の水分補給のためにはナトリウムなどを含むスポーツ飲料が助けになりますが、過剰な摂取もまたよくないという、なかなか悩ましい問題でもあるのです。
酸性の食べ物をとってはいけない、ということではありません。梅干しをおやつがわりに一日何個も食べるとか、グレープフルーツばかり食べるといった、極端な食べ方、飲み方をするのはやめましょう。食後のうがいや歯みがき、だらだら食いをしない、お口の中を中性にもどしてくれる唾液の働きを意識するといったことで、お口の中の健康を守りましょう。
私たちはまず目の前のものが食べ物か認識します。そして一口で噛んで飲み込めるかどうか判断します。食べ物をお口の中にいれると歯の力が噛み砕いたりすりつぶしたりしてやわらかくしてくれます。やわらかくなった食物は舌によって喉の入り口まで運ばれます。鼻との交通を遮断したり、気道を守るといった複雑な動きが起こりへんなところにはいってしまわないように防ぎながら、食べ物は食道を通り胃へと送り込まれるのです。
自分の力で食べ物を噛んで飲み込むためには、様々な機能が健康的に働いているのです。ではそれは、どんな機能でしょうか?
これをロボットで再現しようとしたらたいへんなことになりそうですね!
さて、一方、食べ物が誤って気管や肺に入ってしまったらどうなるでしょうか。口腔内の様々な機能が正常なら、激しく咳き込んで、誤嚥物を吐き出そうとします。ところが年をとってお口の中の筋肉や機能が衰えてくると、むせたり吐き出したりといったことができなくなります。そうなると、見た目では、誤嚥しているかどうかわかりません。
誤嚥がこわいのは、細菌もいっしょに肺にはいってしまうことが多いからなのです。誤嚥性肺炎は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のような外部から侵入する細菌ではなく、元から口腔内や鼻腔に存在している常在菌による肺炎です。熱やせき、濃い色の痰などの症状がみられますが、倦怠感や食欲不振といった形で現れることもあります。重症化すると命の危険にかかわることもあります。
誤嚥性肺炎は、お口の中の機能が低下している可能性のある、ご高齢者や、神経疾患を抱えている方に多くみられます。また口腔内の常在菌が原因であることが多いため、お口の中を清潔に保つことがとても大事なんです。
肺炎と歯医者が関係あるの? とお思いですか? 歯医者の仕事は、むし歯や歯周病を治すだけではありません。お口の中の機能をトレーニングしたり、お口の中を清潔に保つお手伝いをすることが、ご高齢者の誤嚥性肺炎の予防につながる面もあるのです。
木更津きらら歯科の歯科衛生士は日本摂食支援協会の実習を修了し、ご高齢者のお口のトレーニングや、口腔内の衛生のための支援を行うことができます。ご高齢者のご自宅へうかがう訪問歯科も行っています。
暑い日が続き、なんとなく疲れがとれない、食欲がないといった体調不良を感じることがあります。それをなんとなく「夏バテ」と呼んだりしますね。そもそも夏バテとはなんでしょうか。
夏の体調不良の原因のひとつは、室内と屋外の温度差があげられます。近年は体温より高い猛暑の日もあり、冷房なしでは暮らせません。汗をかくなどのからだの調節機能を担う自律神経に負担がかかっているのです。自律神経がうまく働かなくなると様々な不調が起こります。
さわやかないい汗ではなく、ベタベタした悪い汗をかいてしまいます。
消化器の機能が低下し、食欲がなくなってきます。吐き気を催すこともあります。
身体の調節機能がうまく働かず、疲労感が蓄積します。
熱帯夜が続くと寝苦しさからぐっすり眠れなくなり、睡眠不足が体調不良を招きます。
発汗により体内の水分やミネラルが不足気味になります。鉄分の不足で貧血を起こすこともあります。
夏バテの症状はお口の中の状態にも現れます。発汗して脱水症状気味になると、唾液の分泌が減少してお口の中がねばねばと乾燥した状態になります。お口の中の健康のためには、唾液はとても重要なのです。唾液には抗菌作用があり、酸性に傾いた口腔内を中性にもどし、食べかすやプラークを洗い流してくれるのですが、お口の中が乾燥すると、その機能が働きにくくなるのです。
また疲れがたまると免疫の力が落ちてしまいます。歯ぐきの炎症が起こりやすくなり、歯周病の進行を許し、むし歯も悪化してしまいます。夏バテは、むし歯や歯周病を進行させる原因にもなってしまうんです。
ところでスイカは、90%以上が水分で、糖分やカリウム・カルシウム・マグネシウム等のミネラルを含んでいます。暑い夏にスイカをおいしく感じるのは、わけがあるんですね!